12/04 もりもより先生インタビュー 孤独に生きる寡黙な竜×居場所を探す人間の人外嫁入りファンタジーBL♥コミックス『イグナートの花嫁 1』
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2024/10/27 17:00
BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3805回
とらのとら/みずかねりょう/二見書房/シャレード文庫
小説『結婚したら海のそばに住もうね』10月24日発売
サイン本プレゼントあり! 詳しくはインタビュー後に!
STORY
器用で明るく人気者な千宙と、引っ込み思案だが素直な菫。同性婚ができる現代で出会った、正反対なふたりのじれったい恋愛譚! 同性婚の成立から約二十年。大学の入学式で菫に一目惚れをした千宙は、持ち前の人当たりのよさで距離を縮め、秩父から青山に通う菫の相談をきっかけにルームシェアまでこぎつける。嫌われたくない。でも大好きで、恋人になりたい。菫を一途に想う千宙と、「好き」の種類をゆっくり確かめている菫の恋模様の行方は…!? 片想い、ルームシェア、就職、遠距離――そして結婚。きらめく恋愛と揺れ動く人生をぎゅっと詰めた、もだキュン初恋BL!
――作品紹介をお願いします
『結婚したら海のそばに住もうね』は大学の入学式で出会った主人公カップル千宙と菫が、友人期間を経てつき合い、卒業就職し結婚……というストーリーです。
大事件もさほど起こらず、こうして書き出してみると「普通!」という感じなのですが、わたしは昔からキャラクターの人生が普通に進んでいく話や、寝て起きて食べて……という何気ない生活の話を書くのが好きなので、かなりノリノリで書けました。ノリノリすぎて最初担当さんに申告していた締め切りよりも大幅に早く書けてしまい、後日の打ち合わせで「早いと思った」と言われたくらいでした。(せっかちなので早く! 早く! で進めてしまう……)
あとは古い建物に住む話も大好きなので、千宙と菫にもわたしの理想のおうちに住んでもらっています。
――主人公たちはどんな攻×受ですか?
攻の千宙はいわゆる「スーパーダーリン」のような優しさと器用さがあり……と思ったのですが、頼りになるけど優しすぎて八方美人になる傾向があり、それで自分の首を絞めるところがチャームポイントだと思っています。一目惚れした受の菫のことがとにかく大好きで、菫が嫌がることは絶対にしない! 合意がない限り触らない! という誠実さもお気に入りポイントです。合意の鬼、令和のスパダリ(キャッチコピー)。
受の菫はおっとりのんびりゆるふわで内気、と思って書き始めたのですが、蓋を開けたらけっこうがんばり屋で芯が強いところがありました。千宙に菫の好きなところを聞いたら、きっと「素直」があがってくるだろうな……というくらい裏表もなくて、いい子だと思います。よろしくお願いします。親みたいなことを言ってしまいました。
――当て馬や重要な脇役は?
千宙と菫の同級生、友人カップルの悠太くんとレナちゃん。書いていてすごくお気に入りのふたりになったので、読んでくださった方にもふたりのことを好きになってもらえたら嬉しいな~と思います。レナちゃん、途中で一度「男の子にする?」という話が出たのですが、女の子のままになりました。結果、それでよかったな~と思います。
――今作のこだわりはどのあたりでしょう?
こだわりというと少し違うかもしれないのですが、攻が受に一目惚れでベタ惚れという設定に負けないくらい、受も攻にめろめろな感じを出したいと思っていました。どちらが優位とかではなく、尊重して想いあっている感じです。他の登場人物もみんな「人間のいい面」をクローズアップするというか、性善説が強い世界観になっています。人間裏も表もあるかと思いますが、そういう部分は初校でちょっと直したりして、いろんな人生があるけれど、生きるのってやっぱり幸せだよね! という爽やかな雰囲気を意識しました。
――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
苦労というわけではないのですが書いているうちに長くなってしまったので、これどこか削らないと……削るならどこだ……? と考えて、結果どこも削れない感じでした。
担当さんが「長さのことは気にしないで一度好きに書いてください!」と言ってくださった時、え、心広……! と思いました。本当に好きに書きました……。ありがとうございました。
楽しかった点は、全部楽しかったです! 千宙と菫に関わる脇キャラを書いている時、ふたりはいろんな人が生きている世界の一部なんだな~……そんな中で恋人同士になってよかったね……みたいに思えて、そんなところが特に楽しかった気がします。
――今作にまつわる裏話はありますか?
あとがきにも書いたのですが、「同性婚ができる日本」という舞台設定は最初からバシッと決まっていたわけではなく、ただふんわりと当たり前に同性で結婚、または結婚ぽいものができるようだ……くらいの世界観でした。
そこからはっきりと「制度として同性婚ができる」という世界だと決めてから、主人公二人を取り巻く人たちの立ち位置も少し変わったような気がします。
タイトルも、この世界じゃなかったら違うものになっていたと思うのですが、どんなタイトルになったんだろう? ちなみにわたしが一番最初に仮でつけていたタイトルは「青春と人生のすべて」で、このフレーズは本文にも出てきます。
――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
作中、舞台が東京から熱海に移るのですが、わたしも書いている途中に熱海に行きました。海が見えるって最高! わたしはよく「登場人物が住んでいる家」ありきで話を作ることがあるので、熱海には味のあるレトロな建物がたくさんあって、かなり妄想がはかどりました。憧れの秘宝館にも行けて感激でした。また絶対行きたいし、なんなら住みたいですホントに……。
――今、何かハマっていることは?
プロ野球観戦とタロット占いが趣味です。あと神社仏閣も大好きで、暇さえあれば神頼みというか、年始も東京の有名な神社で「心願成就」のご祈祷を受けています。
初めて電子書籍になった作品を書いた年、「作家になれますように~!」とお願いして、お礼参りも兼ねて今年の年始に「紙の本が出せますように~!」とお願いしたら実現しましたので、やはりお祈りすることで行動に弾みがついていいんだろうな、と思っています。叶うというか、叶えにいく動きをするようになるというか……。
――BL作家になったきっかけを聞かせてください
昔から文章を書くのが好きで、学生時代から二次創作やオリジナルBLを趣味で書いていました。二次創作の読者の方に「プロにならないんですか?」と聞かれて(エッ、もしかしてわたしいけるんかな!?)と、ちょっとその気になってしまい、オリジナルを書いて公募に出すようになりました。ずっと作家には憧れていたので、いいタイミングだったのかもしれません。
書くのが好きであんまりめげないので、いくら落ちても、返事がもらえなくても気にせずに「次! 次!」とどんどん新しいのを書いていろんなレーベルに送っていたらシャレードさまに電子書籍で採用していただいたのがきっかけです。
学生時代の個人サイトの頃から読んでくださっている方がイベントに同人誌を買いに来てくれて、その時に「いきなり商業で驚きました」と言われて「わたしも~!」となりました。わたしもびっくり~!
――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?
本屋さんに並ぶ紙の本を出すのがずっと憧れだったので、夢が叶って嬉しいです。
千宙と菫は書いていくうちにどんどん愛着が出てきて、とってもお気に入りのふたりになりました。初めての本を千宙と菫で書けてよかったな~! と思っています。
みずかねりょう先生にすてきな表紙と挿絵を描いていただけて、わたしは登場人物の顔は書いている間あんまり浮かんでいないので、表紙イラストを見て初めて千宙と菫に会えた気分でした。
「ふたりともこんな顔なんだ~!!」と知ることができて、そこも嬉しかったです。
――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
大好きなボーイズラブで本を出すことができて幸せです! また読んでいただけるように、楽しんで書き続けたいと思います。これからもよろしくお願いいたします♡
◆担当編集より
『結婚したら海のそばに住もうね』は、タイトルの通り、海のそばに住むことを約束した菫と千宙が幸せになるまでの物語です。
出会って恋をして、友だちから親友になって、それから……と、順を追って進んでいくピュアな恋愛をお楽しみください。
そして今作は、「同性婚ができるようになり、それが浸透しきった世の中」を舞台にしています。
産まれた時から同性間での恋愛・結婚を当たり前として育ったふたりが、どのように互いを想う感情に気づいていくのか、名前をつけるのかも必見です!
インタビューでとらの先生がおっしゃていたように、攻めの千宙は令和のスパダリ。
何をするのにも、決めるのにも菫の同意を取ります。というか、菫くんの意向を聞くことが幸せ、みたいなところがあり!
菫はそれを、最初は「なんで千宙はこんなに優しくしてくれるんだろう?」と不思議に思……いもしますが、だんだんと愛される自信も身に着けます。
とてもハッピーなラブラブ♡BLですので、安心してお手に取っていただけますと幸いです!
ホーリンラブブックス限定:著者コメント入りブロマイド
コミコミスタジオ限定:SS小冊子『ミルクティー』/本編その後のお話。海のそばに住んだふたりは車を買おうとしていて……。
電子書籍限定:描き下ろしSS『すみれくんのおてがみ』/本編中のお話。小さな菫くんは字が上手で、よくおてがみを書いていて……。
『結婚したら海のそばに住もうね』と同じく、同性婚が可能な日本を舞台とした長編群像劇BLも配信開始!
『東雲虎雄は片想いを知らない』
“きみは本当に、甘いシロップで満たされているみたいだ。"
バスケ部次期主将、誰からも好かれる男の恋。その恋路は、確かに周りをかき乱し――。
片想いの幸福と痛みが詰まった、恋愛×青春群像劇!
バスケ部のエース、虎雄と弓道部唯一の部員、禮一郎。虎雄が誘い下校を共にするようになってから、ふたりの関係はゆっくり進展中。元バスケ部で虎雄とは訳ありのヤンキー・薫や、禮一郎の兄である清士郎、虎雄の悪友・勇也など、友人たちと過ごす青春は楽しい。そして、お互いを想い合う虎雄と禮一郎の恋路は、甘やかで幸せなもの。でも、虎雄を好きなおれは、そんなあなたを好きなぼくは、いったいどうしたらいいの? 長編群像劇BL第一弾。
ラ・ロズレ先行配信:10/25~
コミックシーモア先行配信:11/15~
他電子書店:12/1~
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