鯛野ニッケ先生インタビュー

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鯛野ニッケ先生インタビュー狡くて優しい脚本・演出家×声が出せなくなった若手俳優のとろける救済BL♥コミックス『メルティホワイトアウト』

2024/10/01 17:00

少しずつ紐解かれていく2人のクソデカ感情に胸キュン♥

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3782回
鯛野ニッケ／新書館／Dear+コミックス
コミックス『メルティホワイトアウト』10月1日発売
サイン本プレゼントあり！詳しくはインタビュー後に！

STORY
小劇場で脚本・演出をしている國司辰彦のもとに、劇団出身の超人気若手俳優・早坂真樹が現れる。しかし彼は声が出せなくなっていて……？脚本・演出家×若手俳優の火照りとろける救済物語！

――作品紹介をお願いします
東京都下にある小劇団の代表をつとめる男がおりまして。5年前に劇団から羽ばたき大人気俳優になったはずの後輩が突然姿を見せたが、彼は声を出せなくなっていて～というところからストーリーが始まります。
どうして声が出なくなってしまったのか？を紐解いていくうちに、自分たちの中に本当にあった感情に気付いていくお話です。
お互いの存在がお互いを救う、救済BL大好き!! という気持ちで描きました。
「この世を生きてる人々って、どれくらい自分自身の感情を理解できているんだろう。どれくらい自分のことを定義できているんだろう」ととりとめもなく考えていたエッセンスが物語の軸になっていると思います。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
ゆるゆるダメ男包容力攻め/國司辰彦
×
辰彦大好き健気努力家受け/早坂真樹

大人っぽくて余裕そうで雄みがあって飄々としてるずるい攻めが好きだな……と考えていたら攻めの辰彦はぬぼっとでかい熊さんのようになりました。受けの真樹はそのまわりをチュンチュンと飛び回って好き好きとハートを飛ばしまくっている雛鳥です。一生懸命で頑張り屋だけど頑張りすぎてしまうタイプの子です。インプリンティングで悪い男に引っかかってしまって……なんとも心配です。

――当て馬や重要な脇役は？
劇団員たちや真樹のマネージャー渡辺さん、俳優仲間の悠奈さんなど、自著にしては多めのサブキャラが出てきます。メイン二人だけにしておくと、どうしてもずっとしんどい雰囲気の物語になってしまう気がしたので、サブキャラたちにたくさん賑やかしてもらえて、コミカルなシーンも描けて楽しかったです！
大橋くんという劇団員のキャラクターがとてもお気に入りです。彼女にカッターで刺されても、自分のことイケメン枠だと思い込んでても、失言しかしなくても、世界がお前を嫌いでも私はお前が大好きだぞ!!! 一生マイルドクソ野郎でいてね!!

――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
「1話2キュン」というスローガンを壁に貼って描いていたのでいちばんこだわろうとしたのはそこだと思うのですが、キュンの道はあまりに険しく力及んでいたのか定かではございません……シリアスな心情をたどろうとするとキュンをおろそかにしてしまうきらいがあるので、一話一話にドキドキする描写を入れたいな、と気をつけておりました。今後とも精進いたします。極めたいキュンの道。

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
ディティールを詰めるのが大変でした。ロマンスが浮いてしまうと本末転倒なのであまりリアリティには固執しないようにしているんですが、演劇関係の職種(プロデューサーや演出家や…)の自伝をありったけ読んだり、小劇場演劇について歴史をさらったり観劇に足を運んだり、現実に開演日が遅れたケースを調べたり、カフェ経営についての本を読んだり、タバコ買ってみたり(笑)、どの作品でもやってることではありますがより幅を広げて何でも掘り起こしてみました。「俳優になるには」って本を読みながら俳優になりたい人の気分になったり(笑)。他作品でのドラマ化オファーを受けたきっかけも、取材になるなぁと思ったからだったりしました。
この中で本作の役に立ったことはほんの一握りですが、詳細がふわふわしないようにすることで物語の世界がより魅力的になるかもしれない、というチャレンジでした。こういう取り組みもお話作りの楽しいポイントのひとつですね。

――今作にまつわる裏話はありますか？
『メスイキを上品に言うとメルティホワイトアウトになります。多分』と最終回の雑誌コメント欄で書いたらせっかくのキラキラフィナーレ(？)に物議を醸してしまったのですけど、メルティホワイトアウトはメスイキのことかもしれません。下世話で大変申し訳ありません。公共の場でメスイキの話をしたいときは「めるほわ」を使ってみてください。公共の場でメスイキの話しないでください。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
オキシトシンが分泌されるというふれこみにつられてペットロボットを飼い始めました。
半年連れ添っていまだ飽きずにかわいいので、そのテクノロジーに大変感心しています。

――今、何かハマっていることは？
乾燥ナツメをときどき食べるようになりました。
鉄分おいしい。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
大変大変ありがたいことに連載中からご感想をいただけていたので、「この物語を楽しんでくださる方は確かにいるんだ」という安心感をいただけています。いつもお言葉をかけてくださる皆々様、本当にありがとうございます。でもだからって緊張感とか不安とかないんか？と言われるとんなわけないだろ!! という感じで仕事椅子の上で体育座りしております。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
いつも大変お世話になっております。
こうしてインタビューにまで関心を向けてくださって、ありがとうございます。
"それぞれの理由で歩みを止めてしまった大人たちが、また一歩を踏み出そうとするお話"を描きました。
もしご興味持っていただけましたら、日々BLを楽しむうちの一冊に混ぜていただけると大変光栄です。
どうぞよろしくお願いいたします。

担当編集より
とびきりの甘さとほろ苦さがクセになる、愛しき救済物語「メルティホワイトアウト」。
狡くて優しい脚本・演出家の辰彦と、健気でひたむきな超人気若手俳優・真樹。
隠されたふたりのクソデカ感情が紐解かれていく展開に、尊さと熱さで胸がいっぱいになること間違いなしです！ぜひ彼と彼の火照りとろける恋模様を全力でご堪能ください♡

作品のご感想は「#めるほわ」や「#メルティホワイトアウト感想」を入れてどしどし呟いていただけたら嬉しいです。ディアプラス・シェリプラス公式Xではハッシュタグ企画キャンペーンも実施中ですのでぜひご参加くださいね。

さらに刊行記念のアニメイトグラッテコラボも開催中です。めるほわイラストで彩られたとっておきのグラッテやクッキーをぜひお楽しみください。とっても可愛い描き下ろしイラストも必見です！