コミックス『イイ関係で困ってる』(リブレ出版)12月10日発売イイ関係の男たち、そろってます! 町屋はとこ先生の新刊は、12月10日にリブレ出版「ビーボーイコミックス」からリリースの『イイ関係で困ってる』。町屋先生が「ある意味新旧合体の本」と表す今作には、2007年に発表された表題作を含め4本の短編を収録! 描き足し&描き下ろしも豊富で、通して読むと“町屋テイスト”の変遷も楽しめることでしょう。それでは「801 AUTHORS 108」243回のゲスト、町屋はとこ先生どうぞ!
Q. 新刊の紹介をお願いします!表題作『イイ関係で困ってる』は、もともと「性感帯特集」の中で描かせていただいたマンガなので、できるだけエロを多く入れるように描きました。
同じ会社に勤める忙しい男二人。仕事の波も一緒、ヤリたい波も一緒、体の相性もバッチリで居心地よしだけど……これをラブラブなんて言ったらこそばゆいぜ、というお話。続きでは、その後の二人が自分たちの関係を考える話になっています。
カバーのあらすじでも少し紹介されている『誘う図書館』は、イケメン風図書館司書と文武両道でまっすぐな性格の高校生の話。彼らが年を重ねた後の大人な話も描き足しました、
今回の新刊は4つの短編から成っていて、どれももとは古い作品ですが、内3編は最近大量に描き足したので、ある意味新旧合体の本と言えます。『誘う図書館』に至っては描き下ろしのほうがずっと長いくらいです。
Q. メインカップルはどんな攻×受ですか?飄々としたオヤジ風、見守り攻×オヤジを軽くあしらう風、甘噛みつき受です。
攻については帯にうまいこと書いてありました→「手料理も仕事もでき、エロテクも良い」
確かに受も認めております。認めているけど、「でもさ~」となんだか反発したくなっちゃう受なのです。
Q. 当て馬や重要な脇役は?攻と同い年くらいの有能な社長がいるのですが、この人がふわっと不思議で変わった人です。わたしにもイマイチ説明できないので、ぜひコミックスでご確認ください。雑誌ではこの社長を好きと言ってくださる読者様もいて嬉しかったです。
Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう?今までのコミックスは3つの短編というスタイルが続いていましたが、今回はなにせ4本ですからね。なんとか読者様に満足していただけるようにと描き下ろしは63ページがんばりました。それでももちろん短いのには変わりないので、せめて印象に残る話になっていればいいなあと思います。
カバーの表紙や口絵など、カラーに使う画材をこれまでと変えてみました。気づかれた方はいるでしょうか。わたしにとってはかなりの冒険でした。
Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください!昔の古い短編に描き下ろしを考えるというのは緊張しました。絵はもちろん変化しますし、今のわたしと昔のわたしではマンガの描き方、描こうとするものも若干違っていたりするんですよね。以前描いたものの勢いを止めてもいけないし、どんな続きなら満足できるのか、ちょっと悩みました。でもそうやって今の自分と以前の自分を見つめ直すことができたのはよかったなあと思います。
Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露お願いします!甥が誕生しました。男の子のせいかよく動きます。成長が早くて驚きの連続です。
Q. 今、何かハマっていることは?フランス短期留学に向けて勉強中です。
Q. 発売前の今のお気持ちはいかがでしょう?久々のオリジナル単行本ですので、それはもう大緊張しております! 昔の作品+描き下ろしで楽しんでいただけるのでしょうか。一本一本は短いし。とはいえ、やれることはやった満足感もあります。あとは読んでよかったと思ってもらえるマンガになっていれば! それだけです。
Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!このたびは興味をもってインタビューをご覧になってくださってありがとうございます! 『イイ関係で困ってる』は短編集ではありますが、一つ一つが違う味のする楽しい本になっていると思います。この機会にぜひお手に取ってご覧くださいませ。気に入っていただけたら幸いでございます!
リブレ出版 担当編集 Iさんより町屋先生のキャラクターには、毎回「男」を感じます。ラブラブでも男同士、エロしてても男同士、年を重ねればそれなりにおやじギャグも言う(笑)、考えることも恋愛だけじゃなくて仕事のことだって…。そんな男の人たちが、「等身大」でありながら「恋」をしていく姿が丁寧に描かれています。普通の男であるからこそ、その恋が実り、維持していくのが気軽なことでなく「奇跡」だと感じることができる……。先生のこだわりである各作品ごとへの可能な限りのショート描き下ろしも、「年を重ねた先」の「続いていく奇跡」を感じさせてくれる逸品です。
バリエーション豊かな作品群ですが、それぞれ読みごたえも十分。細部にわたるイラストまでこだわった丁寧なページたちを、ゆっくりご堪能いただけたらと思います!
(c)町屋はとこ/Libre Publishing