小坂つん先生インタビュー

BL漫画家として起死回生！リアリティの先に待っている恋とは!?

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3406回
小坂つん／海王社／GUSH COMICS
コミックス『がけっぷち漫画家の生存戦略』7月10日発売
サイン本プレゼントあり！ 詳しくはインタビュー後に！

STORY
大学時代に担当編集がついたものの、なかなか連載に繋がらない漫画家の古賀は、親友の恭平に諦めようと思っていることを零してしまう。すると恭平は、「俺と組んで、最後にひと勝負してみないか」と提案してきた。恭平は趣味でBL漫画のシナリオを書いており、作品の売れ行きがいいらしい。話に乗ったものの、男同士の恋愛など描いたことがない古賀は、濡れ場になると筆が止まってしまう。リアリティを追求したいと駄々をこねていると、恭平がまたがってきて―――!?

――作品紹介をお願いします
大学時代にデビューしたものの、なかなか連載ができず悩んでいる主人公(漫画家)が同人のシナリオライターを副業としている親友に誘われBL漫画に挑戦し、その中でラブが生まれるお話です。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
真面目で不器用な攻めと、面倒見がよく献身的な受けです。
攻めの古賀はあまり他人に興味がなくぶっきらぼうな態度なため人とすれ違うことも多いけれど、根は真面目なので深く付き合うと良さやわかるスルメタイプかもしれません。好きなこと、自分が正しいと思ったことには真正面からぶつかり、きちんと言葉にする誠実さもあります。
受けの恭平は古賀とは正反対でコミュ力があって柔軟、環境に順応できるタイプ。あっさりした性格に見えますが大切なひとに対しては情にあつく献身的です。なので攻めに対する健気な態度が見どころです！

――当て馬や重要な脇役は？
当て馬、というか攻めのハートに火をつけるきっかけのキャラがいます。3話に登場するシンジさんというキャラなんですが実はこの男、受けの…。

お気に入りの脇役は主人公の担当編集である塚本さんですね。作中ではまったく重要なポジションではないんですが、単に私の好みというだけで(笑)。
機会があれば、塚本さん受けで漫画が描きたいです。


――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
攻めのキャラクターの心情でしょうか。漫画家という不安定な道を選ぶも同年代と比較したときに焦りを感じてしまう。
好きな漫画が描けるならいいと決心したはずがそれをみて20代半ばで気持ちがはじめて揺らぐ。
そんな時に心から自分のことを支えてくれる人がいたら…を自分なりにリアリティが出るよう考えて表現したところでしょうか。

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
毎話雑誌テーマがあることと、エロシーンが必須だったことが苦労した点です。
『GUSHmaniaEX』というWEBマガジンで連載させていただいたのですが、毎話テーマがあるんですよ。
特に3話の「執着・溺愛攻め」が一番苦労しました。
この攻めが?? どうやって?? 執着攻めになるのか……??？ (序盤では受けからの片想いだったので)と当時ウンウン悩んでいました。
またストーリーの都合上、エロシーンをいれるページ数がない！ と毎度嘆いておりました。
ただエロシーンの作画好きなのでその点では楽しかったです。

――今作にまつわる裏話はありますか？
主人公の元カノが登場するシーンを4話に盛り込んでたのですが、本筋と関係ないのとページ数的にも難しかったのでカットしました。
実はそのシーンでは受けと元カノがサシで話す予定だったのと、付き合っていた当時の真相などがわかる内容だったので、私としてはどこかで描けたらなぁと思っています。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
商業で漫画を描くようになってから漫画を描く知り合いが増えたのですが、その中でも特に仲良くしてくれていたひとたちと一緒に江ノ島に遊びにいったことが執筆中の思い出です。
どうしても引きこもりがちになってしまうのでリフレッシュにもなりましたし、楽しかったです。

――今、何かハマっていることは？
YouTubeで怪談朗読を聴くことです。以前から好きだったのですが、家で仕事をするようになってからさらに聴くようになりました。
ただ、夜は怖いので聴けません。

――BL作家になったきっかけを聞かせてください
オリジナルBLを描こうと思ったきっかけは、自分好みのBL漫画が読みたかったからです。
私は眼鏡受けが大好きなのですが、当時眼鏡受けというとキャラクターの傾向にバリエーションが少なくて物足りなくなっちゃったんですよね。だったら自分で描けばいっか、と同人活動をしていたらお声をかけていただきました。
ただ最初にお声がけいただいた時は仕事との兼業が難しく一度商業を諦め、漫画を描くことすらもやめてしまいました。
それでも漫画を描きたいという気持ちが再び芽生え、2年前に同人活動を再開。ありがたいことにその時だした同人誌をきっかけにまた商業で描く機会をいただけたのでラストチャンスと思い、仕事もやめてBL作家になる決意をしました。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
楽しみなのと緊張が半々です。
特に紙コミックスになるのが本当にうれしくて、カバーデザインもとても素敵に仕上がっているので早く本屋さんで実物が並んでいるのをこの目で確認したいです！

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
最後まで読んでいただきありがとうございます。
拙い部分もあるかと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです！
そしてこれで眼鏡受けに目覚めてくれたらもっと嬉しいです！

担当編集より
アルバイトで生計を立てながら細々と漫画家を続けている古賀。
漫画家の道をあきらめようかと思っていたところに、大学時代からの親友・恭平に救いの手を差し伸べられます。
起死回生の一手として提案されたのは、まさかのBL漫画！　
しかし、男同士の恋愛もセックスも経験したことがない古賀。
漫画にも「リアリティ」を追及したいと言う古賀に、ずっと片思いをしていた恭平は「俺と試してみる？」と提案して…!?
古賀の身も心も支え続けていた恭平の健気な姿は必見です。

小坂つん先生のこだわりのひとつでもある「リアリティ」を追求した今作。
キャラクターの一挙手一投足までお楽しみいただけたら幸いです。そしてぜひレビューもお願いいたします！

コミックス『がけっぷち漫画家の生存戦略』

特典情報

・アニメイト／描き下ろしペーパー
・コミコミスタジオ／4Pリーフレット
・ホーリンラブブックス／イラストカード★有償特典★ミニキャラアクリルスタンド　1,810円(税込)
・とらのあな／イラストカード
・電子書店／描き下ろし漫画
★紙・電子同時発売(イーブック先行)

詳しくは公式ホームページへ

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※2023年12月14日追記：本文内に一部誤りがございましたので、訂正してお詫び申し上げます。ご指摘いただきましたこと、厚く御礼申し上げます。

(C)小坂つん/海王社