梅渋ちうこ先生インタビュー

心に染み込む癒しテク♥飼いならされているのはどっち？

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3236回
梅渋ちうこ／KADOKAWA／B's‐LOVEY COMICS
コミックス『ミオくんは飼い慣らされている』11月15日発売
サイン本プレゼントあり！ 詳しくはインタビュー後に！

STORY
社畜サラリーマンの祥士は癒やしを求め、10か月前から「ペット」を飼っている――イケメンでセックスが抜群にうまい21歳のミオという男性を。数か月前にバーで知り合い、家がないと言ってミオがそのまま居着いたのだ。そしてミオとのセックスは、今や日々の癒やしになっている。男の恋人に裏切られた過去があり、恋愛をしたくない祥士にとってミオの存在はとても都合がよかった。しかしある日突然ミオが姿を消してしまい、さらに友人から彼がAV男優だったことを知らされて――!?

――作品紹介をお願いします
【顔が良くてセックスがうまい年下ヒモ】×【恋愛に慎重なアラサー社畜リーマン】のお話です。
「ペット」みたいに癒し要因として置いてもらってる攻と「飼い主」の受、一緒に住んでセックスもするのに恋人同士じゃない。
一見いびつな関係に見える2人が正式に恋人になるまでのあれこれと、恋人になってからの「その後」を描いています。

もともと同棲モノが好きなので、一つ屋根の下に住むカップルの甘々とろとろなやつが見たい！ と思って考え始めたのですが、思いのほかビターな感じになりました。
甘さとほろ苦さ、両方味わえる作品になったと思います。


――主人公たちはどんな攻×受ですか？
祥士(受)は大手企業に勤めるサラリーマンで、仕事に忙殺される日々を送っています。
そんなお疲れな祥士を(主にセックスで♥)癒してくれるのがヒモのミオ(攻)です。
祥士は恋愛で傷ついた過去があり、恋愛そのものに対して距離を置いています。
なのでミオ(攻)との関係も「ヒモと飼い主」くらいのドライな関係がちょうどいいと思っているのですが、傷つくのが怖くて本気で好きにならないようにと自分に言い聞かせてるようなところがあります。

一方のミオは自由気ままにあっけらかんと生きていて、真面目であれこれ悩みがちな祥士とは正反対のキャラクターです。
猫のようにフリーダムに振る舞う一方、「飼われてる」身として祥士には尽くしてあげようとしているあたりは忠犬のようでもあり、「犬と猫のいいとこどりのペット」みたいなイメージで描きました。


――当て馬や重要な脇役は？
祥士の幼馴染の女の子は重要な立ち位置のキャラだと思います。
読者に近い目線でツッコミを入れてくれたり物語を進めてくれたりしてるので。


――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
「『いてくれるだけでいい』と思わせるようなヒモ」のキャラクター作りと、そのキャラがもたらす「BL的に美味しい要素」をポイントとして考えました。
前者は、どうしようもない奴なんだけど憎めないような、人を引き付ける魅力があるキャラを意識しました。
プラス「顔が良くてセックスがうまい」という点はヒモとしては大幅加点になるかなと。
後者は、そんなヒモくんに、恋愛に傷つき仕事にお疲れな受がとろとろに癒されるところを見てほしいと思って描きました。
「癒し」は本作のキーワードです。

あと、「ミオくん実は祥士くんのことめちゃめちゃ好きでしょ」って読む側が気づけるような描写を入れています。
気づいてないのは当人だけ……みたいなの良くないですか？(笑)
ぜひ注目して読んでほしいです。


――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
初めての商業での連載ということもあって苦労の連続でした！
たくさんの人に読んでもらえるように、漫画の描き方そのものを見直さなければならなかったりして。
キャラクターの表情を見せない描写をしがちなので、しっかり描くということは意識してやりました。
楽しかったのはミオの顔面を描くときです！顔が良いキャラは描き甲斐がある……。

――今作にまつわる裏話はありますか？
2話と3話に出てくるAV事務所の無精ひげの男(「サツキさん」というネームドモブです)と眼鏡でオールバックの男は何やら怪しい雰囲気なので「商業BLでスピンオフになる2人じゃん!?」って思いながら描いてました。
サツキさん、ド好みのキャラなのでまた描けたらいいなと思っています。

 
――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
とにかくコロナでひきこもる日々でしたね。
同人イベントもお休みになってやることがなくなってしまっていたので、漫画を描くお仕事をもらえたのは大変ありがたかったです。

――今、何かハマっていることは？
漫画を描き始めるまでは音楽を聴いてライブに行くのがずっと趣味だったのですが、だんだん機会が減ってきてコロナでゼロになってしまったのでまた再開したいです。
今年は久しぶりにサマソニに行けました！ あとギターを習ってみたいです。ずっと言ってるんですがなかなか……。来年こそは！

――BL作家になったきっかけを聞かせてください
BLに目覚めたのは遥か昔に読んだ二次創作からですが、商業だと最初にハマったのは小野塚カホリ先生とヤマシタトモコ先生の作品だったと思います。
某アニメ作品で同人活動をしていて、同人誌を読んだ担当編集さんが声をかけてくださったのが作家になったきっかけです。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
担当編集さんやデザイナーさん等関わってくださった方達のおかげでここまでこれたので感謝の気持ちでいっぱいです。
あとすごく緊張してずっとドキドキしてます！
できるだけ多くの方に読んでほしいですし、誰かの「心に残るBL漫画」になれたらすごく嬉しいなと思います。


――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
読後は作中の祥士のように「癒され」が期待できる作品になった(なってるといいな！)と思います。
お手に取っていただけたら、そして楽しんでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします！

編集部より
『ミオくんは飼い慣らされている』はイケメンで甘え上手なヒモと素直になれない社畜サラリーマンの物語です。
恋に臆病なアラサーサラリーマンの祥士は、イケメンでセックスがうまいミオを「癒し」の「ペット」として飼う日々を過ごしていたのですが……!?

祥士を支えて癒して、心の安寧となったミオ。飼い慣らされたイヌのように忠実で祥士中心なのかと思えば、ネコのように気まぐれでつかみどころがありません。そんなミオに祥士は振り回されてしまうものの、どこか憎めない……。
実は「飼い慣らされている」のは祥士なのでは!? と思うこともしばしば。

ほろ苦い過去のつらさも、ミオの甘い愛で包み込んでくれます。ペットの「ミオくん」にぜひ癒されてください！

コミックス『ミオくんは飼い慣らされている』

特典情報

★アニメイト：描き下ろしモノクロメッセージシート
★応援団書店：描き下ろしモノクロマンガカード
>>応援団書店はこちら
※配布方法・配布開始時期は書店によって異なります。

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