小説『上海恋戯』(フロンティアワークス)7月25日発売2007年にリリースされた水月真兎先生の小説『上海恋戯』が復活! 7月25日にフロンティアワークス「ダリア文庫」から登場です。20世紀初頭の上海をメインに繰り広げられる、海軍上官×部下の身分差ラブ! それでは「801 AUTHORS 108」144回目のゲスト、水月真兎先生どうぞ!
Q1. 新刊の紹介をお願いします!その出生に複雑な事情を持ち、孤独に育った皇族の高月宮少佐(攻)と、貧しい平民の出身で、名門華族に嫁した姉を密かに慕う海軍大尉の真純(受)は、海軍特務部の上官と部下として出会い、次第に惹かれ合っていきます。そんな二人に、上海行きの命令が下り、妖しくも華やかな東洋の魔都で、ロマノフ王朝の莫大な金塊を巡る陰謀に巻き込まれていくことに。
自由奔放、大胆不敵な宮様に振りまわされながら、どんどん色っぽくなっていく真純をお楽しみくださいね。
Q2. 主要キャラは、どんな子たちですか?攻は高月宮明人王殿下。今上帝のいとこにあたるらしい皇族の一人です。出生、経歴等、いろいろ謎に包まれていて、田舎育ちでちょっと粗野なところもあるけれど、長身、気品に満ちた美貌の貴公子。イギリス留学の経験を持つインテリで、十カ国語がペラペラ。海軍のはみ出し者の情報将校。
受の来栖真純は、貧しい平民の出身ですが、実姉が名門華族の三条男爵家に嫁ぎ、義兄の援助もあって海軍兵学校を優秀な成績で卒業。学友たちからは「マドンナ」と密かに噂されていた美青年です。姉とよく似た繊細な容姿に細身の肢体。一見やさしげですが、性格はけっこう気の強い負けず嫌いで、上官で身分の高い高月宮にも平気で食ってかかったりします。そんな二人の掛け合いを、とても楽しく書かせていただきました。
Q3. 今作のこだわりポイントは?前半は、身分の違いすぎる二人が海軍上層部の思惑によって出会い、互いに自分にはない部分に惹かれていく様子を、後半は、魔都上海の妖しい闇の世界で、その絆が深まっていくところを、ロシアの悲劇を絡めた時代背景も感じられるように描ければいいな、と思っています。
Q4. 近況、今作にまつわる先生の日常エピソードなど教えてください!久しぶりに真純と宮様の話を読み返すと、今のほうがもっと高月宮の気持ち等、よくわかってきたような気がしています。多少加筆もさせていただきましたし、フェアの関係で書かせていただいたSSも、ネタを考えるのが楽しかったので、できればもう少し長いお話も書いてみたいなと思っています。多分、新しくSSで書いた真純のほうが、本編よりもちょっと気が強くなっているんじゃないかな。自分の中でストーリーやキャラに関する考えがだんだん変わっていくのも面白いです。
Q5. 発売前の今のお気持ちはいかがでしょう?実は資料を使う時代ものって苦手でしたので、古い地図やネット情報と首っ引きで書いていました。少しでも当時の雰囲気や、上海租界の妖しさを感じていただければうれしいです。ご感想もお待ちしていますので、よろしくお願いします。
Q6. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!初めましての方も、お久しぶりですの方も、どちらにもお楽しみいただける作品になれれば幸せです。
編集部からのコメント恋愛だけでない読みごたえのあるお話を書かれる水月先生の作品の中でも、さらにスケールの大きい物語です。本文を改稿しただけでなく書き下ろしもされていて、読んだことがある方も、これが初めての方も、身分と時代に翻弄されていく二人のドラマティックな恋物語を楽しんで頂けるかと思います。
(c)水月真兎/水名瀬雅良/フロンティアワークス