帽子先生インタビュー

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帽子先生インタビューイケおじ好き集まれ～！寂しがり大型ワンコ×死に場所を探す五十路スナイパー初コミックス『灰雪の街のサバーカ』

2021/03/27 17:00

亡き恋人に似た謎の男と出会って…！ロシアン・ロマンスグレーBL

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第2671回
帽子／日本文芸社／ニチブン・コミックス MeltyBullet
コミックス『灰雪の街のサバーカ』3月29日発売
サイン本プレゼントあり！詳しくはインタビュー後に！

STORY
裏社会でも指折りのスナイパー・エドガル。老境に差し掛かった男は亡き恋人の影を追いながら、自らの最期の地を探すかのように生きていた。しかし、亡き恋人によく似た謎の男・バルバとの出会いがエドガルの心を揺らしていく――。雪と白夜(ベールィノーチ)の国を舞台に繰り広げられる、孤独なサバーカ(ろくでなし)たちのロマンスグレーBL

――作品紹介をお願いします
この作品は「死ぬまで共に生きよう」と誓ったであろう男同士が、死ぬまで生きたその後の物語です。

同じ狙撃手として30年共に生きてきたパートナーを亡くし失意から記憶を一部失ったガル(52)が主人公です。
死に場所を探すように生きるガルの目の前にある日、パートナーと容姿のそっくりな男が現れます。
「置いていかないで…」
その言葉にガルの心は掻き乱されていきます。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
ガル：面倒見の良いクールデレ受
バルバ：穏やか大型ワンコ攻

ガルは寡黙で他人にも干渉しない性格ですが、お人好しで面倒見がよい人です。
バルバは言葉をうまく話せなかったり、指が数本なかったり、体も傷跡だらけですが、いつも穏やかでふんわりしています。
寂しがり屋なのでいつも誰かに寄り添っていますが、彼も自分のことは話さない性格で、ふたりそれぞれにその理由となる背景があります。

――当て馬や重要な脇役は？
当て馬はおりませんが、ラーラ(38)というヒゲでお団子頭のガルとファルカに育てられた、彼らに複雑な想い抱く脇役がおります。
登場する4人と1匹のそれぞれ抱える想いをBLとして描きました。
彼らの愛情の種類、深度、伝え方の違いを感じていただけましたら幸いです。

――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
壮年男性の哀愁や儚さが好きなのでそれを生かす物語、作画を意識しました。

長い時を一緒に過ごすと、相手を思いやるが故に話せなくなることがたくさん増えていく思います。
優しさから起こる綻びや長い時を過ごした者同士故に身動きが取れなくなってしまった関係を描いています。

作画では、絵を見ているだけでも楽しんでいただけたらいいな、と意識しました。
映画ような視点を取り入れてみたり映像ならではの構図とマンガでしか描けない構図を混ぜている良いとこ取りのコマもあります。

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
狙撃手で人を殺める心理、それを生業として続ける心理をその国の就業率、識字率等を調べながら考えキャラのバックボーンを組み立てていく作業はとても楽しかったです。

――今作にまつわる裏話はありますか？
海外舞台ものが好きなので、異国の街や文化、食べ物を描けるのがとても楽しかったです。
茶葉をそのまま投入できる透明できれいな電気ケトルやスーパーで気軽に買えるカップ入りインスタントマッシュポテト、お湯の出る洗濯機は便利そうで羨ましくなりました。
(キャラの裏設定や未公開エピソード等はアニメイトさんの特典にも掲載しております。)

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
資料として、この作品の舞台の国境を守る人たちのインタビューを見ましたが
「人を殺めることどう思いますか？」という質問に「殺さなければ殺される。相手は命掛けでくる。」という返事が生々しく印象的に残っています。

――今、何かハマっていることは？
きれいなピアノ曲が好きなので、よく聴きながら執筆していました。
Luca D'Alberto「Wait For Me」 Giancarlo Erra 「EndⅡ」は雪が降り積もる雰囲気があり、お気に入りです。

――BL作家になったきっかけを聞かせてください
二次創作は描いていましたが、描きたいネタはあっても技術がなく描けない… という壁にぶつかりましてまずはマンガの基礎から力をつけよう、と一次創作を描きはじめました。

はじめて描いたものはBLではなくファンタジーもので描き切ることすら出来ず、持ち込んだ出張編集部でも厳しいご意見を頂戴しました。
これではだめだ… と、まずは描きあげることを目標に同人誌を1冊出すことを目指しました。
その本がきっかけとなり、ご縁を複数社からいただきまして、今に至ります。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
連載中は自分の技術不足で何度も落ち込みましたがあたたかなお手紙やご感想をたくさん頂戴しまして本当に本当に多くの方に支えていただきました。

また、担当様たちや編集部の皆様、印刷所の皆様
初代タイトルロゴを作ってくださったデザイナー様
表紙を素敵にブラッシュアップしてくださったデザイナー様の皆様
関わってくださったすべての皆様に心より御礼申し上げます。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
悲しみと孤独に静かに寄り添う優しいBLが読みたいな… とこの作品を描きはじめました。
心がボロボロのおじさんにもし興味がございましたらよろしくお願いいたします。

今後、Twitter上でもマンガを掲載していく予定がございますのでこちらもご興味ございましたらよろしくお願いいたします。

担当編集より
寂しがりの大型ワンコ×死に場所を探す五十路スナイパー。
おじさんBL界の新星・帽子先生の初単行本がついに発売します!!

孤独な男の前に、亡き恋人によく似た男が現れたことで動き出す物語。
シリアスさの中にもおじさん達の可愛さを感じる場面もあり、読み始めると世界観に引き込まれること間違いなしです！
また、物語に登場するわんちゃんのもふもふ具合とかわいさも見逃せません♥
切なさとあたたかさを感じられるイケおじ好き必見のロシアン・ロマンスグレーBL、ぜひお手にとってお楽しみください！