11/21 貝柱先生インタビュー 学科の王子様×ちゃらんぽらん男♡事件が次々巻き起こるハイテンションラブコメ!コミックス『おくりワンちゃんっ』
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2018/04/24 19:28
江戸に生きる男二人の極上甘エロス! 待望の続編が登場
時は江戸時代・後期。陰間あがりの百樹(ももき)と、元火消しの卍(まんじ)。恋人同士の二人は溺れるほど幸福な愛おしい日々を送っています。一方で、百樹は卍がときおり見せる辛そうな表情に、胸がつまるような思いを感じていました。そんなある日、かつて卍と身体の関係があったとほのめかす男・千が現れ……。紗久楽さわ先生の大人気コミックス続刊『百と卍 2』が4月25日発売! 千とは何者なのか? 卍の秘めた過去とは!? それでは、「801 AUTHORS 108」第1606回、紗久楽さわ先生どうぞ!
Q. 前巻発売当初から話題騒然のお江戸BL最新刊! 作品紹介をお願いします!
注目していただけて嬉しいです。
2巻は、卍さんの過去とその昇華です。1巻と構成はあんまり変わりませんが、若き日の卍さんのときめきメモリアル! をお楽しみいただけましたら。
Q. 伊達男×陰間あがりの極上エロスを描く本シリーズ。第2巻スタート時の二人の関係性について聞かせてください。
相も変わらず、しげりあっています。(江戸弁でいちゃいちゃしているの意)
しかし百さんにも秘密があったように、卍さんにも秘密があり、ちょっとだけ不安になります。離れ離れになったり、デートに行ったり、波風立ったり、この二人、恋してんだな~~~! って思いながら描いてます。
Q. いよいよ卍の過去が明らかになるとのことですが、当て馬や重要な脇役はいますか?
「鵺(ぬえ)の千(せん)」という人が、卍さんの過去の男として登場します。雄っぱいが大きくて、顔に傷のあるセクシーな(?)お兄さんです。そして前巻に引き続き、卍の叔父の「祝」さんが大事な役回りです。
Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう?
若き日の卍さんの火消しとしての鯔背な艶姿ですね! 火消し連中たちもいろんな体型の男性が描けました。
百さんの子ども時代の陰間風俗は、上方の比較的少年のたおやかな世界でしたが、卍さんのいた火消しは江戸っ子の意気地! の世界として描けてたらいいなと思います。
Q. 『百と卍』で江戸BLに目覚めたファンも多いかと思います。初心者でも楽しめそうな江戸作品があれば教えていただきたいです!
尊敬する杉浦日向子先生の江戸漫画はどれもおすすめです。とくに『百日紅』と『とんでもねえ野郎』。
みなもと太郎先生の『風雲児たち』は必読書です。
手塚治虫先生の『陽だまりの樹』も好きです。
石ノ森章太郎先生の『佐武と市捕物控』などの時代劇ものも。
井上ひさし先生、三谷幸喜先生の江戸を描く舞台やドラマ作品もどれも方言(江戸弁)や歴史考証が真摯なのに、エンタメとして痛快で面白いので素敵です。
映画は『北斎漫画』『写楽』など浮世絵師を題材にしたもの。
Q. 紗久楽先生にとって江戸の一番の魅力とは何でしょうか?
今は一言では言い表せない時期のようです。“すべて”に近い。ぜんぶ面白いです。
Q. 気に入っている江戸言葉があれば理由も含めて教えてください。
まくし立て早口すぎて基本的に何言ってるかわからないのは大抵好きですね。「まっぴらめんねェ!」(まっぴらごめんね)とか「みったっしゃねェ!」(みっともねぇ)とか歌川国芳の口癖で「おめェはよ…」の「お」が早くて聞こえなさすぎて「めェはよ…」に聞こえた、とか。
あと「胴欲(どうよく)」という言葉がとても好きですが、意味が一発でわかりにくそうなので漫画では一度も使ったことがありません。魅力的な男性が色関係にある相手に、ちょっと素っ気ない態度をとったりわざと意地悪なことをした時に「胴欲な(残酷だ)」って相手がすがって泣くのが可愛いくていじらしくていいシチュエーションだなァと思うんですけど。
Q. 第1巻のインタビュー時、“江戸活”(東京に江戸を探す活動)にハマッているとおっしゃっていました。最近訪れて興味深かった場所などあればお聞かせください!
2巻の内容でというと「火消し」に関しては「消防博物館」さんが面白かったです。消防の目線から、火消しを紹介するスペースが建物のまるまる一階分あります。実際の道具や、纏がずらっと並んでいて大興奮します。(消防ヘリとか消防車もあるので、心が小学五年生! になります!!!)消防庁が年始に行う「出初式」でも火消しの梯子乗りや木遣り唄の再現など見たり聞けたりして最高です。
好きなのは日本橋から出発する隅田川の川遊びです。小舟に乗ると、江戸人の心持ちにとても近づきます。神田川とかは揺れがほとんどないのですが、隅田川に出て、海に近づくと途端に舟に揺れが増えるんです。水しぶきが顔にかかったりして、とても気持ちイイ。
『百と卍』の昔の江戸が、いまの読者様の住む東京や日本と繋がると嬉しいので、極力取材に出かけて、いまでも体験したり遊べるところをこれからも描いていきたいです。
Q. 今後、江戸BL以外に描いてみたいシチュエーションやジャンルはありますか?
江戸は265年ほどあるので、その中ではたくさんあります。
Q. 世間では特に中高生を中心に「まじ卍」という言葉が流行っています。この流行に関して、何かひと言お願いします!
「まじ卍」の意味が「とくに意味はない」なの、江戸的でいいなァと思いました。
Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?
内容に関しては、俗にいう「地雷」って云うものが含まれている方もいるのだろうなァと思っておりますが、江戸に生きる男色家の生き様には必要な描写ですし、そうやって物語に傷つけられることを経て、離れがたい、大事な作品になるようなことがあるのも古今の作品で知っているので、地雷踏んでも元気に歩いてって欲しいなと。
発売前はいつも鬱ですが、読者様に楽しんでいただけるように色んなことを考えて、手は尽くしたので、読んでいただいてさらに『百と卍』二人のことを想っていただけたり、江戸のことを好きになっていただけたら、大変満足です。
Q. 先日発表のBLアワード2018では第一巻が見事「BEST 次に来るBL」1位を獲得しました! 先生の作品を愛してやまない、ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
本当に光栄な賞に選んでいただき、ありがとうございます。そして貴重な一票や、大事なコメントをたくさん頂き、生きる糧になりました。
江戸文化や月代男子を布教する為に「江戸が好きな人には満足してもらえ、江戸を知らない人にはちょっと素敵だと思って欲しい」と描き始めた作品なので、百さんと卍さんがどんどんその道を切り開いてくれることに驚きが隠せません。嬉しいご報告をいただく度に担当編集さんに「すごい二人だね」って言っています。
2巻は特典ですとか、個展ですとか、たくさんの下駄を履かせてもらって出版していただく運びになったのも、何より応援してくださった読者さまのおかげです。
どうぞ2巻も、皆様が楽しんでくだされば、「しあわせ」です!
担当編集より
『このBLがやばい!2018年度版(宙出版)』1位に加え、ちるちるさんでは「BLアワード2018 BEST次に来るBL」でも1位をいただき、紗久楽さんが大事に大事に描いた百樹と卍が、こんなにたくさんの方のもとへ届いたことを本当に嬉しく思っています。
これは1巻から各所でお伝えしているのですが、とにかくこの作品は「歴史ものか~」「ちょんまげ萌えられるかな…」と一歩引いていた方にこそぜひ時代物デビューとして読んでいただきたい作品ですので、ここはひとつ、こういったランキングを信じていただいて未読の方はお手にとっていただければと思います。
1巻の感想をまとめていますので、よろしければご参考ください!
時代物なのにIQ3になる人続出!? 爆裂売れているお江戸BL『百と卍』ってどんな感じ?
さて、1巻では受けの百樹の過去が明らかにされましたが、今回の2巻では、ついにほのめかされていた卍の過去編が描かれます。百樹と出逢う前、まだ火消しをしていた頃の卍と身体の関係があったという千…。
この「千」という男のあふれ出る「雄み」にも注目していただきたいです‼
千の登場シーンは、こちらのお試し読みからどうぞ!
卍の過去編を経て、改めてこれまでのふたりを反芻したら、誰しも「出逢えてよかったね…尊い……」とつぶやいてしまうこと必至…。
この感動と満足感はそうそう味わえないと思いますので、どうぞ2巻も、百樹と卍の二人をよろしくお願いいたします。
コミックス『百と卍 2』
特典情報
ピックアップ情報
◆紗久楽さわ個展―『百と卍』2巻 発売記念展―がGWに銀座で開催!
◆作品紹介特設サイト&お試し読みはこちらから
(C)紗久楽さわ/祥伝社 on BLUE comics