飯田実樹先生インタビュー

運命の恋、王国に忍び寄る不吉な影…


竜王が治める異世界の国、エルマーン。そこには代々、王の伴侶として“リューセー”が召喚されます。飯田実樹先生の人気小説シリーズ新刊『空に響くは竜の歌声 暁の空翔ける竜王』が2月17日発売！ 今作の“リューセー”は、なんと男子高校生です！ そして、竜王となる王子は、前作で愛し合った二人の息子であるシィンワン。今作も、運命の恋が始まります!! 王国に忍び寄る不吉な影に、新しい竜王×龍聖は!? それでは「801 AUTHORS 108」第1192回、飯田実樹先生どうぞ！

Q. 作品紹介をお願いします！
今回の新刊『空に響くは竜の歌声 暁の空翔ける竜王』は、昨年発売されたデビュー作である『空に響くは竜の歌声 竜王を継ぐ御子』で、このタイトルにもなっている前作ＣＰの「御子」であるシィンワンが主役のお話です。
ベースとなっている物語は、同人誌ですでに発表しているのですが、シィンワンが自身の伴侶である龍聖と恋に落ちる話に、たくさんたくさん書き足しまして、竜王シィンワンと龍聖が愛し合い、力を合わせてエルマーン王国を築いていく物語となっています。
同時収録は、前作でも大変人気を集めた脇役ＣＰタンレン×シュレイのハッピーエンドなお話です。


Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？
攻めの竜王シィンワンは、一言で言うと「ザ・王子様」です。平和な時代に育ったお坊ちゃまなので、優しくて、真面目な優等生です。ちょっと天然も入ってます。
弟と妹が５人もいるので、頼りになる優しいお兄ちゃんの顔を持ちつつ、二人の姉にもかわいがられているので、甘えん坊な弟君の顔も持っています。

受けの龍聖は、末っ子キャラなので、基本甘えん坊です。すぐ落ち込んだり、くよくよ悩みますが、それも実はすべて「甘え上手」なところからきていて、実際には結構メンタル強い子だと思います。

Q. 当て馬や重要な脇役は？
今回は、二人の恋の障害になるような当て馬はいないんですよ。みんながみんな総力で、主役ＣＰを助けてくれるという珍しいケースだと思います。
シィンワンが８人兄弟で、そもそも兄弟だけでも多すぎるので、全員を生かしきれなかったのですが、次男のヨウチェンが結構気に入っています。


飄々とした性格で、兄であるシィンワンを、いつも弄ったり冷やかしたりしているんですけど、実は兄弟の中で一番シィンワンＬＯＶＥというツンデレなんです。
元々気に入っていたのですが、ひたき先生にイラストにして頂いたのが、もろに私の好みドストライクで(笑)。完全にフォーリンラブしてしまいました。

Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？
前作では異世界にトリップしてくる受けの龍聖が、自分の決められた役目を知らずに来てしまい、陰謀にも巻き込まれて、竜王フェイワンと結ばれるまでに紆余曲折があったんですけど、今回はそういうのが全然ないんですよね。
シィンワンも龍聖も、二人ともあっさり一目惚れで恋に落ちるし、若いからもうバカップル丸だしにいちゃいちゃしまくりで……。
なので今作は、二人の恋愛物語というよりも、二人が王と王妃として成長していく物語を描いています。
読んだ後に幸せな気持ちになれるハッピーエンドがモットーなので、ネガティブな話にならないように気を付けました。

Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！
一度全編を書き終わったところで、自分でもなんか足りないなと思っていたんです。ページ数としては、かなり十分ではあったのですが(笑)、なんか足りない。
そしたら編集担当さんから、龍聖の描き方について、ちょっとした指摘をされまして、色々と話し合って、自分でも考えて、最初に書いていたものから、大分書き換えたんです。龍聖のセリフとか表現などですけど……私の中で、ちょっともやもやとしていた龍聖像が、しっかりと形になって成長できたんです。
おかげで、なんか足りないと思っていた部分が解消されました。

Q. 今作にまつわる裏話ってありますか？
作中に、龍聖がシィンワンに写真をプレゼントするというのがあって、それはシィンワンの母である前龍聖の写真なんです。
それが普通の写真らしくない写真で、ひたき先生に挿絵で描いてもらったのですが、顔アップのブロマイドみたいな写真なんですよ。
普通はそういう写真って撮らないでしょ？ 何か景色をバックにせいぜい腰から上くらいで撮ると思うんです。
この写真には、実は裏話がありまして……龍聖って、日本では普通の銀行員でしたが、モデルにスカウトされるくらいの美形って設定なんです。
妹の香奈ちゃんの友人達もみんな龍聖のファンで、みんな龍聖の写真を欲しがるんです。
それで香奈ちゃんは、兄の写真を隠し撮りで、ブロマイドみたいに顔アップで撮って、1枚150円で売って、学校で商売してるんですよ(笑)。
今回の写真もそんな中の１枚で、石川県に那谷寺という紅葉の名所があるのですが、そこに日帰りで家族旅行した際に、紅葉をバックに撮った隠し撮りブロマイドです(笑)。結構売れたらしいです(笑)。

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います！
同時収録の『森閑たる情炎』の執筆が予定よりも少し遅れてしまったんです。でも沖縄旅行を以前から計画してて、飛行機もホテルも手配済みだったんです。
もちろんその日程は、締切よりも後だったのですが、前日まで徹夜で頑張ったけど書き終わらなくて、編集担当さんに締切を少し延ばしてもらったんです。
それで沖縄にノートＰＣ持って行って、ホテルでずっと書いてました。
せっかく沖縄に行ったので、予定していた観光などもしたんですけど、夕方には早々にホテルに戻って、ずっと執筆……夜の沖縄は満喫しませんでした(笑)。
それで旅行なんかしているのがバレたら怒られると思って、沖縄の事は一切Twitterで呟きませんでした。
もうここで書いたので、バレてしまいますけど(笑)。今後は締め切りを守ります。ごめんなさい。

Q. 今、何かハマっていることは？
以前のインタビューで「城巡り」と答えましたが、今もそうで、とにかく旅行が好きなんです。近くも遠くも、思い立ったらホイホイ一人で行ってしまいます。
編集担当さんも、最近はそういうのに慣れて頂いたようで「また行ってる」と思われていると思います(笑)。
旅先で色んな人に出会ったり、歴史に触れることで、作品のヒントになったり、創作のモチベーションを上げたりするんです。
アイデアが浮かぶとメモしたり、旅先のホテルで執筆することもよくあります。

Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
実は物凄くプレッシャーを感じています。デビュー作が発売された時も、とても緊張してドキドキだったのですが、あの時は発売日当日でも夢を見ているようで実感が無くて、「実はドッキリじゃない？」なんて思っていたんです。
でも今回は、作品としては２作目ですが、本としては３冊目で「面白くないと思われたらどうしよう」というプレッシャーに苛まれています。
前作で気に入らなかった方は、もう買ってくれないと思うし、前作気に入って今回もと買ってくれた方も、「期待を裏切られた」と思われるかもしれないし、もうハラハラドキドキで、胃が痛いです。

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
前作を読んで頂いた方にとっては、「あの小さかった子が……」とシィンワンを、息子のような気持ちで楽しめますし、前作を読んでいない方も、この一冊だけで十分に楽しめます。
ＬＯＶＥばっかりで、幸せな気持ちになれる作品なので、仕事で疲れた心を癒せる一冊のはずです。
どうぞよろしくお願いいたします。


担当編集より
飯田実樹先生がWEBで連載されていた大人気BLノベル『空に響くは竜の歌声』は、昨年単行本化するやいなや、読者の皆様から熱い支持をいただきました。その時のちるちるさんでの飯田先生のインタビューをご覧になって、本を買ってくださった方、ありがとうございます！
今回の『空に響くは竜の歌声 暁の空翔ける竜王』は、シリーズの前作『紅蓮をまとう竜王』『竜王を継ぐ御子』で描かれた竜王フェイワンと龍聖の子供、シィンワンの物語です。あの小さかったシィンワンが、大人になりました！ さて、お年頃になったシィンワンは悩み中…。誰かに恋をしたことなどない、性欲がわいたこともないシィンワン。そもそも自分に恋愛感情があるのか…？ 初めて会うリューセーを愛せるのか？ 100歳で成人を迎えたら、愛する両親と永遠に別れなければならない切なさ。未来に出会う自分のリューセーへの希望と不安。やがて眠りにつき、目覚めた時、彼のもとに降臨したリューセーは…？ 竜族たちと龍聖のいとおしい物語を、ぜひお読みください！

小説『空に響くは竜の歌声 暁の空翔ける竜王』

特典情報
アニメイト限定：書き下ろし小説ペーパー
中央書店サンモール店コミコミスタジオ限定：書き下ろし小説ペーパー
honto(通販)＆丸善ジュンク堂書店限定：書き下ろし小説ペーパー
詳しくは、空に響くは竜の歌声特設サイトへ


(C)飯田実樹・ひたき/リブレ