文善やよひ先生インタビュー

人間が経営し、“人ならざる者”が利用する不思議な宿で…


天野が働くのは、人間が経営し、“人ならざる者”が利用する不思議な宿。ある日そこに、異界の王であるツクヨミが訪れます。高飛車で美しい彼は、天野の幼なじみで学生時代に失踪してしまった観月にそっくりで……。9月27日発売、文善やよひ先生の新刊コミックス『極夜』。本作は、2012年に刊行され、現在超希少本となっている『満月の王』の完全版！ ぜひゲットしたい一冊です!! それでは「801 AUTHORS 108」第1052回、文善やよひ先生どうぞ！

Q. 作品紹介をお願いします！
今作は4年ほど前に出した『満月の王』という単行本に、追加の描きおろしや同人作品を収録した完全版です。
表題の満月の王シリーズは、舞台は日本のようなどこか。現世にある「人ならざるもの」が泊まりにくる旅寓(旅館)に、ある日常世の王様が泊まりに来て主人公をいびり倒すかと思いきや…？ というお話で、全体的にシトシトしてます。



後半の同時収録作は、昨年末に出た『鴆─ジェン─』という単行本のその後のお話やら何やらです。
こちらは全体的にハッピーハッピーしているので、前半(満月の王)と後半(鴆─ジェン─)とで落差が激しい一冊になりました。






Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？
不遇なホテルマン天野(攻)×奔放に見えてやっぱり不遇な常世の王様であり元人間のツクヨミ(受)です。



Q. 当て馬や重要な脇役は？
子鬼たちがとっても動かしやすくて、描き下ろしの『極夜の海』ではだいぶ出張ってもらいました。



Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？
和洋折衷な画面なのですが、全体的に墨絵っぽい絵面になると良いな…と思いながら描いてた記憶があります。
あと、ロングヘアーが好きなので作画すごく楽しかったです。





Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！
元の『満月の王』が4年前の作品というのもあって、昔の自分の原稿を見直す作業がとてもつらかったです…。
でも、昔の自分の線を極力残したいと思ったので、再録部分にはほとんど手直しは入れてません。
その代わり、間の足りないところをページ足したり、描きおろしをそこそこのボリュームで入れられるよう頑張りました。

Q. 今作にまつわる裏話ってありますか？
当初は、ファンタジー要素のないホテルマンの幼なじみ再会物としてプロットを書き始めたのが、出来上がったら魑魅魍魎入り乱れる漫画になっていました。
あと今回は、完全版用の表紙に橘を描こうと思い立って「描くなら現物を見たい！」と、電車に揺られて橘の花を探しに行ったりしました。(見つかりませんでした！)

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います！
橘の花は見つかりませんでしたが、金柑の花(橘の花にそっくり)は家の周囲にたくさん咲いてる事に気付いて膝から崩れ落ちました。

Q. 今、何かハマっていることは？
今年はあまりキノコ見にいけてなくて…秋のキノコに期待したいです。

Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
昔の本を出し直す機会をいただけて嬉しい気持ちと、はたして受け入れていただけるだろうかという不安な気持ちが入り混じっています。

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
文善やよひと申します。この度機会に恵まれて、拙作2冊めのコミックス『満月の王』を、『極夜』にタイトル一新して出し直していただけることになりました。
今も至らない所はたくさんあるのですが、昔のとなると今以上に目に付くところがありつつも、当初の自分が自分なりに一生懸命描いたものなんだな～と懐かしい気持ちでいっぱいです。
何卒よろしくお願いいたします。

コミックス『極夜』

掲載情報
10月22日発売の『Canna Vol.50』にて、『鴆─ジェン─』の番外編18pが掲載されます。
文善やよひ先生の直筆色紙プレゼントもありますので、是非、ご覧になってください♪

66.6─文善やよひ展─
9月25日(日)～9月29日(木)の5日間、東京・飯田橋の「space TORICO」にて入場無料のイラスト展を開催！
完成原稿の他に、ラフ、プロット、ネームなどの貴重な制作裏資料も公開し、展示総数は約200枚に渡ります。
来場者特典として描き下ろしペーパーもプレゼント☆

特典情報『極夜』
・とらのあな限定イラストカード
・アニメイト限定ペーパー
・コミコミ限定イラストカード
・ホーリンラブブックス限定4Pリーフレット
・共通ペーパー


(C)文善やよひ/プランタン出版