キサユキ先生インタビュー

まっさらな自分の居場所がほしい、自由になりたい
夕來は病院の跡取り息子。成績優秀、品行方正、幼い頃から親のために、厳しく育てられてきました。求められているのは、跡取りとしての価値だけ。その寂しさを、彼は男たちに買われることでやり過ごしているのですが……。5月14日発売、キサユキ先生の新刊コミックス『青い春、赫い絲』。ある日、転校生としてやって来たのは、旅芸人一座の息子である旭。ともに跡取りとして育てられ、自分の居場所に疑問を持つ二人は、惹かれあいます！ しかし、恋の前にはしがらみが立ちはだかって!? それでは「801 AUTHORS 108」第925回、キサユキ先生どうぞ！

Q. 作品紹介をお願いします！
Boy Meets Boyなお話です。
受けは親の病院の跡取りとして厳しく育てられて、攻めは生まれたときから旅役者としての生き方しか知らない子です。
今の自分は退屈で生きているかんじがしない、まっさらな自分の居場所がほしい、自由になりたいと思っているふたりが出会って求め合います。

Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？
飄々とした攻めの旭と、少々やさぐれた優等生の受けの夕來です。
若いふたりです。総じてラブラブです。



Q. 当て馬や重要な脇役は？
それぞれの父親が重要かなと。
どちらも息子への愛情はすごくあるのですが、息子のためだと思って閉じ込める受けの親、基本的に息子を信じている攻めの親といったかんじで対照的です。

Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？
求め合う若い二人！ ジェットコースターのようにお互いを好きになっていきますが、それによって生まれる変化が表現できるよう努めました。

自由奔放にみえる攻めは、受けを好きになっていくごとに余裕がなくなっていき、些細なことでカッとしたり迷ったり、かっこわるい面が出てきます。
うじうじしていた受けは攻めを好きになり彼からの愛情を受けて強くなっていきます。

Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！
ふたりがひとつになった！ とおもえるシーンは描いてて本当に楽しかったです。ですが、攻めにデレてからが長い受けは今まで描いたことがなかったので苦労しました。
あと、キスを描くのが好きなので、思う存分描けて楽しかったです。



Q. 今作にまつわる裏話ってありますか？
はじめに「こういう絡みが描きたい！」と思って作ったエピソードを省きました。やっぱり描きたいなぁと思って、イラストだけカバー下に描いたので、読み終わったあとに見ていただけるとうれしいです。

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います！
よく甥っ子に作業用パソコン取られてました。YouTubeのおすすめ一覧が電車の動画だらけに…。おかげで1ミリほど電車に詳しくなりました。東京駅に行くと色々見られてちょっと嬉しい気分になります。

Q. 今、何かハマっていることは？
前回もお答えしたんですが、そのときよりもずっと茶道にどっぷりハマってます。またお茶のお話も描けたらいいなぁと夢に見てます。

Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
執筆作業中は、作品とふたりでボートに乗って夜の海を漂っている感覚なんですが、今は作業も終わり、作品を小瓶に入れて昼間の海に放り出す気持ちです。無事に誰かのもとに届くよう、ひとりでボートから祈っています。


Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
手と手を取り合って離れないかんじのBLです。よろしくお願いいたします。

担当編集より
キサユキ先生待望の新刊は、旅芸人一座の息子×病院の院長子息の運命を変える恋!!


夕來は、病院の跡取りとしての価値しか求められない寂しさを、男に買われることでやり過ごしていた。
そんなとき、出会った奇妙な男・旭。
最初は変な男としか思っていなかった旭が、自分と同じように跡取りとしての立場に悩んでいることを知り、段々と心を開いていく夕来。
居場所がないという共通点から惹かれあう二人だったが…

二人の禁断の愛の行方は――…


飄々として見える旭が夕来と出会い、一人の人間として立ち回る姿や、舞台の上での色っぽい姿など、見所満載！
そして、好きな人としたことがないから、と照れる夕来の照れ顔がすごく可愛いです!!! 要チェック！

(C)キサユキ/一迅社