ほかの男と「付き合っちゃえば?」と言う彼の思いは!?
陽(はる)と奈津(なつ)は物心つく前から、何をするにもどこへ行くにも二人一緒の幼なじみ。「高校出たらさ、二人で暮らさね?」――ずっと続くと信じていた日々は……。4月25日に発売された、暮田マキネ先生の新刊コミックス『還らずの夏』。二人の関係はある夏、普通とは少し異なるものに変わります。そして3年後、ほかの男と「付き合っちゃえば?」なんてことまで言いだす奈津。二人は思いあっているのに、なぜ!? それでは「801 AUTHORS 108」第912回、暮田マキネ先生どうぞ!
Q. 作品紹介をお願いします!【還らずの夏】※表題作
喪失のお話。未来を描けないことが、とても寂しいです。
【不機嫌なつぼみ】【咲き初めの焦燥】
オメガバースのお話。25歳の成人男子を捕まえて「つぼみ」とかエッチだ…。
ここの二人は色んな方にバカップル認定されています。そういうお話です。
【いちばんしあわせ】
死に向かって進んでいく人間というのは、描いていてやるせなくなります。
これはある一人の人間の幸福論。そして救済のお話。
【All things I know.】
収録作の中で唯一、続きを描きたいなと強く思った作品です。歪な純愛のお話。
Q. メインカップルはどんな攻×受ですか?【還らずの夏】幼なじみ
攻:田富 奈津(たとみ なつ)…ガキ大将タイプ。口が悪くて少し意地悪。陽が可愛くて仕方ない。
受:若草 陽(わかくさ はる)…大人しくて地味だけど案外気が強い。奈津のこと弟みたいにも感じている。
【不機嫌なつぼみ】【咲き初めの焦燥】同僚
攻:貢川 優馬(くがわ ゆうま)…自分の身分や境遇に胡坐をかかない誠実でわきまえのあるα。環のことになるととても残念なα。
受:忍野 環(おしの たまき)…多分ツンデレ。ツン期が長すぎたので、デレの発動が唐突でぎこちない。
【いちばんしあわせ】主従
攻:双葉 伊智(ふたば いち)…収録作一可哀想な生い立ちで、だけどもしかしたら一番幸せかもしれない人。鉄壁のムッツリ。
受:元紺屋 結(もとこんや ゆい)…良家の子息。初恋の伊智がつれなすぎてこじらせました。恋愛体質。
【All things I know.】義理の親子
攻:鳴沢 真(なるさわ しん)…ひたすら健気。病んでいるのかもしれませんが、それも全て両親達の責任です。
受:鳴沢 明(なるさわ めい)…ダメな人。何かとルールを作りたがるのは、本人もダメ人間の自覚があるからです。
Q. 当て馬や重要な脇役は?『還らずの夏』敷島秀明
敷島は陽にずっと片思いしてるのですが、奈津に対しては恋愛感情にも似た強い憧れを持っていました。
ほんと損な役回りだな…ということでひたすら同情してしまう。
ちなみに、ラフの段階ではもっと地味な感じのデザインだったんですけど、「地味っこ子二人はちょっと…」と担当さんから待ったが入って現在の形になりました(笑)
Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう?短編なので、本編の前後が読者さんにちゃんと想像してもらえるような切り取り方を心がけました。
世界観、キャラクターの性格や関係性などを直接的なセリフやモノローグで説明しない描き方が理想なのですが、私の技量ではまだまだ難しいですね。
特にオメガバースは大変で…「番」とか「発情期」という用語を使いたくないと駄々をこねて担当さんを困らせたものです…
Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください!全作品ともテーマアンソロジーで描かせて頂いたものなので、お題を自分なりにどう解釈して作り上げるかという…基本的なことなんですけど、これが一番大変でした。
あと、読みきりなので基本的にキャラ達とは一回きりのお付き合いになっちゃうんですけど、私はどんなキャラもある程度その人の半生を考えてからでないと動かせないので、キャラとの向き合い方が難しかったですね。短編苦手だーって毎回叫んでました(笑)
でも、自分ひとりでは絶対選ばなかっただろうなっていうテーマを頂くことも多くて、新鮮で刺激的な経験でした。
自分について新しく発見することも多くて勉強になります。
Q. 今作にまつわる裏話ってありますか?『不機嫌なつぼみ』『咲き初めの焦燥』の主役二人は、漫画家人生でほぼ初めてと言っていい“名前没”がありました(笑)
ちなみに初期の名前は、貢川が「白州清亜(しらす せいあ)」で環が「甲斐峯太郎(かい みねたろう)」。
オメガバースという特殊設定なのでちょっと現実的じゃない名前をと思ったんですけど…
ラブシーンで「し、しらす…っ」とか「みねたろう…!」とか笑っちゃうよね…っていう。
それはそれで可愛いとも思うんですけど、没って良かった。
Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います!日常…思い出せない…とにかく時間に追われてたという記憶ばかりです(笑)
Q. 今、何かハマっていることは? 今更ですけどジェルネイルを経験しまして…施術時間の短さと持ちの良さに感激しています。
仕事中は原稿と自分の手しか目に入らないので、その時指先がキレイなのって思いのほかテンションあがって気分転換にもなりますね。
Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?おかげ様で今回が4冊目の単行本になるのですが、毎度不安で不眠気味になります(笑)
売れることと同義ではありますが、できるだけたくさんの方に読んで欲しいなって思います。
Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!4冊目のコミックスは、短編集となりました。どこかしら心に引っかかるキャラなり作品なりがあれば幸いです。
ちなみに、今回のカバー下は本編と描き下ろしを読んだ後にご覧いただくの推奨です。どうぞよろしくお願いいたします…!
担当編集より「切ないけど、苦しいけど、何度でも読んでしまう」
読んでいただければ、この感想に共感していただけると思います。
(でも、『不機嫌なつぼみ』『咲き初めの焦燥』のオメガバース作品の二人にだけは
「どうぞどうぞ、末永くお幸せに」と担当編集も思っております(笑))
インタビューの中で暮田先生も仰っていますが、どうしたって一篇一篇は、その作品のページ数しか私たちはキャラの日常を覗けないはずなのに、どの子たちも、その前後にどういった人生を送ってきたのか、これから送るのかを考えさせられます。
数ページでキャラのファンに、いとも容易くなってしまいます。
だからこそ、特に表題作の『還らずの夏』は胸が苦しくてたまりません。
プロット、ネーム、完成原稿があがる度に、暮田先生と一緒に泣きに泣いて、「こんなに私たち泣いて…このお話、内輪ウケになりすぎているのでは…?」と不安になったほどです。
『還らずの夏』の話だけになってしまいましたが、どのお話のキャラたちも本当に魅力的なので、お気に入りの作品がきっと見つかると思います。
5篇の珠玉の短編集(暮田先生は「珠玉」という言葉を恥ずかしがっていらっしゃいましたが譲りません!)、何卒よろしくお願いいたします。
特典情報コミックス創刊フェア:初版限定描き下ろしペーパー
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(C)暮田マキネ/メディアソフト
コメント7
匿名7番さん(1/1)
ネタバレですね。。
タイトルからして想像はできますが。。
匿名6番さん(1/1)
絵柄とか表情とかめっちゃ好み。
…なんだけど死ネタあるのか…。
ものっすごい読んでみたい気持ちがあるのだけど沈みそうだから躊躇する。
でも買っちゃいそうだな…落ち込んでる時を避けて読もう、うん。
匿名5番さん(1/1)
いらないことはないかと…
匿名4番さん(1/1)
読んで見たいけどキツいな。死ネタは。
匿名3番さん(1/1)
BLに感動はいらないかと・・・
匿名2番さん(1/1)
オメガバース有り!マキネ先生ありがとうございます♡ 眼福至福です~
匿名1番さん(1/1)
死ネタ注意…