2011年4月リリースの漫画『放課後の不純』がデビュー作の梶ヶ谷ミチル先生。同作は、ちるちるでは尻上がりに評価を集め、梶ヶ谷先生への注目度もUP! このたびは新作『成長痛』のリリースを前に、貴重なお話を聞くことができました。
Q. ペンネームの由来や、込めた思いなど教えてください。
A:マンガを描き始めた頃住んでいた場所から、梶ヶ谷をつけました。ミチルは本名です。
Q. 昨年リリースの『放課後の不純』カバー下に、同作が「初ボーイズラブ漫画」と書かれていたのを読みました。『放課後の不純』執筆前は、どんな活動をされてたんでしょうか?
A:同人活動を細々としていました。
Q. 漫画を描き始めたきっかけや、デビューまでの経緯は?
A:友人に「イベントに参加してみたいから一緒に本を出そう」と誘われて、マンガを描き始めました。そしてそんなある日、イベントで今の担当さんに声を掛けて頂きました。
Q. ボーイズラブを描かれて、驚いたことや新しい発見など、聞かせてください。
A:自分でキャラを作って動かすなんて出来るのだろうか、と不安一杯でしたが、やってみたらこんなに楽しい事だったんだ! とびっくりしています。
Q. デビュー作『放課後の不純』、そしてこのたびリリースの『成長痛』は、ともに高校生カップルが主人公ですね。先生としてはお得意というか、描きたいテーマだったりするのでしょうか?
A:そうですね、高校生ものは大好物です。どんなに描いても飽きる事がないかもです。
Q. 先生ご自身は、学校生活においてどんな生徒でしたか? また、作品に先生の思い出や経験が生かされていたりする部分があれば、教えていただけないでしょうか。
A:地味で真面目な校風の女子高出身なので、弾けきれない青春時代を過ごしました。なのでその反動? で自分では叶えられなかった夢や憧れなんかをマンガの中で成就させている感じです。
Q. 男子高校生や、部活中の校庭などを見て、何かよからぬ妄想などされたことはありますか?
A:なかったですねー(笑)。ボケーと過ごしていたので。今だったら透明人間になって一日中男子校に潜伏していたいと思うんですが。
Q. ちるちるでは、『放課後の不純』に「青春」「青さ」「青臭さ」がよく表現されていて、そこに萌えるというようなレビューが目立ちます。私もページをめくっていると、まだ成熟していない十代独特の揺れのようなものを感じ胸がキュンとなりました。こういった感想、いかがでしょう?
A:もう本当に嬉しいです! ありがとうございます。そういう不安定なお年頃の男子を描くのが大好きで、でもちゃんと描けてるのかな? っていう不安がいつもあるので、こうしてお褒めの言葉を頂けると、凄く嬉しくて「よかった……」とホッとします。
Q. エッチシーンなど濡れ場はあまりダイレクトではなく、それゆえ想像を掻き立てられました。男同士のそういったシーンを初めて描かれたとき、何か気持ちに変化はありましたか?
A:ただひたすら恥ずかしくって……エロ妄想は楽しくて好きなのですが、それを形にして人様にお見せするのが恥ずかしかったです。今はだいぶ慣れてきて、楽しくなってきました。でも恥ずかしい、でも楽しいです。
Q. 新作『成長痛』は、東京の高校生である柏野すばるが、部活の合宿先で訪れた田舎の高校で運命的な出会いをしますね。『放課後の不純』は同じ高校に通う二人の物語でしたが、今回は合宿という一時的なふれあいだったり、遠距離になったりという要素が絡みました。先生にとってニ作目のBLになると思いますが、新しくチャレンジした部分や、こだわった部分などうかがえますでしょうか。
A:すばるの身長をチビにする、というのは自分にとってはチャレンジでした。なんとなく攻は受より体格が勝っていないといけない、みたいな思い込みがあったので。こんなガキっぽい子で大丈夫だろうか、萌えてもらえるだろうかとちょっと心配でした。なので、そのすばるがちゃんと成長していますよ、という所を気を付けて描いていました。
Q. 両作ともリリース前に、まずは携帯向けの電子コミックとして発表されています。携帯コミックの読者を考えて、ストーリーなど工夫されている部分はあるのでしょうか?
A:工夫というほどでもないのですが、1話に一か所はほんのりセクシャルなシーンを入れられる様に心掛けています。
Q. お好きな作品や作家さんなどを教えていただけますでしょうか。理由や思い入れなどもお願いします。
A:萩尾望都先生の漫画『トーマの心臓』が好きです。ギムナジウムという特殊な空間で思い悩み、きらきらと生きている少年達……ツボすぎます。体のライン、表情、光と影の描写……などなどちょっとしたコマにもハッとする美しさがあっていつまでも魅入ってしまいます。
Q. BLでは、どんなカップリングやシチュエーションがお好きですか?
A:下克上ものが好きです。あとはほんのり背徳感のあるもの……先生と生徒とか、兄弟なのに……! みたいなのが好きです。
Q. 今後、チャレンジしてみたい作風やストーリー、また作家という立場を離れて、実現させたい目標や野望はありますか?
A:ご時世的に無理かもしれませんが、先生と生徒ものは一度描いてみたいです。生徒×先生とか。野望……は猫を飼ってみたいですね。モフりまくってみたいです。
Q. 最後に、ちるちるユーザーのみなさんにメッセージをお願いします。
A:こんなペーペーの私に興味を持って頂いてインタビューを読んで下さってどうもありがとうございます。
未だ手探り状態で描いている現状ですが、それでもすごく描くのが楽しい今なので、そんな気持ちが読んで下さる方に伝わればいいな、そんなものが描けたらいいなと思っています。これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願い致します。