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もう、泣けちゃうよね

純粋で寂しがりやな人狼と、不幸な境遇の修道士。
そんな孤独な二人が寄り添いあって・・・と言う、切ないんだけどとても優しくてあたたかいお話でした。

もともと栗城先生のおとぎ話風BLって大好きなんですけど、今回は特に良くてですね。
ストーリーとしてもすごく読み応えがあるんですけど、とにかく主役二人の恋愛部分が萌えるし感動するしでいいんですよ~。
や、作者さんもおっしゃられてる通り穏やかなお話ではあるんですけど、何故か無性に切なくもあると言うか。

孤独だった二人が互いにかけがえのない相手と巡り会って、ずっと欲しかった「家族」と言う存在を得る。
そう、故郷も何もかも捨てて、自分を選んでくれたー。
もう、泣けちゃうよねと。

ちなみに、繰り返しになりますが、ストーリー自体も大変面白かったです。
おとぎ話の真相って、大概残酷だし陰惨なものだったりするよね。
あと、結構血生臭いシーンもあったりするので、苦手な方はご注意下さい。
獣に襲われる系はね、また違った怖さがあるよねと。

内容です。
村の子どもが浚われる事件が続き、その犯人である狼男を退治する事になります。
そこで、白羽の矢が立てられたのは元孤児の修道士・シリル。
一人、死を覚悟して山に向かいますが、怪我を負い動けなくってしまうんですね。
すると、何故か恐ろしい化け物であるハズの狼男が助けてくれてー・・・と言うものです。

で、怪我が治るまでの間、自らを「狼男」ではなく「人狼の一族」だと名乗る青年・グレアムと、雪に閉ざされた山奥の小屋で過ごす事になるシリル。
残忍だと言う噂とは正反対の、思いやりがあって純粋なグレアムに惹かれて行きますが・・・と言う流れ。

と、こちら、噂では残忍な化け物、実際には純粋な青年にしか見えないグレアム。
彼の本当の姿とはー?
また、村人を襲う「狼男」の恐ろしい真相とは?
そして、種族も生きる世界も全てが違う二人。
彼等の恋の行方とはー?
このあたりが、見処になってくると思うんですけど。

とりあえずこちら、しつこいですが、ストーリーとしてもとても読み応えがあるんですよ。
や、最初から伏線がしっかり張ってある為、真犯人に「ん?」と違和感を覚える部分なんかが多いんですよね。
また、本当に展開が面白くて。
えーと、なかなか真相が酷いものだし、人間の残酷さと言うんですかね?
普通の村人である彼等の、自分達にさえ類が及ばなければそれでいいと言う醜い姿にはゾッとくるものがある。
ゾッとくるものがあるんですけど、だからこそ、主役二人の純粋な姿、そして純愛が際立つと言うか。

や、これね、二人が共に過ごす時間と言うのが、とにかく優しいしあたたかいんですよ。
群れからはぐれ、たった一人で孤独に生きてきたグレアム。
そして、誰かを守ったり人の為に行動する事はあれど、逆に自分は誰からも守ってもらえない。
大事にはされないシリル。

もうさ、グレアムがめちゃくちゃ純粋なんですよね。
一人きりで過ごしていた家に、シリルが来てくれた。
そして一緒に生活してくれる。

こう、シリルが居てくれて嬉しい!と、全身で喜びを表している彼の姿が、可愛いのに切ないんですよ。
最初はただ純粋なばかりのワンコかと思いきや、思いもよらない哀しい決意なんかも知ってしまうと。

また、シリルもとても純粋なんですよね。
彼はそんなグレアムに対して、強い罪悪感を覚えるんですよ。
本当は退治しに来ただけに。
そして、その事を秘密にしただけに。
くっ、もっとズル賢くなればいいのに!
心のままに、ワガママになればいいのに!

まぁだからこそ、二人が結ばれた時は嬉しくて仕方ないんですけどね。
真っ直ぐ信じてくれる人が現れて良かったね。グレアム。
そして、誰でもない、自分を大事にしてくれる相手が現れて、本当に良かったね!シリル。

ちなみに、書き下ろしでその後の二人が語られます。
故郷の里を出て、遠く賑やかな港街で暮らし始めた二人。
グレアムは、自分と同じではないかと感じる青年と出会って・・・って感じでしょうか。

これ、新キャラである他の人狼族・オリバーがめっちゃいい味出してました。
彼、いい男なのに、てかいい男だからか、貧乏クジだよね。

あと、二人がわりとしょうもないスレ違いを繰り広げてて、微笑ましかったですよ。
彼等のこれまでの境遇を思えば、臆病になっちゃうのもしょうがないよね。
でも変な遠慮はしないで、エッチはどんどんやってくれて構わないのよ。
読者も、って言うか私が嬉しいから。

と、そんな感じでちょっと切なくはあるけど、とにかく優しいし感動的だし泣けるしで、めちゃくちゃ素敵なお話でした。
本当、良かったよ!!

もう、めちゃくちゃ深くていい話ーーーー!

片想い相手への報われない恋に、苦しむ主人公。
「人の心を食う」と言われる美しい蝶に、いっそこの気持ちを食べてくれたらと願うんですね。
すると、本当に恋心が消え失せて・・・。
と言った、ちょっぴり不思議な現代版ファンタジーになります。

私は海野先生の大ファンでして。
今作も当然チェックを入れた上で、勝手にラブコメを想像して楽しみにしてたんですよ。
や、あらすじ等から、受けの一途な恋心の上に胡座をかいて、好意を当たり前に受け止めていたズルい攻め。
そんな彼が、突然受けから興味を無くされ「え・・・? ええ?」って感じでショックを受ける。
そう、ムカつく攻めが痛い目を見るお話ね!的な。
こういう、要は攻めザマァ、大好きなんだけどー!的な。

が、内容的には確かにその通りなんですけど、実際はラブコメってよりどちらかと言うとシリアス寄りだし結構苦しいお話なんですよね。
でも、めちゃくちゃ深くていい話なんですよー!
なんと言うか、人を好きになるって苦しいし、怖くもあるよね。
でも、とても素敵な事だよねと。

えーと、そもそもですね、主人公である朝陽ですが、重度の昆虫オタクで変わり者なんですよ。
で、周囲から浮いてしまうそんな彼を、唯一受け入れてくれたのが攻めとなる国吉。
ただしこの国吉、誰に対しても平等に「優しい人間」でして、逆に言えば特別な相手が一人も居ないんですね。
こう、朝陽の「大好きだ!」と言う告白に対しても、いつも笑顔で流してって感じで。

で、そんな彼への片思いに疲れてきていた朝陽・・・。

繰り返しになりますが、私は攻めが痛い目を見るのが大好きなんですよ。
気持ちを失ってからの朝陽ですが、奇行が無くなった事で周囲とも上手く付き合え、更に国吉の言動に振り回される事も無くなってと、全てが順調に見えるんですよね。
で、逆に国吉ですが、朝陽から急に相手にされなくなってショックを受けと、その毎日は精彩に欠ける。

普段ならこの展開って大好きでして、意地の悪い喜びに浸ってるハズなんですよ。
ハズなんだけど、今回は読んでてひどく切なくて。
や、何でか考えたんですけど、朝陽の告白を受け流しとズルい事を繰り返してるクセに、国吉の言動って朝陽への深い愛が感じられるんですよ。
どんどん感情を無くして人形のようになって行く朝陽に対して、必死で働きかけ続けてって感じで。

また、海野先生と言うと、しっかり掘り下げた心情描写が素晴らしいと思うんですよね。
国吉の本当の気持ちと言うのは後半で分かりますが、だからザマァ状態の時に嬉しいどころか切なく感じたのか!と。
彼は、思ってたよりずっと不器用だし、臆病だったんだなぁと、ここでガラッと印象が引っくり返ると言うか。
そして逆に、主人公の強さに感嘆すると言うか。

えーと、テーマと言うのがですね、「感情」がある事が幸せか否か?になると思うんですよ。
最初こそ、感情を無くした事が幸せだった主人公。
それが、やがて失ったものの大切さに気付き、後悔する。
何より、大事な人の為に取り戻したいと強く願う。
こう、すごく心を打たれて。
もう、めっちゃいい話ー!
とにかくめちゃくちゃいい話ーーー!

ちなみに、毎回思うけどオチが秀逸でしたよ。
「そう来たか!」と、思わずニヤリとしましたよ。
その後の展開には、萌え転がっちゃいましたよ。
朝陽、それは可愛いすぎるわーーー!と。
そう、気持ちってどんどん溢れ出るものなの!と。

若干、と言うかかなり攻めはヘタレだと思うんですよ。
あと、どちらかと言うと結構切ないと言うか、重めのお話だと思います。
でも、めちゃくちゃ心に響く素晴らしい作品だと思う。
シリアス系が苦手じゃなければ、ぜひ読んで。