Sakura0904さんのマイページ

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エキスパートレビューアー2022

女性Sakura0904さん

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何を大事にして生きるかは他人には決められない

 3巻まででそれなりに綺麗にまとまっていたので、4巻でまた三好によって波乱が起こされるとは思わず、想像より甘さは抑えめな巻となっていました。そうか、志筑自身の音楽に対するスタンスははっきりしていても、対三好への感情や接し方はまだふわふわしていたり、矢野は自分とまったく同じ立ち位置でこのままやっていっていいのか自信がなかったり、相手がいることにはいろいろ気持ちが定まっていなかったんですね。この巻でやっと、2人に対しても今後の向き合い方が決まったのかなと思いました。本編が少しシリアスな分、小話などではいつもの笑える2人の掛け合いが見れます。

壁の中の天使 コミック

びっけ 

殊勝さに心を打たれる

 おとぎ話のような優しい物語でした。かと言って、さらさら読み終えてしまうような作品でもなく、しっかり読者の心に余韻を残してくれる良作。画家であるロレンツが仕事でとあるお店の外壁に描いた2人の天使。心を込めて描かれたものには魂が宿り、夜の間だけ彼らは壁を抜け出す。素敵な導入ですよね。

 幼さが残り、子供のように無邪気で可愛らしい金髪のユリウスと、ユリウスよりも大人びていて思慮深い慎重派のマリオン。彼らの性格はロレンツが描く時に想像したものなのでしょうかね。性格は異なれど一途で温かい心を持った2人が、最後にはそれぞれの想いを遂げることができて嬉しかったです。

彼と私 電子 コミック

夏下冬 

それも愛情

 短編でもパンチのある物語でした。久々に夏下先生の作品を読みましたが、綺麗な絵で独特の感性を感じさせる物語を描かれますよね。最後に明らかになる「彼」の正体にはあっと驚かされますが、私も物に表情を感じる人間なので(かと言って丁寧に扱うわけではない。物は物)、案外共感できる気もしました。大切に楽しそうに「彼」を扱う「私」は素敵だと思ったし、そうされて「私」を想う「彼」の直向きな情は健気に感じました。こういう話を集めた短編集とか出して欲しいですね。

数学は宇宙の言語

 気弱そうな見た目の高校教師・皆川ですが、案外はっきり主張するタイプでおどおどもしていないし、何より本業である数学の授業の仕方がいいなと思いました。生徒と教師の物語はたくさんあれど、良い教え方だなと思えるような教師に出会うことは稀。そもそも本業の描写に重きを置かれてない場合もありますしね。数学の魅力を関心の薄い生徒にも共感してもらえるよう語れる彼は、教師として素敵だなぁと。そこから彼自身に魅力を感じるようになった佐久。自然な流れに感じました。ハッテン場も登場するし、濡れ場も多めだけれど、2人の穏やかな人間性が伝わってくる物語でした。

BARBARITIES IV コミック

鈴木ツタ 

穏やかな雰囲気は失われず

 焦らしに焦らしてこの4巻が最終巻。サイモンの悪行もきちんと裁かれ、勧善懲悪ですっきりできる展開でもありました。彼と一緒に沈んでしまったレオネルはとても気の毒でしたが。この時代は白黒はっきり決着をつけられますから仕方ないですね。アダムとジョエルの関係については、アダムを失いかけたことによりジョエルの積極性が一気に強まり、今までの焦れったいやりとりが嘘のように甘く濃いシーンをたくさん見れました。アダムの実母がなかなか癖が強く、今後は彼女とも一悶着ありそうですが、そこは読者の想像の余地に任されましたね。美麗な絵で純愛を楽しませてもらいました。

バカに見えても繊細なんだから

 付き合っているフリから始まる物語。王道ラブコメの1つではありますが、たまに読むとやっぱりきゅんとするし、2人が段々相手に本気になっていく過程にわくわくしますね。個人的に幸田先生のタッチが好きなのもあって、可愛い絵で男子高校生のもだもだを見れてとても満足でした。柏木の朴訥とした感じはクールさとはまた違い愛嬌があって、なんだかんだ瑞稀と同レベルの馬鹿さ加減なのも愛おしい。女子苦手な瑞稀が克服とまではいかなくても、柏木という安心感を得られたことで普通に怯えずに接せるくらいになれるといいなと思いました。

もっと暴れて欲しかったかな

 がっつりヤクザものを読みたいという方には大分物足りないストーリー展開かと思いますが、ライトに味わいたい、ちょっと味見してみたいという気分の時にはちょうど良いかもしれません。地下格闘技、足を洗えない男達、シャブ漬けと物騒な要素が盛り沢山ですが、描き方は良くも悪くも表面的で、ヤクザの世界にどっぷり浸れる感じではありません。龍と天馬の間に立つ障壁ももっと壊すのが大変かと思いきや、案外あっさり取り除かれます。濡れ場はしっかりあるので2人のキャラにハマれれば十分満足できると思いますが、私には少々薄い味付けでした。

少しずつ自分の人生を

 同じ会社で働くリーマン同士なので、職場での活躍ぶりも拝みつつ、ノンケ×ゲイのもだもだした恋愛を楽しむことができました。もだもだと言ってもノンケの正宗はまったく裏表のない猪突猛進な性格で、ゲイである渉が思わずおろおろしてしまうほどの強キャラ。好意を持っていること、可愛いと思った瞬間なども素直に伝えてくる彼は、渉のような凝り固まった人間には相性ぴったり。渉が両親にも正宗とのことを言える日が来るかどうかは分からないけれど、前向きに考えられるようになったり、自分の気持ちに嘘をつかずに生きられるようになっただけでも十分過ぎる変化ですよね。

どう収束するのか楽しみ

 この世界の謎の真相が徐々に露わになってきましたね。情報の遮断された閉鎖的な島という展開に、正直メイン2人のビジュアルも含め一旦は特定の一般漫画作品を連想させられました。が、まあ一応他の設定はきちんと独自に練られているし、まったく異なる着地を見せてくれたら終わりよければすべて良しで気にならなくなるかなと思います。エルヴァの喜怒哀楽がかなり豊かに表現されるようになってきたこともあり、変化に富んだ巻でした。嫉妬を覚え、さらにその感情を表に出すようになったエルヴァが愛おしかったです。

外の世界の広さ

 相変わらず美しい絵ですね。ストーリーも小説に引けをとらない重厚感があります。男同士である以前に2人の間にはもっと大きい壁があるので、良い意味でBLっぽさをあまり感じません。壮大で一途な愛の物語という印象が強いですね。アルトについては体は大きくなり見た目が男らしくなっても、中身はまだまだ子供のようなところが残っているところが可愛らしくもあり、少々頼りなくもあり。責任感や誇りを持って自分の役割を全うするエルヴァの人生はどう変わるのか、3巻で見届けたいと思います。