長いお話でした。もうこれでもか!と内容も盛り沢山で、葉月の切なさに泣かされ。
7歳の時に10日間だけ一緒に過ごした男の子のことが13年間ずっと忘れられず…。しかし相手は今頃どうしているやら、自分のことなど忘れているに違いないと。
とにかく葉月のコンプレックスを乗り越え、明るく前向きに頑張るところ、良かったです。そして傑の嫁になるのに、戦国の嫁の心得を勉強したり、醜男だからと親や従者に言われ放題でも明るく笑い飛ばして。
二人がすれ違うのが本当に切なくて泣けて泣けて。
傑が何を考えているのかさっぱりわからず、葉月は悪い方へとばかり受け取ってしまって。
どんなに優しくされても大事にされても媚びてるだけだと思い込んで。疑心暗鬼が過ぎます。
それがやっとお互い言葉で通じ合って(泣)
だけど一筋縄ではいかず。傑の修羅の道、心の闇は深いですね。誰よりも相手や領民や御家を案じている優しい人なのに、生き延びるためにやってきたことは鬼のようで。
傑はそんな自分を葉月に見せたくない。葉月もやはり信用してもらえないか…と。
腹の中の全ては決して見せてはくれない傑。
でも傑にとって葉月は自分を照らしてくれる月であり、誰よりも可愛くて救われて楽しくて。
葉月も傑となら地獄で楽しくやれる、共に落ちようとまで言って。器量の大きすぎる殿の背中を追いかけ、同じものを見たくて。
13年熟成純愛ですね。
主人公受けが美しくなく、でも攻めにはとてつもなく可愛く見える!新鮮でした。
ふわキュン男子フユの初恋一目惚れスイーツ日記?
成瀬さん!こういうお話も書かれるんですね!純粋培養天使なフユ。過保護な兄に尽くして自我を持たず理想の弟でいて…。
しかしそんなフユが一目惚れしたのは強面大男の鴻巣で。どうも元ヤクザ?でケーキ屋さんのパティシエでオーナーらしい。
フユには全く自覚がないのですが、好き好きが態度に出まくってたようで。SNSにも鴻巣のことをこんなに格好いいのに、どうしてみんなきがつかないのかなあ?と素で書き込んでて。
高校生3人が知恵を出し合って、売れないケーキ屋さんを立て直す場面はワクワクしました。
フユの兄離れと、鴻巣の自分の気持ちを認めて素直になると、まあ可愛らしい恋人が誕生で。鴻巣がフユの兄に言うことが正論で、よく冷静に言えたね!誰も言ってくれなくてフユが苦しそうで救われました。
フユの兄にもそろそろ現実に目を向けて弟離れしてほしいですね。
鴻巣が素直になったら半端ないですね!もうメロメロきゅんです。
早く大学生になってお店を手伝えるといいですね。新藤さん!あなたってひとは!
コミックが出たようであらすじに惹かれ小説の方を読んでみました。
やはり鈴木あみさんの文章は読みやすいですね!知りたいことがすぐ書いてあるというか、余計な描写が極力省かれているというか。
捨て仔猫の八緒が九尾狐家の跡取り焔来に出会って、綺麗で気高くて大好きになって、ずっとそばにいたい一緒にいたい、初夜も他の人としてほしくない!って健気で一途で。
このときの嘘が後々ややこしいことになりますが、焔来の嫉妬も良かったです。
身分差がもどかしくもあり。しかも猫族の八緒が妊娠したとわかると、ありえない!浮気か?裏切りか?と大騒ぎで。
異種族間で妊娠するわけがない世界なので…。
実は八緒の正体は…!
無事に嫁入りして出産してめでたしめでたしでした。
焔来も八緒もあんなにしてて何故お互いのことがわからないの?このすれ違いや身分差が美味しくもありもどかしくもあり。
言いたいことが言えない二人がすれ違うのが切なかったです。
出産で八緒の身体を心配する焔来、しかし八緒の変化に気付くと、どんどん子作りするぞー!って(笑)
短編の解禁の日も良かったです。
なんとも主人公夏芽がもどかしい。
母に売られトラウマもあったでしょうが、きっと何年も幸徳から言い聞かされていただろうに。いつまでも自分は幸徳に恩返しをしなければ、そのためだけに生きてきたみたいに思い詰めて。恋愛とか人付き合いとか極力避けて。なぜそこまで?というくらい頑なで。
誰もそんなこと頼んでないし、自由に生きて自分の可能性を見つけて幸せになってほしいのに。
オメガということで必要以上に警戒していたのもあるんでしょうが…。
その夏芽の頑なさが、素直に幸徳やハリードの好意や善意を受け取れず、振り回し何年も遠回りして…。
ハリードが気の毒で。彼のボディーガードや叔父のしたことは酷いですが、素直にハリードに伝えていれば…。
四年間も夏芽を探して、やっと再会できたら他の男との結婚披露宴で、記憶も無くして忘れられて、でも自分との子供がいて。
まあ記憶喪失はバレバレだったと思いますが。
ハリードがしのばせた手紙も泣けます。
想いが叶わなくても出会えて良かった。いつまでもどこにいても愛してるって(泣)
幸徳の説得も、なんて良い人なんだ!
夏芽が頑なだからいっぱいすれ違って、今更無理だよ…みたいになって。あんなにハリードに冷たくあたって。
まあ確かに四年は必要な時間だったのかもしれませんが。
花のオメガ、溺愛王子、運命のつがい〜、なのにこんなに切ないお話だったなんて!
どこにいようが見つけるよってハリードが(泣)
無理を通さず主人公の意思を大切に身を引こうと(泣)
母にすら愛されなかったトラウマが人生を卑屈で窮屈にさせてしまい。でも幸徳から大切に愛されたでしょう?二十歳も超えていつまでも囚われて。うーん、もっと強くいてほしかったなあ。周りも気の毒。
悪徳不動産会社の手の混んだやり口にゾっとし、主人公佳月の頑固さとチョロさに不安になり…。
佳月がいいなと思っていた教室のイケメンリーマン生徒花菱がなんと!
店を売りたくなければ身体を自由にさせろと、いつの時代?みたいな脅迫に従う佳月でしたが、まさかこんなに酷い目にあうなんて!冷酷な花菱、ですが毎日メールしたりしょっちゅう店に顔を出したり、佳月の身体を心配したり…。なんだか嫉妬したり拗ねたりあれれ?で。
なんかおかしいな。何かもっと事情があるのかな?と思っていたら後半の数十ページで怒涛の展開があります。え!そうだったの?
これはみんな辛かったね。恋しくて忘れられたと思ったら憎くて。出会ったときからずっと花菱は…。唯一あのお店に帰ることだけを頼りに耐えて生きてきたんですね。
佳月もそんなに傷ついて…。
真相を知った花菱はまるで別人で。愛を乞う年下の甘えん坊さんで。
まさかお互いそんな事情があったとはとびっくりしましたが、ずっと思い続けていてやっと本当の意味で再会できて良かったです。
どうか花菱はS加減をほどほどにしてあげてね。ほのぼの下町商店街暮らしになるといいですね。
流れるように読み終わった…。
ずっと一緒にいるというのはやはり墓の問題に行き着くのかな。
一緒に老後の楽しみにしようって桜の木を植えたじゃない!縁側置こうかって言ったじゃない!どうして(泣)
やはりその先一緒になるには同じお墓に入ることなのかな、と考えさせられました。今までは自分のお骨はいらないしなんなら残さなくていいし、義理両親と一緒のお墓になるのは嫌で、どこかのお寺の永代供養にでもと考えていたのですが。
香藤の愛した岩城を自分で亡くすのは許さないだろうなあ。あぁ、読みながら泣いたけど思い出しても泣ける。
あんなに愛してくれて愛されて、二人で色んなことを乗り越えて来たのに。
作者さんのこだわりが同じお墓に入れることだったのかな。
岩城のその後がしびれました。道を残し同じ立場の人達がもっと自由に権利を持てるように。
はぁ、もう今日は何もする気がしません。
さよなら二人とも。ありがとう。
リバが全然違和感無く読める唯一の作品でした。また、二人の時間の流れが決して短くはなく同じ時間を生きてきたような気がします。
さすが小中さんですね!
時系列や現在と過去の構成、文章、巧みです。
ちびっこはいいですね!可愛いなあ。
このお話ではオメガはまだ世にあまり知られていない設定です。発情期は毎月あります。
アメリカの方が研究が進んでいるようですね。
優吾がオメガだと、しかも妊娠もしていると分かってからの葛藤。迫ってました。
ひたすら優吾が切なくて。Jから逃げて何年経っても忘れられなくて恋しくて。
当たり屋みたいなことをして迷惑をかけた、彼は忘れたいに決まっていると思い込んで。
5年ぶりに再会できて…。Jの言葉を全く信じない優吾。優吾視点なのでこちらもひっぱられ気味で一緒に切なくて。
これはいつJが秘密に気が付いたか、もしかして知ってる?とハラハラしながら読みました。
優吾さえ素直になれば…。
でも相手は大富豪だもんね。優吾は幸多と普通の暮らしをしたいし、これ以上迷惑かけたくないんだよね。
良かったんです。お城を建ててそれぞれの部屋をきっと嬉しそうに用意したんだろうなあと。Jの覚悟も良かった。
せっかくの気持ちが通じ合ったのになぜすぐ発情期エッチになってしまったのか。まあこれは設定ですからタイミング的にそうなるかも。
なぜ想いが通じて初エッチでJは意地悪になるのか?
エッチの時に攻めが意地悪になるの苦手なんです。なぜここまできて5年越しなのにエッチで意地悪な言い方するの?好みの問題ですね。
それ以外はとても良かったです。支えてくれる家族や過保護なJや後藤さんも。
不憫な咲人が天使の溺愛ベビーシッターになって前向きに生きていくところにぐっときました。
実家の不幸に家族の死。まだ若かった咲人は仕事にも仲間にも恵まれず、死ぬしかないような日々に突然天使が現れて…。
うーん、攻めがゴージャスですね!現実だとどこの財閥系になるのかな?と想像しながら、スケールの大きな名門の当主とお屋敷と環境に、ほぉ〜っとため息が出そうでした。
甘いのが読みたいな♡とあらすじとタイトルで読み始めましたが、咲人がとてもラッキーに転んで、地道に真面目に誠実に一生懸命に尽くすことで、どんどん幸せになって本当に良かったです。
ちびっこも可愛いし使用人さん達も良い人ばかりだし、当主の響も頼もしくて。
親子関係に悩んだり、距離が縮まって嬉し泣きしそうになったり。いい保護者でした。
咲人に対して一使用人として過分に世話を焼いて将来や身のたてかたなど考えて。
施しか投資か。咲人が善意や好意を素直に受け取れるようになり、彫り物を楽しく再開できて良かったです。
園ママやデパートの外商のくだりは辛かったです。そこまで?というくらい関わってきてマジか?幼稚園やデパートの外商怖い…と思いましたが、どこまでリアルなんですかね?
エッチはさらっとです。
毎回読んでて思うのですが、愛してるとか一生とか言いがちですよね。まあ読んでる方も安心できていいのですが…。
エッチに対して初めてなのに勇気ありすぎ?すんなり出来すぎ?
つい気になってしまって。
才能ある優しい善良な受けと、スーパー金持ちパトロン攻めですかね。助けてもらえて出会えて良かったね!
これからが楽しみですね。
紬季視点でもどかしく悲しく、そうじゃないんだよと何度も言いたくなるようなお話でした。
荒療治で真紘にされたことは、うーん結果オーライ?なのか?
なんだか読んでるときは真紘が尽くす様子に心が温まりましたが、紬季が復活したとたん勝手にあれこれ決めて動き出して、ええ?となりました。なぜ真紘がそんな権限を?契約してもないのに。
マネージャー兼調律師として態度が豹変して。
今度は紬季は真紘のせいでどんどん追いつめられていき。
いや、紬季の考え方が偏っているのもあるんですが、なぜきちんと説明してあげなかったの?いきなりレコーディングだコンサートだって事務的になって。紬季がおかしくなっていくのが辛くて辛くて。
結局全ては紬季のためだったようですが、何度も言いますがなぜ説明しなかった?そうすれば多少揉めても納得して、ここまで心を痛めなくて済んだのに。
最後のエッチもね…。こんなことしてたら紬季が死んじゃうよ。なにが調律しますだよ。君は繊細なピアノだよ。無茶してるくせに。
エッチに指図ばっかりで。
読んでるとだんだん真紘が嫌いになってきました。