碧蓮さんのマイページ

神作品

アドバンスドレビューアー

女性碧蓮さん

レビュー数0

ポイント数2

今年度350位

通算--位

  • 神0
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0
  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

羅城恋月夜 コミック

朔ヒロ 

心の安らげる場所を見い出す物語

「明烏夢恋唄」が好きなので、繋がったお話を読めて嬉しかったです。明烏の登場人物たちも出てきてくれて、本当に嬉しい。
人間嫌いの陰陽師・紺と鬼の茨木。どちらも本来属する界隈から見ると、異質や異端と呼ばれてしまう性質ですが、そんな二人が出会うことで前へ進むきっかけになり、癒しや居場所を見い出したことにとても感動しました。
紺も茨木も自身の目的のために交流を深めていく中で、お互いの優しさや温もりに触れ、次第に惹かれ合っていく様子があたたかいです。
紺がとにかくあたたかい。心があたたかい。本人は薄情だと自負し、ある側から見れば薄情なのかもしれませんが、もう一方から見ればそうではない。どの視点から見るか、どこに重きを置くか、に依るのだと思いますが、紺が大切にしようとする視点には共感しました。ひたすらに「護る術」を磨いた紺、素敵です。
茨木はひたすらに大切な存在である酒呑童子の角を求める余り、追い詰められて極端な考えに陥っていましたが、他者への思い遣りの心は失っていなかった。瓦楽ちゃんの世話をし、翠蓮を逃がしたように。それでも、自責の念や諦観から、心の温もりとは程遠かった。
茨木の頼みを紺が承諾する形で始まった二人の関係は、思いの外、優しく柔らかく、幸せまで感じました。それはおそらく、お互いに対して尊敬・尊重する気持ちがあるからだと思います。お互いに自身のことを薄情だ、優しくない、と評する二人が交わす言葉は優しかったです。
陰陽師という存在、鬼や妖怪という存在、それらの設定もしっかりしていて、納得しながら世界観に浸れました。元々、そういう分野も好きなので、酒呑童子や茨木童子の名前にもわくわくしました。
三年後、紺の気持ちが変わっていなければ、「悪い子は鬼が攫う」宣言をする茨木がかっこよかったです!再会する二人やその後をとても見たいです!あとがきによると、続編が決定しているとのことで、楽しみにしています!

テンポよい紆余曲折

冒頭からぶっ飛んだ設定でお話が進んでいきますが、置いていかれることなく、「どういうことやねん!」と思いながらも引っ張られていく感じです。いつきさんのお話は登場人物の心情もしっかり描かれている上でテンポもいいので、いつも楽しく読めます。
超絶拒絶から始まる百貴と千景の新婚生活。拒絶を露わにする百貴に対して、千景も似たような態度を返すので、まさか千景は百貴との結婚に乗り気だったとは気付けませんでした。千景の心情を知ってから最初のほうを読み返すと、愛しさが増します。
百貴は百貴で、拒絶しながらもお互いの命が懸かっていると実感すると、歩み寄りを見せ、千景のことを知っていくうちに拒絶以外の感情を覚えるようになっていく様子が微笑ましかったです。なんだかんだで年上の余裕を見せる百貴、かっこいい。
田端くんはいい奴なので、振られてしまって心が痛みました。でも、百貴の相手は千景なので!そこは譲れませんが、切ない……。
村のしきたりという謎の理由で無理矢理結婚させられてしまった百貴と千景ですが、最後にはしっかりとお互いを思い合う関係になれて、とてもよかったです。そこに辿り着くまでのテンポよい紆余曲折も、どきどきはらはらしながら楽しめました。

ローとハイ、影と光

冒頭からハイテンションで好きです!七生の明るい前向きさから生まれるハイテンション!
この作品を手にしたきっかけは、タイトルと表紙でした。生け贄が門前払いされるって、どういうこと?と(笑) 表紙ではがっしりホールドしながら、大きなバツマーク。内容が気になって仕方ありませんでした。読んでみると、タイトルも表紙もお話にぴったり!
門前払いのされ方が容赦ないこと、めげずに突撃する生け贄の勢いとしつこさが相乗効果を生み、冒頭からとてもおもしろいです。一気に引き込まれました。
やる気のない大蛇(神様)がローテンションで、見た目も怖いほうなのに、七生と関わるうちにかっこよく見えてきて驚きました。キャラデザは変わっていないはず……。行動や内面から出てくるかっこよさなのでしょうか。
七生は圧倒的光属性だと思っています。扱いにくい難儀な相手である大蛇をも絆してしまう。でも、そんな七生も最初は空っぽの魂だというところがエッセンスになっているように思います。七生は七生で、大蛇と関わるうちにみっちり詰まった魂になり、より一層、大蛇にとって厄介な相手となる。空っぽな七生の魂を指摘したのは大蛇なのに、巡り廻って、みっちり詰まった七生の魂のおいしそうな匂いに困るのも大蛇というのが、何とも皮肉で微笑ましいです。
この二人の、お互いがお互いに影響を与え合う関係があたたかく感じられました。二人ともがより良いほうへ変わっていっているように思えます。より幸せを感じられるほうへ。
大蛇の兄である白蛇もいいキャラをしています。基本的には自分の楽しみのためですが、結果的にナイスアシスト!
家と大蛇の心が同調する設定や、蛇ならではの発情期や脱皮など、世界観の作り込みがしっかりしていて、読んでいて楽しいです。子作りに励む七生と大蛇のその後がとても気になります!

胸きゅんと甘さと爽やかさとエロさの見事なバランス

胸きゅんと甘さと爽やかさとエロさの見事なバランスに、心を掴まれました。読んでいて心地が好く、最終ページまであっという間でした。読み終えた後も、何回でも読みたくなります。
寺野くんの自然体な強引さがいいです。熊崎くんの自然体な可愛さがいいです。寺野くんは一見完璧な人に見えるけれど、悩んだり戸惑ったりするし、熊崎くんは一見不良に見えるけれど、家族仲もよく、人の心をないがしろにしない人。
みんなに隠れて付き合う二人のラブラブエロエロっぷりには、にやけてしまいます。二人のときには、相手に対する「好き」を隠さないところがいいです。
嫉妬する熊崎くんが嬉しくて、わざと嫉妬させるような行動を取ってしまう確信犯な寺野くんですが、結局は嫉妬する熊崎くんが可愛くて、辛抱たまらん!となるところが微笑ましかったです。無自覚ながらも、気持ちを伝えることができる熊崎くんは愛おしい。
冒頭に付き合い始めのラブラブな様子が描かれ、回想の形で馴れ初めが描かれ、その後の恋人としての仲を深めていく様子がじっくりたっぷり描かれているという一冊。この一冊に詰まっているのですが、この二人の様子をもっともっと見たい!読みたい!と思わずにはいられません。

柔らかな気持ちになりたいときに

とてもとても優しくあたたかなお話です!癒されます!
ある国に伝わるお伽噺の紹介から始まり、そのお伽噺の続きが描かれていく。
名前すらも付けられず、砂かぶりと呼ばれていた狐と雪豹の王様とのお話は、導入の通り、お伽噺のような雰囲気がある作品です。

襲われていたところを王様に助けられ、そのまま王宮に連れてこられた狐にとっては、わからないことだらけですが、王様にとってはずっと昔から探し求めていた相手。
運命の番だからというだけでなく、幼い頃、実際に出会い、関わりがあったから探し求めていたというところが良いです。

色の名前が重要なポイントで印象的な作品でもあります。
王様が紅藍と名付けたことにも意味があり、表紙もしっかりと作品世界の色を映し出してくださっていて素敵です。

紅藍は思い遣りがあって可愛いし、王様もとても魅力的。
柔らかな気持ちになりたいときに読んでほしい作品です。

その瞬間はいつも突然

泣きました。切なさと感動と喜びで泣きました。
赤星さんの作品は独特の設定や切り口と雰囲気が好きで何作も読んでいるのですが、泣いたのは初めてです。
いつものように、独特の雰囲気やおもしろさに浸っていると、胸が締め付けられる切なさに襲われて、最後は安堵と喜びに満たされました。

土台は異世界召喚ものですが、一風変わった異世界召喚で、最後には転生要素も加わります。
ファンタジーです。ファンタジーですが、元の世界(現代)との行き来もあるので、異世界にどっぷり浸かりきるわけではない。
この辺りの感覚も独特で、心地好い居心地の悪さのようなものがあります。読んでいて、そわそわする感じ。そこが癖になる。

日々の暮らしに疲れていた剣次。この剣次の背景がなかなかに重いというか、波乱万丈というか、賑やか。そのせいで心が疲弊していたところ、突然異世界に召喚されます。
召喚したのは騎士団長代理のマーチンですが、召喚方法は有効期限の切れたカタログのチケットという斬新なもの。マーチン本人も有効期限切れのカタログでまさか呼び出せるとは思っておらず、駄目元で使ってみただけ。
マーチンも疲れていたのです。いろいろ限界に近づいていたのです。そうでなければ、正体のはっきりしない物体を触りまくることはないでしょう。相当疲れているんだなぁ、と思いながら出会いの場面を見守っていました(笑)
ですが、召喚された剣次が異世界で姿を得る方法には、最初こそ「それでいいのか?」と思いましたが、話が進むにつれて心があたたかくなりました。

悪魔先生として召喚された剣次は外見の変化こそあれど、悪魔になっているわけではありません。マーチンもそれを理解した上で、剣道を嗜む剣次に興味を持ちます。生き生きと剣を交える二人の姿が印象的でした。
そうして異世界でマーチンと過ごす時間は、いつしか剣次にとって癒しとなっていきます。でも、召喚方法がチケットであるが故に、意図しないタイミングで元の世界に戻されてしまう。
この事実にびくびくしながら読み進め、願うのは剣次とマーチンがずっと一緒にいられることでした。
マーチンにとっても剣次は愛しい存在となっていたから。
それでも、いくら用心していても、唐突に訪れてしまう二人の別れ。
剣次がマーチンの目の前から消えてしまう瞬間は何度も訪れるのですが、最後の別れは本当に辛かったです。消えていく描写がもう……。
その後に召喚された本物の悪魔先生とマーチンとの遣り取りには焦りました。動揺しました。

元の世界へと戻された剣次がずっとずっとマーチンを忘れない姿には胸が締め付けられます。
本当にもうこのまま永遠の別れになってしまうのかと悲観しかけたときに訪れる、まさかの再会には驚かされました。驚きましたが、本当に嬉しかったです。まさかマーチンが転生しているとは……!
マーチンも剣次も、二人ともがすぐにそれを理解できて安心しました。大切な相手なのだと気付けて、本当によかった。
同じ世界に生きられるようになった二人の様子をもっと見たかったです!
剣次の祖父と異世界との繋がりなど、他にも気になる点がちらほら。続編などで明かしてもらえたら嬉しいですが、語られすぎない謎のままでもいいかなぁ、とも思ったり。
剣次とマーチンが再会できた喜びに浸れることがとにかく嬉しいです。