普段は電子派ですが、この作品に関しては紙も手元に置きたい!と予約購入。
1度目、読み終えた時、ここのコメントされている何人かの人がおっしゃる通り、私も、??と感じました。
我が人生最大の恋心を捧げたトレヴァーに対し、ジーンは…あんなに涙して愛を伝えたのに、なんでこんなに長い間連絡を取らずにいれるの?会いに来ようとしなかったの?どうして立ち去ろうとしたの?ジーンの気持ちが見えなくてモヤモヤ…心にガツンといつまでも余韻残る物語だから、ずっと頭から離れない…だから、たくさん考えてみました。
もし、あのまま別れず付き合ったまま、ジーンを送り出していたら…広い世界に出て、いろんな人に出会うジーンを目にするトレヴァーは最初は温かく見守ることができていても、そのうち心苦しくなってくるんじゃないだろうか、またそんなトレヴァーを見るジーンも苦しく…もしかしたら苛立ちを感じるかもしれない。そうなると、彼らはいい関係ではいられなくなり、別れを選んでしまうことになっていたのかも…
そして、ジーンが連絡を取らなかったのは、もしかしたら、自らが何者かになれた、ちゃんとそう思えた時トレヴァーに会いに行こう、いつか、いつか…そう思っていたら月日が流れて連絡を取りづらくなったのかも…実際、駅で、まだ何者かになれたかはわからない…とジーンが言っているので。立ち去ろうとしたのも、そんなこともあって今更そんな自分が…と思い飛び込めなかったんじゃないかな… 大人になったらなおさら…
楽しい日々で曖昧にしながらも期限付きで不確かな最初の2人、そして、長い空白があったからこそ再会後末永く一緒にいるであろう確かな2人…電子限定にそれを窺えるエピソードが、花に囲まれた素晴らしい表紙とリンクしています。是非紙派の方も電子も見てみてください。
トレヴァーの手記で語られる物語だからこそ、どうしてもジーンの気持ちは見えにくい…だからこそ、読者の想像で補うことしかできないので、いろんな感想が出てくるのですね。
その後の2人の関係は、しばらくは空白の時間を埋めるようにお互いを知り直し、きっと、ふとしたきっかけで、また恋人として過ごしてるんじゃないかなぁと願望を込めて想像しておきます。