貴公子さまの溺愛ごはん

kikoushisama no dekiaigohan

貴公子さまの溺愛ごはん
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×23
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
19
評価数
6
平均
3.3 / 5
神率
0%
著者
弓月あや 

作家さんの新作発表
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イラスト
緒田涼歌 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784344843530

あらすじ

文明の花開く大正時代。銀座の裏道でひとり、人買いから逃げ出しぼろぼろな姿で倒れていた晶は、通りかかった侯爵家次男・音羽夏彦と出会う。哀れむなと突っぱねる晶だったが、流されるまま屋敷へと招かれ、美味しいご飯にお風呂、更には「働きたい」という意志を伝えると、夏彦馴染みの『洋食くしだ亭』へと連れ出され店主・櫛田の下で働かせてもらうことに。たくさんのものを与えてくれる夏彦の優しさの理由も、それを心地よく思う晶自身の気持ちも分からないまま充実した日々を過ごしていたある日、婚約者がいるはずの夏彦に突然キスされて――!?

表題作貴公子さまの溺愛ごはん

音羽夏彦、侯爵家次男
晶、ボロボロな姿で行き倒れていた少年

その他の収録作品

  • 貴公子さまの溺愛ライスカレー
  • あとがき

レビュー投稿数1

超王道だけど、そこが良い!!

こちら、超王道のシンデレラストーリーです。
シンデレラと言うには、主人公が雄々し過ぎるけど。

で、受けがとにかく可愛いんですよ~。
感情豊かで頑張り屋。そして、裏表の無い言動。
元気いっぱいの彼に、読んでいて飽きないと言うか、微笑ましいと言うか。
そして、甘々な溺愛系スパダリ攻め!
弓月先生ですが、こういう超正統派と言ったお話がとにかく上手いんですよね。
まぁそんなワケで、終始安心感を持って楽しく読めました!(* ´ ▽ ` *)


内容ですが、貴公子然とした甘々スパダリ・夏彦×人買いから逃げてきた農家の少年・晶による、シンデレラストーリーでありご飯ものです。

酒飲みでろくでなしな父親に売り飛ばされ、逃げてきた晶がボロボロで裏道に倒れていた所からお話はスタート。
侯爵家次男である夏彦に拾われ、温かい食事と寝床、そして仕事を世話して貰う晶。
彼が夏彦と出会った事により、料理人になりたいと言う夢を見つけ実現に向けて奮闘する様。
並行して、ちょっとした誤解なんかを乗り越えながら二人が結ばれるまでとなります。

まずこちら、とにかく受けである晶が可愛いのです。
何だろう・・・。
スレてない、その真っ直ぐな言動が微笑ましいと言うか。
そもそも彼は、当初人買いから逃げてきたんですよね。
で、最初は警戒心バリバリ。
まぁ、毛を逆立ててる子猫と言った感じで、なんか威嚇してても可愛いんですけど。
そんな彼が夏彦と出会い、見返りを求めない純粋な親切に出会う・・・。
小汚なかった晶が、磨かれて可愛くなってくのも萌えるなら、そんな彼の本来の姿に「いずこの姫君かと思いました」と、目を見張ってる夏彦の反応にも萌えるんですよね。

私は普段、こう頑張り屋で屈託が無いんです!と言った受けに、わりと冷めた視線を向けちゃう事が多いんですけど。
このタイプって、あざとくなりがちと言うか、下手に書くとわざとらしさが鼻についちゃうと言うか。
が、今回、なんかやたら可愛くてですね。
ろくに食事もとる事が出来なかった晶が、初めて食べるライスカレーだのスパゲッティだのを「お、お、お、おいひぃ・・・!」と食べてたりするのが微笑ましくて微笑ましくて仕方ないんですよ。
彼の一生懸命さや、素直な感情の発露が好ましいと言うか。
いや、この手のタイプを嫌味なく書けてるのが凄いと思います。
普段なら受けが「おいひぃ」なんて言おうものなら「けっ!」て鼻で笑ってますけどね。

で、そんな晶を優しく見守る夏彦。
彼は絵に書いたようなスパダリです。
晶が食事のマナーが分からなくて困っていれば、恥をかかせない気遣いをしながらスマートにフォローしてみたいな。
最初は野良猫のような晶を、諭したり上手いこと誘導したりして、細々と面倒を見るのにほのぼのするのです。

と、晶の感情豊かで一生懸命な姿に。
また、夏彦の優しく見守り導いてくれる人間性に。
こんな調子で、二人が惹かれあって行くのがごくごく自然に印象付けられていきます。
そんな中、夏彦の婚約者の存在を知って動揺する晶。
また、晶が修行中のレストランで、唯一のシェフ・櫛田がぎっくり腰で倒れ・・・と言った流れ。

これ、良くも悪くも王道と言ったオチなんですけど、その分、ハラハラする事なく安心して読めたりします。
まぁ、こんなほのぼの可愛い作品を、のんびり楽しむのもいいもんじゃないでしょうか。

あとですね、こちらエロが最後に一回だけと少な目。
が、うぶうぶな受けと、普段は紳士なのに欲望を隠しきれなくなってる攻めと言う図に萌えました。
いやあ、いつも元気いっぱいな受けを「夏彦、な、なんかこわい」と怯えさせる攻め!
これ、事後の会話まで、いかにもこの二人らしくて笑っちゃったんですけど。
ずっと一緒に居よう。愛しくて閉じ込めておきたいくらいと言う夏彦に対して、「無理! おれは(一流の料理人になるための)修行があるから!」と至って真面目に答える晶。
いやいや、夏彦はこれからも苦労しそうです。

ところでこちら、注意点ですが、文章内での視点がちょい読みにくいです。
同じ文章内で、視点が入り交じると言うか。
晶の視点だと思ってると、ポンと夏彦の視点がそこだけ入ったりするんですよね。
そんな事が何回もありまして、一瞬混乱すると言うか。
え~と、普段こんな事無いと思うんですけど、一体なんなんでしょうね?

10

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