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kurinn
shishi wa uhnmei no Ω wo motomeru
シオンの番が知りたかった
ヒューゴとルイの幼馴染であるシオンの視点のお話です。ルイを失ったと知った時の、ヒューゴの当時の荒れ具合や哀しみの深さがシオンの回想として語られています。我を失ったヒューゴを自分しか止められない。なんとかして正気に戻そうと身体ごとぶつかるシオン。ルイを探そうと語りかけ、正気を取り戻すヒューゴが切ないです。
二人の変わらない姿を再び見れて感慨深いシオンの様子が書かれています。
相変わらず二人は言い争いをしていて甘い様子がありません。SSペーパーまでもがオメガバースらしくない作品でした。
ルイの知らないヒューゴの過去
本品は『獅子は運命のΩを求める』の
コミコミスタジオオリジナル特典ペーパーです。
本編後、シオン視点で
幼馴染の２人の様子が語られるお話です。
城内の広い廊下を歩いていたシオンは
ここ最近またお馴染みになった
幼馴染達の言い合いが聞こえてきます。
窓から階下の中庭を見下ろすと
ルイの後をついて歩く
ヒューゴの姿がありました。
その様子は本人達に自覚がなくても
シオンにはじゃれ合いにしか見えませんが
ルイがいなくなった時のヒューゴの慟哭が
シオンの耳には今もこびりついて離れず
あの時のヒューゴを思い出すと
この光景は奇跡の様に思えます。
あの日、シオンはヒューゴから
ルイにつがいになって欲しいと
申し込むと聞いていたのに
城での騒ぎを聞きつけて駆けつけると
ヒューゴはもう正気を失っていました。
そこでシオンは初めて
ルイが崖から落ちたこと
遺体すら見つからないことを知ります。
ルイ! ルイーッ!
悲痛なヒューゴの叫びとともに
ルイを探し求めて暴れまわる
ヒューゴがそこら中を殴る音が
不気味に城全体を揺らします。
ルイがいない今、
自身がなくてもあれを止められる者は
シオンしかしません。
ヒューゴに飛びついたシオンは
ルイを探そうと必死に呼びかけ…
B5版ペーパー両面にて
2人の幼馴染シオン視点での
２人の過去と後日談になります。
あの時のヒューゴは
この世の全てを破壊しそうでした。
ルイと再会した時、
どれほどシオンが嬉しかったか
きっと2人にはシオンの思いの半分も
伝わっていない様に思えてなりません。
それでもルイがいない世界で
ヒューゴがどれほど苦しんだのか
諦めきれないまま森の中で
ヒューゴが1人絶望と戦っていたのか
を知っています。
いっそ安登をって死にたい
と考えた日もあったことも。
窓辺に寄ったシオンは
2人に声をかけます。
2人共、愛してるよ!
ヒューゴは嫌そうな顔で
シオンなんていらないと言いますが
ルイは笑いながら応えてくれます。
僕も、シオンのこと愛していますよ。
ルイの応えにヒューゴが
納得するはずはありませんが
ルイには
ヒューゴへの愛はあっても信頼はない
というオチまで楽しく読めました♪
ルイのいない世界での
ヒューゴを知るシオンだからこそ
語れる事のできる過去が知れたし
ルイにとって愛と信頼は全く別物、
両立しないというのはあり得るよな
と思える関係性が面白かったです。
ヒューゴには少し可哀そうでも
傍から見るととっても可笑しい (^_-)v
