アイ・ドント・クライ 上

I don't cry

アイ・ドント・クライ 上
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神32
  • 萌×230
  • 萌13
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
320
評価数
77
平均
4.2 / 5
神率
41.6%
著者
イシノアヤ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
シリーズ
アイ・ドント・クライ
発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784344842861

あらすじ

スイッチを入れてくれるのはーーーー、

アイドルユニットZaーG(ザジー)の最年少メンバー・姫野亜樹。かつての人気も落ち込み、仕事に意欲を見せないメンバーたちに苛立ちを募らせていたある日、担当していたやり手マネージャーが突如降任。新しくやってきたのは、ふわふわ笑っていかにも頼りない笠原という男だったーーー。

元アイドルと、マネージャー。
運命のひととの出会いが、思いがけない扉を叩く。イシノアヤ謹製ドラマチック・ラブ、二ヵ月連続刊行!!

表題作アイ・ドント・クライ 上

姫野亜樹(アイドル)※攻め受けなし
笠原康暉(マネージャー、28才)※攻め受けなし

その他の収録作品

  • カバー下イラスト、自室でTVを見る笠原
  • カバー下イラスト、雨の中走る姫野

レビュー投稿数5

熱い

イシノ先生すごすぎです。
や、すごいとは思っていたけど。
椿シリーズ、カントリーダイアリーシリーズが私の中で神作品ですけれども。

それとはまた違うカラーの作品を描かれることも読んで知っていますけれども。
でもでもこんな熱い作品を描かれるなんて。

しかも、まだBLしていない。
カントリーダイアリーがBLしていないBLで初めて私の中で高評価だったんですけれども。
それとはまた全く趣の異なる作品でこれだけ読ませるなんてすばらしすぎ。

姫野が笠原を好きなのはわかる。
下巻の予告で姫野と笠原がちゅーしていた。
BL的にはもうこれだけで十分と思えるほどですw

内容として、熱く引き込まれる作り。
これまでのイシノ先生の作品には見られなかったもの。
それをこれだけおもしろく描かれるのが、どれだけ努力をされ、センスと才能をお待ちなのかと。
従来の絵と表現のうまさおもしろさだけでも相当なのに、それを超えてこられるので圧倒されました。

だけでなく、笑いもあるのが好きで。

unionに、井田さんの友人としてちらっと出ていた笠原さんですもんね。
本作では最初頼りなさげ、存在感薄めに登場しましたがとんでもなかった。この見せ方よ。

井田さんの親友だけあって、ああ見せかけていい人、熱い。

井田さんに
「あの子らの事 守ってやれよ」
とは、笠原さんは姫野を守ってやれなかったと思っているわけですもんね。

姫野は姫野で、笠原さんへの思いが募るし、笠原さんの気持ちもだんだんわかってくるし、でも自分はかんばるしかなくて。

姫野の変化の描き方がすばらしい魅せ方、説得力。
否が応でも引き込まれる作りで、めちゃくちゃ応援したくなる。

井田さん好きなので、結構出てきてうれしくて。
私は本筋とは違う話が出てきた場合、邪魔に感じることが多いのですが、井田さんの場合はそうじゃない。
それは本筋から逸脱しない世界観、テンション、熱さだからだと思うんです。
井田のキャラ、笠原や姫野との関係性など。
その辺りの作りも上手いなぁと感心ばかりです。

律ちゃんもすごくいい人で。
こういう女性キャラの描き方大好きです。
井田さんと律ちゃんの描き方もめちゃくちゃいい。

時系列はunionより前で、ケチャッパーズや若田部の過去が知られるのもうれしい。
しかし、ケチャッパーズというバンド名が改めてじわるww

笠原が若田部の話を聞いて爆笑して、若田部好きだわ〜と言うのもわかるw おもしろい。

なんだかテンションのまま書き殴ってしまいましたが、下巻めちゃくちゃ楽しみドキドキです。

0

元アイドル→俳優転向だけどキラキラしていないところがいい

アイドルユニットのお話かとばかり思ってましたが、アイドルを挫折し俳優を目指すことになった青年が主人公です。

落ち目になりかけているアイドルユニット。
やる気もなく仕事への意欲も薄れぎみなメンバー達。
ただ一人、最年少の姫野だけはそんな現状を歯がゆく思っています。

そんな彼らの前に、新しいマネージャー笠原が現れて……。

ふわ〜っと見えて笠原は実はやり手というか、人を良く見てやる気を出させるのがうまいんです。
ようやくやる気が芽生えて売り上げが少し上向くも、かつての勢いはやはり取り戻せず解散が決まってしまいます。

以前から俳優業に興味があった姫野に対して、アイドル業はすっぱり切ってその道に長けたマネジメントに移籍しろと主張する笠原に対し、一緒についてきてくれないと嫌だ、一緒にのしあがってくれると言ってくれたと拒否をする姫野。
しかし笠原は、「俺の夢はスクリーンでお前を見ること」だと言って送り出すのです。

かつて自分のことを「宝」だと言ってくれたくせに、簡単に手放そうとする笠原に対して失望と裏切りを感じた姫野は、自分についてこなかった事を絶対に後悔させてやる、あなたが悔しがるような役者に絶対になってやる!!と憤りの涙をこぼし‥……

あぁ、既に盛大なすれ違いが………。
一緒にこのまま事務所にいたら、姫野はいいように使われて潰される末路が見えているからこそ手放した笠原の気持ちを、全然理解していない……。
「宝」だと感じているからこそ、送り出したというのに……。

そして俳優業を目指すことになった姫野ですが、研究生扱いで事務所に籍はあるものの役者としての仕事どころか、バイトを紹介されて定食屋で働く日々。
そこで客としてやってきた笠原に、こんなはずではなかったと愚痴ると……。

ふわ〜、面白かった。
まだBがLをしてないけど、姫野を奮い立たせて、折れそうになる心を支えているのは笠原の言葉や存在なんです。
笠原と決別して、泣き言を言わないために、彼の電話番号を携帯から削除したって、忘れることができない…でも今はひとりで頑張るしかない…と決意する姫野。
これがどう笠原と恋愛になるのかなぁ。楽しみ!

すっごーーーく嬉しかったのは「union」の井田さん、ケチャッパーズのメンバーも登場したことです。
どうやら笠原と井田は同じ事務所だったみたい。
そして「union」はケチャッパーズのデビュー後のお話でしたが、こっちの作品ではデビュー前の状態。
そして「union」では井田さんは妻子持ちだったけど、こっちの作品ではまだ独身で彼女(おそらく奥様の若い頃)とのやり取りも描かれているんだけど、井田さんがヘタレでめっちゃ可愛くてキュンとしました。



4

最も輝いていて最も泥臭い世界

 上巻ではBLらしい絡みはほとんどなかったのですが、その分元アイドルとマネージャーという肩書きの2人の人生が、それぞれ読み応えあるなぁと思いました。やる気のないメンバー達に囲まれながらも最後まで真面目にアイドルを続けた亜樹。でも、笠原のおかげで人気を持ち直しても、今更手遅れでやむなく解散。移籍して俳優としてのし上がることを決意するけれど、待っていたのは養成所とバイトを行き来する日々。

 最初は亜樹が本当に真面目なキャラとして描かれているのでつい彼に肩入れしたくなるのですが、移籍後すぐ映画や舞台に出してもらえないことに彼は不満を抱えるんですよね。何の練習も積んでないのに自分にはできるという驕りがある。彼もそこまで出来た人ではなかったんです。俳優の世界を甘く見てるんですよね。けれど、笠原との会話で彼は自分の驕りにちゃんと気付いて、態度を改めます。怒鳴ったり説教垂れたりはせず、淡々とした話し方で相手を変える笠原。本人のやる気が出る方法を適切に選ぶ彼にとって、マネージャーは天職でしょうね。のし上がるまで連絡しないと決めた亜樹が、笠原のことを何度も心に思い浮かべるのにわくわくしたので、下巻での展開が楽しみです。

0

「union」も併せて

「union」を読んでから読もうと思っててすっかり忘れてました。懐かしいな「union」
絶対読んでないといけないスピンオフってわけでもないけれど「union」のメインキャラがバシバシ登場します。

上巻は特にいろんな人間模様がぐるぐるあっちこっちと描かれていて、姫野を中心とした群像劇のようでした。波留斗とか、崇矢さんとか、りっちゃんとかいい味出してます。

姫野がアイドルとしてうまくできてない描写が好きでした。練習熱心なのはいいけど…っていうプラスとマイナスの見せ方も、インタビュー記事のダメさも、姫野をザ芸能人完璧超人!って描き方をしないイシノアヤ先生に好感。

下巻も既読ですが、ラブが全然薄い上巻の方が好きでした。大体成功者を描くことが多い気がする業界者で、ドン底から這い上がるまでがしっかり長い。上巻だけだと、姫野が恋愛の意味で笠原に執着してる漫画にしなくても、十分面白いじゃないか〜と思ってしまう。思ってしまったからこそ下巻でハマらなかったのかも。

0

生き馬の目を抜く芸能界

チャラチャラして、ちやほやはされたいけどガツガツレッスンなどしたくない、そんなメンバーばかりの6人組アイドルユニット・ZaーG(ザジー)の中で、唯一やる気があって上を目指している姫野。
彼はドラマで俳優としても起用され、他のメンバーから嫉妬も受けてギクシャクしている。
姫野が一人で危機感を募らせていると、今まで付いていた敏腕マネージャーが突然担当を下りて、若く頼りない感じの男が付くことになるが…
…という冒頭。
新マネの笠原は全く高圧的なところはなく、怒らずに他のメンバーたちのやる気を引き出すが、時すでに遅くセールスが落ちたZaーGは解散ということになってしまう。
笠原は姫野だけを残すという事務所の方針に逆らって、姫野を俳優畑に明るい事務所に移籍させるが、そのためにマネージャー職から外され内勤に。
そんな事は全く知らない姫野は、新事務所では何の優遇もなく、仕事もつかず研究生達と同様の演技の基礎を学ぶ毎日、その上食堂でのバイトにつかされて…
でもバイトは「人」を観察する勉強の場だと理解して、今の位置から頑張ろうと切り替える姫野。

…というように、この上巻は元アイドルで今は役者を目指している姫野が、短い間の担当だったマネージャーの笠原からの感化や励ましを軸にして日々頑張っている、という状況が描かれています。
BL的には、まだ「未満」というか、恋愛的な要素もないと言っていいと思います。
たった一人、元メンバーの転落や芸能記者からの侮辱的な挑発に落ち込んだ時、思い出すのは笠原の飄々とした笑顔…
これから姫野と笠原はどうなっていくのか?下巻に期待で「萌」。

一点。ZaーGの事務所は、「union」のケチャッパーズも所属してます。アノ井田さんは笠原の同僚。ちらっと若田部が出てるよ。

2

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