僕の行方

boku no yukue

僕の行方
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神15
  • 萌×212
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
6
得点
130
評価数
30
平均
4.4 / 5
神率
50%
著者
野原滋 

作家さんの新作発表
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イラスト
黒埜ねじ 
媒体
小説
出版社
シーラボ
レーベル
ラルーナ文庫オリジナル
電子発売日
価格
ISBN

あらすじ

ここはどこなんだろう――克己は、気づくと見知らぬ商店街を何かから逃げるように必死に歩いていた。自分は無事希望の大学に合格し、卒業を待つばかりの高校三年生のはず。だが交番に保護された克己が知ったのは驚くべき事実――八ヶ月もの間、自分が行方不明になっていたということ。失われた八ヶ月間の記憶。肌に散った無数のキスマークと身体の奥に残る甘い疼き。そして毎晩見る夢――ユキと名を呼びながら何かを探し求めて泣く自分。やがて克己は、日雇いで土木関係の仕事をしている蘇我という男と一緒に暮らしていたことを突きとめる。蘇我の甥・ユキとして暮らしていた自分…克己とは正反対の我が儘で甘えっ子で…でも街の人々に、そして蘇我に深く愛されて…。思い出したい、ユキであった自分を、幸福な時を。「身体に聞いてほしい」――克己は蘇我のもとを訪れ懇願するが…。本編の他、後日談の「明日の寄り道」も収録。

表題作僕の行方

蘇我弘之,日雇い土木作業員
平尾克己,一年遅れの大学1年生

その他の収録作品

  • 明日の寄り道

レビュー投稿数6

映画のような恋愛ミステリー小説

記憶喪失で8ヶ月の記憶がない受けの克己は、裕福な家庭の大学生で、性格は優等生で真面目。
物語は克己が記憶をなくしたまま見知らぬ土地で発見される所から始まります。

発見されてから毎夜みる夢。
誰かと抱き合い必死に手を伸ばして何かを掴もうとする夢は、記憶がない時の大事な何かをつかもうともがくようでもあります。

日雇い労働者で無精髭をはやし、決してカッコいいとは言えない感じの攻めの弘之。
だけど包容力があり心を許した者には心底優しい人物。

はじめはミステリー小説のような展開にハラハラドキドキしながら読んでいました。
途中から恋愛小説のようになり、克己が弘之に惹かれていても、弘之は克己の中のユキの事が忘れられないところは、切なくて切なくて涙が出てしまいました。
克己とユキは同一人物ですが、真面目な優等生で人に甘えることができない克己と、ワガママで甘ったれだけど皆から可愛がられるユキの性格は克己とはまったくの別人です。

後半友人ヅラをして監視していた高校の同級生が犯人なのは、やはりと言った感じでした。
元同級生から殺されそうになるのを、弘之に再度命を助けられます。

冷たい家族からも自立し2人の生活を楽しく満喫する様子は、本当に2人が幸せそうで読んでて温かい気持ちになりました。

後半、実は弘之が無精髭を剃りきちんとした格好をすると、かなりの美丈夫で克己が見惚れるのも良かったです。

エッチは気持ちは慣れてないのに身体は開発されていて、気持ちよくなっちゃうのはエロかったです。

電子専用書籍のようですがもったいない。
ミステリアスな展開や切ない恋愛描写からのハッピーエンドなど映画のようなお話しで、紙の本でもだしてもらいたいです。
最後は2人がお互いの事を必要としていて、幸せなハッピーエンドに萌えまくりの神作品でした。

3

ミステリーあり、恋愛あり。

フェアで割引に釣られて購入。
前知識なしに、購入。
神評価です。

物語にグイグイ引き込まれました。
ドキドキするミステリー要素あり、胸がキュンキュンするような恋愛要素もあり。
そして、最後はスカッとするような要素もあり。
さりげなく埋め込まれた伏線もピリリときいています。

うん。パーフェクト。
好きだわ。こんな展開。


予想してなかっただけに、高評価です。

おすすめです。
是非、手にとって欲しい一冊です。

1

名作だと思います。

初めてレビューを書きます。
なので他の方のようにうまく文章が書けませんが、ご容赦ください。
久しぶりにとても良い作品を読ませていただきました。

異世界にも行かない、獣人も神様も出て来ません(これはこれで好きですが)お決まりの当て馬展開も無し。
静かに、ほぼ受攻2人の物語なのに飽きもせず読まされました。
発売から少し年数は経過してますが、それも感じませんでした。

ずっとコミックに流れてましたけど、また小説も読もうと思わせてくれた作品でした。
ありがとうございました。

0

ある意味『三角関係の名作』とも言える

電子専門みたいです。

かなり複雑なお話なので、内容紹介が長くなっちゃうんですけれど。
何かから必死に逃げていた克己は、ここ数時間の記憶が全く無いことに気づき交番に保護を求めるのですが、そこで『自分は8ヶ月間行方不明だった』という驚愕の事実を知ります。彼にはその間の記憶が全く無く、薄汚れた服装にしても体中についていたキスマークにしても、何故なのか全く見当もつきません。スキャンダルを恐れた代議士の父は克己の失踪を隠蔽し、ほとぼりが冷めた一年後、克己は大学に復学しますが、同じ夢を見て泣きながら目を醒ますことを繰り返します。夢の中でユキという名を呼び、何かを探している自分。父から「忘れるように」と言い含められていたにも関わらず、克己は記憶をなくした8ヶ月間の自分を探し始めます。保護された街で偶然入った定食屋で、克己は当時一緒に暮らしていた男を突き止めます。日雇いでその日暮らしを送っているその男、蘇我を訪ねて行った克己は『行方不明の間、克己は蘇我の甥ユキとして蘇我と一緒に暮らしており、体の関係もあった』ことを知ります。蘇我の語るユキは自分と正反対に我が儘で甘えっ子。知れば知るほど克己はユキが自分であることを信じられません。しかし、それと同時にユキに対する羨望とも言えるような感情が生まれてきます。記憶を取り戻したい克己は、邪険にされても蘇我のところへ何度も通うのですが……

記憶喪失ものはBLの一ジャンルなので何度も読んだことがある訳なんですけれど、このお話はその中でも実にサスペンスフル。ドキドキしちゃうのは『克己が記憶を失ってしまった原因は何か』というだけではなく『記憶を失っていた間の自分がまるで自分とは全く異なる人生を送っていたことが徐々に明らかになっていく怖さみたいなもの』がリアルに書かれているからじゃないか、と思います。

でも、自分と全く異なる人生って魅力的でもありますよね?
おまけに、その『自分と全く異なる自分』は周りの人にとても愛されていたらしい、自分が持っていないものを持っていたらしい、となれば、苦しくなってしまうというのは非常に共感出来ます。

克己くんがまた、周りを思いやれる子なんですよ。
みんなに、とりわけ蘇我に愛されていたユキがいなくなってしまったのは、自分が記憶を取り戻した所為だって考えちゃうんです。
「ごめんなさい」って思っちゃうのが不憫でねぇ……彼が充分納得した形で幸せになれるのか、っていうことがドキドキを更に盛り上げたんじゃないかと。
事件に関してもLOVEに関しても様々な伏線が沢山張られているため、最後まで気を抜けずに読めます。読みごたえ、かなりあり。

追記を二つばかり。
後日談は風景描写がとても美しかったです。野原さんはひょっとしてバイク乗り?この爽快感は「まさしく、まさしく」と思いましたです。
あとね、エチシーンなのですが、
『喘ぐ攻め』がお好きな方は読んだ方がよろしいのではないかと。
私、好きなんですよね。
堪能いたしました。

12

記憶喪失BL

高校の卒業式を控えて失踪した受けは、半年以上を経て警察に保護されます。
受けは失った記憶を取り戻そうと保護された街へ赴き手がかりを探します。
記憶喪失のときの自分「ユキ」と暮らしていた蘇我という人物を見つけ、彼から語られる自分とは似ても似つかない素直で子供っぽい性格の「ユキ」に、嫉妬のようなものを覚えます。

ユキの人格は克己の記憶が戻った時点で消えてしまったようで切ないのですが、克己の中に残っているものや、蘇我が過ごした期間の思い出は確かにあってユキを通じて二人の仲が深まっているのが良いなあと思いました。
受けの方が意外と積極的なところは克己もユキも同じなんだなとニヤニヤしながら読みました。

事件の原因を作った犯人がかなり胸糞悪い奴らでしたね。本当にギリギリの所で助かってるので攻めが助けに来るだろうと思いつつも読んでいて怖かったです。

2

もうひとりの彼を失った悲しみ

記憶を失った主人公・克己が、記憶喪失中にどこでどんなことをしていたのかを知りたくて捜索するうちに、弘之という男に出会う。その男こそが記憶のなかった期間の自分と一緒に暮らし、恋人として過ごしていた相手と知り、克己はしだいに彼が気になっていく…というお話。

克己は弘之と暮らしていたその期間、ユキと呼ばれて彼に大切にされていた。過去が明らかになるにつれて、最愛の恋人を失った弘之の悲しみが胸に迫り、読んでいて辛くなってしまう。ユキが残したメモを克己が発見するくだりなど、涙失くしては読めない展開。

「ユキ」は克己から生まれた別人格のようなもので、克己の中に今もどこかに存在しているのかもしれない。が、現在の、元々の人格とは性格が違いすぎたのが、あまりにもシビアできつい。弘之の立場になってみたら、「いなくなった恋人とそっくりな男が目の前に現れたのに、自分を憶えていないどころか、性格や言動がまるで別人」って、悲しすぎる。
弘之に感情移入してしまったせいなのか、「もう、このユキという無邪気で我儘で甘えん坊だったあの子はいなくなってしまったのだな」という辛さから、なかなか立ち直れず、しんどさを感じたまま読了…。
記憶喪失って確かにドラマチックで、お話としては盛り上がるんだけど、読後感は死ネタに近いものがあって、ちょっとやそっとのハッピーエンドじゃ癒やされないなと思った。泣きたい気分の時にはいいと思うけど、いちゃいちゃ、甘エロが好きな私には切なすぎたかな。

1

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