私の愛しいお人形

watashi no itoshii automata

私の愛しいお人形
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×24
  • 萌3
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
37
評価数
12
平均
3.3 / 5
神率
16.7%
著者
成瀬かの 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
古澤エノ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
価格
¥650(税抜)  
ISBN
9784829626467

あらすじ

白金の髪を持つ茶問屋の跡継ぎ・冬伍は、友人の会社の従業員である千春に心惹かれた。だが彼はバイオノイドで、前任者が行方不明になったため自分は“二人目の僕”だと言う。人との差異を受け入れ、哀しいまでに人に尽くそうとする千春。冬伍はそんな彼に共感と、いっそうの愛しさを覚える。けれど前任者の行方を追ううち、危機が迫り──「お願い。僕が壊れても泣かないで」

表題作私の愛しいお人形

青柳冬伍、実家つながりの深い別会社を興す実業家
千春、冬伍が執着する訳ありのバイオノイド

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数5

リスが可愛いw

はてさて、恋ができない仕様とは何なのか。
タイトルのお人形さんと同リンクするのか。
あらすじ読まずに読み始めた冒頭。
基礎的な設定やキャラクターの多さでちょっと頭がクラクラしたw
難しい系の話なのかなーと読み進めてみると
いつも通りの可愛いお話でした。
受視点から始まってはいますが、物語自体は攻主導。
攻視点からみる可愛い受を堪能できる仕様ですね。わかります!

お話自体はちょっとファンタジー要素あり。
これってあれですよね。
アンドロイド・・というよりは死んだ人間のクローンを
いじって半アンドロイドを作り上げているといった方が近いのかなと思いました。
性的機能を奪い、チップを埋め込み、もろもろ改造した同じ顔がいくつもいるというあれです。

攻が初めてであった千春。
その千春がいなくなって目覚めた千春。
人と同じ姿かたちをしていても尊厳は低く見分けられる人間もほぼいない。
そんな中での攻の行動や言葉は千春を突き動かし
また親のエゴともいえる遺伝子操作で美しく生まれた攻もまた。。

リスの可愛い挙動も相まって
とても楽しく読ませていただきました。
攻が「ちーちゃん」と呼ぶのがイマヒトツぴんと来ないところだけが玉にきず

1

レビューが本当に難しい作品

アンドロイドものを何故か避けていたのですが、
成瀬かの先生の作品…!!という事で、迷いに迷って購入。
アンドロイドもの(この作品ではオートマタと呼ばれてるもの)、奥が深い…。
映画ではその手のものもいくつか観てきているので、
どういった終着点に行き着くのか…と、最後までハラハラしながら読み進め。
この作品に出てくるオートマタ君たちみんなが、いい子で!健気で!
ざっくり纏めると、めっちゃ切ない純愛ものでした。
これは、他のオートマタくん達のお話も読みたい!と、
密かにシリーズ化希望してます!!

受けさんの千春は2代目で、前代の千春の記憶を持ちながら目覚めるという
複雑なシーンから始まり。
そのままの記憶を引き継いで1代目千春の勤め先でそのまま働くことに。
そこで攻めさんの冬伍と出会うのですが、普通は見分けのつかない千春シリーズを
まんまと見破られ、交流していくことになり…

という、受けさんがオートマタってだけで出会い頭は結構王道。
そこがまずは初心者の私でも物語に入りやすかったポイントかな?と。
ガッチガチの小難しい話だったら、多分最初の段階で読むのを諦めてました笑。
んで!
自分的に萌えたポイントとして、
冬伍も異常な綺麗さ(ある映画のエルフの様)を持って生まれた苦労人で
自分が産まれた経緯から極度の人間嫌いを煩わしている事もあり、
キスもした事ないという天然記念物だったこと。
そんな冬伍が初めて人間味を帯び人を愛することが出来るようになり
一途に想う健気さにやられ…。
ある事件から千春を手放してしまうのですが、
それでも尚想い続ける冬伍に思いっきり感情移入してしまったりと
読み終わってみれば、すっかりアンドロイドの世界観にどっぷりハマっていました笑。

設定自体が難しいお話かと思うので、所々読み直したり
難しく感じる部分もありましたが、
あとがきにも書かれてた様に、今作のオートマタくん達は
争いを好まない友好的なオートマタくん達だった事もあり、
そんなに重苦しくなることも無く読める、切甘系かと思います。
初恋同士の純愛モノがお好きな方には是非!
アンドロイドものを読まれたことない方も是非!!
読まずにいるのは勿体ないですよ~!とオススメします(*˘︶˘*)

4

人形じゃない

色んな種類ある中で、あるタイプの凄いお話でした。かたっ苦しいレビューでごめんなさい(泣)先生の狙っていた路線とは絶対違うのですが、変な所にハマってしまって。

オートマタ=automatonの複数系。英和辞典によると自動装置、自動人形、ロボット、機械的に行動する人という意味だそうで、当作にはオートマタ・カンパニーで作られたオートマタが登場します。舞台は日本で、恐らく遠くない未来に同じようになるのでは。人間とオートマタの愛しい+せつない+胸がイタイお話、本編のみ260Pほど+先生のあとがきで、暖かい一色ではないと感じたので、萌2にしました。

お話は千春がベッドの上で目覚めるシーンから始まります。声のする方に行くと、そこはキッチンで千春と同じ顔をした人がベーコンエッグを焼いていて、別の二人が会話していて・・・千春は二人の名前を思い出します、記憶の底から「ぽこり」と泡が浮かび上がってくるように。そして自らの新しいパートナーにちょっとぶーちゃんのリスを選び、そのリスの重みを感じた瞬間に、自らの役割を思い出し・・・と続きます。

登場人物は
棗:千春の雇い主。冬伍と同じビルにオフィスを構える社長で、冬伍の友人。
チューター:千春と同じ顔をしたオートマタ。千春より前に目覚めていて知識、経験が豊富。
ぼた餅:千春のパートナー、見た目は子豚状態のリスで、オートマタの監視とデータ収集をこなす。
    物語にはしぐさで参戦してきます。
あと、冬伍の母親(ちょっと想像つかない思考の持ち主)、黎と天晴(二人ともオートマタ)等が出てきます。

以下はより内容に触れる感想***********************

本当に最後、攻めさんが萌え上がって、やりたい放題やっておられて、おい、目覚めて間もない稚い子になにすんねんっという話はありつつも。

考えさせられてしまってーーーーーーーー。ロボット、アンドロイドに権利を認められるのか?という究極の問題ではないかと思うのですが。いやーせつないし、たまんないし、冬伍の気持ちはとっても良く分かって、冬伍も千春も幸せになるだろうし、黎も天晴もチューターも幸せになるだろうと思う終わり方なので、そっちは良かったんですけど、個人的なツボで考え込んでしまって甘さなんかは吹っ飛んでしまいました。私たちはアンドロイドに人権を認めるようになるんでしょうか?認めたら、アンドロイドがアンドロイドを作って、人間より数が多くなって、アンドロイドが人間を殺したら?などと考えてしまう。でも私はアンドロイドであっても私に寄り添ってくれる人がいたら、その人を好きになることを止められない。当作内では、そこを「14歳で亡くなった無垢な子供の記憶」を埋め込むことで回避できているのですが、私たちは?

なかなか近い未来の大きな悩みを想像させて、ああ面白かったとすんなり言えなくなってしまった作品でした。

2

面倒くさいことを考えるのは、ATOMを読んだ所為なのか?

電子書籍で読了、挿絵(美麗)あとがきあり。

こちらでレビューを読んで「これは読まねば」と購入していたお話。
「がっつり」っぽいので、何となく後回しになってしまっていて、やっと読み終えた結果、ロマンスよりも『生命体を弄る』という事について様々考えてしまいました。
ああ、またしても「面白いのに頭が萌から遠く離れてしまいますよぉ」ということに!

私より若い姐さん方であれば「多分、私は3人目だと思うから」という、某アニメで零号機に乗っていたヒロインの科白を思い出した方がいるかもしれません。私が思い出したのは『A-A' 』という萩尾望都さんの作品。
命とか、心って何だろう?

青柳は老舗の茶問屋の一人息子。茶葉輸入の会社を興し、社長として成功しています。異国生まれの母を持ち、エルフの王様の様な麗しい見た目で引く手あまたにも関わらず、彼はある理由から人を愛することが出来ずにいます。唯一惹かれた、同じビルで働く千春に約束をすっぽかされた二日後、千春と会った青柳は「僕はあなたと知り合いだったんでしょうか?」と問いかけられます。実は、千春はバイオノイド(オートマタ)で、青柳と約束した『千春』は行方不明になってしまっていました。新しい千春の記憶の再構築を理由にして、青柳は千春と約束を取り付けます。オートマタは、人間と同じ感情を持ち、人に尽くし続けるのに人間ではないことを理由に蔑まれる風潮の中、惹かれ合う二人はどうなるのか?また、以前の『千春』が行方不明になったのは何故?

DNAを操作することで人類は新たな段階に突入している、というのは、亡くなったホーキング博士も言及していたこと(らしい)です(理系は苦手なんです。聞きかじり)。
ただ、そうなって来ると「命って何だろう?」と考えちゃう訳です。
少なくとも、感情(『心』と言い変えても良いのですが)のやりとりが出来ることを『人間生活』と考えている自分がいて、だったら「それは機械でもおんなじなんじゃないか」とも思っちゃう訳です。
特に私は、アトムもアイボも愛してきた文化の下で生きているんですもの。

フィリップ・K・ディックの書いた『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』では、ヒトと機械は別物でした。でも、映画化された『ブレードランナー』では、その2つはとても近しいものとして描かれていました。そんでもって『ブレードランナー2049』でのレプリカントは、ほぼ被差別民族と等しかったことを考えると、命や心というものの捉え方は、ここ50年間で激変していると言わざるを得ません。

あーーーー、
全然BLの感想じゃないよぉ!
……申し訳ない。
でも、読み終わった後に一番心に残ったのは、こういうことだったんですもの。

「お話のLOVEは甘く、初々しくもいじらしく、小難しいことを考えていた私の頭をふやけさせました」ということだけは書いておきます。

1

人嫌いな攻様が惹かれたのは

今回は日本人離れした美貌の青年実業家と
オートマタ社製のバイオノイドのお話になります。

誰にも心を開かなかった攻様が
唯一無二の存在を手に入れるまで。

攻様は本日の父とアメリカ人の母をもち
白金の髪と灰色の瞳を持つ美丈夫です。

実家は古くからの茶問屋を営みますが
父がまだまだ意気軒昂であるので
日本茶や紅茶や中国茶を扱う会社を
創業した青年実業家です。

攻様は己の様子が嫌いで
完璧に整った顔立ちには常に他人を
見下したような表情を浮かべ
近寄りがたい雰囲気を湛えていますが

攻様を賛美するものは引きも切らず
新会社を立ち上げる際には
目立つ容姿をためらいなく利用し
業績を伸ばしてきました。

そんな攻様ですが、
一昨日、オフィスビルの屋上庭園で
とても気になる青年と出会います。

翌日の昼に約束を取り付けたのですが
昨日はすっぽかされていました。

彼は同じオフィスビルにある
友人の会社に勤務していたので
彼の差し金かと疑う攻様でしたが

友人には彼は昨日は緊急メンテで
欠勤だったと言われてしまいます。

メンテとは何だ?と思う攻様ですが
友人の会社を入ると受付に
件の青年を見つけます。

初対面のような挨拶を
攻様はいぶかしく思いますが
彼はオートマタ社のバイオノイドで
『千春』シリーズのうちの1体でした。

そして彼こそが今回の受様になります。

受け様によると一昨日まで
友人の会社に勤務していた「千春」が
行方不明になったために
受様が「千春」として目覚めたそうで

行方不明の「千春」を探すため
雇い主である友人に理解と協力を
願い出ます。

受様に前の「千春」とは
また違った興味が芽生えた攻様は
「千春」探しに助力を申し出ます。

受様達は行方不明の「千春」を
見つける事が出来るのか!?

成瀬さんらしい
天然系で素直可愛いい受様と
唯我独尊的俺様攻様の恋物語になります♪

近未来の日本では
人間と見間違うほどのバイオノイドが生まれ、
人間の遺伝子操作さえも可能となります。

オートマタはオートマタ社が一括管理する
優秀なバイオノイドで様々なタイプが
シリーズとして存在します。

あるオートマタが動かなくなると
同シリーズのオトーマタが目覚めるのですが
今回の受様は前の「千春」の行方不明により
目覚めることとなり

他のオートマタとともに前の「千春」を
探し出そうとします。

受様に興味を持った攻様が捜索に協力するうち
2人は互いに惹かれてきますが

前の「千秋」の失踪にはオートマタの
秘密を知ろうとする某組織が関わっていて
攻様が事件の真相に迫る中で
受様が撃たれて心肺停止に!!

攻様が受様を無事に自分の恋人とするまで
もう一波乱乗り超えての終幕まで
落ち着き先がどこになるのかと
ドキドキしながら読みました♪

バイオノイドの失踪事件を追いながら
人間でありながら出生の秘密をもつ攻様と
人間ではないオートマタの受様が
いろいろと悩みつつも惹かれていく展開は
とても面白かったのです。

ただ、オートマタ社の最後とか
リニューアルされた受様の事とか
ちょっと作者に都合よい終着点で
決着されている点もあるので

その点が気になると
最後モヤモヤするかなぁ (^-^;

今回はアンドロイドつながりで
水瀬結月さんの『恋花火』を
ご紹介作としますね。

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