僕、小さくなりに行ってくる

おおきい小竹とちいさい武田 上

ookii koake to chiisai takeda

おおきい小竹とちいさい武田 上
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神72
  • 萌×227
  • 萌30
  • 中立3
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
13
得点
561
評価数
139
平均
4.1 / 5
神率
51.8%
著者
重い実 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
シリーズ
おおきい小竹とちいさい武田
発売日
価格
¥759(税抜)  
ISBN
9784758077835

あらすじ

巨人族の小竹は手違いで普通の高校に入学してしまう。
ほどなくして転校することになった小竹だが、
普通サイズの武田と両想いだったことが分かり
付き合うことになった。
二人はセックスができなくても幸せな日々を過ごしていたが、
ある日、小竹が"大きいものを小さくする"木の実が
存在するのだと言いだし――。

表題作おおきい小竹とちいさい武田 上

小竹瞬・巨人族の高校生・16歳
武田利一・高校生・16歳

同時収録作品おおきい小竹とちいさい武田 上

大橋カズヤ・武田の友人
武田利一・高校生・16歳

同時収録作品おおきい小竹とちいさい武田 上

小竹瞬・巨人族の高校生・16歳
森・小竹の同級生

その他の収録作品

  • その後(描き下ろし)
  • あとがき

レビュー投稿数13

巨人族×人間の恋のお話

作家買い。

重い実さんて、独特な世界観の作品を描かれる作家さん、のイメージですが、重い実さんの新刊もそのイメージを損なうことないストーリーでした。ネタバレ含んでいます、ご注意を。






主人公は高校生の武田くん。
ほぼ彼視点でストーリーは展開していきます。
高校の入学式の時に、巨人族の小竹くんと出会い、そして同級生に。
元々巨人族は生活圏が異なり、通常の大きさの人間と生活が被ることはないのですが、小竹くんは手違いで普通の高校に入学してしまったのです。
小竹くんは巨人族用の高校に転校しますが、彼を忘れられない武田くんはストーカーまがいに小竹くんのことを調べ上げ…。

というお話。


タイトルは『おおきい小竹とちいさい武田』ですが、武田くんは通常のサイズで、小竹くんが「巨人族」(体が大きい)というちょっと斬新な設定。

序盤は巨人族と通常のサイズの人間の恋、というテーマで、コミカルに進んでいきます。

が、小竹くん、武田くんともに、彼らのことを好きな「友達」の存在が徐々に大きくなり、それに伴い暗雲が立ち始めー。

身体の大きさが違う=性的な接触ができない、という事で、お互いにべタ惚れなのに、それぞれの友人と性的な行為に及んでしまう。特に、武田くんの方。恋人がいるのに浮気してしまう、という展開なので、そういった描写が苦手な方にはかなりきつい展開かと思います。

武田くんが他の男とセックスをしてしまう姿を見てしまった小竹くんが選んだ道。
小竹くんに去られた後、武田くんが堕ちていってしまう心の闇。

序盤のコミカルな雰囲気とは一変、後半はかなりシリアスで切ないです。

「好き」という気持ちと、「セックス」は切り離せるものなのか否か。

好きだからこそ、恋人と繋がりたい。
心から愛している恋人がいるのに、快楽に抗えない。

高校生という、性的なことに興味津々で、青く若い彼らに突き付けられる重いテーマに、非常に痺れました。

シリアスとコミカルが混在している作品で、浮気やウリ、そして死といった人によっては地雷になりうる展開もたくさん盛り込まれているので、もしかしたら読み手を選ぶ作品かもしれません。甘々でエロエロな作品を読みたい気分の時にはもしかしたら不向きかも。

が、個人的には重い実さんの世界観てとてもツボで、この作品もめちゃめちゃツボに入りました。

巨人族の小竹くんと人間の武田くん。
彼らの恋の行き着く先はー。

これ、上下巻の作品で下巻は来月(2018年3月)発売になります。重い実さんの書かれたあとがきによると、下巻は「同じ大きさになった小竹と武田、大橋のその後」が描かれているそう。上巻で二人の関係はいったん落ち着いたうえでの下巻という事で、どういう展開になるのか非常に楽しみです。

16

名作

この設定は他にはないのでは?

タイトルのとおり、おおきい巨人族の小竹と、普通サイズ?の武田。二人は両思いで、毎日放課後にデートをしたり、一緒にすごす時間を大切にしている。

けれど、体の違いから、Hはできない。
同級生の大橋は、武田に強烈に惚れていながらも、小竹を好きな武田の前では、はすっぱな口を聞き、体だけは慰めてやるという態度でHを続ける。それを受け入れる武田。

一方、巨人族で小竹の友人、森。こちらも小竹に少なからず好意を持っているようだが、無口で自分の考えをしっかり持っているタイプ。小竹の体のガス抜きをしてあげる。

こんな屈折した関係の4人。

ところが、体を小さくする赤い実があると、森から聞いた小竹は、その実を食べると死んでしまうと知っても、実を探して食べようとする。まさに重い実?

重い実さんは、絵の背景が少し薄くて、絵も線が細く頼りない印象なのですが、ストーリーが極太ですね。

非現実的なベタ甘恋愛からはかけ離れた、人間の運命と、それを作ろうともがく人達の恋愛が描かれていて読み応えが抜群です。
下巻に続きます。

6

ただ設定のぶっ飛んだ話かと思って読み始めると良い意味で裏切られる

重い実先生の世界感、唯一無二で大好きです。
シュールで、せつなくて、愛にあふれている感じ。

設定が有り得なさすぎると没入できなくて萎えてしまうことってあると思うんですが、
私はいつの間にかこの作品の世界感にハマっていました。
設定はぶっ飛んでいても登場人物の感情はリアルだからだろうか、、
途中、苦しくてシリアスな場面あります。
そういう話は好んで読まないのですが、この作品は救いがあるので大丈夫でした。
シリーズ全部読みましたが、当て馬が主人公のスピンオフまですべて読んでほしいと思います。

3

ラストを読んでも衝撃を引きずる

これが上ということは下でこれ以上どう展開するんだろう。

あぁ!森と大橋がいなければ。余計なことして小竹と武田に手を出さなければ。そして大橋があんなふうに小竹に見せつけるような真似をしなければ!

小竹と武田は巨人と普通の体でも幸せだったのに。
でも愛情と快楽、本命と体だけは別だと森や大橋に誘導されて。

小竹が赤い実をどんな思いで食べたか。死ぬとしても武田と普通に付き合い抱き合いたかったんだね。
夏休みいっぱい一緒に過ごせて良かったね。

そして小竹が消えて。

でも実は死なずに仮死状態になるだけだったんですね。必死で勉強して森の言うとおり研究所に勤めて小竹の世話をして必死に働いて。

武田は小竹を傷つけた罪を、わずかな可能性を五年間背負い続けて。小竹が死んでいなくて本当に良かった。

大橋も武田を五年間見守り続けたんですね。

最後は小竹が目を覚まして再会できて思い出の山へ行ってめでたしです。

でも最後のめでたしを迎えてもまだ私は衝撃が消えません。
凄かった。引き込まれました。結果的に小竹が小さくなって武田と同じサイズになれたけど、それまでの二人の危うさや傷ついたことや悲しみを引きずりました。スラスラ読めますが衝撃的です。

2

みんなハッピーエンド

上下巻を通してのレビューです。相変わらず重い実さんの作品はボリュームがすごいです。単行本の厚さが他の1.5倍くらいあります。あとセッxx描写が豊富で、長いです。カップルが幸せそうで何よりです。
今回は巨人族の小竹と普通サイズの武田という、なかなかぶっ飛んだ設定でした。巨人族ならではなこと(ヒマラヤに軽く登ったり、マリアナ海溝に落ちて腰までつかったり)が散りばめられていて、クスッときました。

サイズが違う二人が恋したり、悩んだりして、最終的に同じサイズで幸せそうに暮らせてよかったです。上下巻で上手くまとまっていて、読み応えがありました。最初は武田に想いを寄せていた大橋も下巻で三宅とくっついて幸せそうにしていたのが何よりです。あとは森だけだ!森君にも幸せになってほしいです。

7

ほのぼの系だと思ったけど…

明るいほのぼの系だと思って買ってみたら全然裏切られました……いい意味でも悪い意味でも。
ものすごく考えさせられる作品で丁度明るいのが読みたかった私の気分的にはインパクトが強く、正直受け入れられなかったんですが、2回目そーいうものだと思って読んでみたらすごく面白い作品でした。
設定も他にはなく、またそれを通しての愛の形、種族の違いゆえの辛さ、全て面白いものだと思いました。
ホントに読んでて辛くなるんです、結果的に流されてしまっている自分への自己嫌悪とか。
ほのぼの系ではなく、重いストーリーものだと思えば全然、というかむしろ読みたくなる作品でした。

5

色々考えさせられる。

巨人と人間が共存しているという突拍子もないファンタジーを装いつつも「物理的にエッチのできない相手を好きになったらどうするか」「愛情と快楽は別物か」というテーマをぶち込んできてるので、あれこれ考えさせられました。

でも決して説教くさくならずにシュールな表現などで時折クスっと笑わせてくれながら読めるのがさすが重い実さん作品。

巨人族の高校生・小竹と人間の武田は体の大きさが違いすぎて恋人同士になってもエッチができない。
武田は小竹のことをとてもとても大事に思っているのに、武田のことを狙っている大橋という同級生から、ただの接触だ・自慰行為と何が変わらないの?といった感じでずるずる触られて、ついに挿入まで許してしまうんです。

武田って小竹のことが好きなくせに、あっさり大橋に体を許して最低!!と罵ることは簡単かもしれない。

でも持て余した思春期の性欲、しかも決してそれが小竹と共有することができないという絶望感を抱えている武田の乾きというか飢えのような尽きることのない欲望みたいなものも解るというか、うーむ…まぁ仕方ないよなぁ…と思ってしまう自分もいる。
だけどやっぱり大橋に抱かれている武田の姿を見ちゃった小竹の気持ち、そして赤い実を食べて小さくなった小竹が「やっと武田くんを抱きしめられる」と言った時の気持ちを考えると、泣きそうになる自分もいる。
浮気は止めろ!と言えない小竹、そして一切武田を責めなかった小竹。
抱いてあげることが出来ない自分には止める資格がないと思っていたのかもしれない。
だからこそ、何としてでも赤い実を…という気持ちを色々考えると泣ける。
そして大橋も武田のことがとっても好きで、完全に悪いやつではないこともわかる。

読んでて、本当に自分の感情が迷子になりそうでした。
決して嫌いじゃないです。読んで良かった。


4

感じたことを言葉にするのが難しいけどとりあえず好き

 攻めの小竹が巨人族という設定を除けば、『アホエロ』『ロマンスとジェラシー』などの過去作品に比べて、重い実先生にしてはシリアス調のトーンだなぁと感じました。私は表紙から、手に乗っている人物が通常サイズから小さくなる話かな?と想像していたのですが、どちらかというと彼が通常サイズで、手に乗せている方が巨人族という特殊設定でしたね。

 サイズを度外視すると、最初は小竹も武田も両方受けっぽく見えました。小竹は同じ巨人族の森にキスされたりしているし可愛らしい見た目でヘタレっぽくもありましたし、武田は武田でしっかりしてそうなのに大橋というクラスメイトに絆されてすっかり色っぽくなったりします。武田の属性にワンコとありますが、個人的にはあまりワンコっぽさは感じませんでした。森(巨人)→小竹(巨人)、大橋→武田という流れから、会って話すだけの小竹と武田の関係をどう発展させるのか、全然先が読めなかったです。

 しかし、途中で小竹の方から森に仕掛ける場面もあり、やはり彼は基本的に攻めなようでした。そして、小竹×森、大橋×武田の関係は、小竹と武田にとってはあくまで相手に流されてあげたり、自分の体の欲求を解消したりするためだけのものだと示されます。本当に心から好き合っている同士なのは小竹×武田。でも、情事についてサイズの違う2人では挿入は不可能ですし、できることは限られています。小竹は武田が他人とセックスしているのを知っても、本命への気持ちがブレてなければいいとけっして武田を責めたりはしませんでしたが、結局は小さくなれる実を食べてついに武田と本懐を遂げます。

 重い実先生独特のシュールさはそのままで、前2作品に比べると笑える部分は少なかったかなという印象です。武田の色気、小竹の執着一歩手前の一途な想いが、2人のサイズ感を忘れるほど目立っていてすごく萌えました。別の誰かと絡みながらも、本命の相手に想いを馳せる2人。快楽を割り切って考えている小竹と、罪悪感でいっぱいの武田の感覚の違いにちょっと切ない気分にもなったり。とりあえずハピエンですし、エロも十分、リバがあるわけでもないので、そんなに地雷要素はないと思います。重い実先生ファンの方、黒髪受けや独特のシュール感を楽しみたい方にはオススメします。

3

ポケットでお出かけ、なつかしい

カバーイラストの二人、タイトルがらみの比喩的表現じゃなくて、ほんとにこのサイズ比のお話だったのね。
二人のデートのシーンとか、昔読んだ内田春菊「南くんの恋人」思い出した。
設定的にはかなりのとんでも設定だけど、高校生で、男同士で、惹かれあって、お互いに恋愛関係でも、二人の間にはどうにもならない障壁があって、相手に対する恋情とは別に、若さゆえに快楽に簡単に流されてしまう。
その、どうにもならない障壁が「巨人族」、、、。
うん、とっても、とっても、あきらに見てわかる障壁だわな。
ストーリーの根幹の、思春期ゆえの揺れる心的な、4人それぞれの関係性とかはすごく萌えるし、切なさもあっていいお話だと思う。
でも、やっぱり、その世界観の中での自分の目線の高さをどこに置いたらいいかが定められなくて読みにくかったので、萌一つで。

1

これは、所謂メタファー

巨人と常人の異種間交流、というシュールなトンデモ設定ですが。
同性愛とか、異性愛だとしても。ままならない恋についてのメタファーなのだと思います。
恋してる相手を、愛しているのか、どこまで許せるのか。そして、自分はどうしたいのか。
何が出来るのか。

「 オレたちは お互いに 水の入った風船を持っている
不用意に 水を入れすぎてはならない
水を入れすぎると重いし
下手したら 風船が破けてしまうからだ 」

お互いがお互いを大切に思うあまり、出来ること。命を賭しても守りたいこと。
高校生ならではの瑞々しい表情もあり、主人公たちを見守る友人達の様に見守る気持ちになります。
この物語は一旦完結しています。
下巻は「彼らのその後」だということです。

重い実先生ならではの、執着するあまりのストーカーじみた描写も健在です♬

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