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これは、神様がくれたチャンスだと思うんだ。
nishume no koi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
さらっと読めてしまう、タイムスリップモノBL
タイムスリップモノBLです。しかも２人一緒に過去に戻るという設定が珍しいな～と思い購入。
私かなりタイムスリップモノが好きで、「BLでこういうタイムスリップモノやって欲しい」というプロット妄想するぐらい飢えてはいたのですが(笑)、この作品はちょっとあっさりし過ぎていて物足りないまま読み終えてしまいました。
高校の同窓会で１０年振りに再会した山本撤平と、三ノ輪学。
山本は１０年前から三ノ輪に想いを寄せていましたが、とあることがきっかけで告白できないまま卒業してしまいます。
あれから１０年。今は高校時代の真面目なメガネの生徒会長の面影はなく、すっかりイケメンの証券マンとなった三ノ輪に、酔ったはずみで「高校時代好きだった」とバラしてしまう山本。２人で同窓会を抜け出し「明日には忘れる」という約束で体を重ねますが、翌朝起きると何故か実家のベッドの上。しかもカレンダーは１０年前。記憶は２８歳のまま体は１８歳に戻ってしまい…。そしてなんと三ノ輪も同じくタイムスリップしてしまったことがわかり、２人で元の世界に戻る方法を探しますが…。
がっちがちのタイムスリップBLではなく、タイムスリップ要素のあるBLです。
本格的なタイムスリップを期待するとがっかりするかもしれません。
恐らく作者様は、２８歳時の２人、１８歳時の２人(中身は２８歳)、モノローグとして出てくる昔の１８歳の２人、の３パターンを描くためにタイムスリップという手法を使ったのだと思うのですが、そのギャップにはそれ程萌えられず。
かなりの異常事態が起きているのに、そんなに驚くことなく高校生活に馴染む２人。いろいろ考えた結果、タイムスリップの原因はセックスだ！と気づき早速ホテルで試すものの、高校時代はまだ童貞処女だった山本が痛がって失敗。
この後丸っと１章分使って、高校時代の２人の馴れ初め、学際でメイドの格好をさせられた山本が生徒会長室横の更衣室で着替えようとして偶然三ノ輪が告白される場面を見てしまい自分の気持ちを諦めてしまうまでが描かれます。
過去に何か悔いが残っているからタイムスリップしてしまったのではないかと最初のほうで三ノ輪が推測したのは大当たり。自分の気持ちをきちんと告白出来なかったことが恐らく原因。
二度目の文化祭ではメイド姿になりたくなくて、じゃんけんに勝ってしまう山本。そしてメガネではなくコンタクトにし、雰囲気が変わってしまった三ノ瀬は女の子に告白されるハズの場面で「最近ちょっと派手すぎない？」と注意されておわり。
本来タイムスリップモノではやってはいけない「過去に関する干渉」をどんどん進めることによって、展開が変わり始めます。
実は高校時代から両片思いだったことがわかった２人はそれぞれ告白し、生徒会室で体を重ねます。
この告白シーン、実はかなり見せ場なんじゃないかな～と思うのですが、やっぱり盛り上がらない…。
そして目を覚ました山本、同窓会の日に戻ることが出来、仕事中の三ノ輪の元へかけていき人目も気にせず抱きつきます。
それを「相変わらずラブラブだな～」とひやかす同僚。
いきなり指輪を差し出し、プロポーズまがいの発言をする三ノ瀬。
めでたし、めでたし。
…ラストがほんの数ページなんですよ。
駆け足で終わったどころの話じゃないです。読者ポカーンです。
普通タイムスリップモノって、下手に過去に干渉すると、未来が悪い方向に変わってしまうことが多いのに、なんだこの「全て上手くいっちゃいました♥」感。
なお、高校から今までの２人の記憶は書きかえられていない模様。
…これ無理してタイムスリップものにしなくても良かった気さえしました。
一度関係を持ってからやっぱりお互いのことが気になり連絡、昔の事を思い出し、両片思いが発覚しハピエン…というストーリーをタイムスリップなしでもっとじっくり描いても問題なさそう。
せっかくの面白い設定が活かしきれてないというか、あまりに盛り上がりに欠けるというか…。雑にまとめちゃったところが残念でなりません。
つっこみ所は満載ですが、絵はキレイで読みやすい作品ではあるので、今回は中立寄りの萌評価で。
あっさりスッキリ
タイムスリップものと知らずに読みました。
二人でタイムスリップって、ちょっと斬新！
高校時代に未練がある二人が再会し、
セックスをきっかけにタイムスリップしてしまう⁉︎
結構あっさりだけど潔くて読みやすかったです。
戻る時も……やっぱり？みたいな^^;
戻った後の幸せそうな二人と、
書き下ろしでのラブラブ編が良かったかな。
高校生から付き合ってることになってるから、
お互いしか知らない身体なのよね？
そこもいいなと思いました^^
神の気まぐれ？
切なくもどかしくやるせないことが多いと言えば、タイムスリップもの。
そのように相場が決まっていると思っていたら、そうじゃないものもありました。
高校卒業後、10年ぶりの同窓会。
あの頃好きだった三ノ輪に再会した山本は、酔いに任せて10年前の思いを告げた上に三ノ輪と一夜を共にするが…。
目が覚めたらそこは…、という始まり。
山本だけでなく三ノ輪も戻ってきちゃってます。
18才の見た目だけど、頭の中は28才の2人は元の時代に戻ろうと奮闘するのですが、この作品で気になったのは「それで良かったの？」ということでした。
10年前の三ノ輪は眼鏡の生徒会長で、山本は軽めのヤンキー風。
周囲からは接点がないと思われていたけれど、実は屋上で仲良くなっていました。
それが今回タイムスリップしたことで、外見の印象も変えちゃってるし、過去も変えてしまって、戻ってきたら「お前ら、いつ結婚するんだー？」(ひゅーひゅー)。
待って。
もったいなくない？
告げずに過ごした10年の記憶が2人には残ってるわけですよね？三ノ輪が持ってきてしまった元の時代の文化祭の写真が変わっているのを見て、「あ、変わってる」って気付くということは。
そしたら新しい記憶はないということ？
10年付き合ってきたはずの思い出は2人の中にはないけど、周囲は知ってます状態？
もったいなくないですか？
10年って長い。
その間に知り合ったひとも関係したひとも、全部相手の記憶からは消えていて、自分には残ったまま。
だけどそれと引き換えに一緒に過ごしたはずの2人の10年分の記憶はないわけで。
そういうことですよね？
もったいない。ひたすらもったいない。
ここ、どうにかできなかったのかなと思ってしまうのです。
記憶の帳尻合わせはなかなか難しいのかもしれないけれど、そこがものすごく気になってしまったので、最後の最後で萌がひゅんと減ってしまいました。
