玉の輿ご用意しました

tamanokoshi goyouishimashita

玉の輿ご用意しました
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神75
  • 萌×265
  • 萌21
  • 中立3
  • しゅみじゃない9

--

レビュー数
21
得点
701
評価数
173
平均
4.1 / 5
神率
43.4%
著者
栗城偲 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高緒拾 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
玉の輿ご用意しました
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784199008726

あらすじ

高級車に狙いをつけ、当たり屋を決行!! ところが、それを見破られてしまった!? 初めての大失態に、内心焦る青依。けれど車から降りてきた男・印南は、青依の痛がるそぶりに顔色一つ変えない。それどころか、平然と「通報されたくなければ言うことを聞け」と命令してきた!! 厄介なことになった、と思いつつ拒否権のない青依に、印南はなぜか「9ヶ月間、俺の恋人のフリをしろ」と言い出して!?

表題作玉の輿ご用意しました

印南高嶺,32歳,意趣返しで青依を恋人に仕立てるセレブ
江鳩青依,20歳,中卒で仲間と当たり屋をする青年

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数21

栗城流、マイフェアレディ

傲慢セレブ社長×当たり屋青年の、年の差同居ものです。
「栗城流、マイフェアレディ」て、どこかで目にしたのですが…。
元々大好きな作家さんなのですが今回は特にツボにハマり、ニマニマしたり、切なくなったり、キュンキュン来たりと大変楽しく読めました!

中卒で当たり屋をしている20歳の青年・青依(受け)がターゲットにした高級車に乗っていたのは、32才セレブ社長の印南(攻め)。アッサリ当たり屋である事を見破られ、更に通報されたくなければ恋人のフリをするように脅され…というあらすじです。受け視点です。

受けの青依は親が破産して一家離散。当たり屋で生計を立てています。生意気でやんちゃながらも、人懐っこく根はスレた所の無い青年。世間の冷たい風当たりに、やや学歴コンプレックスを抱えています。

攻めの印南は傲慢なオレ様。恥をかかされた元恋人を見返す為に、若くて見映えのいい青依を恋人に仕立て上げようとします。

青依をどこに出しても恥ずかしくない完璧な恋人に仕上げる為に、豪華なマンションに住まわせ、テーブルマナーや英会話を叩き込み、高価な洋服を着させて…という、まさに「マイフェアレディ」な展開。

チンピラのような荒れた生活を送っていた青依が、マトモな住環境や教養を与えられ…というシンデレラストーリーも素敵なのですが、なんと言っても二人のほのぼの&甘々な同居生活に萌えるのです!
口が悪いながらも根が素直で感情の豊かな受けが、まるで新妻のように攻めの世話を焼き、攻めがそんな受けに惹かれていくのが分かります。
そして最初は傲慢で鼻持ちならない感じだった攻めが、話が進むにつれ、不器用ながらも受けに好意を示し、気を許していくのがよく分かります。もうこの、どんどん甘さを増していく同居生活がキュンキュンくるのです…!

その後は無事、元恋人を見返す事が出来、青依が同居する必要が無くなる…という展開。まぁ、どう見ても両片想いの二人なので、多少ヤキモキしながらも見守れる感じでしょうか。

絡みは1回。あっさり目です。はすっぱな口をききながらも、初々しく健気な受けに萌えます。もうちょっと濃厚だと、もっと嬉しかった…。

ただ単に甘いだけのシンデレラストーリーでは無く、それぞれの住む世界の違いや、社会の底辺に居た自分が、無知なばかりに相手に恥をかかせてしまう…という受けの切ない心情等がしっかり書き込まれていて、読み応えがありました。
王道のシンデレラストーリーがお好きな方にお勧めします!

21

マイフェアレディの原案/「ピグマリオン」と比較するとオモシロイ

バーナードショーの「ピグマリオン」を思い出しながら読んだら、
この本に著者が仕掛けた秘密を見つけてしまった気分になってしまった。

読後の最初の感想は古臭い言葉でいうと、
「生きる智慧の学習/教育は無形の財産」「努力は無駄にならない」
・・まるで、格言の列挙になるけど、この小説が言いたいのはソレ?

▶「学ぶことで本来の自分を知った」青依
主人公の青依が印南と酒匂と出会う前は、ビッチな野良猫。中学卒業と同時に親が夜逃げ。取柄は、大きな目の可愛い顔と華奢な体躯。全てを失った青依は、出来る事を兎に角やって生きる。

アタリ家グループの一味になり、住所不定のヒモ生活。
ある日のアタリ仕事のカモが、印南の車だった。でも失敗、犯行はドラ・レコに録画されていた。
印南の秘書;酒匂が出した示談の条件は、クリスマスまでの間、印南の契約愛人になること。日当あり。青依はそこで人前に出られる程度の教育と衣食住を印南から提供されることになる。

英会話を習い、マナーを習い、人を愛することを知って、青依がどんどん変わっていく。
印南に恥をかかせたくないと努力することで、更に良い変化が青依に起きていく。
どう生きたら、自分も恋人も嬉しくなる結果を得ることができるのか、と考えるようになった青依は、人としての内面が充実していく。

1巻~3巻+番外編まで読みました。
ずっと青依は、言葉遣いはヤンキー口調です。
でも学習して、仕事で貢献の喜びに目覚めた青依が居るだけで、回りの人まで良い方に変化していきます。←これは凄いことです。
青依は、特技の「カメラアイ」を仕事で活かせるようになる。

良い変化の積み重ねが起きだすと、読者は青依をもっと応援したくて、頁をめくる手が止まらない仕掛けを仕込んでいるのかも。上手いよねー。

▶著者は、印南と酒匂については、経歴と容姿、特に印南が如何に美男であるかを何度も描写しています。
でも主人公の青依については「小柄で華奢で目が大きい、見た目が若い、カメラアイ」といった程度で、外観について余り詳しく説明していません。
青依の魅力は、外観ではないと暗に示している風です。

…青依について、外観じゃなく、内面の変化について読者の意識を向けて描いているよね??と、私は意識して読みました。
犯罪組織の末端に居た青依は、性格が悪に染まり切る前に、印南と酒匂にアタリヤ行為が切っ掛けで出会って良かった。
青依の性格の根っこが善良で、愛に報いる努力を厭わない気性という設定にしているらしいです。

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▶「ピュグマリオーンとガラテア」「ピグマリオン」「マイフェアレディ」
この作品が好まれる理由は、人が求める普遍的なモノがあるから??
「マイフェアレディに似ている」と過去レビューに幾つかありました。

「マイフェアレディ」の原作は、バーナード・ショーが著した戯曲「ピグマリオン」です。
「ピグマリオン」の原案は、有名な神話の「ピュグマリオーンとガラテア」の話。
「キプロス島の王 ピュグマリオーンは、現実の女性に失望して、理想の女性ガラテアの彫刻を象牙で作って恋をする」

▶ジョージ・バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』
バーナードは、戯曲「ピグマリオン」では、神話の反目を描いています。
「ロンドンの下町の花売り娘イライザは、ヒギンズ教授から淑女としての立ち振舞の訓練を受けて、レディになる。 でも最終幕で彼女は、ヒギンズ教授との別れを選び、去る」
・・・バーナードは「育てて作られた理想像の否定を描写した」と、著書「ピグマリオン」の「後日譚」に書いています。
渡しの妄想的要約は、「お仕着せの型にはめる教育で出来た淑女ではなく、本来の自分を求めることに目覚めて、イライザは教授から去った」という意味。
ピグマリオンの終話は、自立という離別のバッドエンドです。

バーナードショーの死後に作られた映画の「マイフェアレデイ」は、ハピエンで〆られていますが、原作の意味は違う。
色々な解釈を産む神話が土台なら、読後の感想も読者の解釈次第なのかもしれない。

印南が、青依が自分から離れることの恐怖を潜在的に抱きながら、青依の自由意思を尊重するのは、バーナード・ショーが「ピグマリオン」で書きたかった骨子「教育を受け、本来の自分に気づいて自立していく」=「青依が自分から巣立つ」ことを避けたい気持ちが潜んでいるからかもしれない。
・・・と、比較しながら読んで考えたら、とても面白がった。

神評価ですよー! 

4

足りないものを知り、成長する姿に拍手(⌒‐⌒)

何度読んでも、胸アツで、気分爽快で、とても好きなお話です。

受け様の青依は、中卒で一家離散。
働いていた会社を怪我でクビになって以来、真面目に働く意欲をなくし、今ではあまりよろしくない仲間と当たり屋をして稼ぐ日々。

そんな青依が飛び込んだ車に乗っていたのが、攻め様の印南。
すぐに当たり屋だと見破られ、警察につきだす代わりに取り引きとして偽の恋人役することに。
元恋人から公衆の面前でフラれた上恥をかかされ、見返したい為に恋人役が必要だという。

あららな出会いだけど、これじゃフラれて当然じゃね!?って言いたくなるような、高圧的で青依を見下すような言動の印南に、カチンとくる私です(^_^;)


学歴や肩書き等スペックは高い印南だけど、愛想や気遣いは皆無。
挨拶もしないし「そんなこともしらないのか」って、言い方!!(# ゜Д゜)
そんな印南が、青依と一緒に生活していく内に、少しずつ態度が軟化していって、不器用ながら気遣いをみせるようになっていく。

そして青依も、いわゆる真っ当な生活や在り方を知らず、今日が過ごせればいいみたいな生き方をしてきた今までの自分に気づく。

お互いに相手に恥をかかせた、と謝罪するシーンは、2人とも成長したなぁって胸アツです。
特に青依が不憫で、ぎゅーってしてあげたい。
ちゃんと印南がしてくれてましたけどね。

「ただいま」「おかえり」と過ごす関係が大事な居場所になっていく2人の様子に、にこにこしちゃう(*´∀`)

印南の元カレと遭遇し、うまいことやって溜飲を下げたところは、めっちゃ胸がすく思いでしたよ。

これで取り引き終了、と出ていく青依を引き止めない印南にハラハラ。
結局青依を探し回っていて、印南の攻めザマァな姿もちょっと見れてにまにまですσ(≧ω≦*)

2人のBL模様と成長ぶりを見ることが出来て、胸アツできゅんで、とても満足なお話でした。



2

尊大社長と当たり屋の同居生活

女性のヒモ生活をし、悪い仲間と当たり屋をして生計を立てている受け。ある日、高級そうな車に飛び込んだが失敗。車の持ち主に捕まった。警察に突き出されるところを、とあるアルバイトをするなら、という条件で見逃してもらったが、そのバイトは男の恋人役を務めろというもので…。


どん底気味の境遇の青年20歳が受けです。中学を卒業した途端に一家が離散し、その後働こうとしたけれど中卒で住所不定では雇ってくれるところも見つからず、やむを得ず女性のヒモをしたり、悪い仲間と組んで当たり屋稼業に身を染めていました。
そのターゲットに選ばれたのが攻め。高級車に乗っていたところ、当たり屋の受けが飛び込んできます。受けがわざと飛び込んだことが一目瞭然で、証拠もあるし、一旦は警察に突き出そうとしましたが、思い直して「自分の言うことを聞けば見逃してやる」と取引を持ちかけます。

最初は、何の罪もない人を金ヅルにして日銭を稼ぐ受けにも、一応車ではねてしまった相手に対して嵩にかかった態度を取る攻めにも好意を抱けず、イライラとまではいきませんがうーん…と思いながら読んでいました。攻めの持ちかけた取引が、自分に恥をかかせた元恋人を見返すために新たな恋人役になれ、というものなのにも萌えられませんでした。同居が始まって直後の、受けを飢えさせた攻めの考えの足りなさにもドン引きました。
ですが、尊大でエラそうな攻めと、きゃんきゃんうるさい受けが、ともに暮らすうちに少しずつうち解けていく過程にはキュンとしました。最初の印象が最悪だっただけに、受け攻めそれぞれの人間の根っこが見えてくると、どんどん印象も変わっていきました。悪事に手を染めていたくせに、根は善人な受け。そういうところを発見するたび密かに反省する攻め。
そんな2人が距離を詰めていくのがとても萌えて、いろんな事件が起こるのにハラハラしながら、攻めの元恋人にムカつきながら、最後まで楽しく読むことができました。

大まかな流れだけで考えると神つけたいくらい良かったのですが、何点か引っかかった、気になった点もありました。
攻めに対する受けの「お母さんは出迎えてくれなかったの?」という言葉が地雷だった理由。何となくはわかるのですが、きっちり伏線回収されてはいませんでした。
あと、くっつくときの盛り上がり方が大人しめだったのが残念。ラストが駆け足で、ここをじっくりこってり読みたいのに! というストレスがありました。
それから、主要キャラの名前がすべて特殊系だったのがちょっと鼻につきました。印南に江鳩に酒匂。あんまり凝った名前ばかりだとすごく作り物くさいので、もっと普通の名前の人だと良かったな。

8

水と油の関係からの変化に萌えた!

発売当初は『玉の輿』という言葉に受けが女性化してるのかな?と連想し、
あらすじの『当たり屋』にツンツンな荒くれ者受けなのかなーと斜めに見てしまい。

どちらの予想も私の見当違いで、面白かったです!

セレブで頑固、庶民の依怙地。
生まれも育ちも正反対で水と油のような攻めと受け。
セレブと庶民では常識も全く異なり、それぞれの領域で理解に苦しむ場面も多々。
それがうまく撹拌されて、水と油が乳化された頃の甘さにすごく萌えました(∩´///`∩)
もらい泣きしたり、ニヤニヤしたり、スッキリ爽快感を味わったり。
楽しく読了出来ました♪


受けは周囲の環境もあり悪いことに手を染めていましたが素直さがあり。
やんちゃな性格だけど健気というギャップにキュンキュンしました(∩´///`∩)
社会から弾き出されるがままの道を進んでしまっていただけで、根本はすごく良い子です。

で、感情が詰まり言葉をうまく吐き出せないと涙が込み上げるタイプ。
喜怒哀楽の表現に泣き虫な部分があり、受けが泣くたびにもらい泣きしてました。
特に「怒」と「哀」の涙が言葉にならない感情がワッと溢れてて、ドパドパと(;ω;)
こういうの弱いわ…。

攻めは、最初"なんじゃコイツ"と思う面が多々(-ω-;)ウーン
でも、話が進むにつれ表情の裏側が見えたら、ただの不器用さんという…v
キリッとカッコよく基本仏頂面だけど、受けの言葉に内心アタフタしてるのが可愛いです!

威圧的でツンツンした態度で恋人の甘さとか無縁そうな雰囲気だったのが、
甘さを醸し出してからがもぉぉぉぉ堪らんっ(∩´///`∩)
わかりにくいけどわかりやすい、遠回しな優しさがすごく良かったです。

そんな2人が、当初の目的であった場面に直面した時。
スカッとする爽快感がすごく気持ちよかった!!!
とても良いザマァ展開でした+゚。*(*´∀`人)*。゚+

水と油の撹拌係になっていた友人兼秘書の酒匂さん。
会話が噛み合わない攻めと受けの良いアシスト役で、この人が登場するとホッとする。
続編では酒匂さん視点のお話もあるので是非是非!

6

好きな要素盛りだくさん

やっぱり良いですね、年の差身分差健気受け。
私は両想いになるまでの過程が最高に萌えるタイプなので、この一巻で充分腹一杯になりました。ありがとうございます。
特に受けが涙して傲慢な攻めが狼狽えるシーンは大好物なので、青依の泣くシーンなんかとっても良かったです〜笑笑
あとは酒匂さんが怒っちゃったシーンも好きでした。不憫な受が誤解されまくった後に攻が勘違いに気づき、反省するパターンめっちゃ萌えるんです。
そんな萌が詰まった私得な一冊でした。
挿絵もとーーっても良かったです。
続編も恐らく読みますが、出来上がったカップルの話なのでプライオリティは低いかな!
でもこの作品で栗城先生の作品に興味を持ちましたので、他の作品も読んでみようかと思います。

5

お子様ランチにあこがれる気持ち

当たり屋と、元恋人を見返したい社長の同居生活。

不幸属性の受が金持ちに、みたいな話は王道ですけど王道万歳です。
ただこれ、攻が包容力のある攻
ってわけではないのが良かった。不器用。礼儀作法にうるさい割に、おかえりただいまの挨拶はろくに出来ないあたりに育ってきた環境に問題感じます。そんなだから、して欲しいことに出迎え、なんて言っちゃったのかな。
攻が、最初は見下してた相手が予想外に可愛くってぎゅんぎゅん惹かれてる様が、それが無自覚受視点なんだけどわかるのが楽しい。
青依が当たり屋やってた癖に根が良い子。一文無しでおなかすいてても、部屋の時計とか金目のものを売るって発想自体が浮かばないのな。印南の方は真っ先にチェックしてたのに。
年も立場も環境も全く違う2人ですが、お子様ランチを食べたことがないっていう共通点があったりして、ここぞって時に青依の気持ちの方を大切にした印南が良かったです。

電子特典の後日談では青依が職場で飴ちゃんもらいまくって可愛がられてましたが、特殊能力生かしてまわりに認められるような成長してるところがみたかったー。なので続編が読みたい。

4

学歴なんてクソクラエ

当たり屋として車に故意にぶつかってきた青依を、警察に届けない代わりに恋人のフリをするよう連れ帰る印南。
こりゃないわーと思った出だしですが、当初の思いとは裏腹に面白くてどんどん読み進めちゃいました。

何と言っても、青依が可愛いです。
恵まれた生活はしてきてなかったけど、素直だしちゃんと物事を考えられる良い子(犯罪行為はこの際置いといて)。
印南は嫌なヤツかと思いきや、単に不器用な人だったという。
青依目線で話が進む中でもうっすら見え隠れする、印南の青依への好意がニヤニヤしました。

想いが通じあった後の、印南のデレも良かった〜。
酒匂さんも大変だ(笑)
2人のあまあまがもっと読みたい!と思ったら来月続編が出るみたいで。
あまあまかな〜それともスピンオフ!?
どちらにしろ、あまり待たなくてすむこのタイミングで今作読めてラッキーでした(〃ω〃)

4

社長×チンピラ!

社長×チンピラ!年齢、学歴、身分、収入その他もろもろ…格差だらけのCPです。
出会いは当たり屋、それを逆手に脅迫して恋人役を演じさせる展開!
というリアルではあり得ない破天荒な状況なのに違和感なく読めてとても面白かったです。
出会った当初、攻めの印南さんは人格的に、受けの青依くんは常識的に破綻しているのですが、二人で寄り添って生活していくうちに徐々にお互いを思いやるように…その成長に腐った親心がくすぐられました。
あらゆる格差を乗り越える原動力となる青依くんの可愛らしさと素直さ、印南さんの懐の深さが良かった!

4

チンピラだけど、健気な受け

読む前は、受けの設定に不安がありました。
中卒なのは構わないんですが、チンピラだということだったので「可愛げないチンピラだったらやだな」とか、「口が悪すぎて萎えたらどうしよう」とか。
しかも当たり屋……「倫理観破綻してるキャラだったら、果たして私は最後まで読めるだろうか」。そんな心配をしていました。

しかし、そこはさすが栗城先生。
読んでみてわかったのですが、受けは確かにチンピラ。口も悪かった。アホの子っぽかった。
でもそんなのは最初のうちだけで、口の悪さの背後にある一生懸命さや素直さが目立ってきて、段々とかわいくなってきました。
口調も段々と悪くなくなっていた気がする。
そして、最初のうちはアホの子っぽかったけれど全然アホの子ではなく、むしろ思慮深い方なのかなとも思いました。
きちんとしよう、がんばろうとする健気な受けが可愛くて、幸せになってほしいと心から願いながら最後まで読み終えることができました。
よかったです。

また攻めも、最初は偉そうでムカつくキャラだったけど、段々と心を開いて、相手のことを慮ろうとするようになっていく様がほほえましかった。
受け・攻めの二人の緩衝材的キャラの酒匂さんも含めて、この三人が楽しくて可愛くてほほえましくて、あっという間に読めた気がします。

栗城先生の作品は、やっぱどこか癒し系だなぁと感じました。

4

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