仮初の恋人

karisome no koibito

仮初の恋人
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×27
  • 萌7
  • 中立3
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
5
得点
82
評価数
28
平均
3.2 / 5
神率
21.4%
著者
椎崎夕 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高星麻子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784344839366

あらすじ

中学からの親友・斉藤への密かな想いを、仁科に気づかれた通孝。仁科は口止めとして自分の恋人になるよう通孝に告げ……。

表題作仮初の恋人

仁科,通孝の親友のスポンサー
東通孝,看護師

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数5

本気になっていく攻め様がいい。

 しっとりとしていて、切ないんだけど、小気味よくもあって、好きだわーなお話でした。

 受け様は、もうずーっと親友斉藤の事が好きで、でもゲイ嫌いな斉藤に気持ちを悟らせずにきた通孝。
家族の為に絵を諦めようとしていた斉藤のために、仕事をかけもちしてアトリエ用の部屋を借りて、経済的にも精神的にも斉藤を支え続けてきていて。

 そんなある日、斉藤にスポンサーがつくことになり、その人が今回の攻め様である仁科。

 仁科は、通孝の斉藤への気持ちに気付いて、斉藤に内緒にする代わりに恋人として付き合って欲しい、と持ちかけてきて、そこから2人の仮初の恋人としての関係が始まる。

 仁科は、隙を見つけては、というか、隙を作っては押してくるけど、無理強いはしない紳士。
でも、手の内を見せないし、胸の内もさらさないしで、めんどくさい食わせ者。

 最初こそ、親友に無償の愛を捧げてる通孝に興味がわいて、くらいの感覚でかまっていた仁科が、通孝に本気になっていって、嫉妬もあらわにしていく姿が読者の私にはたまらなく楽しかったです。
 そしてその嫉妬、まるで通孝に通じてないんだもの。
もうにやにやがとまらない。


 斉藤から彼女を紹介された通孝が、ずぶ濡れになっているのも気付かないくらい茫然自失になっていたのを、仁科が抱きしめてきちんと泣かせてくれたシーンは切なくて大好きです。

 斉藤に嫉妬して、辛辣になる仁科も、攻め様の嫉妬って大好きなのでかわいくていいわー。
そして、本気になったら溺愛ぎみで甘やかしいな仁科の言動もステキ。

 通孝は好きになったら一途で愛情深い頑張り屋さん。
今はまだ恋人に甘えるって事が不慣れみたいだけど、仁科のストーカーちっくな愛情を受けて当たり前に甘えて甘えられるようになって、幸せにおなりよー。

7

一癖あるイケメンの恋

椎崎先生と高星先生のカップリングって好き♡
当作は、そんなにぐるぐるしてなくて、面白かったです。
攻めは 何考えてるかわからんイケメン。(腹黒とまでは思わない)
何考えてるんかわからんのだけど、とにかく受けを甘やかすので
何回か読み直しましたが、とっても楽しい。

挿絵は、1枚、すんごく好きな絵が。
抱き枕状態でベッドで寝ている二人の寝起きの図。
攻めさんが耳にちゅーしてるんだけど、受けさんは ちょっと何すんの(怒)
といった風情の表情で笑えます。

そう、受けさんがクールに感じられて、余計楽しい。
甘やかしてるのに、なんで甘やかされてるのか、全く理解してない
そのすれ違いっぷりが楽しかったです。

受けがクールな理由は、育った環境に起因するので
悲しいっちゃ悲しいんですが、そんなに悲観的に強調されておらず
くせもの攻めと、ひょうひょうとした受けが最後まで楽しい1冊でした。
もうちょっとだけ あまあま後日談 が読めると嬉しかったかな。

3

受けの男前な言動が素敵

あらすじ:
中学からの親友で画家の斉藤に、長年片想いしている通孝(受け)。
その想いを斉藤のスポンサー・仁科(攻め)に見抜かれ、口止めの代わりに彼の恋人になることに…

通孝は、斉藤が画家の卵だった頃から彼と同居し、傍で何かとサポートしてきた健気な人物。
斉藤が同性愛者に嫌悪感を抱いていることに傷つきつつも、斉藤の前では面倒見の良い親友としての態度を崩さないところが何とも男前です。

仁科は、通孝に自分の恋人になるよう持ちかけるも、なかなかキス以上のことを仕掛けてこない、意外と紳士的な人物。
冷たそうに見えて、通孝に対してはかなり過保護で、送り迎えやら何やら甘やかしているところが萌ポイントです。

大人の余裕たっぷりの仁科と、頭の回転が早く口達者な通孝との会話・攻防戦はなかなか読み応えあり。
しっかり者でクールな通孝が、仁科に甘やかされ満更でもなさそうにしているところが可愛いです。

クライマックスで仁科にあっさり別れを告げ、斉藤にも長年の想いを打ち明け決別しようとする通孝の姿には、カッコいい!と思うのと同時に、ちょっと潔すぎて色々損してそうなタイプだなという感じも。
こんな通孝には、仁科くらい強引で(ややストーカー気味の)大人の男性がぴったりだなと思えました。

ただ、誰にも執着しないタイプの仁科が、通孝に対してだけここまで一生懸命になるのには、もう少し説得力ある理由が欲しかったかも。
通孝のようなタイプが新鮮で面白いのは分かりますが、それだけではちょっと決め手に欠ける気がしました。

とは言え、最近の椎崎さんの作品の中では久々にツボと思える一冊でした。
萌×2寄りです。

9

今まで頑張った受けが幸せになって良かった

中学からの親友・斎藤に叶わぬ恋をしていた看護師の通孝(受け)は、画家志望の斎藤が開いた個展でスポンサー志望の事業家の仁科(攻め)に自分の気持ちを看破されます。口止め料として恋人になることを提案され、同性愛が嫌いな斎藤の傍にいるためにその提案をうけいれることにするのです。

通孝は物心ついた時から不仲な両親を見ていたせいで結婚に望みを持てなくなっています。加えて女性にも興味がもてず、中学から親友だった斎藤への恋心を自覚するのですが、同性愛を極端に嫌う斎藤に対して早々にあきらめた通孝は、家庭の事情で美大を中退し、絵をあきらめようとする斎藤のためにアトリエを借り援助するのです。

通孝の健気さに胸がつまり、斎藤の鈍感さにはあきれました。どこの世界に金持ちでもないのに、追加でバイトまでして自分が住んでる部屋より高い部屋代を払ってアトリエを用意してくれる友達がいるんだ。自分の家族のためにいっぱいいっぱいでそんな余裕なかっただろうとは思いますが、ちょっとは気づいてあげて欲しかった。きっと同性愛を否定する言葉を何度も言って傷ついたと思うと、本当に切ない。

仁科は見目もよく仕事はできるけど、恋人は男も女も関係なしの節操なしで誰にも本気になったことがないという評判の悪い人物。通孝を面白いといい、同意があるまで手は出さないが傍でおいてみたいと言い出します。言葉通り、キス以上のことはしません。

話の展開は予想通りで、仁科は斎藤に彼女ができて決定的な失恋をした通孝の傍にいて泣かせてくれます。すっきりした通孝は仁科と一緒に過ごすことが気分が落ち着くようになり、仁科を好きになったこと気が付くのです。

遊び人だった仁科は実はとても粘着質な男なようでした。これまで本気になったことのない男の執着は凄そうだと予想できますが、諦めの悪い通孝にはきっとお似合いなのでしょう。

でも、できれば仁科視点が少しあるとよかったと思います。
一応、気持ちを吐露するところはあったけど、見てると面白いからとかいうふざけた理由で脅して付き合いを強要した仁科の琴線にふれたのは何だったのかは、告白を聞いてもよくわからなかったです。
そして、今まで散々本気の恋をせず相手を泣かせて来た仁科にはザマァな展開がちょっとあっても良かってのになと思います。

二人がくっつくまでが長く、ほとんど通孝の片想いの話だったので萌えはちょっと少な目です。絡みも最後に一回あるだけだし。できればもう少し二人がいちゃいちゃしているところが読みたかったです。
でも、通孝が幸せならならなんでもいいかなってくらい、これから彼には幸せになってもらいたいです。

2

曲者感は強いけど甘~い!

表紙が素敵ですね…!一目惚れでした。

序盤は特にですが、駆け引きめいた遠回しなやり取りが多く
時々「そんなセリフあったっけ?」と戻って確認する箇所がいくつかありました。
直接的な言葉でなく言葉の裏側を読んで会話が交わされる形になります。
個人的にはちょこっと読みづらかった…かな。
でも駆け引きを楽しむならそれが醍醐味なのかも(^///^;)


受けは長年親友に片思いしていました。
絵を描く場所のない親友の為にアトリエまで用意する甲斐甲斐しさ。
親友は男同士の恋愛を嫌悪しているのを知っているので告白するつもりはありません。
一生友人として隣に居られればそれでいいーーーと友人関係を大切にしています。

ある日、親友の絵が人の目に留まり、スポンサーを申し出る人が現われました。

そのスポンサーが攻めになります。
金銭に余裕のある紳士然としながらも腹の内を見せない曲者感w
受けの片思いも、親友は全く気付かず若干無神経なところも全部見抜いていました。
その上で恋人にならないかと持ちかけてきてーーーと展開します。


受けは感情が表に出にくいというか、
攻めに呆れながらも何事も淡々と応じてる印象があったかな?
けれど恋愛が進むと鈍感すぎる部分にキュンキュンしました。
ずっと見返りのない片思いしか知らないせいか、
気持ちが返ってくることを多く望まない節が切なくさせます。

そんな受けをせっせと可愛がる攻めがちょっと可愛い。
曲者感強くて2,3手先を読んで動くような人だけど、
受けを可愛がりたいだけなのがダダ漏れてて微笑ましいです。

けれど攻めの遠回しなアピールは受けに伝わっていなかった模様w
受けは鈍感っぷりと恋愛音痴を発揮して誤解とすれ違いへと発展します。

すれ違い後の巻き返しは切なキュンなんですが全容が明らかになると笑えました。
攻めの情報収集能力が恐ろしいわwww
そして攻めvs親友の静かな争いが面白いですヾ(*´∀`*)ノ
(立場上圧倒的に攻めが有利だけど、親友を傷つけたら受けが許さない三つ巴が完成♪)

受けが長年の恋を終わらせる瞬間を支えていた時の攻めは中々の紳士っぷりで素敵でしたが、
恋人となると案外子供っぽくなって面倒くさい感じになりそうなギャップも良き。
受けがシッカリしてそうなので、今後は受けが攻めを甘やかす場面も増えそうかな…?

取引で始まった関係から甘く変化していく過程が楽しめました♪

1

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