あべこべな僕らの恋デイズ

abekobe na bokura no koi days

あべこべな僕らの恋デイズ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×218
  • 萌11
  • 中立4
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
8
得点
144
評価数
44
平均
3.5 / 5
神率
15.9%
著者
川琴ゆい華 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
花小蒔朔衣 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784344839342

あらすじ

一匹狼な上司の由和と馴染めずにいた京は、一緒に参加した飲み会の翌朝――「入れかわってる!?」由和⇔京のまま同居が始まって!?

表題作あべこべな僕らの恋デイズ

由和永至・京の上司でチーフ編集者・28才
宇留島京・メンズ雑誌編集者・28才

レビュー投稿数8

お仕事×ファンタジー

入れ替わりもの。

タイトルはなんだかDKカプみたいな印象だけど、社会人同士、しかも同い年の上司部下のお話です。それぞれが初見で互いに抱いた興味が恋情であることに気づいていくローファンタジー。または、相手への好奇心が恋に育っていく過程とも受けとれる解釈の広がりはやっぱりお上手です。

今作のスバラシイところは、ノンケ同士の設定ってところ。個人的な嗜好としてノンケ同士は超難関設定の一つなんですよ…。だけど、ファンタジーに説得力をもたせるならファンタジーを使えば無双笑。昨今、ファンタジーが主流なのも現代日本もののBLが難しい所以なのかと…。

キャラたちが真面目に奮闘する作者様のコメディーが大好きなので、本作もめちゃくちゃ楽しく読み終えました。絵面が目に浮かぶ文章も相性が良くて。クールだけどお世話好きな攻めと、社交的で末っ子体質な受けのカップリングも鉄板でした。

本作のキーパーソンならぬ、キーバード?たま子がボケの役割としてこれまた秀逸でした笑。BLの何が良いかって、可愛いものと美味しいものに溢れているところではないでしょうか。癒されるじゃないですかぁ〜。作家さんが可愛いと感じているモノやコトに萌えたかったりするので(ヘンタイか)。

電子版だとたま子視点が読めます。たま子の一人称が可愛いくて震える…。読み専にとっては、あんな風にサクッと書いてしまう(ように思える)書き手としてのセンスに惚れています。

普通に楽しく読めるけれど、気軽に読んでね♪な顔の下に隠れる作者様のテクニックを想像すると神ではなかろーかということで、神になりました。オススメ度としては萌え×2として装っておきます笑

1

くっそかわいいお話!

抵抗があったのか縁がなかったのか入れ替わりものを読んだのは初めてだったのですが、初めてがこの作品でよかった!と思えるほどに楽しめた、
入れ替わりという非現実的な設定ながら、ノンケ同士の葛藤やら戸惑いやらも織り込まれていて現実的な要素も多数あり、違和感なく受け入れられたお話でした。

受けさんの京は攻めさんの由和さんと仲良くなりたくて合コンに誘い、その日帰った後に目覚めたら知らない家と知らないベッドで、鏡に映る姿は仲良くなりたかった由和さんで…というとこから始まるお話で、両視点が交互に展開されていくのでその時その時の2人の気持ちが伝わってきて、倍楽しめた感があります。
社内では愛想がなく一匹狼の由和さんと、常に周りを明るくする雰囲気を持った愛されキャラの京が、お互い入れ替わってる状況を理解し、受け入れるまでに少し時間は掛かったものの、元々の性格が楽天的で明るい京と、置かれた状況を理解できれば落ち着いて考え受け入れられる由和さんだったので、前向きにお互いを演じながらも仕方なく始まった同居生活に自然と慣れ、楽しんでる感じで進められていくお話が、テンポもよく笑いもあり切なさもあり少しえっちな部分もありと、飽きることなく読み進められるポイントでした。
キーパーソン(?)となるオカメインコも可愛くて可愛くて。
同居する事でお互いのいい所・悪い所を受け入れながら少しづつお互いを意識しているのが伝わってくるので、読んでるこっちが『この先どうなるの?!』と焦らされるくらいにゆっくりめな展開で。

個人的には由和さんの無表情の裏にある感情がぐいぐい伝わってくる由和さん視点が大好きでした。
途中から開き直った由和さんは、京の事が可愛すぎて大好きすぎてそれを抑えるのに必死!
みたいな場面がいくつもあって。
由和さんも充分に可愛いんです!

明るくなれるほわほわものが読みたい時に是非おすすめです( *´︶`*)

4

オカメインコがキューピッド

川琴先生の作品は作者買いしています。

お話は入れ替わったところからスタートするのですが、テンポも良くて、わくわくドキドキしながら楽しく読む事ができました。
お互いノンケ同士というのも良かったですし、入れ替わるのが、お互い実は常に気になっている存在(最初は恐らく恋愛的な意味ではなく)ながらも微妙な距離と立場(年齢は近いが、上司と部下、仕事以外ではあまり話したことがない・・・)の2人というのも、設定として面白かったです。

受け様が末っ子設定で、末っ子気質だからこそ、この2人は上手く行ったんだな・・・というのも感じました。甘え上手で、でもその実空気を読んで立ち回れる性格で、上手に相手の懐に入れる技も持っていて・・・ということが功を奏しています。でないと、あの攻め様ではなかなかお話が進まない・・・
攻め様は要領の悪い、不器用な堅物系です。でも、そんな攻め様も受け様もどうちらも好感の持てるキャラでした。

陰の主役、2人のキューピッドであり、入れ替わりの鍵を握っている、オカメインコのたま子(オス)も存在感をはなっています。

3

細かい難には目を瞑り、可愛く楽しく読みましょう。

川琴さんの描く人物や物語って、なんだか可愛い。
今回も、そのなんだか可愛いという感じは健在で、
クスクス笑いながら、ほっこりと楽しんで読了。

話は、はやりの(?)入れ替わり物。
雑誌編集チーフの由和と、契約社員の宇留島は、同じ年ながら上司と部下。
仕事はできるが無愛想な由和と、今時な感じの良い宇留島。
飲み会の帰りのある日、なんだか朝気がついたら入れ替わっちゃってアラ大変!
仕方がないので、一緒に暮らしてなんとかこの難局を乗り切ることにしたが……

入れ替わったことを通じて、お互いを深く知って惹かれて行く過程は
なかなか面白い。
二人とも真面目に前向きに相手を演じようとしているのが、いい。
仕事に関しては、こんなに上手くいくかいな?という感じだけれど、
視点が交互に変わって、それぞれの状況や気持ちがよく分かる。

それぞれ気持ちを自覚したものの、叶わない恋と思ってグルグルしていたり、
表情筋が動かない由和が気持ちを自覚したら、
好きで好きでジタバタしているところも可愛い。


由和の飼うオカメインコのたま子が入れ替わりの鍵なのだが、
その辺はなんちゃってで、あまり深く考えない方がいいです(笑)
ちょっと憎めないキャラ、可愛い面白いので、まぁよし!

ということで、綿密さを求めると?というところもあるけれど
気楽に楽しくテンポ良く読了です。


3

恋人への道をまっしぐら、だけど無自覚

寡黙でクールな上司と周囲から可愛がられる末っ子キャラの部下という正反対の二人による入れ替わりもので、二人の気持ちがくっついていく過程が丁寧に書かれていて楽しめました。

仕事仲間という接点しかなかった二人が、入れ替わりをきっかけに一緒に住み始めるんです。
周囲に入れ替わりがバレないようお互い相手になりすます必要があるので「情報共有」をせっせとする、ここが妙に萌えました。

「お互いに関する情報共有を熱心にする」って、たいてい両思いの恋人未満〜恋愛初期の恋人達がやる事だと思うんですね。
二人は必要に迫られてやってるだけなんだけど、側からみると恋人への道をひた走っているかのような、しかもお互い無自覚というところが微笑ましくて萌えました。

そして以前から受けに対してぼんやりとした好意を抱いていた攻め。
入れ替わってからは、受けの喜ぶ顔みたさについつい世話を焼いてみたり、一緒にいて癒しを感じてる攻め視点ターンは萌えます。

攻めは周囲から近寄りがたい人だと思われてるんです。
だけど本当は細やかな心配りができる世話焼きで、料理もできるというステキな人。

おまけに大好きなチョコを食べない理由は「本物の愛やしあわせを得た時の感覚が鈍りそうだから」
とっつきにくい低体温キャラかと思いきや、「いつか本物の愛を得た時に」なんてパッションなこと言ってくれちゃってなんなのこの人!萌えさせてくれるぜ!みたいな。

残念なのは入れ替わりに関する謎が完全放置だった事。
攻めの飼っているオカメインコが突如喋るようになり、この鳥によって入れ替わりが起きたという事しかわからない…

そこらへん全く考えずに読めばいいのだろうけど、残念ながらモヤモヤが残りました。

電子限定のSSはインコのたま子視点なんです。
そこで何か明かされるのか?!と思いきや「ふたりの入れ替わりはぼくがやったことだけど」という説明のみで、華麗にスルー……。

ファンタジーは作家さんの好きに出来るのは確かだけど、特殊能力とか飛び道具を説明もなく登場させ使うというのは、ちょっと……とは思うのだけど、そこに目を瞑る事さえ出来ればとても楽しめると思います。
私は、くっつくまでの二人の過程がかわいらしくて好きなので、おまけして萌萌です。

3

入れ替わってる!?

『入れ替わり』ものです。
あらすじの「入れ替わってる!?」に、ついつい去年大ヒットした映画が思い浮かんでしまうのですが…。

あらすじは、一匹狼で取っ付きにくい上司・由和(攻め)と、人懐っこく社交的な編集者・京(受け)が、ある朝目覚めたら入れ替わっていた…というもの。
攻め受け両視点で進み、章の頭に視点になる方の名前が明記されているので、混乱せずに読み進められると思います。

失礼ながら、『入れ替わり』に関しては、あまり掘り下げてなく薄っぺらい印象を受けます。攻めの飼っているオカメインコの「たま子」がキーパーソン(アニマル?)になるのですが、その割に扱いは雑な感じです。
あと、この「入れ替わり」がちょっと都合良すぎる感じで使われてる印象。このへんに期待すると肩すかしを食うかも…といった感じです。


しかし、入れ替わってしまった状況についてはしっかり書き込まれていて面白いです。
正反対の二人の為、お互いの振りをするのも大変!…というハラハラドキドキ感が存分に楽しめ、お互いを知ろうと急速に近付く二人の距離感にも萌えます。
更に、こんな状況でも前向きに仕事に取り組む受けと、上司として的確に導いてくれる攻め…と頑張る二人が素敵なんですね。
そして入れ替わりものでの最大の萌え所・惹かれている相手の身体が自分のもの…という状況。お互いを意識しつつの自慰シーンには、かなり萌えました(//∇//)

絡みは最後に1回。普段は堅物なのに、エッチでは「愛してる」だの、「誰にもさわらせたくない」だの率直に告げる攻めに萌えます。
更に、初めての体験に怯える受けがかわいいのですが、そんな受けに煽られて興奮している攻め…という展開に萌えます( ´艸`)

「入れ替わりの設定」に関してはちょっと簡単過ぎる気がしますが、入れ替わってしまった二人の心情等はしっかり書き込まれていて読み応えがあります。
楽しく読めました!

2

両片想いカプの入れ替わり

編集者同士の受け攻めの身体が入れ替わっちゃった、というファンタジーです。
あとがきで作者さんもおっしゃっておられましたが、最近流行ったアニメ映画を連想される方も多いかと思います。私は映画を見ていないせいか、どちらかといえばもっと昔の『おれがあいつであいつがおれで』を連想したりしました。(こちらのタイトルもあとがきに出ていました)

さて、出オチ気味な設定ですが、入れ替わりものです。
受けは明るく人好きのする28歳。編集経験はあるものの、現在の出版社に移ってきたのは最近という新米です。
攻めは、同じく28歳ですが、受けよりかなり先輩でありチーフという立場。仕事はできるけれど無愛想堅物で、非社交的なタイプ。

パニックながらも、受けの天然気味なキャラクターのせいであまり悲壮な感じにはなりません。仕事の内容や交友関係をすり合わせたり、同居して対処しようとする前向きさが良かった。
でも同居生活が、上司と部下という関係性のため、年上×年下のカプにしか思えず、なんでわざわざ同い年設定にされたのかなぁ、と思いました。年上攻めにしたほうが自然だった気がします。

他にも気になった点がちらほら。
(入れ替わりの原因に触れますので、知りたくない方はお気をつけください)

一介のオカメインコがなぜ人間の身体を入れ替える能力を持っているのか、入れ替わり中だけインコと会話が成立するのはなぜかなど、肝心なところの設定の説明がなされていないので、そこにかなり引っかかりました。最低限の説明がないと、なんでもアリになっちゃう。ファンタジーは作者が設定作り放題かもしれないけれど、最低限の説得力がないと…と思います。
あと脇キャラの扱いがややおざなり。同僚の女性キャラや、受けの元同僚氏など、都合のいい使われ方すぎたかな…。
受け攻めがくっつく時もあまりドラマティック感がなく、両片想いカプがくっつくときの感動があまり味わえなくて残念。

2

これも『触りっこ』って言うのでしょうか?

今までいくつかの『入れ替わりもの』のお話を読みましたが、今作はテイストがちょっと違いました。入れ替わってしまったが故の『驚き』とか『ドタバタ』とか、ましてや『入れ替わってしまった理由』は、さらっとしています。
その代り、入れ替わりものの醍醐味である『他人の中に入っちゃった所為で、その人への見方が変化する(上っ面だけではなく、その人を良く知ることが出来る)』ことを、じっくり書いている様な気がします。

元々、互いに気になっていた同い年の上司(由和)と契約社員の部下(宇留島)は、週末酔って帰った翌日に、何故か解らないけれど入れ替わっちゃった。
このお二人、雑誌編集の仕事が大好きなんです。
動揺が収まったら、次に考える事は「明日からの仕事をどうする?」ってことなんですよ。
「いやー、実は昨日、僕たち入れ替わっちゃいまして」なんて言っても誰も信じてくれない。でも、仕事に穴を開けられない。だから互いに支えあいながら、何とか仕事をこなしていこうと頑張っちゃう。
それほど『涙ぐましい努力』として書かれている訳でもないですし、同僚に不審に思われるピンチが訪れる訳でもないのですが、2人がスマホで連絡を取り合いながら『ポカをしない様に』頑張っている姿がね、本当に仕事が好きなんだなぁと思えて、とてもとても好感を持っちゃいました。

もうひとつ。
LOVEを明確に意識するきっかけとして『男性の生理的な処理としての自慰』が出てくるのですけれど「成程ねぇ」と思いましたよ。
確かに意識としては「人のものを触っている」なんですものね。
私、ここからの展開を読んで、以前聞いた話を思い出したんです。
「指を動かそうとする時、無意識に始まる運動の指令信号の方が指を動かそうと意図するよりも早く出る(考えるよりも早く体が部位を動かそうとする、という風に私は理解しているんですが)」
2人の間には互いに対する興味はあったのかもしれません。
でも、その興味を恋に変えちゃったのは、このエピソードだと思うのですね。行動が意識を決定しちゃったって言うか。
うん、触るのって大切(笑)。

騒々しくない。生々しくない。人としての嫌らしさもない。
理路整然とした『入れ替わりの原因』が示される訳ではありませんが、ひたすらホンワカしたこのお話のトーンを壊さない為に「それもあり」ではないかと。
癒されるお話でした。

2

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