俺に不可能はない

王子様はちょっと残念

oujisama wa chotto zannen

王子様はちょっと残念
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×21
  • 萌8
  • 中立5
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
3
得点
48
評価数
22
平均
2.6 / 5
神率
13.6%
著者
秀香穂里 

作家さんの新作発表
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イラスト
yoshi 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
価格
¥889(税抜)  
ISBN
9784773088397

あらすじ

俺に不可能はない
天才マンガ家(のタマゴ)x新人編集
何もかも規格外の王子様に愛されちゃってもう大変!

少年マンガ雑誌の編集・吉矢(よしや)は恐ろしく高い画力を持つ超弩級の新人・館石(たていし)をスカウトした。
ちょっと尊大で自信家で人格に問題はありそうだと思うが、すごい才能に目が眩み吉矢はスルーしてしまう。
そして初の待ち合わせの日、吉矢の前に停まったのはリムジン。
館石の王子様のような御曹司ぶりに唖然としてる間に、高級ホテルに連れ込まれて──!?
「おまえがほしい」と情熱的に口説かれても「君未成年でしょ!?」
吉矢の前途は多難で……。

表題作王子様はちょっと残念

館石彰文,18歳,高い画力を持つ大金持ちの御曹司・高校3年生
椎野吉矢,26歳,少年漫画雑誌編集者

その他の収録作品

  • 王子様はいつも豪快
  • あとがき

レビュー投稿数3

プリンスチャーミング登場!

うわ〜、甘いわ〜!
監禁とか3Pとか執着なども非常に巧みな秀先生ですが、本作のようなサクッと読めて後味も良いラブコメもいいものですね。
後味が良い、と書きましたが、それはハピエンだから。
タイトルにもありますが攻め・館石彰文の「王子様」具合は驚きですよ。なんじゃこりゃ〜!というくらい経済観念がずれてます。
学校に通うのもリムジン、家には執事やメイドやシェフ、ホテルではスイートルーム以外泊まったことがない、電車も乗ったことない、切符の買い方わからない、スーパー行ったことない、ワンルームの家見たことない…etc、etc。
「王子様」というのはただいま高校3年生の18才(!)と年令が若いからであって、実情は「帝王」と言ってもいいんじゃないかしら?というくらい規格外!
とにかく強気で俺様ではあるんだけど、結局育ちはいいからカネにあかせて威張りくさる、というタイプではありません。
そんな大金持ちのご子息様が、子供の頃から漫画家になりたくて同人活動をしている、そこにコミケでスカウトしてきた編集者と運命の出会い、というストーリー。
受けの編集者・椎野吉矢は秀先生作品でおなじみの「央剛舎」勤務。26才のゲイですが、誰ともおつきあいしたことのない真面目で純情な青年です。
住む世界の違う2人ですが、攻めは一貫して誠実に受けを愛し求め、変な当て馬も誤解も波乱もなく順当に惹かれあって、吉矢の言う通り高校卒業までは最後までの行為はせずに我慢、そして無事卒業、漫画家としても歩み始め、と何もかもうまくいく展開でメデタシメデタシ。
古参の執事さんも2人を応援していますよ。
エロ的には、挿入しなくてもかなり際どい戯れ描写もありです。

「王子様はいつも豪快」
ゴールデンウィークに豪華客船での船旅に誘ってくれた彰文。すっかりくつろいで旅を楽しんでいた2人でしたが、嵐に遭いマストが折れて無人島に遭難してしまう…!
…この書き下ろしには心底驚いた!
え〜‼︎ここまでやりますか?秀先生!予想だにしなかった、やられた〜!爽快感感じた。
ぜひ本編と合わせて、ここまで読んでください。

4

残念攻め!!

テンポのいい、サクサク読めるラブコメディです。新人漫画家×漫画編集者という割とよくある設定なのですが、攻めのキャラクターが強烈に飛び抜けていて大変楽しく読めました。

少年マンガ雑誌編集者の吉矢(受け)は、同人誌即売会で高い画力を持つ館石(攻め)をスカウトします。担当として「手取り足取り指導します」と言った所、その言葉を逆手に取り「指導してくれるんだろう」と襲われてしまい…という展開です。

攻めの館石ですが、強烈な個性を持っています。大金持ちのお坊ちゃまで、尊大で自信家。やる事も、リムジンでお出迎え等、とても豪快で世間知らず。デビューの為のプロットを出す時も、「傑作が出来た。我ながら恐ろしくなるほどに面白い」と当然の事のような顔をして言い切ります。大物なのか、それともただ単にアホなのか、序盤は判断に迷うところ…。しかし読み進めるうちに、その育ちの良さゆえの天真爛漫さや一本筋の通った所、そして18才という年相応の未熟さや弱さが分かり、非常にかわいらしく感じて来ます。ハイスペックなのに、斜め上にズレている残念な子なのね、と生暖かい目で見守りたくなっちゃうんですね。

受けの吉矢は、対して常識人です。仕事に対して真摯に取り組み、攻めに惹かれながらも、担当作家でしかも高校生とは関係を持てないと拒みます。やや優柔不断で流されやすさも感じますが、「攻めの気持ちを確かめる為に手を貸そう」と言う当て馬の提案を「俺自身がしっかりしなきゃいけない」と断る所が好印象なのです。

そんな二人が漫画の連載を目指して一緒に頑張るという形で話が進みますが、普通は汗と涙のド根性モノになりそうなところなのに、攻めのキャラクターが突き抜けているのでそうはいかないのです。我の強い攻めが大人しく言う事を聞かず、弱気な受けが振り回されちゃう。しかし、描きたい物を書く!という攻めの、芯の通った所がまたほれぼれするのですね。そして連載が取れなかった時の初めての挫折に落ち込み、受けにすがって弱気な所を見せるのには非常にキュンキュン来るのです。

その後は攻めに婚約者が!というちょっとしたすれ違いがあり、お互いの気持ちを確かめあった二人は結ばれます。高校生なのに、エッチの時もひたすら俺様な攻めですが、受けの言葉に煽られて我慢がきかなくなる所は、年相応で可愛らしくて萌えました( ´艸`)

少年マンガ雑誌を読みふけってるという設定なのに、庶民の生活を全然知らない攻めが若干不自然に感じますし、受けが攻めを好きになる場面も、やや突然という感じがして違和感を覚えますが、キャラクターが非常に個性的で楽しく読めました。

番外編ですが、攻めの豪快さがよく分かるストーリーで、こう来たか!!と笑えました。ホントにお坊ちゃまはスケールが違う!

5

濃ゆいタイプの御曹司

超絶美形ハイスペック御曹司高校生×年上少年漫画雑誌の編集者の組み合わせ。
攻めのぶっ飛んだお坊ちゃんぶりが清々しい、かなりコミカル寄りな作品。
ラブコメの方の秀先生なので、安心して読めるハッピーエンド仕様です。


両親は各界で名を馳せる有名人で、実家は大豪邸。
移動は常にリムジンだったり、食事をする店もホテルも超高級店と、超がつくほどのお金持ちです。
それだけではなく、眉目秀麗でスポーツも勉強も出来るかなりの秀才。
とても高校生とは思えない甘い言葉で積極的にアプローチをし、ごく自然にスマートなエスコートをし…と、本当にどこかの国の王子様のようなスーパー高校生。
そんなハイスペックな彼が、なぜか夏に開催されるオタクの某一大イベントにサークル参加をし、自作の同人誌を販売している…
いやいやなんで?と、この序盤の時点でもう既にとんでも設定が続く攻めが気になって仕方がなくなる魔法にかかってしまった。
正直、受けの印象が薄くなるほど攻めが強烈な個性の塊。
良いですね。ぶっ飛んでます。

こちらの今作の攻め・館石くん。
夏◯ミで出会い、漫画を描かないかとスカウトして来た受けの吉矢に夢中になり、ぐいぐいと猛アタックを繰り返します。
そしてタイトル通りちょっと残念な王子様です。
己というものに対して自信たっぷりで、俺様・不遜にも思えてしまう偉そうな口調がデフォルト。
しかしながら、育ちがとても良いので嫌味さを感じる事もなく、読んでいて嫌な気持ちにはならないのが不思議なところ。
もちろん初めは「なんだこの強烈なキャラクターは…?!」となるものの、まあなんというか、蓋を開けてみれば素直で真面目な良い子なんですよね。
漫画を描く事に情熱を注ぐ姿は本当に物語を描くのが好きなんだなと感じますし、世間知らずなところにもだんだん可愛さを感じてしまう。
自分の知らない庶民の世界に興味津々で、社会勉強としてついにカフェでアルバイトをし始めては純粋に楽しんじゃってるところもなんだか可愛い。
口調が口調なので、年下攻めっぽさはそこまで感じられないかも?

お相手となる吉矢は8歳年上の漫画編集者。
館石の才能に魅力と可能性を感じ、担当編集者としてつく事になりますが、まあ〜すっごく流されやすいのです。
館石からのアプローチの数々に流されつつ、根が真面目なので「彼氏がいる」と嘘をついてまで線引きしようとしますが、それでも諦めない一途な王子様に惹かれていってしまう。
年下攻めものらしく年上がウンウン悩みますが、高校を卒業するまでは!と苦しい線引き。
漫画関連でも恋愛でも、最初から最後まで館石に翻弄されていた印象でした。
うーん、攻めが強くてあまり印象に残らなかったかも。
いまいち受けの魅力が感じられず残念。

嫌な人物も大きな試練も当て馬も登場しないので、ストレスなくサクサク楽しんで読めるラブコメ作品だと思います。
一途な愛と漫画への情熱たっぷりの攻めが濃くも魅力的です。
書き下ろし短編の壮大かつ膨大な金銭が動く超大作サプライズに笑ってしまいました。
こんな展開は全く予想していなかった(笑)
御曹司からのサプライズは内容も斜め上で面白かったです。


気になるところと言えば、校正ミスがやや気になりましたね。
名前のミスはちょっと萎えちゃいます。

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