君しか見えない

kimishika mienai

君しか見えない
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×225
  • 萌9
  • 中立3
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
9
得点
140
評価数
43
平均
3.4 / 5
神率
4.7%
著者
栗城偲 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784403524141

あらすじ

中学時代の親友・蓮司と偶然再会した哉。初恋の人だった彼が、なぜか哉の部屋に転がり込んできて……? イケメン怖がり×可愛い系漢前の恋

表題作君しか見えない

熊谷蓮司、哉の初恋の相手で霊感体質の美容師
鳥居哉、細身で童顔なので年相応に見られない整備士

その他の収録作品

  • 君だけ見ている
  • あとがき
  • 祖師谷からの手紙

レビュー投稿数9

ホラーBL

超怖がりな熊谷とオカルトを一切信じていない鳥居。中学卒業と共に疎遠になった初恋同士の再会&すれ違いホラーラブコメでした。

物語は『君しか見えない』と『君だけ見ている』の二本立て。
そして巻末にちょっとしたオマケが付いています。

ホラー展開する『君しか見えない』は、幽霊が一切見えない鳥居視点で進みます。そのおかげかホラー要素は全く怖くなく、実際に起きている心霊現象に対する鳥居のズレたツッコミがコミカルで面白かったです。
作中何度も霊的なことが起こりますが、主人公視点ではポルターガイストくらいの心霊現象。
本当に怖いのは人間だった系のオチで、心霊現象よりも当て馬の増田の不気味さが際立っていました。

その増田が実際にヤバイ人なのですが、物語の佳境で増田の家に乗り込む際、ことの次第を見守っていたバーの客たちが誰もついて行かずにびっくりしました。
いや、野暮なんですけど、誰か一人くらいついて行くだろ!!! とめちゃくちゃ思いました(笑)
だって霊的なものはさておいたとしても男一人監禁してるかもしれない相手に一人で立ち向かうのは危険すぎじゃないですか!? 十人くらいで押しかけて欲しい。
そして例の如く殴り倒されるわけですよ。だよね!?!? と思いました。
ホラー映画あるあるの何故か一人で行動するやつでちょっと楽しかったです(笑)

後半の『君だけ見ている』は、中学時代の過去回想で、霊感があって怖がりな熊谷視点のお話。
中学時代のモダモダがかわいかったです。

おまけの『祖師谷からの手紙』はホラー展開していた事件の仔細を説明するもので、増田のその後を匂わせる内容でした。
本編で、ん?? と思っていた所が軽く解明したりします。

全体的にちょうどいい不気味さとコミカルさで面白かったです。

1

後半の甘酸っぱさ!!

タイトルと木下先生のふんわりした表紙に惹かれて手に取って、同級生再会ラブ、大好き~と読み進めたらホラーでビックリしました!!

ホラーといってもドタバタコメディ、前半は怒涛の展開でホラー部分は次から次に起こる幽霊騒動にちょっとポカーンとしちゃったんですが、視える廉司の怖がりっぷりは酷いのに潔いとこ、幽霊は全く信じてないけど廉司のことは信じる哉の男前さが良かったです。

前半の幽霊大騒ぎ展開の勢いがすごかったので、解決したし一旦休憩・・・と思ったら、事件の全容をしたためた手紙に全く聞いたことない名前。誰それ?何それ?哉、スルーしないで!!そっけなさすぎのが良いところだけど!!レビュー漁ってもハッキリしないので続きを読んだら止まらず…

廉司が視える体質とどう付き合ってきたか、中学時代にどれだけ哉の存在が心強かったか!恋を自覚する前後のエピソードにむずむずキュンキュン!!付き合ってからも対等で、哉から仕掛けて、腰をくゆらせてくるの最高でした!イッた直後に追い立てられる攻め!ちょっと情けない廉司も可愛い。蜜月って良いですね。

最後に手紙の全文があり、前述の聞いたことない名前の人は増田の第一被害者ってことは分かるんですが、何があったかは不明…そこは掘り下げないのが哉の良いところ、廉司想いなところなのかな。増田が相当やばいことは分かりました。廉司も哉も無事で良かったねにつきます。

1

引かれ合うマイノリティ同士

電子書籍で読了。挿絵有り。

爽やかなんだけれど、二人の視線がなんか思わせぶりな木下さんの表紙イラストとタイトルから「若い二人が熱愛をこじらせちゃって、悲しい目にあう話?」と勝手に思い込んで購入したら、とんでもない勘違いでした。見える・見えないっていうのは『世にも見えざるもの=霊』だったんですね。
表題作は哉くん目線で、中学時代の親友で初恋の相手でもある蓮司くんとゲイバーで再会した後に起きる幽霊騒動、同時収録は蓮司くん目線で、中学の卒業式を境に哉くんと連絡を取らなくなってしまったいきさつを回想するお話です。
この二人、全然似た所がないのですが、他者に対して疎外感を感じている所だけはおんなじなんです。哉くんは人付き合いが下手、蓮司くんは世にも恐ろしいものが見えてしまうという点で。お話のトーンはコメディなのですが「惹かれ合うことが必然なのだなぁ」と思うと切なさがこみ上げてきます。特に蓮司くんにとって、一緒にいると怖いものを追い払ってくれる哉くんは『神』に近いものの様な気もします。手に入れた後の喜びを思うと泣けてきます。
とんでもない誤解で読んだ一冊でしたけれど、満足いたしました。
欲を言えば、あの暑い日々に読むべきだったなー(いや、それほど怖くはないのですけれど)。

0

後半の攻め視点が泣けた

栗城さんのホラーテイストBL。
と言っても、怖さはまったくありませんので苦手な方でも大丈夫ではないでしょうか。
ただわたしは受けちゃんと同じで、そういう怖さをほとんど感じないタイプなのですが(苦笑

**********************
受けの哉(なお)は童顔で小動物系。
車の整備士で性格は顔に似合わずハッキリした強気タイプ。
蓮司が初恋の相手です。

攻めは、現在は美容師として働く蓮司。
哉とは中学の三年間クラスメートで、当時から霊が見え、それに対して大きな恐怖心を抱いているワンコ系青年。
**********************

ゲイの集まるバーで中学卒業後、初めて再会した二人。
霊障などをまったく信じない現実主義の哉と、まるで真逆の蓮司。
哉といると怖さが減ると言ってなし崩しに哉の部屋へと蓮司が住み着いてしまい、それを良しとしない男が霊障とともに二人を巻き込んでいくというお話です。
ざっくり言えば。

前半の雑誌掲載部分は受け視点、そして書き下ろしは攻め視点です。
このお話、哉と蓮司の見ているものがまったく違うので、こうして二人の視点で読めて楽しかったです。
ただ前半はかなりの駆け足。
二人がくっつく(体ではなく心が)のも速いですし、登場人物の位置取りやらなにやらがページが足らないせいなのかよくわからないんですが、後から説明されて残念です。
平素の栗城さんの作品に比べるとちょっとわかりづらい。
ですので、後半の方が面白かったですね。
イチャイチャしてて、とにかく蓮司が哉のことを好きで好きで仕方ない様子や、二人の中学時代の話が特に良くて。
出来ればこちらをメインに読みたかったです。
蓮司が卒業を機に哉を諦めようとするシーンで、こちらまで切なくなりぐっときました。
本当にこの回想が読めて良かったです。
ページ数としては後半の方がだんぜん少ないのですが、読み応えがありました。
前半だけの内容でしたら萌なのですが、後半がひじょうに良かったので萌×2にしています。

で、顔出しは一回もないのですが、祖師谷というスピリチャルなキャラが気になります。
彼のお話読んでみたいですが、できれば雑誌でなく書き下ろしが希望ですかね。

2

1番怖かったのは

中編2話+手紙

「君しか見えない」哉視点

整備士の哉(受け)は2丁目のスポーツバーで中学の時の初恋の人蓮司(攻め)と再会します。蓮司は昔から怖がりでそれをネタに同級生によくからかわれていました。大人になってもそれは変わっていないようで、今も霊が怖いので家に泊めてほしいと言いだします。結局しばらく居候することになります。

哉はオカルトの類を全く信じておらず、またその被害にもあったことがないので、オカルトがらみの対応は清々しいです。バーのみんなが視えてる血文字も全く見えず、ポルターガイストのようになっている部屋にいても哉だけは普通にしか見えません。恐くてトイレから飛び出してきた蓮司に手を洗ったかを気にした
り、皆が恐怖でパニックになりかけている中一人だけ動じずにドッキリ?と疑っている哉はオカルトの中コミカルにも見えます。が、恐がっている蓮司にしたら頼もしくもあったでしょう。びっくりすることはあっても怖いものがないということもあってか、童顔で可愛らしい見かけによらず男前です。
蓮司からみた哉は清浄なオーラに包まれていて傍にいるだけで癒されるようです。
以前読んだ小説の登場人物で、神社の直系で神の加護を受けており能力者や霊から見ると輝いて見えて、眩しくて悪いものが寄ってこれない、近づいてきたら浄化してしまうという人がいたのですが、これに似ている哉は親戚にそういった関係の人はいないと明言していましたが、苗字が「鳥居」だし元をたどればそういう家系だったのかもしれないですね。

蓮司は小さい時から霊が見え、触られると当てられては失神していたようです。
長じてそういうことは少なくなったものの、視えることは変わらず怖がりは全く治っていません。当て馬の増田と仲良くなってから今まで以上に怖い目に合うようになり、哉と再会したことで昔守ってもらっていたことを思い出し哉の家に押しかけます。

二人とも初恋同士で、両想いだったのに告白するのが怖くて離れてしまいました。
ゲイバーで再会して過去両想いだったことがわかっても、増田は邪魔するし、霊は怖いし、中学の想い出が邪魔をして二人の仲はなかなか進みません。
じれじれしているうちに、オカルトな事件が起きてしまいます。

危ない目に遭っている蓮司の為に、みんなが協力して、問題も無事解決し、二人がちゃんと向き合えてよかったです。



「君だけみている」蓮司視点

二人が一緒に暮らし始めてからの幸せな時間に、蓮司が二人の出会いを回想します。出会った時から惹かれあい、両想いだったのに中学生だという年齢もあり恋愛感情を持て余し告白を怖いと思ったもどかしかった気持ちがよくわかります。
中学卒業後、音信不通になってしまった理由もここでわかります。
蓮司が昔から哉のことをすごく好きだったことがわかりました。
前後のいちゃいちゃも安定していて、ごちそうさまって感じで良かったです。


「手紙」

一連の事件を遠くにいたのになぜか全容を知っていたスピチュアルな人からの手紙。
今回の事件のとばっちりを受けた哉に状況説明するためにわざわざ送ってくれたようです。
ここで今まで一度も出てこなかった名前がさらっと出てきてましたが、想像すると怖くて、でもとてもとても気になりました。ここで終わらせないで教えてほしい〜

3

最強なのは

中学時代の同級生との再会ラブ。
木下けい子先生の、かわいらしい中学生のカバーイラストとあらすじからは、ちょっと予想外の「どきどきホーンテッド・ラブ」でした。
後書きでは作者様曰く「うっすらホラー」。
でも、ちゃんとハッピーエンドなので、その点はご心配なく(そして、多分誰も死んだりしていない、はず)
べったりと一緒に過ごした中学生の頃、それぞれ、相手に対する感情が恋愛感情だと気付いていながらも、それを知られることも、確かめることも怖くて、そのまま疎遠になってしまった哉と蓮司だったが、行きつけのゲイバーで偶然再会したことで、お互いの恋愛対象が同性だったと知り…。

再会から、両思いの恋人同士になるまでの紆余曲折に、ちょっとホラー風味が絡みますが、結局一番怖いのは、生きている人間。
そして、見えちゃう体質と同じように、はねのけちゃう体質ってあるけど、見えないだけに本人無自覚なのが最強だね。

2

視える人×視えない人

中学の時に片想いしていた親友と再会した受け。その相手・攻めは、幽霊に取り憑かれていると動揺していて、受けの部屋に泊まらせてくれと頼み込んできます。
実は受けにはまるっきり霊を寄せ付けない体質で、攻めは逆に霊を引き寄せる体質。受けのそばにいると霊が寄ってこないので、攻めが居着いてしまい…という展開。

ホラーテイストのお話でした。個人的に実際にありそうな系統の怖い話が苦手なので、夜中に読んでいたらかなり怖かったです。作者さんのあとがきによると、雑誌掲載時は怖いと言う人と全然怖くないと言う人とに分かれたそうですので、怖いの苦手な方はご参考まで。

中学では親友同士の両片想いで、そのまま卒業。その後ある不測の事態が起こり、攻めからの連絡が途絶えて10年近く音信不通に。
もしかしたら自分の気持ちに気付かれて連絡を絶たれたのかな、なんて思っていた受けでしたが、再会した攻めはまったくそんな感じではありません。ホッとする受けですが、リアルタイムで霊障に襲われている攻めはそれどころではない様子。まるっきり霊感がない受けのそばにいると、霊も寄ってこないことを中学時代に知っていた攻めは、無理やりのように受けの家に転がり込みます。

受けが霊を寄せ付けないタイプで、霊感体質な攻めを無自覚に守ってあげている男前なキャラでした。でも「俺には見えないけど、霊を怖がるお前のことは信じる」なんて言ってたくせに、周りで自分にだけは分からない霊障が起こって皆がギャーギャー言っていても信じない、という矛盾した点も。男前ではあるけれど、デリカシーはないな、と思う人でした。
一方攻めは、本編ではただの怖がりのような扱いでしたが、実はかなり視える体質でした。それが顕著に現れていたのが、後半の続編に描かれていた中学時代。そちらは攻めの視点だったもので、ホラーな描写もバリバリ。攻めが怖い目に遭っていたら、受けが無自覚に霊を吹き飛ばしてくれるので、受けに惹かれる攻めに大変説得力がありました。卒業後に攻めの音信が途絶えた理由もきっちり伏線回収されていました。

エロはとっても良かったです。普段は「怖がり攻め、男前受け」なのに、ベッドでは攻めが男らしくてギャップ萌えしました。Sっ気や意地悪からではない、優しさから来る言葉責めにも萌えました。
あと(当て馬以外の)脇キャラが魅力的でした。スピリチュアルな祖師谷さんは、スピンオフで出てきたりしたら面白いと思う。

3

再会恋+うっすらホラー風味

中学時代にお互い恋心を抱いたものの、友達のまま離れてしまった二人の再会ラブです。プラスホラー風味。栗城偲先生の大ファンで、新刊が出ればあらすじも読まずに購入しますが、表紙からはホラーは想像も出来ませんでした。一応、作者さんは「うっすらホラー風味」と書かれていますが、チキンの私にとっては全然うっすらじゃない!! 幽霊や、それに付随する描写が非常に恐ろしくてゾッとしました。ホラー系が苦手な方は夜には読まないで下さい。とはいえ基本は、甘え上手なワンコ攻め×肝の据わったカワイイ系男前受けの再会モノなので大変楽しく読めました。

受けの哉が行きつけのバーで、中学時代の親友・蓮司(攻め)と偶然再会する所から始まります。「幽霊が怖いから泊めて欲しい」と蓮司から頼まれ、初恋の相手な為、複雑な気持ちながらもしばらく泊める事になり…という序盤です。二話あり、一話目が受け視点ですが、幽霊に対してスーパー鈍感な為、初恋の相手と同居状態でドキドキという感じが強いです。しかし二話目が攻め視点で、こちらはバリバリの霊感体質の為、ホラー風味が強いです。

受けの哉は可愛らしい見た目に反して非常に男前です。霊感は皆無で、肝が据わっているのですね。超常現象が起こり、皆が恐れおののいている時でも冷静に行動します。そして「幽霊が出た!」とトイレから飛び出して来た攻めに対して、「手を洗ってないのかよ」とツッコミを入れるズレた所も魅力的です。
そして攻めの蓮司は、甘え上手なワンコです。幽霊が出る度にビビりまくるので気弱なタイプかと思いきや、意外と図太い所もあり、受けに対して甘える体でグイグイ攻める攻める!
この二人が再会して、一緒に過ごしたりアクシデントを乗り越える事で距離が近付きます。

そして二話目では、二人の中学時代が書かれています。結構な霊感体質だった攻めの苦悩がよく分かり、そんな中で霊感が全然無く、幽霊に対して弾き飛ばす体質の受けと出会えた事の喜びが書かれているのですね。そして「ホラーは、興味が無いからつまらなくて苦手」と自分と正反対の事を言う受けの、男前な所に惹かれていきます。

個人的に、二話目での見所は二人の絡みでした。( ´艸`) すでに出来上がってる時点の二人なので、甘々なエッチが堪能出来ます。受けの眠っている姿を見て、ムラムラ来た攻めが手を出しちゃうという、私にとっては大変好みのシチュエーションです。目を覚ました受けが、訳が分からないまま快感に喘がされちゃうという…。目を白黒させながらも快感に流される受けが、非常に萌えるのですね。更にここから、完全に目を覚ました受けが主導権を取り戻して、攻めの上に跨がっちゃうという神展開でした。(//∇//)

事件のキーパーソンとなる当て馬の気味の悪さやホラー要素の、ラブ+αが読み応えがありました!

4

どきどきホーンテッド・ラブ♡

…との紹介文通り、ちょっとだけホラー要素のあるラブコメ。
コメディ寄りの雰囲気ながら、ほのぼの展開の中にリアルにヤバそうな人や怪奇現象がしれっと紛れ込んでくるため、結構ドキッとさせられます。

あらすじ:
整備士の哉(なお・受け)は、行きつけのゲイバーで中学時代の親友で初恋の相手・蓮司(攻め)と再会。
心霊現象によく出くわすという蓮司は、しばらく哉の家に泊めてほしいと泣きついてきて…

小動物のような愛らしい容姿に似合わず男前で、霊やオカルトの類は一切信じない哉。
対して蓮司は、外見は凛々しいイケメンですが、子どもの頃から大の怖がりで、しかも心霊現象に出くわしやすい体質。哉に甘えるワンコっぽい一面もあり、かなり可愛い性格です。

そんな正反対の二人が一緒に暮らし始め、哉の方は思いがけず始まった同居生活に内心ドキドキ。
蓮司を狙うバリタチ男に絡まれようが、バーで次々怪奇現象が起ころうが全く動じないのに、目の前の蓮司の一挙一動には激しく動揺している…
そんなギャップが大変可笑しいし可愛らしいです。

この二人、中学時代から両片想いで、再会してすぐ当時の想いを打ち明け合うのですが、じゃあ今付き合おうとはお互い言い出せず。
度重なる心霊現象や、蓮司を狙うバリタチ男のきな臭い動きもあって、なかなか進展せずズルズル同居生活を続けてしまいます。
そんな焦れったいラブ展開が再会モノとして読み応えあり、途中挟まれるホラー&サスペンス要素も良いスパイスとなり、大変楽しめる一冊でした。

バーの店内にいきなり血文字が出現したり、照明が落下したりと結構怖いイベントは多いのですが、皆がパニクる中で哉だけが平然としているのがおかしく(血文字も哉にだけ見えないw)、ホラー要素とコメディ要素のバランスが絶妙です。

番外編(蓮司視点)の中学時代の可愛い二人→現在のラブラブな二人に癒され、その後あとがきを挟んで、ラストにちょっとした仕掛けが。
怖いというより、失われた命のことを思うとちょっと哀しくなり、後味は悪いですが、ホラーじゃないと見せかけて実はホラーだったという二段オチとしては綺麗にまとまっていたと思います。

ほのぼの系作品に定評のある栗城さんですが、今回はホラー&サスペンス要素がスパイスとなり、いつもよりエンタメ感のある作品に仕上がっていた気がします。
再会モノとしても微ホラー作品としてもオススメな一冊です。

7

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