不可分な愛憎

fukabun na aizou

不可分な愛憎
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×23
  • 萌4
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
3
得点
27
評価数
11
平均
2.8 / 5
神率
0%
著者
ふゆの仁子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
価格
¥870(税抜)  
ISBN
9784799729823

あらすじ

慎と仁康は両親の再婚から兄弟になるが、
義父の起した暴力沙汰で離れ離れに。
十数年後、仁康は関東最大の極道集団に属し「狂犬」と呼ばれていた。
仁康を追うように慎もまた極道に。違う組に属しながらも、
野望を共有し、秘密裏に身体を繋げる二人。
仁康の逞しい体に容赦なく後孔を暴かれる時間だけが慎を狂わせ、
自分の凶器にいやらしく体をひらく慎だけが仁康の真実だった。
絡み合う一対の獣は何を手に入れるのか…!?

表題作不可分な愛憎

比企仁康,ヤクザ幹部,受の元義兄,31歳
都筑慎,ヤクザ幹部,29歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

対等感が欲しい

あらすじ:
ヤクザ幹部の都筑(受け)は、別組織の幹部で2歳年上の比企(攻め)と秘密の恋人同士。
比企を極道集団のトップの座に就かせるため、彼に尽くす都筑。
二人は幼い頃、親同士の再婚で少しの間兄弟だったことがあり…

都筑はメガネの似合うインテリ風の美形ですが、実はかなりの武闘派。
組内では一目置かれる存在ですが、プライベートでは比企にメロメロ。
比企に抱かれよがっている姿はとても受け受けしいですが、本人は比企を抱きたい願望も持っています。
なぜ実行しないのか?というと、比企の方が一枚も二枚も上手だからという理由の他に、比企のトラウマを慮っているという事情も。

子ども時代の比企は父親にレイプされており、ヤクザになった後も幹部たちに抱かれてきた過去の持ち主。
今も直属の上司に口での奉仕を強要されています。
都筑は、比企に辛い過去を思い出させたくないとの想いから、抱かれる側に甘んじているのでした。

比企は、端正な美貌とは裏腹に「狂犬」と呼ばれている直情型。
辛い過去にもあまりクヨクヨしないタフな人物で、組を乗っ取って組織を壊滅させることを目論む野心家です。
幼い頃から都筑を愛していますが、彼を男として尊敬・尊重している感じはなく、基本的に俺様。
もちろん都筑にポジションを譲るつもりはさらさらありませんw

ストーリー展開としては、比企の出生の秘密もクスリの話も大きな問題にならず、盛り上がりに欠けるのがマイナス。
ヤクザ幹部同士という設定の割に比企の活躍ばかりが目立ち、都筑は比企に出し抜かれてばかりなのも残念でした。
仕事でもベッドでも負けっぱなしで、切れ者で武闘派という設定が活かされていないように思えました。
ラストなど、直属の上司の前で比企に抱かれており、完全に比企のオンナ状態。
絡みで女々しくなるのはある程度仕方ないにしても、ヤクザとしてはもう少し見せ場が欲しかったです。

あとがきによると当初は「攻受どちらがどちらかわからない、対等に見える」関係を書く予定だったのが、難しくて断念されたとのこと。
攻めを攻めらしく描こうとするあまり、受けのカッコよさがスポイルされているように思えました。
当初の構想にあった、対等なヤクザ同士の物語を読んでみたかったです。

笠井あゆみさん画の二人はどちらも男の色気があって眼福。
受けの臀部周辺に(色んな意味で)目がいく口絵カラーは必見です。

10

これは続くのか

893ものが好きなのと、イラストが笠井さんだったので楽しみにしていたのですが、まあまあという感想です。

まず受けが攻めを「よしくん」と呼んだり、受けの話し方が893っぽくありません。
お互いに依存しあっているのは分かるのですが、最初から最後まで二人の関係に変化がないので、感情移入するポイントがなかったです。

しかも「目的」を強調するわりに、目的が果たされないまま終わってしまい、あれっ?これ続くの?という感じです。

それと、背中の十字架の刺青に関する描写とイラストが一致していない気がしたのですが・・・

1

いつの間にか骨抜きに…

作風を語れるほど冊数を読んでいないとは思うのですが、どうにもふゆの仁子さんの作品は毎回、竜頭蛇尾だなぁと感じてしまいます。本作は刺激的で際どい笠井あゆみさんのイラストでさらに期待しすぎたのかもしれません。加えて、「表紙イラストにお尻が描かれた作品」というお題でご紹介いただいて読んだクチなのに、シビアな評価で申し訳ない…。

ジャンルとしては極道モノです。同じ組織の別の組に属する比企と都筑――それぞれが「番犬」と称される武闘派の二人ですが、実は幼い頃から強い絆で結ばれています。お互いを唯一無二の存在として、胸に秘めた野望を実現するまで、傷つきながら、支え合いながら行きていこうとする二人。やがてその野望を果たす機会が巡ってきて…というお話です。

序盤は面白かったです。極道キャラが沢山出てきて、啀み合っているはずの比企と都筑が実は甘い関係で、二人の過去が徐々に明かされていって…と、この辺まではワクワクしたのですが、読み進めるにつれて、ページ数の割に肝心の野望関連のストーリーが遅々として進まず、どちらかと言うと二人の絆と惚れた腫れた(とセックスシーン)がメインになっていることに気づいてしまいました。しかも力関係が完全に比企>>>都筑で、都筑は比企に心酔しているので…まあ、このへんは都筑視点で書かれている故かもしれませんが、比企のカッコ良さばかりが目立って、表紙イラストや冒頭で感じたイーブンな関係ではありませんでした。

硬質で骨太だったはずの物語がいつの間にか骨抜きに…。序盤でわんさか出てきた強面の面々(やたら設定が細かい)が後半は空気ですらなく、存在してるんだかしてないんだかも分からない感じで気になりました。

それでも諦めず、果たして二人の野望は果たされるのか!?と、思いながら最後まで読んだのですが、そこんとこはとても駆け足で書かれていて、期待したようなオチはありませんでした。シリーズものの第一作と考えれば腑に落ちないこともない…かなー。

1

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