愛しのニコール

itoshi no Nicole

愛しのニコール
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神129
  • 萌×267
  • 萌32
  • 中立8
  • しゅみじゃない9

--

レビュー数
39
得点
1017
評価数
245
平均
4.2 / 5
神率
52.7%
著者
凪良ゆう 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784778119737

あらすじ

14 歳の夏、ニコはゲイゆえに田舎町で 「病気」扱いされ、自殺を決意した。けれどその夜、遠い街から遊びにきていた少年・榮の屈託のない態度に救われ、苛め回避のためオネエキャラ 「ニコール」を演じはじめる。数年後、榮は転校生としてニコの前に再び現れた。イロモノに成り果てたニコにも榮はまっすぐで優しかったが、淡い初恋を詰め込んだ告白は本気にされず、それどころかゲイの先輩として恋愛相談を受ける始末で――。

表題作愛しのニコール

一色榮,隣県から転校してきた同級生
久美浜二胡,オネエキャラを演じる高校生

その他の収録作品

  • 泣かないでニコール
  • 人生は薔薇色、ではない
  • あとがき

レビュー投稿数39

ぬるく見守りつつ、どうも釈然としない

自身のセクシャリティに悩んでオネエキャラを演じて自衛していた学生時代。
そして卒業後、上京して就職し、夢にまで見た二丁目デビューも果たした二コール。
仕事は忙しくて、ミスもするし怒られるし不満だらけだけど、投げ出さずに続けている。
初恋の彼とは思いを伝えられないまま親友を続けていて、彼には一緒に住んでいる恋人がいる。
学生時代が「泣かないで二コール」、上京後が「人生は薔薇色、ではない」、その続編、視点変えの「愛しの二コール」という3本の連作短編集です。


二コールは素直で真面目で、はっきり言いたいことを言えない性格なので「がんばれ」と思うし、どちらかというと目線は彼を応援する二丁目のマスターとか常連客と同じで、若い一生懸命な子をぬるく見守る感じで読みました。
だから二コールの恋も、当初は応援していたのですが、どうも上手く寄り添えなかったのは、初恋王子である榮の心変わりのせいかもしれないです。
このお話、なんとなくファンタジーだけど、心理描写はリアルなんです。凪良先生ですから、とても描写が丁寧です。
だから、榮が別の子を好きになって、その子と両思いになって一緒に暮らしていることも、まあそうだよな、と思えるのですが、その後、その恋が冷めて別れて二コールに猛アタックしても、どうもぴんと来ない。良かったね、と思えない。
最終話の「愛しの二コール」が榮視点なのに、榮の気持ちに寄り添えず、むしろ素直に榮の気持ちを受け入れられない二コールに共感したりして、どうも釈然としないまま本が終わった感じでした。
榮は悪い子じゃないんですけど、なんだろうな。
二丁目のバーに二コールが榮を連れて行った時に、マスターや常連客が榮を取り囲んだシーンがとても楽しかったです。やはり私は彼らと同じ気持ちなんだな、と改めて思った次第です。

0

ニコが健気で切なかった

あらすじを読んで、オネエキャラを演じるゲイの高校生のお話で切なくなったり萌えられたりするのかなぁって少し心配はありましたが、全くの杞憂でした。

前半はめっちゃ切なくて、後半にいくほど愛しい気持ちになれました。
ニコの片思いが長いので焦れますし、ニコが可哀想になって涙も出ちゃったりしますが、榮が彼氏と別れてからは軽い攻めザマァな展開もあり、ニコの長年の片思いが成就した時には胸熱でした。

初Hの攻防戦も面白かったですし、その後の濡れ場も幸せ感MAXで満足でした。

田舎でのマイノリティとしての生きづらさを描いた描写はかなり切ないですね。
お年寄りにとって固定概念を覆すってことは相当難しい事だと思いますし、保守的な世界のなかで自分だけが良ければ良いっていう問題でもないのでやはりゲイだったりすると都会に出ていくしかないのかなぁ、と。

0

健気で一途

作家買いです。
凪良ゆう先生の文章は本当にすっきりとしていて読みやすいなあと思いました。
平易な表現を使ってくださるのに繊細な感情の機微が伝わり、心に響きます。

田舎の情景、温かさ、悪気のない異質なものへの残酷な排他的言動、…ああ本当に辛い。

榮に救われたニコ、負けない気持ちをもらったニコ、どうしても優しすぎるニコ、いろんなニコが健気で一途で本当に愛おしい。

お互いの感情のピークがすれ違ってしまうという展開にうちのめされました。
凪良先生。。。泣

なんとか幸せになってほしい!
そんな願いからか一気に読み切りました。
優しく爽やかな読後感でとても満たされました。

0

愛しいニコの幸せを願う(≧▽≦)

『不朽の名作』に載っているのを見て再読です。
やはりいいものはいいですね(•‿•)


受け様のニコと、攻め様の栄。
中学生の時に初めて出会い、高校生の時に再会し、親友として過ごし。
そんな2人がやっとのこと恋人になるまで。
何度読んでもいいなぁ、としみじみしちゃってます。
ホント、普通の人たちが恋をして失恋して、また恋をして。
ドキドキしたり、地団駄踏む思いをしたり、ニコールの恋の行方をめっちや見守りました。

ニコ視点の前半は、切ないにつきました。
ゲイということでイジメにあい、傷ついて自分を偽って過ごすニコ。
大好きな栄にはカレシができて、隣で惚気けられ。
それでも、一生懸命で健気で頑張るニコを応援しつつ、栄め〜いいやつなんだけど、どこに目つけてんだ、とハラハラジレジレ(ᗒᗩᗕ)
ホント、行きつけのバーの常連さんと一緒の思いで見守りました。

後半の栄視点は、またらなく萌があふれる(*ノ・ω・)ノ♫
今まで気付かなかった分、いっぱい焦って焦るがいいさ、とにやにやが止まりませんでした。
それにしても、“賞味期限切れ”とはよく言ったもので、わかりやすく素晴らしい喩えに拍手です。
それに、チョココロネのニコ!
やだれそれ、どんだけかわいいのかしら。
初エッチ時の、ニコと栄の攻防がかわいくておかしくて、にまにましっぱなしです。


イラストはyoco先生。
どのイラストも愛しさ満載でした(◍•ᴗ•◍)

1

こんなに辛いものをみんな読んだのか…

凪良さんは「美しい彼」3冊と「流浪の月」を読んでいます。表紙が美しくずっと気になっていた今作。電子で購入して初めて、表紙の彼が泣いていることに気付きました。

凪良さんの作品の中でも人気が高い作品ですが、読んでみると「こんなに辛いものをみんな読んだのか…」と思うほど辛くて辛くて。
相手が思うよりも何百倍も大事にして、会う前には服を整え、色んなことを考えて、でも思ったように現実は転ばない。最悪なことが重なる。
片思いには珍しくない事柄であっても、作家が描くものは表現が卓越している分、時に自分の身に起きたことよりも脳に刺さるのだなと実感しました。

自分を救ってくれた一言や好きな人の物をずっと大事にもっているニコ、大事にされず本当に辛いニコ。
彼が報われるまでが長くて、でも報われて良かった。もっともっと報われてほしい。

5

親友への痛切ない片想い

↑を読みたいって言って、オススメしていただいた作品です。
結果、すっご〜く良かった〜!! 中盤までほんと辛い。でも、両思いエンドだって聞いてるから、甘痛さにギュンギュンしながら読みました。榮!知らんとはいえこの酷い奴め!と罵りながら、そしてニコ〜辛いよね偉いよすごいよがんばれ!と感情移入しながら。
そしてこの作品のすごいところは、後半は片想いのベクトルが逆転するところです。ニコの榮への気持ちが賞味期限切れになってしまったって言うのが天才的な表現だと思いますが、それが納得できるくらいニコは頑張り切った。
そんなニコに、今までニコ目線で王子だった榮が一喜一憂しながら必死に頑張る様は、良い気味っていうと意地悪だけど痛快で。
その等身大の無様なくらい一生懸命な榮の姿が可愛くて、そろそろ許す!っていう気持ちになると同時に、ニコの空っぽになった気持ちが今度は切なさじゃなくて幸せで満たされていくのが分かり、ニコが榮に陥落する瞬間はどちらの気持ちにもなって歓喜に震えました。
贅沢を言えば、初エッチはニコ目線に戻って欲しかったかな。 でも本当に素晴らしい作品です。
BLで主流のスパダリ感や攻めの一途さがないと許せない人には合わないと思います。
榮より素敵な人はいっぱいいるでしょう。けれど、ニコが2回も惚れることができるのは、やっぱり榮だけなんだろうと思います。
榮や後半に対して評価が分かれてますが、私はこうだからこそ、凪良先生にしか書けない神作品だと思います。

5

田舎で暮らす普通の男の子たちの物語 

2016年作、あとがきの作者曰く「ごくありふれた普通の男の子たちのお話」。
・・マイノリティの気苦労についての、ありふれた話ってことなのかな?

取り巻く状況設定は、マイノリティが生きにくい状況の田舎。これが「普通の男の子たちのありふれた話」なら、田舎の普通って辛いんだな。
田舎風景のモデルは、映画の「リトルフォレスト」なのだそう。

前半のニコの人生は、思う様にいかない・・読んでいて、段々と辛くなってしまう。
後半は立場が逆転。賞味期限切れの恋のやり直しを一途に栄がニコに願い出る。

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ほぼ自給自足が当たり前の田舎で、爺と婆の元で養育されているゲイの男子、ニコ。
美人の母は、幼いころに男と蒸発。
ずんぐり体形の父は、単身赴任で年数回しか戻れない。
一緒に暮らす爺婆は、ニコを責めないけれど、ゲイは治療が必要な病気だと思っている。
ニコは、中学でゲイを自覚、苛められて自殺をしようとするが、栄に止められる。
高校生活は、オネエの「ニコール」を演じて、風評や苛めから身を守る。
栄が転校してくる。栄にとってニコは初恋の人魚姫。栄は、ニコールにゲンナリ。
栄はニコにエンドとの恋愛相談をする。ニコは告白できず、栄とエンドの交際を祝福することになる。
ニコは就職しても、思う様にならない。
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辛い辛い・・・ニコ。
人生は、妥協した者の勝ちなのかなー。人生に負けそうなマイノリティを励ます物語と、思ったら、諦めを促すような展開。
でも後半は、立場が逆転する。

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エンドが巻き込まれた事件から栄を守るために奔走するニコ。
精一杯尽くしきったら、事件の解決と同時にニコの気持ちから栄への執着も落ちてしまう。
エンドと別れた栄は、ニコへ気持ちをシフトするけど、ニコは燃え尽きて無関心。
立場が逆転して、ニコに賞味期限切れだけど付き合ってほしいと頼み込む。
栄は就職、ニコは転職して、同居することに。二人にとって安心できる足場が出来たところで、完結。
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・・・感想、人生は耐える力が強い人が勝利するんだなぁ。栄はどうでもいいから、ニコが幸せを掴めますように。

情交場面は1か所だけ。他はキス程度でほぼ無いです。
ニコと栄のすれ違う心理描写が主。

1

幸せになってね

ニコが可愛くて健気で一生懸命。
バーのマスターたちが口を揃えて言う、その通りだと思う。

そして、栄はイイ男です。
ニコの生きる支えになってくれて、辛い時にいつも助けてくれて。
恋による下心とかじゃなくて、これを友人としてやっていたところが本当にすごいと思う。
だから、2人が結ばれたことは素直に嬉しいです。

でも、私が一番心に響いたのは、真人にしても中学生2人組にしても、ニコが性に悩む子どもたちの拠り所になっていたところ。
皆が、勇気ある〝ニコール〟を頼っているところに一番グッときました。
栄によって救われたニコの命だけど、ニコはもっと多くの人を救ってると思う。

恋愛要素だけでなく、そういったところまで描写が至るところが素晴らしいです。
いつもながらに感動しました。

1

健気受け万歳!!

美しい彼を読んでから凪良ゆう先生にはまってしまい、「薔薇色じゃない」に続いて先生の御本を読むのは3作品目です。

本音はゲイキャラの皮の下に隠して...受けのニコールちゃんがとっても健気でした。

初恋だからこそ大切にしてしまう、攻めが好きな人がまさか男で、でも自分ではない...

田舎って閉鎖的だから、しょうがないところはありますが、大好きな人の側で他の男を思う姿を見るなんて辛い以外の何物でもないですよね。

最終的にはくっつくので、それまでの過程を楽しむのもいいかと。

また、想像していた東京での暮らしではないものの、毎日お仕事を頑張り私生活ではバーのマスターや常連さんたちにいじられながらも可愛がられている姿がリアリティありました。

1

NoTitle

本屋大賞で有名な先生、読むのは2作目。
結論からいうとあまり合わない作家さんかなと思いました。
なんか男女観が古い、20年前かなという雰囲気でそのまま男同士に置き換えるのも違和感。

あと当て馬の性格が半端無く悪くて、犯罪まがいの事に手を出してるのも苦手でした。
紆余曲折ありつつ無事カップルになるのですが割れ鍋に綴じ蓋という印象。
ただ文章は明晰でわかりやすいしキャラクターも魅力的なので悪くはないと思います。

1

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