幽霊狩り~ヘル オア ハイウォーター1~

yuureigari

幽霊狩り~ヘル オア ハイウォーター1~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神50
  • 萌×211
  • 萌6
  • 中立4
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
14
得点
316
評価数
73
平均
4.4 / 5
神率
68.5%
著者
S.E.ジェイクス 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ
ヘル オア ハイウォーター
発売日
価格
ISBN
9784403560248

あらすじ

民間傭兵派遣会社EE社にFBI、地元の保安官補を経て民間傭兵派遣会社に入ったトム・ブードロウは
一月前にある動画を受け取っていた。
その中で尋問を受けていた男こそが、トムの新たなパートナー、プロフェットだった。
もと海軍特殊部隊でCIAの工作員をしていたプロフェットは、研ぎすまされた武器のような最強のエージェント。
だが性格に難あり。
そんな彼らに殺人事件の調査が指示された。
被害者はプロフェットの幼なじみの弟。
情報を探るため地下ファイトに潜入したトムは自らの闇に引きずり込まれる。
そしてプロフェットもまた過去の亡霊に掴まっていく――。

注目の新シリーズ開始。

表題作幽霊狩り~ヘル オア ハイウォーター1~

トム・ブードロウ,36歳,元FBI,元保安官補
プロフェット,31歳,民間傭兵派遣会社勤務,元軍人

レビュー投稿数14

硬質な物語に溶け込む恋愛描写が良い

物騒な表紙とタイトルが気になり読んでみた。
民間傭兵会社のエージェント二人がメインで、あまり馴染みのない世界が覗ける。拷問やその他残酷なシーンは、詳細描写がないため読みやすい。低糖度ながら熱い場面もあったりと、恋愛面も充実していて面白かった。

プロフェットは仕事に必要な能力値が最高レベル。様々な描写からそれが伝わってきて、圧倒されそうなほど。こういうタイプが視点主だと、展開がハイスピードで進んでくれるのでとても好み。
表面の顔を取り繕うのが上手いが、内側にはかなり深く歪な形の闇を持っていそう。

対するトムは精神的に不安定に見えた。そこにはっきりした理由があると匂わせ続けるも、全容はまだ語られない。こちらの闇はまっすぐで根が深そう。
意外に恋愛脳で、プロフェットへの気持ちが溢れすぎて思い悩む心理描写が長く楽しめる。恋のグダグダが硬質な物語に綺麗に溶け込んでいるのがすごく良かった。

仕事上のパートナーとなった二人は、物理的にも精神的にも激しくぶつかりながら近付いていく。お互い、相手の触れられたくない場所を意識しながら自分を顧みたりしていて、読み応えがあった。
三人称で頻繁に視点が切り替わり、二人がそれぞれ自分の闇に向き合う様子が描かれる。相手の影響を受けつつも、自分の心には自分一人で挑むところが良い。心がどれだけ惹かれていても、ちゃんと自分の足で立ってる感じがとても好き。

疑問だったのは、二人がクリスの死を追う任務に就く理由。民間会社なら依頼主がいないと報酬がないのでは?等々、話の本筋に関わることなので気になってしまった。警察の後に非公式捜査を行っていて、クリスが会社に関係する人物かと思いきやただの地下ファイターだし、会社側の対応も後出しで重要度が低いなどと言い出して謎だった。

絆が強固になる出来事がいくつもあり、それゆえにラストは辛い選択をする。こんなところで終わられても困るのだが、次を読んでも完結巻の邦訳はまだ出ていない。発売後にまとめ読み決定のシリーズ。

挿絵も素晴らしかった。気合いが入っているのか、小山田さんってこんなにすごかった?と見惚れ、挿絵買いしてみたくなった。
読後にプロフェットが歌っていた曲を調べてみると、歌詞がめちゃくちゃ泣けて良かった。

1

renachi

メモ:Flogging Molly「If I Ever Leave This World Alive」

信条

モノクローム・ロマンス文庫のシリーズもの一巻は、往々にして最高レベルのハマり方をすることが少ない。ただ続刊で萌の頂に連れて行かれることが多いので、一巻は頑張って読みますとも!この作品においてはラブが少ないという理由ではなく、登場人物のバックボーンが見えないことがやや萌を阻害しました。
毒まみれのプロフェットが時折見せる真摯さとか、赤面とか、素直さに、トム同様惹かれざるを得ないけれど、その陰の部分の原因がもう少し早めに明らかになっている作品の方が好みでして。刑事コロンボ、日本で言うなら古畑任三郎方式が好きなんです。犯人も犯行方法も事前に分かっていて心理描写で見せるタイプの作品ね。最初から最後までキリアンは何なの?が延々頭の片隅に居座る。
M/Mらしくリバがガッツリあります。面白かったのが、プロフェット×トムの後にトムがプロフェットに対して、つまり受けが攻めに対して可愛いと言っているところ。"ワンコ攻め的可愛い"ではないのはこの2人の風貌からも明らかで、この辺りの対等な様が興味深い。
作者様の信条が「ハッピーエンドと、求めるものを手に入れるために戦うこと」とあったので、ハッピーエンドと萌の頂を信じて読みますとも。

萌2〜神

1

リバでも敬遠しないで!これぞ同性同士である醍醐味!

あらすじにもありますが、シールズ(海軍特殊部隊)→CIAを経由したプロフェットと、FBI→保安官補の経歴を持つトムのバディ物語。

それと、これ重要なんですがリバです。
何回かその手のシーンがあるのですが、おおよそ半々くらいの率。
どちらも攻め気質なので攻め×受けではなく、攻め×攻めといった印象です。

リバというと敬遠しがちな人もいると思いますが、これはぜひ読んでほしい。
攻めとしての幸せ、受けとしての幸せみたいなものをお互いに共有できるというか、
どちらの側での快楽もお互いに共有したいというか。
そういった同性同士で恋愛する醍醐味を感じます。

話は、視点が交互になって進みます。
これが凄く良い効果を挙げているなと思いました。
それぞれの気持ちがよく分かるし、別行動している時などの動きもばっちり把握できるので、2人に感情移入し易い。

またお互いに対しての感情、考えていることなども分かるので、「実は意識しているじゃないか」と読み手側はにやにやできたりもします。

相手を少しずつ理解し受け入れていく過程はお見事。
1つ何かが起こるたびに(ほんの些細なことでも)、関係が微妙に変化していきます。
少し近くなったり、かなり遠くなったり、まるでジェットコースターのよう。
それでも読んでいて辛くないのは、やはり各視点での相手への気持ちが分かるからかもしれません。

しかし全体の関係性としては「三歩進んで二歩下がる」といった感じで、そう簡単に相手を心底から受け入れることができません。
2人ともになかなか重い過去があり、そういった「秘密」を話すことを双方ともに拒絶しているのですが、この巻では意図せずしてプロフェットの過去に片足を突っ込むような形になります。

ラストでは「え! そんな……」と思いましたが、続巻が出ているので大丈夫です!
色々書きましたけど、2人はお互いが好きだし、ちゃんと恋人になれますよ!
糖度も巻が進むごとに上がりますので、安心して次もどうぞ!
小山田先生のイラストの美しさも必見です。

5

FBIとCIA

…という世界観通り。
何ともハードボイルドで、アクションで、陰謀で。
男臭くて、緊迫して、痛々しくて。

元FBI、組んだ相手がことごとく死んだ、奇妙な予知感覚がある…というトム。
元CIA、親友の死に囚われているプロフェット。
この2人が「傭兵」として出会い、お互い強固に守っている自己をぶつけ合い、むき出しの肉欲を共有し、それでも馴れ合わず…というかなりディープでハードな設定。
だけどどうだろう?
「傭兵」っていうの、よくわからない。
勿論詳しく知らなくても「何となくハードボイルド」で「何となくカッコいい」って読んじゃうけど。
トムとプロフェットの関係性には恋の甘さは無く、同じような苦しみ・強がりを共有する相手としてマウントを取らせ/取り/取り合い、ある時は身を委ね、ある時は相手を奪い、そうして接点をはかろうとする姿。しかしそうしながらも反発しあってしまう姿。
この1巻目では熱いセックスシーンはありつつそこに甘さは無いわけで、その辺はこれからなのか、またはこのままハードに推移するのか、次巻以降に期待。
何より、海外モノの特徴としてのリバが嬉しい。ここはこのまま進んで欲しい。

2

好きな作品

1番のお気に入り作品です。何度も読み返しました。
海外モノはちょっと敬遠していたのですが、
読み始めるとグングン世界観に引き込まれました。
日本のお決まりなBLの展開に少し飽きていたので、展開がとにかく新鮮、そして甘くない男同士の駆け引き。プロフィットもトムもとてもセクシーで素敵なキャラです。3巻まで出てますが、過去に囚われて苦悩しながらもお互い強烈に惹かれ合う出会いの1巻目が大好き。口の悪い二人の掛け合いも好きです。

11

ボリュームがあるが、止めどきを見失い一気に読んでしまった。。

海外小説ならではのスケールが大きくスリル満点な展開に引き込まれ、気付いたら最後のページでしたww著者も勿論ですが、ハードボイルドな原作の臨場感をリアルに伝える訳者の方お見事です!

プロフェットとの長きにわたる公私ともに渡るパートナー生活の上に出したトムの巻末での選択に「普通逆でしょ!!」と呆然としてしまった。結末が海外小説らしく皮肉がきいてるなー。トムの心情や身の上を考えると、当然の切ない決断だけど、読者としてはヤキモキし、続きがある事にホッとします。

前半はトムを含めた生まれつき「暴力」への衝動を抑えられない男達にとって何処に受け皿があるのか考えさせられたり、後半はプロフエットが過去と対峙し、厳しい現状を乗り越えていく様が印象に残りました。まだほとんど問題が解決されていないので、続巻に期待です。

モノクローム文庫は海外小説ならではで、リバが多いですね〜。普通に屈強な男同志がパートナーで、BL小説のように受け攻めがきっちり分かれてない感じです。時々BL小説の受けに女性の部分を見かけてモヤモヤ感じる事のある自分には、モノクローム文庫は肌に合います。キャラクターが弱い部分も見せ、カッコつけすぎず、わざとらしさが無いので安心して読めました。役者が揃った所で次巻で世界が広がるといいな。

7

面白い!

海外作品の翻訳本にはハマれないような気がしつつ
なぜかうっかり手を出したらどハマりしました。
おもしろい!
BLとか萌えとかより単純に読み物として面白く
ストーリーにグイグイ引き込まれました。
あ、キャラも魅力的です。とてもセクシー。

次巻も読みましたがその続きが待ち遠しいです!
ミステリー好きの方にもオススメしたい。


9

1回目は解読、2回目から楽しめました。

評価も高く、ファンが多いのもうなづけるお話。
ただ私には1回だけでは話についていくのに必死で、
とにかく頭が疲れた。
面白い!と言われる評価は納得なのですが。

元CIA、元FBAで今は傭兵として働く2人、
抱えてる過去も壮絶で言えない事、そして言いたい事があるけど、それを話すと相手を危険にさらしてしまうというのがあるから、
お互い運命としか言いようがない位惹かれ、求め合ってるのに、そう易々とその熱情に飛び込みきる事が出来ない。
なのでほとんどが相手を試すような、大事な部分は抑えて話すのと、
それでもってまた2人の口調が似てるから、読んでるこっちは読んでるうちにどっちの台詞だったか解らなくなってしまって、
「えぇ〜と、これはトムに言ってるから…」と読み直す事が多かった。
トムは南部訛りなので原作だったらもうちょっと違いがあるのかな?
日本語だと南部訛りは再現出来ないし、かといってどこかの方言を使う訳にもいかないし…翻訳って難しいなぁ〜なんて事も考えちゃいました。

それにしたって2人共超カッコ良すぎでしょ、
ジャクバウアーか!という位のタフさで、
んでもってイラストが小山田あみさんですから更にカッコ良さが増してまして、
そんな2人が孤独に生きてきた姿、過去に対し耐えながらギリギリの所で抗ってる姿はせつなくもあり、美しい…でも悲しい。
私は読んでて2人が幸せにいる姿がイマイチ想像出来ない。
そこまで2人は引き返せない所まで来てる気がして
先が見えない2人がお互いを求め合う姿(心も身体も)を見てるのが悲しかったです。

ただそれよりなにより、私にはとにかく頭を使いまくって読んでたので、ちょっと疲れてしまいました。
初回読んだ時は「う〜ん、面白い気はすごいするんだけど、雰囲気にのまれてる気も…」というのが正直な感想でした。
「悲しい気がするんだけど…」「せつないシーンな気がするんだけど…」になってしまって、イマイチ話が頭に入ってこない。
まぁ、そりゃそうなんですけどね。
2人も作者も色々大事な部分に触れていないので。
そこが面白いとは思うものの、私には色々想像して楽しむというよりは、解読してる感じになっちゃって、初回はただ疲れた。
2回目に読んだ時の方が面白かったです。
ちょっと解ってから読んだ方が私には面白いなーと、
読めば読むほど面白いんだろうなと思いました。

他のレビュアーさんのお話では、本国では4冊目まで出てるみたいですね。
とにかく私はプロフの事をもうちょっと知りたいので、せめて3冊目だけでも読みたいです。

3

次巻が待ち遠しい!

野獣のような男二人のぶつかり合い。
最高でした。

翻訳が少し読みづらい部分もありましたが、気になって読めない程ではないです。
むしろ素晴らしい作品を英語の読めない私たちのために訳してくださってありがとうございます、ですね…。

セックスに関してはリバです。
個人的にリバものが好きというのもあり、また女役がどうとかを考えない純粋な求め合いという感じがするのもあり良かったです。

シリーズものなので良いところで切られると覚悟して読んでいましたが、一区切りついたところで終わったので安心しています。
もちろん次巻は楽しみです!

14

男同士でなければ一般小説と言えるぬるさのない作品

同時発売のアドリアンイングリッシュの最終巻とどちらを先に読むか悩みましたが、初読み作家さんということで(翻訳だからそんな人ばかりですが)こちらを先に。
アドリアン終了後スタートしたモノクロームロマンス文庫の新シリーズで、なかなかにハードな作品。
表紙を見てもわかりますが、まさに男×男。
リバもあります。
翻訳はモノクロームさんではお馴染みの冬斗亜紀さんなので慣れていたというのもありますか、内容はハードながらも読みやすいように感じます。

**********************
プロフェットは元海軍特殊部隊員(ネイビーシールズ)で、今は昔からの知り合いのフィルが経営する民間傭兵会社(EE社)のエージェント、31歳。
目の病に侵されながらもそれを放置し、死に急ぐかのように生きる男。

元FBIエージェントで、その後は保安官補だったトムは36歳。
ケイジャン(南部のフランス移民系コミュニティ)出身で超常的な勘を持ち、プロフェットのパートナーとしてフィルにスカウトされ故郷を離れました。
**********************

表紙の金髪がプロフェットで、刺青がトム。
最初の印象ではプロフェットの方がイカれていて周囲に嵐を巻き起こしているように見えましたが、トムの方が乗り越えにくい過去を抱えていそうに感じます。
というのは、プロフェットの方はまだわかりやすいものが原因であるから。(すべてはまだ次巻へ続く!なのでわかりませんが)
幼馴染みであり戦友だったジョンの生死や国に与えられていた任務、その任務による心と体の傷、そして敵。
目に見えるもの、触れるもの、そして倒せるものが対象であるのに対し、トムの方は能力による苦しみ、そして言葉や憎しみが相手で、それに対抗するために乳首や局部にピアスを施しつねに己を痛め続けるという壊れ具合。
二人ともが過去に痛みを抱え、かつ、もう隣に並ぶ者は作らないと心に決めているのですが、それは過去に並んだ者を亡くしているからなのかなと。
最初の絡みはプロフェットが受けでしたし、序盤に感じた『危なっかしいプロフェットを年上のトムが見守る』系に思えたわけですが、これが徐々に逆転し、寝ても関係が変わらず読めないプロフェットの腹の中にヤキモキするトムや抱かれるトムなどを読むと、完全に立場が逆転してます。
特に戦場では完全に経験が違いプロフェットがベテランですし、プロフェットの敵との対峙でもトムは足下にも及びません。
プロフェット、すごいカッコ良いです(苦笑

ちょっと困ったのは、口調が二人とも似ているためにこのセリフはどっち?とつねに考えなければならず読むスピードがかなり落ちます。
プラスして時折プロフェットが見るジョンの幻影が喋るのですが、これもまた雄なので…
ただそんなのは置いておけるくらいヤバイです、早く先が読みたいー!
この気持ちはBLの萌えとはまた別で読み物としてのものなのですが。
次は来年6月予定だそうです。
今まで翻訳されているM/M作品の中ではトップクラスの雄度で、しかもいわゆるボーイズラブ的な萌えはもしかしたら皆無かもしれません。
お互いが寝たのはラブからではないですし、最後まで相棒愛と恋愛との境が引かれておりません。
なので翻訳M/Mとして初めてチャレンジし読まれるとしたら、お勧めしにくいというのが正直な気持ちです。
ただ軍や事件系の海外ドラマがお好きであったり、求めているものが一般的な萌えではなくリアルな男同士な物でしたらお手にとってみてもよろしいかと。
個人的には神評価は『読み返したい!』と思った作品につけているのですが、こちらはそういうことでなく、翻訳なので文章の上手い下手は直接的にはわからないもののとにかく凄いなと思わされたので。
体の関係が男同士だからM/Mの枠なのでしょうが、これは男女ならば普通の一般ハードボイルドとして読める作品でしょう。構成のぬるさがまったくなく完成度に唸ります。

15

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