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aoharu cynical
終電エレジーを見てとても面白く、今回も楽しみにしていたのですがやっぱり最高でした。
終電エレジーでは告白をして付き合うまでの短編が入っていたのですが、今回は告白をして、恋に気付いて、そして付き合ってからのエピソードなんかもあり、あれ?まだこの話続いていいの?!やったー!みたいな見方なんかもしたりしました(笑)
実は私はガチレズなのですが、そんな自分が嫌で、なんで同性に恋しちゃうんだろう、辛いだけなのに・・・なんてことを考えて悩んでいたんです。そんな時にムノさんの作品に出会い、どの短編も心にジーンときて、登場人物の感情に共感できたりなんかして、自分もこのままでいいのかなって思えてすごく気持ちが楽になりました。本っ当に感謝しています。
腐女子の方にはもちろんですが、同性愛者の方にもオススメの本だと思いました。
■感想
本書には「アオハルシニカル 前・後編」「インスタント・モーメント 前・後編」「屋根裏のスピカ」が収録されています。
アオハルシニカルは個人的にグッと心を掴まれた作品です。キャラクターの境遇が自分と同じで、いつも以上に感情移入してしまったんだと思います。
いじめられっ子の性格や思考回路を良く理解して描かれている作品だと思います。そんな彼にヒーローが現れるのですから、最高の展開です。
インスタント・モーメントはストーリーと場面展開のリズムが良く、軽快に読める作品に仕上がっています。
屋根裏のスピカは少々ストーリーのテンポが勇み足な所が引っかかりますが、高校生の男の子の実直さに心を打たれました。
既刊「終電エレジー」よりさらにグレードアップしたムノさんワールドを堪能できましたので、評価は「神」とさせて頂きます。
かわえー
すごく好きな短編集でした。
3編からなら1冊なのですが、全て好きなお話でした。
特に、2編目が良かったです。
大学生同士の溝口と成瀬は、成瀬が転がり込んでくる形で同居している。
成瀬はゲイであることを公言しているが、1年以上何もないまま上手く同居を継続していた。
ノンケのはずの溝口は、徐々に成瀬が気になりだし…
実は、成瀬は同居前から溝口が好きです。
それをずっと隠しながら友だちを続けてきた。
溝口が自分の事を好きだと知り、照れて照れてぎこちなくなってしまう。
この成瀬が可愛くてー
恥ずかしがり屋で健気なツンデレちゃんなんですよね。
これから進展していくんだろうな…というところで終わってしまうのでちょっと、寂しいのですがとても可愛かったです。
いつまでも見守りたい2人でした。
◾︎アオハルシニカル
歪み度がめちゃくちゃ高いのに、可愛い絵柄でしれっと描かれてしれっと終わります。
描き下ろしが可愛さ全開でとても良いので、ムノ先生はストレートに可愛い作品の方がしっくりくる気がする。
◾︎インスタント・モーメント
可愛いな〜
可愛いしくっついたから許せるけど、間借りしてる身でバンド仲間を呼んでドンチャンやるのはどうなんだ。
◾︎屋根裏のスピカ
直が叔父であるさとるのことを好きになった理由はよく分からないものの、全体的な雰囲気が好きでした。直くん魔性!
全体的に優しくて、ほのぼのとしたお話でした。
初期の単行本ですし、どのお話も短いので仕方ないと思いますが、ムノ先生の物語独特の雰囲気は少し薄かったなあという印象です。
一番先生っぽさを感じたのは、表題作です。
ちょっと変わった受けと、その受けを受け止められるだけの器を持つ攻め。
この特徴が顕著に表れているなあと思いました。
ただ個人的に、この受けが最初に攻めにした言動に違和感を感じてしまったので、一番好きなんですが少し読むのを躊躇ってしまう面もあるお話です。
残り2作品は、ほのぼのとして安心できるお話ばかりでした。
ちょっと荒っぽいペンタッチが好みで、可愛い絵柄だなぁと思いました。
表題作はいじめられっことそれを助ける同級生のお話です。
最初から主人公がこのいじめられっこを好きなので…正直どこを好きなのか?という部分は疑問でした。
しかしストーリーは少々変わっていて面白かったです。
ずっといじめられていたせいで「人を征服する」ことでしか好意を受け入れられない。そんな彼と真面目にお付き合いをしていくのは大変そうです。
この子の思考も不自然といえば不自然な気もしますが、単純な学生同士の恋物語に収まっていなくて楽しめました。
主人公がちょっとヘタレ気味なので、もっとガツン!といっても良かったんじゃないかなぁと思います。
「インスタント・モーメント」
ゲイの友人を居候させている大学生のお話。
このお話は、表題作にくらべて当たり障りがなさすぎて、これと言った感想が思い浮かびません…申し訳ない。
何と言うか、収まるところに収まったというか、とくに難もなくあっさりしすぎていて「この設定にてこのラスト」という万人が思い描くストーリーになってしまってる気がします。
こちらのお話はもう少し展開があってもよかったと思います。
表題作はよかったと思うのですが、全体的に印象に残らない作品が多かったので物足りない、勿体無いような気分になりました。
腰乃さん推薦の帯につられて購入しました。
が、帯買いは危険だと知りました。
表題作は、いじめられっ子の安森君と、同じクラスの竹見君。
安森君はいじめによって、人間関係は上に立つか服するかのどちらかしかないと思い込んでいる子で、助けてくれた竹見君に対してもなかなか上手く接することができない。
サラッと描かれてますが、安森君の闇の部分はもっと深いと思うんですよね。
噛み合わない二人のやりとり、心理的なかけ引きがもっとあっても良かった。
安森君の歪みがえらくあっさり取り除かれて、あっけなかったです。
全編通して、なだらかに無難な感じで終わるので、印象に残るものが特に無かった。
個人的には物足りなさがありましたが…ガトーさん出版らしい作品です。
柔らかい、ハッピーエンド好きさんにはおすすめだと思います。