シンデレラの誘惑

不幸にも負けない真面目で清廉な受けが良いです

この作品もシンデレラストーリー系だと思うのですが、お金持ちの王子様に
愛され幸せに甘やかされる展開とは少し違って受けになる利也があくまでも
控えめで清廉で勤労意欲があって前向きな所が好感が持てるキャラでした。

攻めになるイリヤとは、大学を卒業して就職した建築会社が直ぐに倒産し、
失業してしまうのですが、不幸はそれだけに留まらず倒産した会社の経営者に騙され
5千万もの借金を背負わされ更にアパートも取り壊しが決まり出て行かなければならない
付いていない時はとことん付いていないを行っている利也。

両親も既に事故で亡くなっていて天涯孤独、誰に頼ることも相談する事も出来ず
自宅近くの公園で当方に暮れながら、ふと気が緩み涙してしまう。
そんな時に目の前に現れたのが自称占い師のイリア、金髪の豪奢なイケメンで
純白の衣装に紫のスカーフを頭からかぶっている得体のしれない感じなのですが、
優しく話しかけられ、赤の他人だけど悩みを聞いてもらうだけで心が救われる。
そして、別れ際に占いでのお告げだと言われた場所にイリアから貰った
スカーフを持っていた所、見知らぬ男性に声をかけられ仕事まで貰う事になる。

利也が自力で頑張り、再会したイリアに今まであったことや仕事の事などを話
何度か会ううちに一人で頑張って来た利也はイリアと会えることだけが
心の底から楽しいと思えるようになり、更にイリアから口説かれるようになり、
イリアに応えたと、幸せな恋人が出来たと思っていた翌日には最悪な事態になり、
利也がとても可愛そうでしたね。
信じていた相手に結果的に騙されるのですが、それは利也の事を思えばこそですが、
身分差やイリアの側近からの誤解をストレートに受け止めイリアの前から去ろうとする。

そこでイリアが利也相手に誠心誠意気持ちを伝えてハッピーかと思ったら、
立場がバレたことで、占い師だと言っていた時とは違い支配者としてオレ様系に変化、
最後は力技で利也を手に入れる傲慢さなのが読みはじめの印象とは違い意外性が
あったように思えます。
でもラストの方はもう少し、利也とイリアの心のつながりを見せて欲しかったかな。