恋と戦争~後宮にひらく薔薇~

koi to sensou

恋と戦争~後宮にひらく薔薇~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×23
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
3
得点
30
評価数
12
平均
2.8 / 5
神率
8.3%
著者
鈴木あみ 

作家さんの新作発表
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イラスト
香坂あきほ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
恋と戦争~前火に堕ちる騎士~
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784796404259

あらすじ

ドレスで着飾られ後宮に囚われの身となったカレルは、夜ごとレオンハルトに抱かれるようになり…!? 激動ロマンス完結編!

表題作恋と戦争~後宮にひらく薔薇~

レオンハルト 王の政敵
カレル 王の愛妾

その他の収録作品

  • あとがき 鈴木あみ
  • あとがき 香坂あきほ

レビュー投稿数3

永すぎた両片思い

 はいまーと・ろーぜ以来久々の鈴木あみさんの長編ヒストリカルロマン。
 舞台は前篇の中~東欧辺りの王国から後編では中近東っぽい帝国の後宮に移ってゆく  が、主人公カレルとレオンハルトの関係性はむしろ花降楼の蜻蛉と希蝶に近い。
 
 王国の宮廷で2人は政敵で、犬猿の仲と目されている。でも本当は少年の日の初めての 出会いから10年以上もお互いのことだけを想い続けてる。
 花降楼の2人を縛るのは苦界の掟だったけど、こちらの2人の間には王という絶対的な 権力者が立ち塞がっている。
 
 カレルは孤児だった自分を拾ってくれた王を父とも神とも崇め、忠誠を誓っている。
 体は王の伽に差し出すためのもので、自分の自由にはならない。唯一の支えは「心の底 で勝手に想うだけならだれを想っても自由」というレオンハルトへの恋心だった。
 
 一方のレオンハルトは大貴族の嫡男で、美貌にも武勇にも恵まれた宮廷一のモテ男。
 でも王権に阻まれてカレルだけは手に入らない。戦場の混乱に乗じて隣国の皇子にな  りすまし、攫ってきたカレルを後宮に囲うという暴挙?に出る。
 
 長年想い続けてきた相手とようやく身体を重ねて、そこから伝わってくるものだけ信じ ていられれば幸せなのに。お互い、相手には別に本命がいると誤解したままなので素直 に酔ってしまえない。

 前後篇500ページを超す大作だけど、誤解が解け、2人の想いが本当に通じ合うのは 最後の30ページを切る辺り。いくらなんでも引っ張りすぎ、もうちょっと早くなんと かならないのかと読んでる方は焦れるけど、生い立ちからくるカレルの性格を思えば解 らなくもない。

 最初からカレルには何にもなかった。親も、身分も、財産も。頼みの綱は王の寵愛だけ だけど、それがどんなにあてにならないものかは身に染みている。身体も、権謀術数も 使えるものは何でも使ってのしあがってきたけれど、周囲には蔑まれ、心を許せる味方 もいない。

 常に最悪を想定して、それを必死に回避することで生き延びてきたようなものだ。どう して明るい未来図なんか描けるだろう。後生大事に抱えてきたレオンハルトへの恋心だ って、万に一つもかなうとは思ってなかった。
 生まれながらにして「持ってる」男のレオンハルトには、その辺りを解ってやれよと言 っても難しかったかもしれない。でも2人の想いがもう少し早く通じ合っていれば、そ れこそ手に手を取って駆け落ちでもなんでもして、少なくとも何度かの戦争は避けられ たのではないかと思う。(王や皇帝にとってのファム・ファタルって国民にはただの大 迷惑 )
 レオンハルトは「釣った魚に餌はやらない」の真逆で、釣った魚が窒息するぐらい愛情 を注ぎまくるタイプのようなので、末長くカレルを甘やかしてやってほしい。「手はこ こ」「いい子」のやり取りが好きだった。

 個人的には満足の読み応え。鈴木あみさんにはもっとこの路線で書いてもらいたい。
 惜しかったのは挿絵。せっかくのコスチュームロマンなのだから、豪華な衣装や宮殿内 部を手抜きせずに描写してほしかった。はいまーとの夢花李さんの絵も愛らしかったけ ど、カレルとレオンハルトは葛西リカコさんとか、笠井あゆみさんとかの絵で見たかっ たなあ・・・



 

 

 
 
 
 
 
  
 
 

1

すれ違いが拡大してる

まさかの上下巻だと思った作品の続編、後半部分は、戦場で死んでしまったと思った
攻め様が実は生きていたと言う所から始まります。
まぁ、この辺りはお約束、攻め様が死んで後編だとかなり趣が変わりますものね。

そして今回も続編ながら前作同様厚さ十分で、折角再会した二人なのに、やっぱり
どこまで言ってもすれ違う、すれ違う。
五分の一くらいまで読み続けてもすれ違う、それに、死んだと思っていた相手が敵国の
皇子になっていたり、受け様が寵姫として監禁同然にされたりしながらも、
どこかで互いを思い合っているから甘さもあるのです。
そして、恋情とは違う、王への忠誠心とそんな王に対して攻め様を守る為に咄嗟に
受け様は取り返しのつかない行動を起こしてしまう。
そして王からのお前もあいつを選ぶのかと言う言葉が意味するものはなんなのか?
ラストで明かされる王の真実は哀れで切なかったですね。

主役二人は相愛なのが読者には解るので、どの段階で思いが通じ合うのかと思いながら
読み進める訳ですが、結局は悲しき王が二人の仲を結びつけるような皮肉な結果でした。
受け様にとっては若干心残りがある結末だったような気がしますね。

2

後宮ですか・・・

前編『恋と戦争~前火に堕ちる騎士~』が、個人的にまったく受け付けなかったので、あの終わり方にも関わらず(興味なくて)なかなかこちらを読む気になれませんでした。

そういうわけで今頃レビューです。発売と同時に買ってたのに・・・(2冊読むのにトータルでほぼ2カ月かかったよ)

表題作は前編同時収録作の続きなんですが、こちらは舞台がアラブ(トルコ)風の後宮になってます。

イヤもう、前編と後編でまるで別作品かって感じでした。
後宮で書きたかったようですが、それならこんな無理矢理な展開にしなくても最初からそういう設定で・あるいは仕切り直しで別に書けばよかったんじゃと思ってしまいました。

でもとにかく、前編でもそうでしたがキャラクターがまったく好みじゃないですね。

レオンハルトの振り幅の大きい(不安定な)キャラクターもですが、何よりもツン過ぎるカレルがすごく苦手。根は健気っていう設定自体が陳腐で余計ダメでした(もちろん好みのタイプだったら、そのありがちささえ逆に嬉しかったと思う)。

もうひとつ、カレルの部下のメルの思考回路が完全に女官だろ・・・とげんなりしました。
カレルが自分の意向にかかわらず後宮に囲われて女装させられて~という流れ自体は別にいいんですが・・・

とにかく2人の『誤解とすれ違い(両片想い)』があまりにもしつこい!
切なさの演出のつもりなんでしょうが、やり過ぎで興醒めもいいところです。

すれ違いが切ないとか先が気になるというよりも、あまりにもワザとらし過ぎてイライラし通しでした。あ~気分悪い!

そのわりに(というかその分?)収束があまりにも簡単過ぎる。そこまで引っ張る必要あったのかと思うくらい安易な気がしました。

さらに、王の事情も『あ、そう・・・』程度にしか感じられませんでした。あっさり殺して『こういうわけでした』って言われてもなあ。
まあメイン2人のラブの障壁役としては便利なキャラクターでしたね。

ドラマティックなファンタジーというより、思わせぶりで胡散臭い安っぽいストーリーとしか感じられませんでした。
ただひたすらに退屈でつまらなかった。なんでこんなもの読まされるのかとうんざりしました。

ひとことで言えば、もう何から何までとことん好みじゃないってことです。

鈴木さんは作品によって個人的に好みがハッキリ分かれるので、新作が出るたびにいつも悩むんですが、もう『好きなシリーズ』以外は無視しようかな~という気になりました。
もし次に鈴木さん(のお気に入りシリーズ以外)を読むことがあっても、もう何も期待しないようにします。

そして、やっぱりイラストが非常に残念でした。

3

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