The Barber(2) The Cop -ザ・コップ-

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The Barber(2) The Cop -ザ・コップ-
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×23
  • 萌6
  • 中立3
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
5
得点
38
評価数
15
平均
2.9 / 5
神率
6.7%
著者
水原とほる 

作家さんの新作発表
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イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
The Barber ~ザ・バーバー~
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784199006890

あらすじ

色恋よりも事件が大事??そんな殺人課の刑事・正田(しょうだ)と恋人未満の関係にある、高級理容室店長のハル。どんなに自分を貪っても、普段はろくに会いにも来ない正田に、ハルの焦燥は募るばかり。ところがある日、連続通り魔事件が発生!! しかも捜査で関わっている科捜研には、野性的で一匹狼の正田を飼いならす、元同棲相手がいるらしい!? 疑念と嫉妬に、ハルの心は激しく揺れて…?

(出版社より)

表題作The Barber(2) The Cop -ザ・コップ-

湾岸署の殺人課刑事 正田剛
会員制理髪店オーナー 如月雅青

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数5

きぬぎぬにはエッグベネディクトを

「ザ・バーバー」の続編です。

身なりを構わない一匹狼の刑事・正田に惹かれる高級理容室店主・ハル、だが。
前作の事件が解決した後連絡が無い。
ハル自身も正田とは恋人同士なのか、この関係性に名前が付けられない。
パトロンの陳の存在を超えるような相手はハルにとっても初めてで、自分でも心を持て余すハル…
…という前置きがあっての。
なんと正田の方にも離れ難く絡み合った複雑な絆を分かち合う男がひとり…!
そしてまた新たな連続通り魔事件が起きて…

本作は、この事件とハルの心の揺らぎ、陳の焦りと怒り、ハルと正田がどう進んでいくか、が描かれています。
特に、陳とハルの関係性の変化が読みどころなのかな。
これまでの恋人たちとは、陳の存在が前提で続けていた。陳もおおらかにハルの恋を黙認していた。
しかし正田は違う。
正田との恋は、陳からの卒業を意味します。
その上で、自分と陳、そして正田と毛利の切っても切れない絆、そこを踏まえてのもう一段深まる恋愛を描いているのが本作のキモ、と言えるのでしょうか。
陳との訣別を覚悟してのハルの想いは結局陳の怒りと喪失感を超えて、陳はこれまで通りの支援を続けつつハルが自分から巣立っていくことを認めるしかない。
正田はハルの新たな次元に相応しい男。
これからもただ甘いだけでなく、ある時はぶつかり、ある時は突き放されて、それでも向き合う2人でいられるのでしょう。

0

三角関係?四角関係!?

会員制理髪店の若いオーナー・ハルと、事件を通して知り合った刑事の正田、そしてハルの父であり兄でありアドバイザーでもある陳との三角関係が実に不思議な1作目だった、その続編。
この三角関係に決着はつくのか?
題名が「ザ・コップ」なんてつくから、またハルが事件に関係して今度はサスペンス要素の濃いお話になるのかな?
と思いましたら題名とは打って変わって、確かに事件は存在しますが、ハルと正田が本物の恋人になる話が主軸となっていました。
ただ、この三角関係はやはり自分的にはすごく萌え要素なのです♪
特に陳という存在が自分的にはお気に入りだったりするのですw
しかも今回、正田が刑事を目指すきっかけになった話が出てきまして、そしてハルがライバル心を燃やす、毛利という科捜研の男性も登場しまして、すわ!?四角関係?
・・・ではなかったのですが、まあ順調に収まるところに収まったというところでしょうか。

正田と体の関係を持ち、ハルは陳に呼ばれれば会いには行くが体を重ねることはやんわりと拒否するように。
正田の気持ちを知りたいと思うようになる。
しかし、連続通り魔殺人事件が発生し、それの追い込みでなかなか二人は会うことができない。
正田の仕事上のペアである福井はハルの右腕の文也が気に入ってしばしば店に訪れる、その中で正田の話を聞いたり、事件の概要を知ったりする。
その恋人としての逢瀬ができない間に、ハルは家族との和解と陳との関係を見つめ直し、そして、本当に欲しいものを決めることになる。

特にこれといったドキワクする展開があるわけではありません。
むしろ、どうしてハルはそんなに正田に、何もかも持っていて、そして自分を理解してくれる陳より惹かれるのか?
陳より正田を選ぶのか?その決定打はよくはわからない。
感じたのは、ひょっとして本当の意味でのハルの独り立ちなのかな?って
彼の親子関係の話もあって、全体を通してのテーマがそこにあったような気がします。

ハルは魅力的な男性です。
ともすると、女性に置き換えるとすごく有能なクラブのママ的な感じも受けはしますw
あまり男性という部分は感じないです。
セックスには貪欲です。
陳との関係の「仁義」の部分に迷いはしますが、きちんと陳のそこにある「愛」を知った上で、正田を選んだ部分は潔いかと思います。
しかし、陳、、、この人いいキャラなんだよな~出番少ないけど♪
むしろ、正田がよくわかりません(汗)

毛利というハルにとって嫉妬の対象になる存在は登場しましたが、彼と正田は実際のところ、どうだったんでしょうね?
ちょっと気になる存在ではありましたが。

今回もそつなく、綺麗にまとまってます。
ただ、起伏には乏しいので、三角関係の面白さに興味がわかなければ、スルーしてしまうお話かも?と危うい部分は持った本作だったかな?という印象です。

5

お待ちかねの続編

前作では面白いけれど、ここで終わらないでよぉ~なんて思いから中立評価を付けた作品。
そして今回は一応の決着を見せて、恋人同士になれたラストになっていたので
前作のようなモヤモヤ感は無かったと思えるような作りになっていました。
前作では受け様のパトロン的な相手を入れた三角関係の展開で、互いに惹かれながらも
受け様がパトロンとの別離を考えてまでの恋と言う形にはなっていなかった。
まぁ、今までとは違う恋人候補で、1番の違いは受け様のパトロンの事を歴代の恋人は
渋々ながらも認めてきたけれど、今度の攻め様はそんなことを許すような相手では無く、
受け様は今回初めて、本当に欲しい相手を見つけてしまった事からパトロンとの事を
真剣に考え、そして身体の関係もある保護者みたいな深い絆のパトロンが受け様を
本当はどう思っていたかを知りことになり、板挟みのような思いを受け様がします。

それに付け加え、攻め様の方にも、いわくアリの人物が現れてしまいます。
この相手も攻め様と切っても切れない、深い繋がりのある人物で、まさかの4角関係。
今回も事件を背景にしながらそれぞれの思いが交錯するような内容でしたが、
取りあえずは、受け様は親離れして、攻め様を手に入れ、攻め様の義兄弟的な相手にも
了承してもらっての恋人関係になるお話です。

ただ、やっぱり気になるのが、受け様のパトロンさん、取りあえずは受け様の為に
二人の関係を許しているけれど、心から歓迎している感じでは無くて、やっぱり大人の
仮面を付けているだけのヤンデレ気味な執着は健在。
そして攻め様の兄弟みたいな繋がりの相手の気持ちも何故か靄があるように思う。
好きだけれど、過去の因縁的なものから恋人にはなれなかった相手。
受け様と昌光、攻め様と毛利、お互いが恋人以外の深い繋がりを持つ相手がいて、
これから先も絶対縁が切れる事が無いと言う設定。
今回は程よくまとまっている内容ですが、いつ均衡が崩れてもおかしくないかもなんて
思いながら読み終えました。
前作と上下巻で同時発売だったならこれで終わりは完ぺきだと思うけれど、
今作を読み終えると、次に何かあっても不思議じゃないかもと思えるストーリーでした。

5

思い通りにならない恋だから…

体を重ねた事実はあっても
正田から甘い言葉を聞いたわけでもなく
二人の名前のない関係に焦れるハルは
普段通りお客様に最高のサービスを提供すべく
集中しようとするのですが
正田に会えない寂しさは紛らわす事が出来ません。
そんな矢先、また事件が発生してしまい…。

ハルほど美しくて余裕のありそうな男でも
正田に心を奪われ切なくなる様子がツラかったです!
昌光さんにはこれまでずっと底が無いような愛情を貰っていたから、
望んだように進まず満たされない気持ちが増すんでしょうね…。
どんなことも優しさで包んでくれる昌光さんより
正田を欲してしまうなんて、
ハルが理解できるようなできないような…ww
昌光さんの見せる執着心が思いのほかぐっと来て、
つい感情移入してしまいました。

科捜研の毛利という男がハルを脅かす存在で、
正田といる二人の自然な雰囲気がこちらにもなんとなく伝わり
そういうの見せられるとキツイだろうなぁ…。
牽制し合うような、病院でのやりとりにハラハラしてしまいましたが
もうちょっと続けて欲しい気にもなり
わりと全体的に複雑な気持ちで読みました。

ハルが両親と和解した事も自身の右腕と信頼している文也の恋も
嬉しいエピソードも勿論あったので
安心しながらドキドキさせていただきましたww

事件については、前作より日常的な感じで読みやすく
推測するハルの勘に感心しつつ
犯人の動機を考えるとやるせないです。

正田とハルがようやくしっかり結ばれるシーンは勿論のこと、
翌朝の正田の意外な面が楽しかったです!
エッグベネディクト食べたい……。

続きがあってもおかしくないようなラストだったのですが
昌光さんが本当に手を引いてくれたのか
科捜研の毛利もちゃんと納得してくれたのか気になります!
萌×2寄りの萌えで☆

5

紫の上が光源氏以外に恋をしたらこうなるのかも

「いやいや、スリリングな終わり方をするもんだな」と感心した完結編。
こちらも、電子書籍には、あとがきはあれども挿絵なし。

事件は相変わらず起きるのですが、そちらがむしろ添え物的な感じです。
なんと言っても驚きなのは、正田にもいましたよ。因縁のお相手。
「はぁ……(溜息)そういう人ね」ってなもんです。
なかなかこの絆は断ち切れんでしょう。
おまけに今作では、バーバーとして生きていくことに反対し疎遠になっていた如月の父親が倒れちゃって、家族の関係修復をする中でも、陳さんに感謝する如月の想いは増幅するばかり。

感謝の念を持つことや、仕事で『同じ方向を向いている』という連帯感と、全く違うところに二人の恋愛があるのだなぁ。
育んでいく恋愛ではなく、嵐の様に恋に落ちる。
全く理性とは関係ないところで。
そういう物語でした。
だからお話が終わっても、四人の関係は不安定なまま。
陳さんがとても良い味を出していて、たまりませんでした。
『不穏な終わり方』が好物なので、私としては満足です。

全体を通して、何故だか『昭和』を感じてしまったんですよ。
『運命の恋』って平成時代(もうすぐ終わるけど)にはそぐわないのかも。

1

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