憂える姫の恋のとまどい

ureeru hime no koi no tomadoi

憂える姫の恋のとまどい
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×29
  • 萌8
  • 中立0
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
5
得点
70
評価数
21
平均
3.4 / 5
神率
9.5%
著者
黒崎あつし 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
テクノサマタ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
悩める秘書の夜のお仕事
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784344825529

あらすじ

祖父の手により「売られた」朔がロシアの富豪・ヴィクトルに引き取られて数年。朔は彼のたった一人の恋人になりたいと願うが…。

(出版社より)

表題作憂える姫の恋のとまどい

ヴィクトル・ゼレノイ,ロシア企業重役
奥野朔,14~20歳,ヴィクトルに引き取られた日本人

同時収録作品いつもの週末

風間仁志/会社社長の三男で専務取締役
橘聡巳/生真面目な攻様の秘書

レビュー投稿数5

大好き変人攻め登場!

ヤバイ!ヤバイですー!
新たに胸を鷲掴みされてしまいました!
こちら『悩める秘書の夜のお仕事』のスピンオフですが、わたしはそちらはまだ未読です。
でも問題なしです。
わたしにとって黒崎さんは読みやすい作家さんではありません。
でも!検索でヒットしてビビビッときました!
わたしの変人レーダーが!

********************
受けは祖父によって、義務教育が済んだら好色な男へ売り飛ばされる(鬼)ことが決まっていた、朔。
どこか人形めいた美しさを持ち、黒髪を長く伸ばす少年。

攻めは、祖父の元より朔を救い出した金髪碧眼のロシアの大企業重役、ヴィクトル(ヴィーチャ)。
ゲイであることを公言しており、朔のことは出会った時から『カグヤヒメ』と呼んでいます。
********************

14歳ですでに自分の行く末の不幸を諦めていた朔でしたが、目の前に突然現れたヴィクトルによって運命が変わります。
そのままロシアの豪邸へと連れて帰られ、そこで朔は人間らしい生活をやっと送れることとなりました。
朔が14〜20歳、ヴィクトルが20代〜30代の間が書かれています。(ヴィクトルの年齢ははっきりは書かれていなかったと思うのです)

当初ヴィクトル自身は朔を連れ帰ることにさほど深い理由があったとは思えず、ただ、子供に同情したのだろうとなと思います。
朔は小柄で、10歳程度に見られていたようなので。
連れて帰りはしたけれど(買ったわけですが)、特に朔に何かさせようということももちろんヴィクトルにはなく、そのまま仕事で屋敷になどたまーにしか戻らない始末。
ただそんな何を考えているのかわからないヴィクトルへ、朔は四年の間に恋心を募らせ毎日帰宅を待ちわびる日々を過ごします。
そんな朔が18歳になった時、朔はヴィクトルへ直接交渉に出るわけです…

わたしは元々が攻めキャラ重視で受けにはさほど興味がないのですが、今回は特にそうなってしまいました。
だってヴィクトルがあまりにわたしの好き攻めキャラだったので!
天然というか、王子様みたいにカッコイイのに中身はちょっと変な人というのがずば抜けて好きなのですが、なかなか巡り会えないのですよ。
ただ、わたしには最高なヴィクトルも、地雷な方には地雷であろうし苦手だとおっしゃる方もおられるかと。
ヴィクトルはとにかく自分自身の欲が薄く、一人に決めてつきあったりということがありません。
朔と体を重ねた後ももちろん他の人間と寝ますし、しかもその話を朔へし「それでもやっぱり君が一番だよ」なんてベッドで言うわけです(苦笑
こういうのって受けキャラ重視で読まれる方には、かなり許せないのだろうなあと思いますね。
でもこれだってヴィクトルの言い分はとしては『朔がニコニコして聞いていたから、まさか嫌だとは思わなかった』というものですし、朔は朔で『嫌な顔して嫌われたくなかった』という、思いっきり言葉の足りてないふたりで、どちらの考えに共感するかで読み方が違うのだろうなと思います。
わたしは、そういう一つの人や物に執着しないどこか諦めている無欲な攻めはもうクラクラくるほど愛しているので、幸せでしたー!
こういう攻めさんが、初めてたった一人に欲を持つお話は最高です。
評価を神にしていますが、それもすべてヴィクトルのためであって、申し訳ありませんがお話自体のことではありません。
朔も健気受けとはまたちょっと毛色が違いますし。
日本人らしい健気受けではなく、ちょっとある意味したたかさのある受けですね。
ヴィクトルの一番であり続けようとしていた時もそうですし、ヴィクトルの元から去った後のヴィクトルに対しての決意表明も。
あの気の強さと主張は外国人のようでした(笑

この作品、イラストはテクノサマタさんなのですが、表紙も口絵も挿絵も神だー!
しかも表紙だけ見ると『コ○ルト文庫ですか?』という、収納にもレジにも優しい。
本当にうっとりするくらい、テクノサマタさんの描かれるヴィクトルが素敵なのですよー!
わたしはそれを見れただけでも満足しております。

3

かぐや姫が月に帰った時にホントの恋が始まる

前作の「悩める秘書の夜のお仕事」のスピンオフ作で、書下ろし短編には前作の二人の
甘々な休日も読める2倍のお楽しみ作品です。

前作の受け様を誘っていたヴィクトルが攻め様で登場しているのですが、攻め様が
可愛そうな日本人の子供を助ける事からお話は始まります。
相手役が14歳の朔で、とても複雑な家庭環境で育っている男の子なのです。
祖父からは多情で淫乱な母親が誰の子供か分からない受け様を身ごもりその挙句捨てて
出て行ったと言われ、祖父の愛人の女性の子供として育てられ、屋敷離れの奥で
ひっそりと虐げられて暮らしていたんです。
そして義務教育が終わるまでは家に置いてやるがそれ以降は売り飛ばすと言われ・・・
ほんとこのクソジジイって下品な言葉で詰りたくなる程実の孫に対して非道の限りを
尽くしてるのですが、後半でもっと鬼畜で人間じゃないと思わせる内容が出てきます。

そしていよいよ売り飛ばされる前日に一人離れの庭で月を見上げていた受け様はとても
綺麗な外国人の攻め様と出会う、その人は受け様見てカグヤヒメと呼びながら微笑んで
受け様はその姿に見惚れてしまうのですが、相手が話している言葉が分からなくて・・・
でも最後に攻め様から片言の日本語でオネガイと言われ、訳も分からず頷いてしまう。
そして受け様はどうせ売られるなら攻め様みたいな人だといいのにと思ってしまう。
そして運命の日に受け様を買い取った人が攻め様だと知り受け様は喜んでしまう。

子供の売買なんてやからだからショタでそのつもりで買ったのかと思ったら受け様の
可愛そうな境遇に怒りを覚え、受け様を助け出すつもりでロシアに連れ帰ったのです。
攻め様の大きなお屋敷で言葉も解らない受け様もそのつもりで買われたと思っていたが
それが誤解だったと知り、逆に残念に思ってしまう。
それは受け様にとって攻め様は初恋の相手になっていたんです。
18才になり、受け様は自分の意思で攻め様の恋人になりたいと自分から抱いて欲しいと
願いますが、しばらくは攻め様と恋人同士になれたと有頂天の受け様ですが攻め様には
自分の他にも沢山の恋人がいる事実を知ってしまう。
でも受け様は攻め様に嫌われたくなくて、嫉妬や寂しさを押し殺し、攻め様の望む
カグヤヒメと愛でられる存在でいようと努力するのです。

これだけ読むと攻め様がかなり酷い感じなのですが、この攻め様は憎めない天然さんで
余りに恵まれた環境ゆえに人や物に対しての執着が低くて飽きっぽいのです。
でも受け様だけはかなり特別にカグヤヒメと呼びながら可愛がっているのですが
恋人としてではない事に受け様は気づいているが、苦しい心を押し殺してただただ
攻め様の側にいたいだけで耐えているんですよね。

後半で受け様が日本へある目的の為に攻め様にオネガイされてくるのですがそれも
受け様にとっては辛いことだったのですが、子供の頃の刷り込みで攻め様のオネガイは
なんでも聞いてあげたい病にかかっている受け様は目的を遂行します。
そんな時に受け様の出生の秘密が全て明らかになる事態に・・・・

可愛い人形のカグヤヒメから一人の攻め様を愛するものとして生まれ変わろうとする
受け様と、幸せだから、幸せを諦めると言っている攻め様との恋のお話です。
なかなか癖のある攻め様と意外に強かった受け様との恋の行くへは面白いです。

5

可愛いばっかりじゃなくて頑張る姫にエール

スピンオフ作品とのことでしたが、前作は未読です。
読まなくても単独で楽しめましたが、これを読むとで『悩める秘書〜』の方がより一層面白くなりそうだと感じました。

14歳の少年 朔の祖父は自分のいいなりにならなかった娘への腹いせに、娘が産んだ朔を取り上げ、怪しげなし好の男に人身売買目的に軟禁生活を強い、諦めきった日々を送っていた。ひどいおじいちゃんです。
そこに登場した王子様みたいなキラキラ輝くロシア人のヴィクトル。
日本人形のような美しい少年を買い何をするのかと思えば、身の上に同情して救い出してくれた恩人でした。
けれど、一目で好きになってしまった朔はいつ手を出されるのかとドキドキしながら待っていたのに一向に手を出されない。ロシアで成人となる18歳をすぎた時こっそり夜這いをするのでした。
ヴィクトルは「そんなつもりじゃない」と焦るかと思ったら、けっこう簡単に据え膳をパックリいただいてしまうのでした。
朔にしたら最初で最後の恋人のつもりが、ヴィクトルにはたくさんいる中の一番のお気に入りだと言いわれ切ない一方通行な想いを抱えていくことになるのです。
ヴィクトルという人は、資産家の家庭に生まれ顔も頭も良く努力も苦労もなしになんでも手に入るのが当たり前で一夜の情熱や暫しの快感を求める遊びの恋愛には事欠かない暮らしをしています。
両親亡き後資産目的に寄ってくる相手も多く本気で心をつなぐこともしあわせになることも諦めているのでしょうが、純情で初心な朔にとっては一生に一度の恋ですから、自分一人のものになって欲しくても言えないし、嫌いにもなれない辛い恋の始まりとなってしまいました。

そんな思いも知らず、ヴィクトルは出張後にはあちこちでどんなに素敵で情熱的な一夜を過ごしたかと語るピロートークを聞かされて、心の中で泣いても顔には出さずほんと健気です。
そして東京で出会った取引先の秘書に、一目惚れし口説いたがあっさり振られてもにご執心な様子。
社内であらぬ疑いをかけられたり困った立場に追いやられたらしいことも気になる。そのうえ上司に拉致され同居を強要されているのかも…といろいろ心配だから東京に行って調べてきてほしいというヴィクトルの願いを断れるわけがない朔なのです。
偶然を装ってお近づいになり、最近初恋が実り同棲し始めた事を聞き出しこれでヴィクトルの心配が杞憂だったことがわかれば即ロシアに帰国…が悲しい朔です。

そしてロシアへ帰国が決まったとき両親が朔の行方をずっと探していたと訪ねてきました。
祖父から身持ちの悪かった母親がどこの誰とも知らない男の子供を生んで朔を捨てて家を出ていったと聞かされていた朔には親に愛されていなかったつらい過去が嘘だったという真相が明らかになるのでした。

そうしたらヴィクトルは親の元に帰れというのが必定で、自分より必要としてくれる人がいたら身を引くというのがヴィクトルです。引き止めてくれないだろうという予想通り親の元に帰ったほうがいいというヴィクトルを置いて両親の元に行くことになります。

離れてみて初めてその人の大切さを理解したヴィクトル。
こっそりストーキングしてみたり…。

一方朔は、いつかヴィクトルのそばに行って役に立つようになろうと勉強しいかにしてそばに行けるか検討を始めます。
待ってるだけじゃないところがいいです。
月に帰ってしまったかぐや姫は努力家でした。

4

かぐや姫ですか・・・

黒崎さんらしい作品でした。ただし、私のあまり好みじゃないタイプの。決して悪くはなかったんですが、ストレートに『よかった!』というのもなぁ、という感じでしょうか。

黒崎さん、基本的には好き作家さんなんですが、ときどき『う~ん・・・』というのがあるんです。大抵はキャラクターなんですが。

スピンオフ元の『悩める秘書の夜のお仕事』が、私は攻のキャラクターがまるっきりダメだったので(ストーリーや作品自体は結構いいと思います)、続編なら読みませんでしたが、スピンオフならと思って手に取りました。
しかし、ヴィクトル(攻)がメインに来るとは想像もしませんでしたけどね。向こうではホントに脇(一応当て馬?)だったし、それなら他にもっと存在感のあるキャラクターがいたので。

キャラクターという点で言えば、こちらはまあよかったです。ヴィクトルはいろいろとダメダメでなんとも残念な男ですが、言うなれば『天然過ぎヘタレ攻』ってところでしょうか。まったく悪気はないし、根本的には『いい人』なんですね。

朔(受)は健気なのはいいんですが、不幸・不憫の背景(演出)がちょっとやり過ぎというか、そのわりにストーリーの終盤がどうもあっけないような気がして・・・ここまで重苦しい(気分悪い)設定を背負わせながら、このあっさりした収束は何!?と思ってしまったんですね。
もしかしたらこのあたりが、私が黒崎さんで苦手だと思う部分かもしれません。

ただ、トータルではホントに悪くないんです。いろいろ言ってはいますが、つまらなかったわけではないんですよ。少なくとも『悩める秘書~』よりはずっと好きです。

あとは、テクノさんのイラストがとても綺麗で素敵でした。

1

ギリギリ良かった

黒崎さんは結構好きな作家さんで、
「悩める秘書の夜のお仕事」が何とも好きで何度も読んでおり、
リンク作品ということで、この作品がずっと気になっていました。
ただ、なんかお稚児さん?的なお話に思えてしまい、
なかなか手が出せませんでした。

祖母に売られた朔と買ったヴィクトルのお話。
買われたというお話なので、読みながら、
「朔がお人形さんのような存在で、意思のないお稚児さんものだったら
嫌だな・・・」と怖々読んでいましたが、
しっかり楽しめました(笑)
ヴィクトルが何ともな性格ではありますが、
朔がしっかり芯のある子だったので、良かったと思います。

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