繰り返される悪夢は、ここで断ち切る――。リンク作「金曜日の凶夢」稀代のバイオリニスト・紀ノ川と新城の競演も収録!

火曜日の狂夢

火曜日の狂夢
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神11
  • 萌×214
  • 萌10
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
10
得点
142
評価数
36
平均
4 / 5
神率
30.6%
著者
夜光花 

作家さんの新作発表
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イラスト
稲荷家房之介 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
水曜日の悪夢
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784796403153

あらすじ

プロの若手バイオリニスト・刈谷充にとって、特別な火曜日だった。今日は、オケのコンマスを務める友人・南大智と合同練習の日だ。清廉潔白な大智と独創的な充。正反対の二人だが、音楽への情熱は同じくらい熱い。その上、大智は充のことが好きらしい。三年前に酔って大智の部屋に泊まった夜にキスされたのだ。いい加減な充と違って、大智はキス一つで悩み苦しむ繊細な男だ。友情を壊したくなかったから、今までずっと大智の気持ちに気づかないフリをしてきたが――?

(出版社より)

表題作火曜日の狂夢

オケのコンマスバイオリニスト 南大智 25歳
新進の若手バイオリニスト 刈谷充 25歳

その他の収録作品

  • あとがき 夜光花・稲荷屋房之介

レビュー投稿数10

俺たち平成生まれだからな

評価にかなり迷いました。「神」か「萌×2」かで。

攻めも受けも新キャラなので、「水曜日~」「金曜日~」が未読だったとしても、いきなりこの話から読んでも全く問題はありません。
しかし未読の人がこの話を読んでから前二作を読むとショックを受けるかも。
(カプ的な意味で。この話だけ読むと紀ノ川と新城がカプだと思われてもおかしくない。)

話自体は悪人不在、ムカつく展開の無い安心して読める話でした。
名前のある女性キャラが数人出て来ますが恋愛に絡まなく(せいぜい攻めの大智を格好良い、と言ったり何となく気に入っている程度。大智は充大好きでブレが無いし)みんないい人で嫌な感じのキャラは自分にとっては一人もいません。
「BLに女性が出て来る事自体嫌」という人以外には安心です。
当て馬もいません。
安心して読める系の話で自分は好きですが、ハラハラ感を求めている人には物足りないかもしれません。
それでも火曜日を繰り返す序盤はドキドキハラハラしました。
あと慣れない環境でどのように生活するかとか、どうやって元に戻るのかとかあたりもドキドキハラハラしました。

カプの大智と充は反対だからこそ惹かれ合う、という感じです。
お互いに無い物を補い合うというか。
はじめは大智→→→→→充ですが、だんだんと充も大智に惹かれていくのが読んでいてよくわかりました。

評価は本当に悩みましたが好きシリーズ(未レビュー未評価ですが水曜日も金曜日も神評価)の上に個人的に好みの要素がいっぱい詰まった話なので
(不快な登場人物や展開無しで安心して読める、攻め→受け、眼鏡攻め、現実離れした設定等)神評価です。

7

時代を超えて愛に目覚める

関連シリーズ3作目で、既刊2作のスピンオフ的なストーリーの今作品も
SFチックな流れでありながら、音楽家としても恋愛的な意味でも楽しめる作品でした。
この手のSFファンタジーは結構好きなので違和感なく楽しめましたね。

ある、一定の時間を延々と繰り返し何度も死の恐怖に怯え疲弊していく受け様。
同じバイオリニストで学生時代からの親友でもある攻め様は受け様に絶賛片思い中。
受け様はそんな攻め様の気持ちを知りながらも今の関係を壊したくないからと
気が付かないふりを続けているのです。
そんな時に、何かのきっかけで悪夢の時間を過ごす受け様は、攻め様の思いを
知っていると告白しながら、これ以上の死の恐怖に耐えられなくなり目の前で
自殺をしようとして、攻め様をも巻き込んで4階から落ちてしまう・・・
しかし目覚めればそこは見覚えの無い世界。
二人は過去にタイムスリップしてしまったのです。

何故過去に来なければならなかったのか・・・その訳もなる程と思えるのです。
そして、特殊な状況下で攻め様は今までの秘した思いを受け様に知られた事で
半分開き直りもあり、受け様にストレートに気持ちを伝える。
でも受け様は未だに攻め様への気持ちが何なのかはっきりしていないけれど
攻め様とは離れたくないし離せない存在だと思っているのです。

攻め様は几帳面で綺麗好きだし、かなり神経質で、受け様はかなりやんちゃで
行き当たりばったり系のチャラ男で、かなり明るいタイプでした。
繰り返しの悪夢に疲弊していたけれど、順応力も高くてかなり面白い。
タイプが極端に違う二人の掛け合いみたいな愛の営みも笑えました。
そして、過去に行ってしまったことで受け様のルーツも解る事になるのですが
テンポも良くて惹きこまれるお話でしたね。かなり楽しめる1冊でした。

6

ドジっこ細野がきになってwww

タイムワープものの連作は1作目より2作目とSF具合が増して行きましたが、とうとう真打(w)主人公たちがタイムワープしてそこでの世界で生活するお話になりました。
冒頭、主人公であるバイオリニストの充が人とぶつかりそれから共演者の大智と練習をした帰り事故に遭い、気がつくとまたその練習の場面に戻っていてと、それを数回繰り返すシーンに、ある時間操作モノのハリウッド映画を思い出しましたw
そして、スリップ先は昭和32年。
平成生まれの彼等には当時の日本は驚くことばかり。
元々彼等が練習していたのは、ある公会堂が閉鎖するその記念公演のためだったのですが、その32年はその公会堂がオープンする年。
そんな因縁めいた下地をしっかりと持ちながら、ただの吊り橋効果でない恋愛の進展と、謎解きの部分も含めて、かなり面白い話になっていました!

作者さんが「俺たち平成生まれだし」というセリフを吐かせたかったとかかれているとおりに、キャラクターの性格が魅力的です♪
充に片思いしている大智。
それを知りながら知らないフリをして、友人として接しているやんちゃな充。
綺麗好きでどちらかというとしっかりもののイメージの大智に、奔放で自由度の高い充。
あまり共通点はないのに、互にないものがあるからそれを認めている。
その関係が、恋愛に発展するのは、
意外にも気持ちを隠してきた大智が辛抱たまらんくなったこと(爆)
好きなのに一緒に寝泊りして、ずっとずっと一緒にいるわけですから精神衛生上よろしくないわけですよ。
でもって、充は割と許容があって、大智が自分を好きなことを知ってますから、すぐに受け入れるわけじゃないけど嫌悪感はない。
「お前、おれが好きなんだろう」と大智に言われて、あ、そうか。。なんて楽天的性格がここにも出てくるんだけど、それで大智はすごく救われてると思うのですよ。
そんな、一見正反対そうな性格の彼等だからこそ、互に救われている。

昔にスリップしてしまって、彼等は帰りたいとあがくんでなくて、その場で生きていこうと前向きに対処する姿、
音楽があったからこそ、楽器があったからこそ、乗り越えられたその時間。
とにかく演奏したいという強い気持ち。
だからこそ、二人の気持ちの通じ合いはとても自然なものでした。
何だか、3作品のうちで一番面白くワクワクする話だったと思います。
結末は・・・読んだ人だけがわかります♪

他の2作品の人物も登場してますが、リンクする場面もありますがこれ一冊でも全然問題ありません♪
むしろ気になったのは・・・稲荷屋さんのあとがきイラストですね♪・・・
時間管理官の細野さん、そういえば彼のミスでいろいろと起きているのだった!?
捨て猫になって箱に入ってるイラストが妙に可愛いですv
そんな細野さんの失敗を過去作品で見たい♪なんて、新しくこのシリーズを読む人は主人公じゃなくて彼を注目しちゃうかもwww

6

エンターテイメント★

まさにエンターテイメント!というのが読み終わっての感想です。
謎あり、ラブあり、ハラハラあり、笑いあり。こういうバランスって難しいと思うのでが、さすが夜光先生。

一応シリーズものですが、全て主人公が違う独立したお話なので、これから読み始めても全く問題なし。ただし、水曜→金曜→今作の火曜と読んだ方が、今作のラストでより感動というか、良かった良かった感が味わえる(前2作の主人公たちが出てくる)ので、順番に読んでみてもいいかと思います。前2作も面白いのでお勧めです。3作共通なのは、世界観と主人公たちがヴァイオリニストだということ、あとは細野さんという人くらいです。

夜光先生の、気の抜けた受けキャラが大好きなのですが、今回の主人公・充もいいかんじで楽天的で良かったです。攻めさまは、理知的で少し神経質、そして充が大好きな大智。

そんな2人がタイムスリップしてしまった先は昭和32年。
そこでは無一文の二人は、偶然出会った人たちに助けられ、カルチャーショックを受けたりしながら生活していきます。
心細いし、貧乏だから常に寄り添っている二人ですが、ずっと充に片思いしていた大智はその状況に気持ちを抑えられなくなってきて・・・みたいな所、読んでてニヤニヤしてしまいました。
充は最初は戸惑ってるので、すぐには受け入れないのですが、大智を萎えさせるために、前住んでた部屋にゴ○ブリいたよ!みたいに言うところも、なんか可愛くて好きでしたw

ラブもちゃんとあるけど、その他の時代背景とか、人情みたいなのとか、二人の音楽に真摯なところとか、謎解きとか、全てが楽しめました。
なんか、ラスト、あまりに綺麗に終わっちゃったので、このシリーズこれでラストなの?と、それだけが不満というか残念です。あと月木土日があるよー!と、このシリーズのファンとしては声を大にして叫びたいです(笑)

3

三作合わせてきれいなエンディング

前作の「金曜日~」がとてもよかったので、すぐ本作を読みました。こちらもよかった……。
冒頭は、何度もループして自分の死を経験するという、怖いシーンの連続。それを回避するために充がとったある行動で、大智を道連れにする形で、一緒に過去の世界へタイムリープ。
そこは昭和30年代の世界で、なにも宛てのない中、音楽でどうにか生きていこうとする二人。そこで関わり合いになる人々は、人情味のある温かないい人達ばかりで、読んでいてホッとする。

充は大智が自分のことを好きなことを前から知っていて、もともと微妙な関係ではあった。だけど、四六時中一緒にいるようになり、元いた世界ではうまくいかなかった伴奏も息が合うようになると、だんだん心も体も自然と距離が縮まっていく。
この、友達からゆっくり恋人になるパターンはとても好き!
充がほだされていく様子も、真面目で固そうな大智が、案外抑えが効かなくなるところも萌えた~!

なぜこの世界へ来たのかという種明かしの部分は、なるほどなあと思いつつ、ちょっとホロリとさせられる。そしてクライマックス、新城と紀ノ川のシーンは、三作全て読んだからこその感動があった。
一冊ずつでも読めなくはないが、全部読むと、新城の復活と再生の物語として、すっきりときれいにまとまっている。

0

人情ほだされ!!

シリーズ3作品目!
今回は初期の初期に怒涛の死のタイムリープがやってきて、メンタル削られた︎︎わけですが、
もうここまで来たら!な充の行動から昭和30年代にタイムリープ!!
巻き込まれた大地と衣食住を共にしながら、頼るとこのない時代にヴァイオリンの腕と周囲の人の人情で進んでいくところ、次々と明かされるタイムリープの根幹が面白かった!!
お互い音楽の繋がりがあったうえでの特別でそこを抜いても特別で!ってところも!!
絆されながらも特別感が強まるの良い!

最後は新城の復帰も見られて感無量!!
圧倒され、感化された2人の力強いヴァイオリンへの想いで終わるけど、新城に持ってかれた感と、真吾の存在は少しも出てこなかったので、これは水曜の時間時かなのか、他の時間軸なのか…真吾の熱を押してた身からするとちょっとモヤモヤ。
ですが、タイムリープものとして、とても面白かったです!!

0

最後までワクワク

タイムリープものの3作目。
個人的な好みは2作目「金曜日の凶夢」の方が上ですが、
これも、良かったです。

ライバル2人が昭和30年代に行きます。
何より、面白かったのは、大智です。
優等生風な大智と今風若者な充なので、
充が、「おりゃ~~」と大智を押せ押せしていく物語かと思わせて、
大智が充に片思いしており、大智がグイグイ押していきます。
優等生風な男が「も~押し倒したくなってたまらん!」みたいな様子、
最高でした。ギャップにニマニマしてしまいました。

また、1作目の新城が完全復活をした姿を読めたことは、
嬉しく思いました。諦めずに夢を追った故の復活ということで、
胸にくるものがありました。

3作あって、この世界観がちゃんとできているように感じました。
面白いシリーズでした!

1

いい加減な時間管理局

1作目、2作目と同じ流れでしたが、今回は、現代から過去へ移動します。
それもカップルで(笑)
ふたりで過去にタイムスリップしてそこでもふたりはやはり音楽に生きる。
懐かしい昭和の匂い・・・若いふたりに接する人たちが優しいです。
古き良き時代を思い出します。
それにしても、時間管理局の細野さん、ドジ踏みすぎです。
あなた、そんなんでいいんですか?と突っ込みたくなりました。
私的には、金曜日が一番好きだったかな~。

0

思い出の場所が二人を引っ張った?

新城の運命がどう落ち着くのかって発想・手段に驚いた1作目、バイオリニスト・紀ノ川の人物像に惹きつけられた2作目、3作目は…
ちなみに、『水曜日の悪夢』『金曜日の凶夢』はセットで読むのをお薦めするが、この話だけ気になった人はこれ一冊でも楽しめる仕様になっている。
前作に登場した新城、紀ノ川がチラリと顔出しするものの、今回の話には特に絡む事はない。

アルト公会堂の最後の演奏会を目前に、同じ日に何度も事故に遇う悲劇のループに嵌ってしまった充。
ようやくループから抜け出したはいいが、同い年のバイオリニスト・大智を巻き込んでしまい、何と昭和32年にタイムスリップしてしまったのだった。
元の時代との生活様式の違いに日々カルチャーショックを受け続ける二人だが、取り敢えず迷い込んだ過去でもどうにか生きていかないとと奮闘する姿があった。

いくら自分が人情味・アットホーム好きでも話の大部分を占める昭和30年代の描写には読んでいて気が緩んできたのだが、充の出生の秘密や何故この時代に飛ばされたのかって部分で話が締まってる。

まぁ、とどのつまりは細野の失態が原因な訳だが、そこは目を瞑って、アルト公会堂が二人を引き寄せたのかもね、ってロマンチックな想像でもいいと思う。
(巻末おまけページでは細野氏の失敗続きを心配していて、挿絵の稲荷屋さんてば優しいのね…)

ちなみにエッチ描写は薄いと思う。
正直、あまりにも昭和30年代の描写が長かったせいか、どうも二人の恋愛感情の機微ってのが読み取れなかった。
それよりも、神経質な大智と大雑把な充とで衣食住に戸惑う・慣れる落差が出ていたのが面白かったかな。
今回の話は幸福感に浸れる読後感はあるが、夜光さんの小説でエッチシーンとかで受けが痛い目に遇う事が無いってのは珍しい気がする。

0

素敵な人に性別は関係ない

充と大智は互いに尊敬し、惹かれあってる感じがしました。楽器の上手い人って性別関係なく素敵だから、憧れが恋愛感情になっていくのもわかります。恋になる前ですが、大智の気持ちを知りつつ充はドライでした。奏者として尊敬し好意をもっている相手だから嫌悪感を抱かなっかったんじゃないのかな。

素人に楽器をかすと悪くなるというエピソードもリアルでした。自分の楽器は家族みたいなもの、触らせたくない気持ちとか共感できます。情景が浮かび上がるような文章も魅力的でした。イメージは『ALWAYS三丁目の夕日』的な感じです。

しかし・・・H度がこれで標準なんてww
昔の家って壁も薄くって防音なんて全くらしいのに・・あんなにギシアンしたらバレるっしょ?!と冷や冷やしました(笑)胸であんなに感じないと思うんですけど・・・お約束なんでしょか?ww

色んな要素が詰め込まれていて、展開が少し目まぐるしい感じはしましたが、おもしろい作品でした。

おすすめします。

1

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