偽りのゲーム

ituwari no game

偽りのゲーム
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×24
  • 萌3
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
27
評価数
9
平均
3.2 / 5
神率
0%
著者
いとう由貴 

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イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784778112738

あらすじ

父親の経営する病院が訴えられる中、連日遊んでいた医大生の長束彬は大けがを負った野良猫を見つける。偶然通りかかった弁護士の森嶋忠臣と共に動物病院へ行くが、治療費を受け取ってもらえず、なぜか彼の家のハウスキーパーをすることになってしまう。だが彬はお坊ちゃん育ちで何もできない。呆れた忠臣に身体で支払うこともできないだろうと挑発された彬は、それくらいできるとつい言い返してしまい――。
(出版社より)

表題作偽りのゲーム

森嶋忠臣,30歳~38歳,弁護士
長束彬,19歳~27歳,実家が病院経営の医大生

その他の収録作品

  • ゲームの行方

レビュー投稿数3

騙されても裏切られても欲しい男がいる

偽りのゲームとゲームの行方 の二部構成になっている作品で
かなり読みごたえがあります。

前半の偽りのゲームは、二人の出会いから別れまでが描かれていて、前半だけ読むと
攻め様の大人の狡さやくえない感じが前面に出ていて、子供だった受け様がかなり
傷ついてしまうストーリーで、随分な社会勉強と切ない初恋を体験した内容になっていて
ラストもこれからどうなるんだろう?って気になる終わり方をしています。
随分前にショコラに掲載されて、気になるなぁ~なんて思っていたら
新たに書下ろしを付けての文庫化販売で納得出来るラストになっていました。

内容は、偶然知り合った二人ですが、攻め様は弁護士で受け様の実家の病院の
医療事故を探っている弁護士だったのですが、まだまだ子供で不合格になった医大へ
親が勝手に裏口入学をさせていた事を知り荒れていた受け様の気持ちを理解し
いつも本当の事を話して聞かせてくれる攻め様に次第に心を奪われ、意地っ張りで
素直でない受け様を煽るような形で肉体関係を結び、結果的には受け様に家族の
不正を暴く手伝いをさせ、騙されたと憤る受け様を冷たく突き放した攻め様。
それでも、受け様は騙され利用されていたとしても、子供だと相手にされなくても
やっぱり攻め様を諦める事が出来なくて、攻め様の真実を知りたい思いから
同じ弁護士への道をめざし、8年後の再会になり、大人になった受け様と攻め様の
新たな関係が生まれるか?ってところが前半部分なのです。

前半を読む限りでは、攻め様が受け様を思う気持ちなんてまるっきり伝わらない
一方的に肉体の快楽を与えて、子供をあやしてる感じしかしない曲者攻め様。
子供ならではの一途さと愚かさでのめり込み冷たくされ傷つく受け様の印象が強い。

そして後半に始まる新たなゲーム、前半ではゲームにもなっていなかった二人の関係が
後半で、大人になって感情を抑える事が出来るようになって、それでも攻め様を
やっぱり好きで、欲しいものの為には手段を択ばないと攻め様に昔教えられた事を
実践するように、攻め様と関係を持つようになるのです。

受け様が本当に欲しいのは攻め様の心、それを手に入れる為に受け様が取る行動。
受け様視点で展開されるので、なかなかやっぱり一筋縄でいかない攻め様に
焦燥感や焦りを抱いているのですが、意地っ張りで独りよがりにならないように
自制している受け様は、まだまだ攻め様の相手にはならないのかもなんて思う感じ。
8年の歳月が流れ、攻め様も少し変わったみたいで、後半はちょっと甘い展開にも・・・
今度こそ大人同士の恋愛になったラストはすっきりした読み応えでした。

1

大人は分かりにくい!

お名前はよく耳にするけどあまり知らない作家さんのお1人です。
『春曉』しか読んでないのに、何でか「健気な受けを酷い目に」なイメージでして。
あらすじを読んで、気軽で甘い話?と思っての購入ですが、ハウスキーパーなんてとこ本の数行だけで、あれよと言う間にやっぱりイメージしてた通りの展開に。
※あ、他4冊読んでいました!

受け:彬(あきら)
病院を経営する父・優秀な外科医の兄のもと、過大な期待と自分自身を見て貰えない事に反発しているが、中身はナイーブで純粋で優しい青年。
攻め:忠臣
正当で信頼できる物言いをする大人だが・・・

『偽りのゲーム』
彬の外見は金髪ピアスで、脛かじりで半端な生活をしている。
だけど、若者らしい感受性や正義感はあるし、19才の平均だと思うんですよ。
そんな彬に近付いて、自分の思う通りに仕込んで動かす、自分を全く痛めず良いとこ取りって、どっかの宗教のマインドコントロール?って思いました。
30才の割に老成し過ぎだし、腹割って話せない忠臣を、自分は好きになれなかったです。
タイトルから、作者の遊び心はまあ分るけど、片方だけのゲームなのでモヤモヤが残りました。
「大人のスマートなズルさ」の“良さ”が解れば面白かったと思います。

『ゲームの行方』
8年後、忠臣は東京進出し個人名を掲げた事務所を開業、もちろん出世してます。
そこに、あれからずっと想い続け、忠臣と同じ弁護士になった彬が。
この間2人の接触は無かったのに、彬の忠臣を慕う気持ちは継続していたという・・でも、小説だし、ここまで思う気持ちに、周りで何を言ってもね~?
その彬、8年前のただ縋る恋ではなく、忠臣に追い求められるべく自分を演出していくのです。
38才と27才、11才差はずっと変わらないけど、恋愛差はしっかり狭まってくる予想ができるラストでした。
こちらがあって「萌」にしました。

4

釈然としない前半の話

1本目が少しだけ長めですが、中篇の2本立てです。

「偽りのゲーム」
彬(受け)は裏口入学で医大に入らされたことが原因で、家族に反発している。そんな中、弁護士である忠臣(攻め)と知り合い、心も身体もゆだねる。しかし忠臣の目的は、依頼人に有利な証拠を、彬に持ち出させることであった。8年後、彬は弁護士になって忠臣の前に姿を現す。

「ゲームの行方」
忠臣の弁護士事務所に入った彬は、忠臣と身体の関係を続けている。子ども扱いじゃなく忠臣に対等に見てもらいたい彬は、忠臣が扱っている案件に首を突っ込んで調べていたけれど、結局は忠臣の方が一歩先を行っていた、という内容。

後半は、実はお互い意地を張っていただけで、両思いの恋人同士だった、という甘い展開なのですが、どうにも前半が釈然としません。

家族間の誤解もとけ、「病院も負けることでやり直せる」とは言うものの、忠臣の彬に対する言動はどうにも情があるように読み取れないのですよね。そのくせ、「ゲームの行方」とあわせて読むと、8年後の再会にはもう好意を持っているので…なんだかすっきりしませんでした。

「ゲームの行方」の方も、鍵や最後の2ページだけでなく、忠臣が彬に振り回されている心情が読み手には読み取れにやりと感じられる箇所が、もうちょっと欲しかったです。エロはどちらの話でも充実していたのですけれどね。

忠臣に好感を持てるかが評価の分かれ目になるんじゃないかと思います。彬は文句なく可愛かったです!

2

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