どうしてあの時、離れてしまったんだろう。

ブロッサム・ピリオド

ブロッサム・ピリオド
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×212
  • 萌21
  • 中立5
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
17
得点
156
評価数
48
平均
3.4 / 5
神率
16.7%
著者
嶋二 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
価格
¥638(税抜)  
ISBN
9784864420426

あらすじ

阿部くんは俺に優しくしてくれたからーー。
中学1年の1年間だけ仲良くしていた三津谷と、高校3年の春、偶然の再開を果たした阿部。
以前と変わらない笑顔を見せる三津谷に安堵するも、ふとした瞬間に感じる違和感に戸惑いを覚えていた。
そんな折、「三津谷の背中に火傷の跡がある」という噂を聞いた阿部は
自分が三津谷から離れた、その理由を思い出す。
忘れていた記憶、傷ついた心、笑顔の裏に潜む想いーー。
阿部と三津谷、それぞれが抱える秘密とは?
描き下ろし続編17P収録!
(出版社より)

表題作ブロッサム・ピリオド

高校3年生 阿部
中学1年だけ同級で再会した高校3年生 三津谷

その他の収録作品

  • 描き下ろし epilogue

レビュー投稿数17

ぎゅっとする

率直に大好きです
コミックになるのがどれだけ待ち遠しかったことか

学ランというだけでも相当テンションあがります

黒髪で影がある美人君三津谷くん
短髪長身明るめの阿部くん

2人の葛藤という部分だけではなく誰もがふと切ない過去がある部分であろう黒い思い出
それに非常に胸が痛くなりました

真意をたしかめずとも否定されることなく、広がる噂や、昨日と何が違うわけではないのに
避けてしまう瞬間

した方は忘れてもされた方は忘れないと思います、それが好意がある相手ならなおさらです

三津谷のその黒い影は癒されることはずっとないと思いますが
恨むほど好きだった気持ちが
薄れゆくほど阿部くんに
大好きと言ってもらって
抱きしめてもらえるといいなーと思いました

明るい能天気な話ではないので
気分がすっきりしない方も多いのではないかなと思いますが

私は、誰でもが犯す過ちや行き違いがいの過去という点においても
考えさせられたので
三津谷に出会えて良かったと思えました

3

思春期の不安定な色気

心の闇を抱えたミステリアスな受けと、彼を救済しようとする攻めの王道の物語です。
攻めが持っている心の闇やその救済までの過程は、もしかすると腑に落ちないまま進んでいってしまうかもしれませんが、とにかく受けの三津谷くんが色っぽい。
冒頭で三津谷くんが「セックスって気持ち悪い」というセリフがあるのですが、そんなセリフを言わせておいてからの後半の展開が…。不安定で支離滅裂な思春期の男の子の危うさがすべて色気に昇華されているので三津谷くん大好きです。
個人的に暗いお話は苦手ですが、つらいほど重苦しくもならず、さらに分厚くて読み応えのあるよい漫画だったと思います。

1

私は好きです

三津谷のヤンデレ感がたまりません。
ほわっとして可愛いのに、実は阿部に対する執着心・復讐心を胸に秘めてる所が良いです。それだけ長い間相手を憎んだり執着するってことは愛がないと出来ないですよね。
三津谷の思惑がわかった後の阿部の心情もリアルで切なかったです。三津谷が阿部に復讐して傷つけることに成功したはずなのに、やっぱり寂しさ、辛さは消えるどころか強くなって一人で自慰しながら「阿部くん、阿部くん・・・」と涙するところは胸が痛くなりました。最後三津谷が阿部くんに自分をさらけ出せて良かったなぁと思いました。

0

恋の在処

これだけの厚い本で、お話1本なので、とても丁寧にじっくりお話は進んでいきます。

片方は自分の気持ちが恋愛と認識しているけど、もう片方はまず自分の気持ちが恋愛なのかを認められるかどうかって所から始める、ジリジリパターンは好物ではあるのですが、この二人の場合、そもそも三津谷にそれほどの強い気持ちがあったのかどうか。
阿部にしても、場の雰囲気に飲まれて単に性欲が暴走しただけのような気もするし。
なんとなし、雰囲気はシリアスっぽく切なげだけど、やりたい盛りのお年頃、難しいこといわないで、欲望のままにやっちゃているだけって事でいいんじゃないかなぁ。
まあ、阿部くんには、ご愁傷様って感じだけどね。

2

切ない青春

1冊、ひとつのストーリーです。

中学の時に友達だった、阿部と三津谷。
高校3年になって再会した二人が、三津谷の辛い過去を通して
どう変わっていくか、どう二人の気持ちが重なっていくのかが
このストーリーの読みどころです。

中学生の時に仲が良かった二人ですが、ちょっとしたことから離れてしまった。
あれから、三津谷のことを忘れかけていた阿部だったが
高校3年になって同じクラスになり、あの頃のことを思い出すと同時に
三津谷のことが気になりだして・・・・
三津谷の方は、阿部のことを嫌いだと思い込もうと必死になるが
本心では忘れることができず、再開してしまったことを恨む毎日。
阿部を傷つけたい、そう思いながらも心では求めてしまう。
阿部は、過去の自分のしてきたことに反省しつつもどうしていいかわからない
そして、本当は三津谷との離れてしまった距離を縮めたい。

そんな二人の子供でもなく大人でもない微妙な年齢の
揺れ動く切ない気持ちや、青春真っ盛りの男子のどうしようもない本能を
絶妙に表現されていると思います。
二人の距離が、体も心も・・・近づいたり離れたり
すごく揺れる心情が、読んでいる側に伝わります。
だけど、あんまり長くて途中じれったく感じるところも・・
最後、せっかくわだかまりが取れて気持ちが通じ合ったのなら
もう少し、甘々な感じのハピエンでもよかったかも。
Hシーンは何度も出て来るけど、これでもかってほど、甘ったるい最後にしてほしかったかな。

最後にボタンをもらって強がりを言うけど、
高3になって初めて阿部に声をかけられたことを思い出して
声を殺して涙を流す三津谷に、グッと来て読んでいるこっちも涙してしまいました。

2

妄想

作者のあとがきにもあるけど、妄想で補います。でも、続きが読みたい。

三津谷は病んでるけど、そんな受けが好きだ。
背中に火傷とか、父から虐待とか、初体験が父の女の人だったとか色々あるけど、父から性的虐待を受けてなかったのが救いだったと思う。

これ、口絵は二人が成長した姿なんだろうか。
各話の表紙絵が切なかった。ほぼ、三津谷一人で5話目で阿部と一緒に描かれていて、良かった良い方向にって思ったら、6話目でまた三津谷一人。

しかも、「飛び越えれば、おしまいだ」と書いてある。まさか、自殺するのかと思ってしまった。

卒業してまた離れてしまうけど、作者のあとがきにもあるけど、三津谷が離さないってことで阿部が追っかけて同棲生活でも、すれば良いと思う。
二人で幸せになってほしい。

0

苦い思い出と不安な未来を抱えて…

こんなに痛い話だとは思わずに、軽い気持ちで読み始めてしまいました…
ブロッサム・ピリオド…開花。
恋の花と解釈していいのでしょうか?
ピリオドがあると言うことで、わたしの独自の解釈は「最後の恋」です。

中学一年の時に仲良くしていた阿部と三津谷。
三津谷の家が訳ありだという噂を聞き、それを鵜呑みにした阿部は三津谷を避けるようになってしまう。
それから疎遠になった2人だが、高校3年生で同じクラスになり再会する。

おそらく阿部はずっと三津谷が好きだし、三津谷も阿部が好きだったのでしょう。
再会して距離が縮まり三津谷の事が好きだと自覚する阿部だが、三津谷は辛い時期に自分を突き放した復讐のために阿部に近付いたのだった…。

三津谷は辛い過去を引きずっています。
助けて欲しい時に助けて欲しかった阿部に拒絶されて、心が折れてしまったのだと思います。
それでも、阿部は三津谷の手を再びとります。
助けるのではなく、寄り添って生きていくために…

最後は、これからどうなるんだろう?と不安を抱えた2人と共に、読者もまた不安に思いながら読了することでしょう。
作者さまは、疲れるのもまた運命…と仰っています。
読者も2人の今後を妄想し疲弊してしまうかもしれませんが、それもまた今作を読んだ運命ということでしょう。
この恋が、2人にとっての最後の恋になりますように…

0

それは本当に恋なのか?

またまた嶋二さん、切ないなー。
本の厚みにこれはひょっとして何か色々とあって、ひょっとして彼等のその後なんかもあったりして思いっきり幸せで笑えるものは待っているだろうか?と長編なだけに、色々と期待に膨らんで読みました。
何か辛いなー、、、切ないなー、、、
阿部君も悩むけど、基本は明るそうな子だからちょっと救われてるけど、三津谷が微笑む度に切なさが増すんです。
ラストは吹っ切れた三津谷君がいたけれど、彼の寂しさは阿部君によって救われる事は多分できたのだと思うけど、
だけど、彼等の旅立ちで終わっている。
はっきり明確な何か約束があるでもなし、彼等はというか三津谷くんは特に、新しい未来を歩いて行くんだな。。。と、
わかるのはただそれだけ。
雰囲気と心情を味わうという点ではとてもじっくりと心の動きを見せる物語だけど、
きちんとした幕切れと決着が欲しい人には物足りないかもしれない。
自分は、こうした読者に託した幕切れは決して嫌いじゃないけど、
最近の嶋二作品は切なさを訴えるものが多くて、食傷気味ではあったのだが、これはちょっと好きだったかも。
三津谷くんのやりきれなさが感染するような気がする。

教室の出入口でぶつかった時に落とした教科書を拾ってもらった時に久々に呼んだ三津谷の名前。
阿部は中学校1年の時三津谷と同じクラスで確か仲がよかったはず。
だけど、どうして話さなくなってしまったのか自分でもよく覚えてない。
三津谷に連れて行かれた鍵の壊れた空き教室で一緒に授業をさぼるようになり、そして三津谷とまた話したり一緒にすごすようになるのだ。
三津谷と親しい時間が増えてくると三津谷の事が知りたくなる。
そんな時にクラスメイトから聞いた三津谷の背中の傷の話。
その背中が見たいという欲求が、次第に欲情の色を含んだ欲求にすりかわっていくのは時間はかからなかった。
葛藤しながらも、三津谷の過去を聞かされて思い出した時、阿部を襲うのは彼の話しを聞いてやればよかったという後悔。
一度始めてしまった関係は、三津谷の積極的な誘いによって、阿部には「好き」という感情にかわっていき、とうとう体を繋げた時、三津谷から発せられる残酷な言葉。

自分の気持ちを素直に言い表すことのできない三津谷が憐れだ。
親しみを憎しみに変え、復讐にしてやろうと思わせるほどに、彼はそんなにも孤独であり続けた事がとても悲しいのだが、
それは或る意味、歪んだ執着だったのかな?
三津谷は阿部に助ける言葉を掛けてほしかっただけなのだ。

それについて、二人が激しく口論したり、恨みに思ったり衝突することはなく、その後の時間において彼等は彼等なりに自分の気持ちにきがつくという冷静機関を置けている。
そして言えなかった言葉、言いたかった言葉を発することで、その過去が霧散してしまうわけではないのだが、あの中学一年のときから高校3年までの6年間の時間が急激に埋まった感覚を与えました。

三津谷の好きも、阿部の好きも、何気に恋愛とはニアでもあり、友情の濃いもののような気がする。
ひょっとして恋人の始まりというより、親友のやり直しなのではないだろうか?
この先は、彼等のみぞ知る。。。

4

ん~

カバー下の1頁の漫画なのですが、このぶ厚い1冊のお話がぎゅっとそのままわかる仕上がりなのではないだろうかと思ってしまいました。
なんだか好き。
大事なもの、ちゃんと育てて、手折って悦に浸る。
けれど全てを失ったとき、とてつもない喪失感に~

お話は、過去から現在。
一時の感情で離れてしまった距離。同じクラスになった二人
もとの関係に戻れたのかと思えば・・・
復讐のつもりで近づいてけれど~な受が切なかった。
淋しい
淋しい
淋しい
裏切った相手を今度は
というか、これ続きもの?じゃないのよね。
もう少しラブでハッピーでわかりやすいエンドがみたかったかな

2

秘密を知るということ

 中学生の時、三津谷に関する周りの噂に惑わされて、いつの間にか話さなくなってしまった阿部。高校3年生の時に二人の交流は再開するものの、どことなく素っ気ない三津谷。
二人とも教室や自宅などにいる場面が多いのですが、二人きりになれる場所として空き教室がよく出てきます。そこでは、教卓の中で寝ていたり、窓際で昼食をとったりしているのです。そのうちにだんだんと、阿部はどうしてあの時、三津谷の話を聞かなかったのかとしきりに後悔していきます。そして、三津谷は、せっかく阿部と仲良くなれたのに、最後にはわざと嫌われるとしか思えないような態度で阿部に接するのです。そして、阿部がどういう反応をするのか、出方を伺っているように思うのです。
 私は、三津谷が心の傷を阿部に気づいて欲しいと願っているように思えて仕方がありませんでした。子どものころに降りかかった理不尽なことが、自分の中で消化できていない三津谷です。阿部と体の関係を持って幸せと言うよりも、それ以上にただそばにいるということが、三津谷が一番望んだことだったのかも知れないと思いました。お話自体は簡単なストーリーなのですが、読後は、なぜかとても切なくなるお話です。

2

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