ブルームーン、ブルー

blue monn bilue

ブルームーン、ブルー
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×25
  • 萌7
  • 中立0
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
4
得点
61
評価数
22
平均
3 / 5
神率
18.2%
著者
夏乃穂足 

作家さんの新作発表
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イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥581(税抜)  
ISBN
9784778110826

あらすじ

古い洋館に住むライターの堂園要は、満月の夜、曾祖父、清巳のいる時代に時空移動する。無垢な清巳と惹かれあうが、過去に行くすべをなくし引き裂かれることに。ある日、要のもとを清巳そっくりの高階望が訪ねてくる。望が彼の生まれかわりではないかと感じる要だが──。
(出版社より)

表題作ブルームーン、ブルー

堂園要,28歳,フリーライター
高階望,20歳,鉄工所バイト,要の遠縁

その他の収録作品

  • 真昼の月
  • 恋なんてしない
  • あとがき

レビュー投稿数4

縁を引き寄せたのは

今回は祖父の遺言で洋館を相続したフリーライターと
三人の弟妹を育てる鉄工所のバイト青年のお話です。

二人の出会いからまとまるまでの本編に
本編終後の続編と恋未満の受様の弟の短編を収録。

攻様の両親は親の反対で駆落して結婚
いつまでも恋人の様な仲睦まじさでした。

しかし父が病で急死すると
母は衰弱した挙句に自ら命を断ち、
攻様は身寄りとよべる人を全て亡くしてしまいます。

母が生きている自分よりも
死んだ父を選んだ事から攻様は
28才になっても身を固める気にならず
恋愛も長続きしません。

そんなある日、疎遠だった祖父が亡くなり
唯一の孫として攻様に財産が残されます。

継承条件は古い洋館に住む事のみで
フリーのライターをしていた攻様は
特に考えもせずに了承しますが、
相続税を払った攻様に残されたのは
洋館と屋敷の修繕費用ぐらいでした(苦笑)

ともあれ、洋館暮らしを始めた攻様ですが
初めて訪れたはずの洋館の門扉や内装に
どうしてか既視感をぬぐえません。

そして祖父の書斎で
全身が映る大きな姿見を見つけるのですが
月の光で鏡面が煌いたかと思われた瞬間
攻様は鏡にひきこまれてしまうのです!!

攻様は引きこまれた先で
身体の弱い自身の曾祖父となる少年に
出会う事になります。

その出会いで曾祖父は攻様に恋をし
二度目の時空移動を果たした時
攻様もまた彼にひかれている事を自覚しますが

攻様にとって1ケ月後だった再会が
曾祖父にとっては3年後で有る事を知ると
次回は過去に残る決意をします。

三度目の時空移動は更に1ケ月後、
曾祖父は結婚を控える身となっていました。

攻様は無垢な曾祖父を手に入れて
未来と結べすべく件の鏡を打ち砕くのですが
結果的には未来に引き戻され
過去への扉をこそ失い
攻様は失意の日々を過ごします事になります。

しかし2ケ月後に遠縁の青年が
自らの曾祖母から預かったと言う
ある日記帳を携えて訪ねてきます。

その青年は縁者らしく曾祖父にそっくり(笑)
彼こそが受様になります♪

受様は親の死で高校を中退、
いろいろなバイトを掛け持ちして
三人の姉弟を育てている苦労人です。

不思議な縁で巡り合った2人が
辿り着く未来とは?!

本作は夏乃さんの商業デビュー作で
ブログ掲載作を大幅改稿した表題作に
書き下ろし2本を収録して文庫化しています。

古い屋敷を相続した攻様が
不思議な鏡で巡り合った過去に恋と
新たに得た恋を絡めて進展する
ファンタジー風味の恋物語になりますね(笑)

きっかけとなった鏡は
攻様以前にも人を時空移動させていた
不思議アイテムという設定で
攻様と曾祖父との恋は
偶然の必然として描かれています。

曾祖父は出会いの時点で
攻様が自分の子孫となると既に知っているので
未来に向けて様々なモノを残します。

それらの遺留品を上手く活かしつつ
攻様と受様の恋に緩急をつけていて
かなり楽しく読めました♪

但、ファンタジー要素に疑問を持つと
スンナリ世界に入れないかもなので
苦手な方はご注意くださいませ(苦笑)

本作は本編意外に
短編が2本収録されています。

1本は
受様姉弟4人が攻様宅でお泊りの日、
盛ってしまっている2人が
受様の妹に見つかってドッキリする話、

1本は
兄カプへの複雑な思いを抱える受様の弟が
男友達に告白される話になります。

本作はフェア店限定ですが
番外編を収録した特典ペーパー付きです。
ラブイチャな後日談ですよ♪

今回は本作同様、攻様がタイムスリップするお話で
榎田尤利さんの『はつ恋』をおススメします。

0

時空越え

古い洋館の、壁に掛かった鏡を介した時空越えファンタジー。

時空を越えた所で愛した人と、同じ姿で現れた望。
要は望を愛しいと思いますが、望は、要が見ているのは、昔愛した清巳であって、今ここにいる自分ではないのではと思い悩みます。

この手のファンタジーは、幼い頃から血肉にしみこんでいるようなものなので、大人になれば、こんな設定で、エロありでもいいよねって、過去編の方は、なかなかお耽美でいいじゃないって、楽しんで読んだ。
現代編の方も、望が健気で、それはそれでよかった。
ただ、話の流れ上、ああなるのは自然なのかも知れないけど、現代編のエチシーンまでお耽美な雰囲気にあふれていて、その辺は、ちょっと読んでいて恥ずかしかったかな。

私としては、巻末の、弟の話が好き。

0

2つの恋の話

両親が亡くなりライター業で生計をたてている要〔攻〕は、疎遠であった祖父からの遺産で祖父の住んでいた屋敷を引き継ぎそこに住む事になります。
書斎にはやや不似合いな、置かれている鏡。
その鏡を満月の夜に、要が覗いた時に時間を越えて要は、彼の曽祖父である清巳と出会うのですがまだ清巳は少年。
目覚め夢かと思った要ですが、再び満月の夜に鏡で時を越えると次は少年から3年たった姿の清巳と巡りあい互いに恋に落ちます。
3度目の満月の出会いに、要は現在の自分を捨て過去で清巳と生きる事を選び身体を重ね想いを交し合うのですがそれは一夜限りの出来事で、無慈悲にも要一人が現代へと戻ってしまう。
そんな要の目の前に、清巳とよく似た少年が現れ思わず抱きしめてしまうんですが、彼は望といって要の遠縁に当たる少年でした。
親を亡くしまだ幼い兄弟達を一生懸命働いて養っている望に、要はその役に立とうとし、そして望とも関わろうとします。
しかし望は、要からその不思議な恋愛の話と更に己に似ているという肖像画、そして清巳が残した日記や手紙から彼の要への愛情を知ります。
要に魅かれていく望、けれど自分は清巳の身代わりにされているのではないかという想いがあってその感情に悩まされる望。
要はというと、最初こそは清巳の姿を望に求めたものの、直ぐに望という別の人間として好意を持ちます。
そして現代に生きる現在での2人の恋。

一夜しか結ばれる事のなかった清巳がそれでも彼なりの幸せな人生を送ったのだなというのも読後感の良さに繋がりました

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どこかで読んだことがあるような

タイムトリップで転生ものでしょうか。
使い古された王道ネタな感じですが、上手に読ませてくれます。
これがデビュー作ということですので、他の作品も楽しみ。

過去に遡って曾祖父の清巳(血縁ではない)と恋に落ち、媒体となる鏡を壊したことによって二度と清巳にあえなくなってしまった攻の要が、現代で清巳と瓜二つの望と出会い再び恋に落ちる。
こういうの大好きなのできゅんとします。
特に同じ時間を生きられないと最初から悟っていた清巳が残した日記帳には滂沱の涙……。
そしてその日記を通して出会った望と築いてゆく関係が、なんだかもう切なくて切なくて。

書き下ろしも良かったのですが、次男くんのネタはいらなかったかも……一族総BLの展開になりかねない。

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