できる年上な部下×うかつな空回り上司の恋の駆け引き!

恋はゲームというけれど

koi wa game to iukeredo

恋はゲームというけれど
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×26
  • 萌10
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
8
得点
97
評価数
28
平均
3.6 / 5
神率
28.6%
著者
成宮ゆり 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
桜城やや 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
シリーズ
恋はゲームというけれど
発売日
価格
¥514(税抜)  
ISBN
9784044520168

あらすじ

大嫌いな社内人気NO.1の部下・槇に昔の男との痴話げんかを目撃され、ゲイだとバレてしまった沖津。弱みにつけ込んで横柄な態度をとる槇に、沖津の苛立ちは爆発寸前。けれど、取引先の重役に襲われかけた所を槇に助けられ、生意気と思っていた彼の意外な優しさを知る。ところが、契約を無効にしてきた取引先に謝罪に向かおうとする沖津を「抱かれるなら準備が必要だろ?」と槇が押し倒してきて…!?年上な部下×うかつな上司の恋の駆け引き。

表題作恋はゲームというけれど

大手広告代理店から転職してきた受様の部下&会社社長の息子 槇楓
小さい通販会社ながら出世頭の営業部主任・沖津俊久

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数8

恋なんて言わば…

ふと読み返したくなるリーマンもの。この作品で成宮先生デビューしました。

非社交的な性格で、安全で確実な道から外れる事を得意としない優等生タイプの沖津(受け)の部下は、傲慢で怠情なくせに仕事の出来る年上の槇(攻め)だ。
普段はクールで たまに口元を緩めると相手が顔を赤らめてしまうような魅力的な沖津だが、何故か槇の前ではいつも取り乱している。
偶然会った昔の男にしつこくされ 暴力を受けているところを助けられたり、体を差し出すよう強要する得意先との諸々があったり。
槇から「敬われていない」と痛切に感じている沖津だったが・・・

まるで正反対に見える二人が仕事やプライベートな時間を共有するうちに、少しずつ相手を知って徐々に惹かれていく。
特に後半は自分の気持ちを自覚し、持て余し、空回り気味になる沖津に『道ヲ間違エテイマスヨ』とカーナビ調にアナウンスしたくなります。
うまく噛み合わない二人が切なくて、切なくて。

慎重で真面目な沖津といると、槇の傲慢さと紙一重の男らしさが際立って何だか凄く良いのです。
「この先が読みたいっっ」てところで終わっているのも 甘い余韻が残って、また良い感じ。

2

案外自分では判らないものです

今回は大手広告代理店から転職してきた受様の部下と
小さい通販会社ながら出世頭の営業部主任のお話です。

いけすかないと思っていた年上の部下と恋人になるまで。

受様は通販会社に勤務し
一年前から営業部の主任を務めています。

朝は会社近くのベーカリー、
デスクの上には最低限の書類しか置かない等
何事もキチンキチンと進める
マイルールを徹底してきましたが、

業界大手の広告会社から
中途採用で転職してきて部下となってから
ペースを乱されてイライラしていました。
この部下こそ今回の攻様です♪

攻様は残業や休日出勤が大嫌いで
就業前とも後も時間外は仕事をせず、
机上のPCは常に埋没している状態です。

そのくせ大きな仕事をとってきたりするので
受様としてはちょっと面白くありません(苦笑)

その会社への挨拶帰り
受様は大学時代に付合っていた元カレと
バツタリ再会してしまいます。

共稼ぎの一人っ子だった受様は
人付き合いが不自由で元カレにも
詰まらない奴だと捨てられたのですが
小奇麗になった受様を見た元カレは
先輩風を吹かせて復縁を迫ってきたのです!!

幸いあわやという所を
攻様に助けらて事無きをえますが

もともと意識しないと
マイナス思考が勝る受様は
攻様がどう思ったのかが気になるあまり
被虐的な言葉を吐いてしまいます。

対して攻様は
他人の恋愛事情には興味がないと一蹴、
受様は更に落ち込んでしまいます。

そんな時、
化粧品会社との新規契約の顔合わせに
攻様と向かった受様は先方の専務に
目をつけられてしまうのです。

危機感の薄い受様は
またまた攻様に助けられるのですが、
袖にされた専務は取引中止と言い出します。

人身御供も覚悟した受様ですが
受様の態度に怒った攻様に
抱かれるなら準備だろうと手を出されて?!

最初はクールビューティな受様を
期待して読み始めましたが
芯の強さはちょっと足りないかな(苦笑)

本当はネガティブな性格を
自分なりに変えてきたと思っていた受様ですが

性格も仕事のやり方も
自分と正反対な攻様が部下になった事で
本当の意味で周囲の人々と
打ち解けていくようになるまでのお話ですね♪

いつもながらこの厚さで
何でここまで事件が起こるのだと言う
山有り谷有り更に山有りな
ジェットコースター展開ですが

最初の頃の攻様は
全く受様に興味なさそうでしたので
どうやったら恋仲になるのかと思いながら
最後まで楽しく読ませて頂きました♪

受様の初めての男とか
攻様に目を付ける取引先の専務とか
高校時代に好きだった同級生とか
受様狙いの男が次々現れるのですが

自分を鎧っている自覚のある受様は
自信が無くてモテてる自覚が皆無(笑)

ぶっきらぼうですが
面倒見がよくお兄ちゃん気質な攻様なので
受様を放っておけなかったっていうのは
判る気がするな~♪

攻様も受様が面倒な相手なのは
重々承知なので攻様が上手くリードをすれば
ほど良くラブい2人になりそうです。

今回は本作同様、転職がきっかけで知り合う2人で
鳩村衣杏さん『王様は美男がお好き』はいかが?

2

好みは別れる作品でしたけど…私的には萌でした!

人付き合いが苦手で、素直じゃない上融通が利かない上司と
可愛げがないけど、優秀な年上の部下という組み合わせのお話。

リーマンものだったんですけど、いつもの成宮作品に比べると、あまり仕事面での絡みは少なく感じました。
それよりは、社内恋愛ものと思って読んだ方がいいかもです。

年上の部下•槇 × うかつな上司•沖津の年上攻&恋の駆け引き。

過去のトラウマもあり、自分に自信がない沖津。
社会人になってからは、そんな自分を変えなくてはと、必死に外面は取り繕い、努力の成果もあり、仕事では認められ、主任という役職を持てるように!

最初は、中途入社の年上の部下•槇に対して、不遜で傲慢な態度にも関わらず、仕事もできて、周囲からの人望も熱い、優秀な槇の事が苦手で、扱い辛いと感じています。
自分と比較してみても、何一つ勝てていない…と
とにかく、何に対しても卑屈に考えるタイプ。
ゲイということに対しても劣等感大!
そんな性格なので、恋愛も初恋は愚か…告白もした事はない。
その場限りの相手と、触りっこ程度。
心から恋人だと言える相手もいない…悩みを相談する友達すらいない、寂しい…可哀想な人でした。

そんな感じで、沖津視点から淡々と描かれていくので、卑下する感情ばかりがありありと伝わってきます。
最初は、自分を過小評価し過ぎの沖津と、横暴な槇との絡みが、どんな変化で恋人になっていくのかドキドキだったんですけど、
お互いに大人だし、素直じゃないし、プライドも変にあるからすれ違いばかりで、焦れったくなります。
それはそれで楽しく読めていいんですけど、沖津のメンタル面が結構、仕事に私情を挟みがちになっていくのは、少し鬱陶しい印象でした。

普段だったら、途中で興醒めしていく展開なんですけど、そこは、成宮先生の作品。
読みやすい文章力と、テンポ良い展開でうまくカバーされているので、そこそこに萌させてくれるんです(笑)

卑屈で劣等感の塊の部分は置いておいて!
沖津の周囲の評価は、自分が思っているものとは逆。
自分が魅力的にみられている…魅力的な人間なんてこれっぽっちも思っていないんです。
そういう受様の設定は好きだったのと。
攻様の槇が、私の萌ツボを突ついてくるタイプだったのが良かったんです♡

だから、沖津視点で展開するものの、私は、勝手に槇の視点よりで勝手に読んでいったから、それなりに楽しませて頂きました!

はっきりいうと、部下には持ちたくないタイプの槇。
何を考えているからわかりにくいタイプなので、槇がどうして沖津を好きになったか、実際の理由迄は分かりません。

でも、たまたま絡まれている沖津を助け、性癖を知り、最初こそ沖津の後ろめたい性格にイライラしていたものの、
社内ゴルフコンペや、取引先の重役に襲われかけた沖津を助けてくれるものだから、仏頂面で口ではキツイ事をいっていても…内心は…と⁉思えるから、 読んでて楽しいです。

しかも、ノンケの男=俺(槇)すら惑わすほどの魅力がある微笑みだというのに、本人はただの愛想笑いだと、自分の魅力をわかっていない沖津。
そんな、無自覚にフェロモン垂れ流しな、隙だらけの沖津が心配で、見てられないとばかりに助けているうちに、本気で惚れていく槇の心情が伝わってくる所が良かったんです。
沖津の魅力に吸い寄せられてくる輩全員に嫉妬して、威嚇してるの姿に萌えちゃったんですよね(笑)
横暴な人かと思ったら、煙草臭いといわれて、煙草をやめるために、タブレットを持ち歩き努力してる姿もギャップで可愛かったり(笑)
特に、初恋の相手だった椎名と沖津が、恋人関係にあると誤解している槇が、最後奪っていくシーンとその後の台詞に胸がキュンでした♡

沖津の性格のお陰で、槇の気持ちに気がつかないし、言われても信じようとしない、恋愛慣れしていないから、好きだと気がついたら制御出来ない面は健気だと思う反面、沖津に振り回され、すれ違う様は、お互いに!可哀想な部分でもありました。
カメラと、夜の空と槇の構図も好きでした。

槇の恋人かもと疑われていた社長令嬢は実は…⁉でした。
言えないんですけど、最後の令嬢と沖津の会話と、その後の槇反応が見所で楽しかったです。

仕事中うっかり槇を下の名前で呼ぶ沖津…というあとがきのコメントを読んで、読みたかったなあ〜と残念!
ぜひ槇視点で、無自覚なフェロモン男•沖津に振り回されながらも、もっともっと甘い、ラブラブな2人のお話も読んでみたかったです。

今回のやや先生のイラストも素敵です。
スーツ姿はもちろん、ストイックそうな槇と、やや頬を染める沖津の絵柄は萌でした♡
やっぱり、受けもどちらかといえば男前設定の成宮作品にはピッタリです。

お互いに、嫉妬するくらいべた惚れなのに、すれ違い焦らしまくりの大人の社内恋愛。
興味のある方はぜひオススメです。
次は、沖津の初恋相手•椎名が主役のスピンオフ『恋はフェアじゃないけれど』良かったらこちらも読んでみてくださいね。

1

不器用すぎるし、ヘタレだし

えーと、このお話ですが。
簡潔に言うと、人付き合いの苦手な見栄っ張りの受と。
尊大な攻の、端から見たら「はっきり聞いて、答えてもらったら?」
と双方に言いたくなるじれったいお話。

キライじゃないですけどね、王道だし。

受は全くもって自分に自信がないんですね。でもそれを取り繕うとして、攻の前で失敗する。攻はどうとも思ってなかったようですが。
いじいじグジグジばっかしてて、こんな受のどこが良かったんですかねぇ?
もしかしてダメ人間好き?

読んでてすごいなぁと思ったのは、ノーマルであろう攻がすんなり上手に受を抱いちゃうトコ。なぜに?

「一度じゃ足りない」は言葉足らずです。

でも、どうしてもあきらめきれなくて「奪っていいだろ」と言って引っ張ってってしまう。
このシーン大好きです。きっと、受が部下に言ってた「男なら奪えば」ってのを聞いてたんですね。
もう、奪ってやる!とばかりにズルズル受を引っ張ってくシーンが目に浮かびました。

ヤキモチにすら気付かない受に苦笑です。

不器用でヘタレと、ダメ人間好きなカップル。

ここまでトコトンだと微笑ましいです。

0

前半部分がよかった

私は、この小説ではじめて成宮先生の文章を読んだのですが、さすが、今ルビーで1、2を争うくらい(と、私は感じている)活躍されているお方だな、と思いました。成宮先生の文章は、とても読みやすいですね。下半分に白い部分が目立つ……みたいな、ぺらい文章な訳でもないのに。歯切れよい、テンポのいい地の文なんだと思います。

ストーリーは、ゲイであることを隠し、自信のない自分を隠し、努力で自分を『仕事が出来る人間』に仕立て上げて、主任として働いている沖津(受)。大企業から転職してきた、年上の、デキる部下・槇(攻)を部下として持ち、自分のコンプレックスをこれでもかというほど逆撫でする存在の槇を最初は嫌っていたはずが、ゲイであることが槇にバレたことをきっかけに、槇をより意識し始め、その意識が好意に変わっていって……という話。

私は、相手と触れ合うことによって、その人が変わっていく…というお話が大好きなのですが、今回の沖津もまさにそんな人でした。人付き合いがうまくないのに、頑張って張りつめてる姿に、個人的に思うところがありました。そのおかげもあって、私は、けっこう沖津に感情移入して読む事ができました。
沖津が、槇に嫉妬し、感情をあらわにして。彼に惹かれていくのが伝わります。感情移入できたおかげか、成宮先生の腕なのか、はたまた私の感覚器官がちょっと間違っていたのか、初めて沖津が槇をそういう意味で意識し始めたシーンで、一緒にドキドキしはじめて、なぜか沖津と一緒に煙草の匂いを感じたような気がしたくらい、入り込めました(笑)

しかし、前半はとても面白く読めたんですが、後半が残念だった気がします。化粧品会社の専務とか、結局主人公が、男も惚れるような美形だったとか、前半に入り込んでいただけに、後半のBLあるある展開を残念に思いました。
また、沖津が、ずっと槇と社長令嬢の関係を誤解してウジウジしてたのも、暗く、テンポが悪く感じました。沖津の性格とか、過去のせいもあるのかもしれないですが、何度も否定されても信じないし、読者的には、絶対にそうだろうなと思う関係だし。更に、たまたま今私の勤めている会社で、半年前に槇と似たような立場で入社してきた人がいたので、完全に槇の正体を確信してしまって、「なんでそこまで二人ができてると信じ込んでんだよ…」と思ったり。
あと、これは勝手な意見ですが、椎名くんにゲイになってほしくなかった……。いや、スピンオフ作ってるからしょうがないんだけど。ふつーに明るく、沖津の憧れの存在でいてほしかったな……。あと、勝手な解釈として、私は勝手に、実は槇もゲイ(もしくはバイ)だったっていうネタバレもあるんじゃないかと期待していたんですが(だからHがうまかったんだっていうw)それはなかったです。でも、勝手にそうなんじゃないかと今でも思ってたりします(爆笑)
後半残念な部分も多かったんですが、初めての成宮先生の文章に感激したのと、導入部の話が好きで、そこだけですっかり気に入ってしまいました。

0

意地っ張り受け

 沖津は、主任を務める出世も順調な男だけれど、最近転職してきた優秀な部下である槇のことが気になってしょうがなかった。
 一方的に疎ましく思っているのを自覚している沖津はなるべく関わらないようにしていたけれど、上司命令で組まされた仕事の帰り、昔の男との痴話げんかを見られ、ゲイだとバレてしまう。
 弱みにつけ込んでますます横柄な態度を取る槇に沖津のイライラは募るばかり。
 そんな時、取引先の重役に襲われたところを槇に助けられる。けれど事態はそれだけでは収まらなくて、取引先の誘いを断ったことで、沖津は上司に叱責されてしまう。
 やむを得ず謝罪に向かう沖津を、槇が押し倒してきて……

 という話でした。
 意地っ張りだけど、間抜けな上司を部下が無理やりやってしまう話。
 気持ちは後付けだけれど、沖津にも落ち度はあるので、BLとしてはとても面白い読み物になってました。
 意地っ張りな受けがお好きな方にはオススメします。

0

どうしても諦めきれない…。

私きっと成宮さん好きなはず……。
最初に読んだ数冊が面白くて「好きな作家さん」認定をしてしまったので、最近読むものが全部ハズレでも、「いや、これはたまたまだ!次は面白い!」と希望を捨てきれないのです。

そんで、前半は「おっ、これは久々来たか!」とか思ってたんですが…、あっという間にしょんぼりする羽目になりました;
なんだかなぁ…。
どうしてこう、独りよがりなんだろ。

受けが人付き合いが苦手というのは分かる。
過去に恋人が居たと言っても、実際はちょこっと触りっこしただけであっさり別れてるし、そんなの恋人じゃないんじゃない?とは思わないでもないんだけど、そんなちょこっとの人付き合いを「恋人」と言ってしまうあたりがまた、人間関係の未熟さなのかな、と納得も出来たんです。

でも、途中からは受けの駄目さばかりが目に付いて、友達が居ないのは人付き合いが苦手だからじゃなくて単に性格が悪くて嫌われてたんじゃない?って思っちゃいました。

自分のせいで新規取引先を駄目にしたんだから責任を取らなくちゃいけないのに、それを全部攻めにやらせてぼんやりしてるとか駄目でしょ。
攻めが見つけてきてくれた大手取引先との契約前接待で、酔っ払うとか社会人としてありえないし、攻めが気を使って一人で2件目の接待を請け負ってくれたのに、待ってる間にホテルの有料チャンネル見るとか最低。

挙句、攻めに好きだといわれても「好きになられる理由がない」とグルグルグルグルグルグル……。
めんどくさいっ!
自分に魅力がないと分かっているなら、努力をしなさい。

攻めは、仕事も出来て、カッコよくて、俺様で、傲慢で、好きな攻めのタイプだったんですが、この受けに惚れるなんて馬鹿だなぁ、と思ってしまって萌え切れませんでした。

まあ挿絵の絵ががなんだか嫌いだったので、それだけで実際以上に脳内マイナス査定をしていた部分もあったとは思いますが。
っていうか、桜城さんも、絵柄変わられたかな?
前はどっちかというと好きだった気がするんですが…。この作品だけかな?

けど、諦めきれないので、成宮さんは作家買いです。
グルグル受けはもういいから、そろそろ前の感覚に戻ってくださらないかなぁ……。

2

酷い…成宮ゆりさんは二人いるに違いない…

なんか酷い小説でした。
ここまで好きな作品と嫌いな作品ががっつり二極化してる作家さんは成宮ゆりさんだけです。
成宮ゆりさんて二人いるんじゃないかな~。

受けについては先にレビューされてるしのさんにまるまる同意です。とにかくウザい。
「人づきあいが苦手だけど社会人になってからはそれを隠して仕事をし、周りは有能だと思ってる」みたいな説明があるけど、実際の仕事描写はアホの一言。やってる失敗の中身が稚拙。無能すぎ。
「好きになられる理由がない」は心底うんざりしました。「たしかにないわ」と思いました。
これは、それまでのストーリーの中で、読者に「そんなことない!自分で気づいてないだけで、アナタは魅力いっぱいだよ!」って思わせておいてはじめて生きてくるセリフだと思う。実際に魅力ない場合は逆効果です。構ってちゃんのウザセリフ。

で、それに加えて、攻めも無理でした。
「仕事ができる」という攻めなんですが、この攻めはアホでしょ。作者が成功事実をせっせと積み上げてあげてるから有能っぽく見えるけど、やってることはあり得ないです。
仕事はチーム戦だよね。なのに上司や同僚に相談せず、物事を独断で決めて実行するってさァ。「無言実行」は基本的にはまったくカッコよくないし有能とは言わないよ。これをカッコよく有能そうに見せるためには「どうしても独断で行動しなきゃいけない理由づけ」をストーリー上でちゃんとしておかなきゃ。『24』のジャックの単独行動がカッコいいのは、この理由づけが毎回きちんとできてるからだよ。そんなジャックでも、責任は取らされてるしさ。
なにより途中から敬語使わなくなるのが強烈にカッコ悪い。尊敬できる相手だろうがそうじゃなかろうが、ちゃんと敬語を使ってください。それが「リーマンのカッコよさ」だよ!と思いました。

あと色々あったんですよ。
全体的にお仕事描写が稚拙だし。浅薄すぎてくらくらしました。リーマン用語を記号的に並べてるだけな気が。
あと枚挙にいとまがないほどの不自然なテンプレ展開とか。

考えれば考えるほど、成宮ゆりさんは二人いるに違いないと思えます。
いい作品は本当にいいんですよ。クオリティに差があるって以前に、両者の性質の差がありすぎで、なんかものすごい違和感が…。

次はもう一人の成宮ゆりさんが執筆されることを望みます。

2

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