愛罪の代償

aizai no daisho

愛罪の代償
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神20
  • 萌×29
  • 萌11
  • 中立3
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
17
得点
172
評価数
45
平均
3.9 / 5
神率
44.4%
著者
水戸泉 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫black
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784592850656

あらすじ

佐々谷夏生は、交際していた女性・杏子を上司である豊口笙に奪われるが、それと引き換えのような形で出世する。しかし豊口は次第に夏生に執着するようになっていく。その裏にある豊口の想いとは…?
(出版社より)

表題作愛罪の代償

豊口笙,34歳,創業者の孫で上司の部長 
佐々谷夏生、26歳、部下の課長 

その他の収録作品

  • ラブレター
  • あとがき

レビュー投稿数17

まさしく『愛罪の代償』!!

話が壮絶すぎてなかなかレビューできなかったんですが、今日頑張ります!
あらすじは他の方のレビューに載っているので、感想だけ。。

攻めの豊口の執着が凄まじいです。
受けの佐々谷を手に入れたい、どうしても手に入れられないならせめて佐々谷の遺伝子を持つ子供がほしい。
そこまでの執着ってちょっと他で見ないですよね。。

受けの佐々谷は抱かれてみて初めて、自分が豊口を好きだと気付く。
でもそれをなかなか言えなくて、やっと言葉にできたときにはもう豊口には届かない。信じてもらえない。

最後に豊口目線の『ラブレター』が収録されています。
豊口がこれほど病んでしまった経緯と、佐々谷との日々が描かれています。
本編とあわせて読む事で二人の気持ちのすれ違いの過程がよくわかります。

これほどまでにお互いを想い合っているのに、抱き合っているのに、心がすれ違って伝わらなくって・・・読者としてとても切なくて哀しい。。

前述のとおり、佐々谷の子供を孕ませるための攻め×受け×攻めの妻(受けの元カノ)の3Pがあります。といっても、攻めの妻は全く愛されていないので愛撫やキスをされず、出番まで部屋の隅でぼんやり待っているという扱いです。
こんなHシーンは初めてで衝撃を受けました。
他のHも濃厚で豊口の執着や佐々谷を抱ける喜びを感じとれます。

この二人の結末こそが、この愛の代償なのだな〜と思います。
お互いが病むほどに深い愛の完成形、鵺先生の美しいイラストとともに堪能して下さい。
ただ、壮絶なのでBL初心者の方にはあんまりお薦めできません〜〜><

7

交差する事のない道

…この2人、生涯すれ違い街道まっしぐらなんでしょうねー…(´Д`)

いやはー…攻め怖っ!!!
病みが受けに侵食しちゃいましたよ(汗)
私、基本的にHappy Endが好きなんですよね。。。
このタイプ苦手なんですよね…でもこの話は何故か嫌いじゃない(*´∀`*)

本編は佐々谷くんの一人称で進みます。
それゆえに彼の精神がだんだん壊れていくのがよく分かるんですよね。

ってかしょっぱなからはじけてますねw
豊口×佐々谷×杏子って…男女なサンドがBLで。

しかも↑の行為は豊口的にはとても大切な意味があったというね。
…どうせ自分から離れていく存在ならば「子供」という形で少しでも自分のもとに残したいという切実な…でも息子限定。
娘はいらんという。。。

なんつーか…ちょこーっとずれたらもっと違う関係にもなれたでしょうに…!

本編ラストで佐々谷くん壊れちゃってるけど、やっと想いが少しは通じたと思いきや…攻め視点の短編読んだら全く伝わってねぇーっガ━━((゜Д゜;))━━ン!!!

豊口さんの人生にも同情せざるをえないですが…それを大きく上回りまくって杏子が可哀想すぎるっ゜。(p>∧
狂気うずまく作品でしたー。

気になる点は、佐々谷くんは本当に壊れちゃったのか?ということ。
ラストで『狂ったふりをしていようと思う』って一文にΣ( ̄□ ̄;)となりました。
え…正気なのか壊れたのかどっちだ!?ってね。

もぉーすっごい黒花丸!!!
レーベルの名前どおり(汗)

5

どんなに思っても、近くにいても、交わることのない愛

衝撃でした!
水戸さんらしいドロドロ感。。。
そして普通の人なら引くであろうプレイw
女性絡みの3Pは賛否両論でしょうねーーー
でもそのシーンが薄れてしまうほど、その後の人の壊れる姿が印象的でした!

嫉妬によって壊れてしまうのに
攻め様には伝わらず・・・
私的に最後やっと伝わったのだと思ったら
そのあとの『ラブレター』(攻め様サイドのお話)で
結局行き違いの思いであって
どうしてこんなに壊れているんだ!と悲しくなりました;;

周りが見えていないほどに相手しか見ていないのに
どうしても伝わらない、交わらない。
自分の好きばっかりで相手の好きがわからないなんて・・・!

花丸文庫ブラックなのでほとんどえちしーんなのですが、
その中に人の弱いところがあり、
とても胸がいたかったです;;

4

話聞かないし 気持をうまく伝えられないし!!

水戸さんいっつもすごいの描くな~と感心しました
それにしても攻めは話聞かないし うまく気持を伝えられないし
気持を伝えるのあきらめちゃうしそれでも受けのこと好きだから、ものにはするし
dも受けは不安になっちゃうし 最終的に受けは精神的に壊れるし

こういう少しぶっとんだ話があってもいいんじゃないかと個人的に思いました

1

これはホラーですよ。奥さん。

読み始めてすぐに惹きこまれました。
「こういうのが読みたかったのよぉ~!!」って嬉しくて嬉しくて。
ほとんどホラーと云っていいほどの執着と、受け以外には何の興味もない受けが全ての完璧なのにそこだけ病んでる攻め。

まだ関係がない時点で、受けの元恋人で攻めの妻となった杏子を相手の肉体関係の相手として、お互いが媒体と見てるところとか、攻めなのに受けの子供が欲しい(男児限定(笑))とかの感情にキマシタ。

繫田への攻めの過去の執着とか、受けの子供が欲しいと思っていたのも繫田に捨てられたことのトラウマだったことが判るところは、私的には今の受け以外にもそうだったのかよ!と、残念な思いが・・・。
どちらかというと、受けの方が始めての執着で運命的な一途さで好きです。

設定とか病みっぷりは、もう『神』決定なのですが、攻めの過去の執着と最後までホラーだったことで『萌え2』にしました。
私個人的には、(架空設定です→)攻めが繫田と出会う前に佐々谷に会っていて(幼児期でもいい!)、実は繫田の方が身代わりであって欲しかった!
そして、心から安らげる無二のパートナーとして、ベタベタしてるのが読みたかったです。

でもこの手の設定はあまりないので、とても楽しめました。
限りなく『神』に近い『萌え2』ということで、次なるヤンデレ執着小説を探します(笑)

3

どこまでもすれ違う二人


とても好みな設定でした。
最初の数ページは豊口と佐々谷のキャラが掴みきれない内に事が進んでいくので呆気にとられていたけれど、中盤からの豊口の壊れ具合は最高。

豊口の奥さん(佐々谷の元彼女)を交えての3Pたまらない!
無表情で冷ややかに仕方なく参加している彼女と、豊口に攻められ喘ぎながら快楽に溺れている佐々谷の温度差がよかったです。

終盤の佐々谷が壊れ始めて(演技か?)目の前の事態に冷静に対処しているが戸惑いっぱなしである豊口とかもいいですね。
この、知らない間に事態が手遅れになっていて、どうしようもなくなっているというやるせなさは読者にも共有されていると思う。

水道の蛇口が壊れたように黒い思考がドバドバ溢れていて、二人には悪いんだけどすごく読んでいて楽しかった。
傷口から血があふれるような、悲痛な心の声は胸が痛むけど。

終盤の佐々谷は正気と狂気を見分ける、一つの境界線が崩壊したわけだけど結局あれは演技だったのでしょうか?

0

怖ッ!

バッドエンド、
病み、
闇、
ホラー…

…なんて言葉で言い尽くせないくらい超怖い作品。
ドロドロのタールみたいに真っ黒な心の中を覗き込んで、自分も日常に潜む暗い穴に落ちていってしまいそう。
久々にこういうの、読みましたね。
BLにおいては、このエンディングは珍しいですね。救いナシ!

受けの一人称で綴られる表題作と、攻め視点の短編の2作品収録です。
この、受けが語る形式。すごくいい!
内容の恐ろしさが突き刺さってくる感じ。
攻めの狂気に巻き込まれて、精神的監禁と肉体の隷属がこれでもか!と描かれて、ページを捲る手が止まらない。
攻めは全く受けの言葉を信じない。だからどんどんエスカレートしていく。
でもそれは受けが悪いの?
初めに私は実は攻めが好きだったんですって言うべきだったの?
受けはある人物の登場と共に自分も狂っていきます。坂道を転がるように…
そして救いのない破滅に突き進んでいく。

「ラブレター」
攻めはなぜこんな事をしたのか。それを攻めの独白で描いています。
彼も多分可哀想なひと。しかし、やはり元から狂っていたのは攻めの方でしょう。
彼の自分勝手な渇望が結局は佐々谷と杏子という2人の人間の人生を砕いてしまった。
だけどおそらく、この結末になって豊口は幸福感を抱いているのでしょう。

この「ラブレター」では一貫して豊口の思い込みの強さが描かれて、全く佐々谷の心を見ようとも聞こうともしない。その誤解とすれ違いの悲劇です。

(豊口+佐々谷+杏子のサンドイッチセックスあり。真ん中は佐々谷。地雷の方注意)

0

優しい者同士の壊れた愛のやりとり

 序盤から狂った展開が続き、とても攻めた物語だなぁと嬉しく思う一方で、読後はさほど重苦しい余韻はなく、案外穏やかな物語だったなという印象でした。佐々谷の元カノ兼豊口の妻である杏子を挟んだえげつない性行為シーンが最初に読者に大きな打撃を与えてくれますが、それ以降は1人の男に愛されることを切望する健気な豊口と、彼の気持ちに応えたい、自分も好きだと伝えたいと望むひたむきな佐々谷とのもどかしいやりとりが続き、どちらにも同情、共感するような話になっていたからかと思います。

 過去に同性との恋愛で相手に異性に走られた経験があるのって受けに多い気がしますが、この作品では攻めである豊口にその経験があり、彼の繊細で脆い心には一度受けた傷が根深く残ったままなんですね。同性と恋人になっても、いつかは必ず終わりが来る。この決めつけを、彼の頭は消し去ることができない。受けの佐々谷は豊口と出会った当初から彼に好印象を抱き、身も心も委ねてもいいと心底感じていて、豊口を嫌悪したことは一度もないのに、豊口がそれを信用してくれたことは一度もない。

 佐々谷が嫉妬に狂った凶行に及んでさえ、それは自分が佐々谷を壊したからなのだと結論付ける豊口。佐々谷の気持ちは最後まで通じないままで、それがとても虚しい。でも、人間そう簡単には今までの経験から得た価値観や考え方を変えられないよなとも思います。自分を捨てた母と繁田、簡単に心変わりした杏子。3人から受けたダメージは、佐々谷との短い蜜月だけではまだまだ埋められないのでしょう。相手を壊したと思い込んでいる豊口と、壊れたように演じている佐々谷はこれからも永遠に平行線のままかもしれません。それでも、偽りだと感じていても、閉鎖的な空間で2人だけで過ごす時間から少しは心からの幸せを感じられることもあるだろうと信じたいですね。

0

汚物をみせられているようなドロドロ感覚!!

ある意味スゴイ!!
ボタンのかけ違いどころの騒ぎじゃないです!!!
頭のネジが緩んでっていうか、どっか配線間違っちゃった人が、弱い人を汚染して狂わせて、それでもなお且つどちらも狂ってるっていうか・・・
痛いけど、SMではありません、狂気です。
理不尽の極みを尽くしてますし、女性との3P絡みがあるので、苦手な方は拒否する内容かもしれません。

上司に付き合っている彼女を奪われて、その彼女から上司に暴行を受けると相談があり、家に行くとベッドに誘われて、もつれ込むと上司が現れて、女性の面前で性行為を行い、「お前の子供を生んでもらう」と言って上司と部下は繋がりながら、女性にも突っ込ませて・・・
冒頭からショッキングな展開から始まります。

進行は、部下である佐々谷のモノローグで進んでいきます。
彼にとって彼女は何となく付き合っていて、本当は彼女より上司の豊口が大事で好意を持っていたので、彼女を取られても仕方ないなってくらいにしか思ってなかったんです。
でも豊口は、過去のトラウマから女性全般を憎んでいるのか、女性にもひどい仕打ちをしながら、自分の元から去らないように佐々谷を巧妙に丸めこんで籠の鳥にしてしまう。
会社では普通に上司・部下なんで、逃げようと思えば出来る筈なんですが、女性のことを思いやる気持ちで(多分これは本人もきがつかない嘘だと思う)逃げない。
本当なら、豊口も佐々谷が好きで、佐々谷も豊口が好きで、両想いなはずなのに、豊口がトラウマからの決めつけで何も言わないし、佐々谷が何か言えば天の邪鬼のような受け取りしかできない。
佐々谷も、本音を言いたいけど、それを言えば女性をかばってのことと思われると思っていえない。
もう、お互いをがんじがらめに縛って、あっち方向ばかりむいていてしまってむくわれないのです。
だから本の約80%はエチばかりしています!
そして、モノローグも佐々谷で進んでいくので、快楽でドロドロになるとモノローグも、ドロドロ口調になるのがツボです♪

豊口のトラウマの原因の繁田という男がトンデモなひどい奴として登場するが、彼の登場によって、佐々谷が壊れて行くのです。
壊れて壊れて、狂って・・・ラストまで偽りなのか!?
結末はある意味、悲惨です。

豊口は本編では一切気持ちを語りませんでしたが、『ラブレター』で豊口目線のストーリーを追った話になっています。
しかし!やっぱりこの人壊れてるわ・・・
代償はあまりに大きいと書いていいものかどうか・・・

汚いモノを見せられた後味の悪い作品なんですが、嗜虐嗜好のある自分には、これが快感です♪
読み始め、佐々谷アホだよなーって思って、ちょっとつまらないかも?と思ったのですが、読み進めるうちに冒頭の気持ちは打ち消されて、はまっている自分に気が付きました。

5

凄いの一言

私、これ以上のヤンデレな攻めって見たことないです。
というかデレてるのか…?という疑問はあるんですが…

最初っから病んでる攻め×どうしようもなく病んでいく受け

最初本をとった時「薄い本だな~」なんて思ったんですが、これはこれでいいですね。
これ以上厚かったら読むのがしんどかったかもしれません。

受け一人称、攻め一人称のお話が二つ入っています。
一人称の小説を読むのが苦手な方も多いとは思うのですが(私もそうです)
これは一人称で書かれる事により、二人の狂気・おぞましさ、何より受けが病んでいく様が
読み手に手に取るように分かるようになってしまっていて、本当に効果的だったと思います。
ああ、おそろしい……

・女性が絡む3Pは大丈夫
・何か恐ろしい感じのBLを読んでみたい
・ラストがどんなのでも泣かない
って方、怖いもの見たさでいかがでしょう。

4

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