ベランダづたいに恋をして

ベランダづたいに恋をして
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
3
得点
10
評価数
4
平均
2.8 / 5
神率
0%
著者
榊花月 

作家さんの新作発表
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イラスト
青山十三 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥560(税抜)  
ISBN
9784403522383

あらすじ

突然の異動辞令が下り、彼女に捨てられ、大阪から東京へと転勤してきた音生。越してきた(千葉の)マンションで階段から落ち、通りかかった住人からは見事にスルーされてしまう。東京の人間は冷たい、と音生の第一印象が最悪だったのが、隣の男・明通寺。ところがひょんなことから良い飲み友達になり、いつの間にか音生にとってなんだか気になる存在へと変わっていき・・・?ミディアムテンポのラブソングv

表題作ベランダづたいに恋をして

 明通寺綾高,30歳,AV制作会社営業
葉室音生,26歳,CDショップ店長

その他の収録作品

  • 同じ空を見ている

レビュー投稿数3

東京人は冷たいと思う関西人

どうも榊作品とは相性が悪いようであまり評価が高くないのであるが、それでも毎度毎度今度こそは、と読んでしまうのは、嫌いではないからだと思います。
果たして今回は・・・・ギリ萌え!!(やりました!)
最後の最後までヤマ場をとっておく、正にミディアムテンポ(関西人なのに)でしたが、丁寧な主人公達に起きる出来事の綴りや、何と言っても主人公の棲み家がものすごく親近感のある場所だったので、余計に身近に感じてしまったヒイキ目もあります。

関西から関東に転勤が決まったとたん彼女に振られて、しかも引っ越した日に階段から落ちたのをスルーされて、関東への印象がとっても悪い音生。
そんな関西人の音生が、仕事場でもそれなりに馴染み、スルーした隣人の明通寺と仲良くなり、女子にモテてみたり、元カノがやってきたりしながら明通寺を意識していくお話。

関西の人への通常の印象って会話はボケ・ツッコミがうまくて、会話や場の盛り上げが上手いとか、細かいことをきにしないとか、そんなものがあるのですが、結構この音生もそれにあてはまる人かもしれません。
中盤まで音生の1人ツッコミが中々冴えて、思わずコメディ作品なのか?と、びっくりしたり、笑ったりしましたもの!
音生は彼女に振られたことは当初引きずってるけれど、隣人の明通寺がイイ人だってわかってからは、元カノのことを余りひきずらなくなった気がするのですよ。
そんな音生が、明通寺を意識する過程が余り深く考えてなくて、とても自然で違和感なく気持ちがいい。
気になる原因は、イケメンなのに彼女もなくどうしてAVの制作会社のセールスなんて仕事をしているんだろうってこと。
彼の事実が後半で語られるので、彼が寂しい人だったっていうのがわかるのですが、その謎で飄々とした態度が、一見気がなさそうで、でも気にしているような、そのあいまいさが読んでていて何だかわかるな~って感じなんですよ。
ものすごく情熱的でもなく、かといって淡々と冷めているわけでもなく、スープの冷めない距離を保ったままの進展というのが新鮮です。

元カノの登場は一役かっている(とんでもスゲー性格!)し、契約社員の女子の存在も勿論重要だし、しかし、経理の女性の存在は必要だったかどうか?
そこは疑問の残るところ。
ただあとがきに、作品とは全く関係のない自分事ばかりを綴ってこの本編について一切言及されていないと、ちょっといい話で気に入ったのに、何の思い入れもないのかな?と不安になったりして、そこがちょっと不満な部分でした。
やはり作者さんなんで、一言でも作品については触れてほしいなと願います。

2

読む人の年代を選ぶかも

1冊すべて表紙カップル。本のタイトルは表題作名ではありません。新装版や、雑誌掲載の後に改題されたのではないのに、一致してないものって珍しいかもと思いました。

長編「隣人と雨とそれ以外」は音生(受け)の視点オンリーです。
ショート「同じ空を見ている」は、前半は明通寺(攻め)、後半は音生なんですが、妙通寺オンリーの方が良かったのではと思いました。

東京に転勤してきた関西人の音生が、隣の部屋に住む明通寺と部屋の鍵を忘れてベランダの間の壁を壊して行き来できるようになったところから親しくなります。明通寺に惹かれ、元彼女や同僚からの誘い避けて、恋人同士になる…という内容です。

音生が関西人のためか、思考がなかなか面白いです。
ただ、二人の会話に時事ネタと言いますか、年代を感じる内容が含まれているので年代がズレていると「愛してマスカット」や「ビューのついた名前のバンド」などの二人の盛り上がりについていけないかもしれません。分からなくても細かいことは気にせずスルーできる方にお勧めです。

音生にとって最初は悪印象だった明通寺に惹かれる過程や葛藤する心中が、音生の仕事状況や、明通寺との日常のふれあいの中で語られています。

ただ、ぽん、と投げられたけれど未解決という展開も残ってました。関西人嫌いな同僚との仲はそのまま修復なしですし、表紙イラストでも印象的な明通寺の傘は誰からもらったのか(はっきりと示唆した場面はなかったような…)ともやもやしました。

それと、音生の元彼女への未練がましい愚痴や、やり直したいという彼女に迷ってずるずると泊めていたのはなんとなく嫌でした。

話は明るく楽しく面白いけれど、もうひとつスッキリしないという作品でした。明通寺の傘も後半は登場しなくなり、ちょっと気になりました。

1

なにがしたいのでしょう。

なんというか……なんだろう。
“それってどうなの?” と思ってしまう瞬間ばかりで、お話に集中できませんでした。
大阪から出てきた若手CDショップ店長が主人公で、そういった設定ゆえなのは解るんですけれど…台詞や心理描写にイラッとさせられてしまいます。

あの…千葉県って田舎ですか?私は千葉県民として千葉県をだいぶ愛しているので、文中で 「東京(千葉だけど)」 なんて言い回しがあるたびにカチンときてしまうんです。
千葉のなにが問題なのよ、っていうか初めから千葉って言えばいいじゃん…って。差別的な言い方で 「田舎」 って使うのは勘弁してほしいです。こういうのもほんとうに… 榊先生作品は「一言多い」 んですよね。

いくらCD屋さんだからといって、歌手名を出したり歌詞の一部を台詞に使うのも…どうかな、と。
ちょっと前に拝読した作品で、榊先生が如何にB○MP OF CHI○KENがお好きなのかはよく解りました。だからもう歌詞の影響丸分かりの台詞は使わないでほしいです…。
BLは…やはり特殊なジャンルだと思うし、いたずらに現実を取り入れるのはどうなんでしょうか。たとえば昔の人の格言などなら納得できますが、いまご活躍なさっている、BLとは無縁の方の一部とも言えるものを使うのは…そもそも良いのでしょうか?
客観的にもそう思うし、主観的には、好きなアーティストをネタにされているのは嫌です。
なんというか…それを使わなければ絶対に表現できない何かがあったのでしょうか?
あとがきなどを拝読していても、どうも作品への本気感が伝わりません。商業本ですし、もう少しちゃんとやってほしいなと思わずにはいられなかったです…。

生意気なことばかり言ってしまってすみません。
でも今回はお話はイイ感じだったので、余計にそういった点が引っ掛かってしまったんです。ほんとうに…、いつも設定は良いのに、同時にそれを霞めるなにかが存在していると思います。
単に私の趣味に合わない作家さんなのかなぁとも思います。
前に拝読した作品でそれは薄々感じていましたが、それでも拝読したのは、今回挿絵が青山十三先生だったから。
ギラギラキラキラとは無縁な画風だと思いますが、眼鏡キャラの素敵度はかなりキていると思います!この本でも、眼鏡の流し目的な絵が数点あってときめきました☆
……青山先生が挿絵なのに、文中では 「十三は不吉な数字」 との言葉があったり…。
あぁー………。 orz

1

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