約束 If I miss you

約束 If I miss you
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×21
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
2
得点
12
評価数
3
平均
4 / 5
神率
33.3%
著者
榊花月 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
孝宮晴子 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸ノベルズ
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784592862116

あらすじ

心臓に欠陥を持って生まれた麦は、手術が成功した今も、甘やかされて家でぶらぶらしていた。そんな麦を見兼ねて、隣に住む9歳年上の一郎が勉強をみてくれていた。麦は一郎に対し幼馴染み以上の気持ちを抱くが、一郎が結婚してドイツに行くことを知る。そして、その弟で天敵の二郎から一郎のことは忘れろと迫られ…。3編からなる育ちものシリーズ連作。

表題作約束 If I miss you

二郎 隣人の大学生
麦 虚弱体質なニート

その他の収録作品

  • 約束~If I miss you~
  • 卒業~I miss you,do you miss me?~
  • 雨音~Can you hear me?~

レビュー投稿数2

センチメンタルな幼馴染みもの

ノベルス二段組。ずーっとキュンキュンして読みました。なんてことない幼馴染みものなんですが、作者様のキャラ造形がカラッとしているので雰囲気的に湿っぽくはならない。切なくて懐かしくて、なんと表現したらいいのかわからない気持ちでいっぱいになります。

心臓に病気があって小さい頃から入退院を繰り返していた麦。向いに住む8歳年上のイチローちゃんのことが大好きでした。自分のことを一番心配してくれて、お勉強も教えてくれて。

病気のせいでほとんど学校に行かず、勉強もせず友達も作らず、19歳になってもイチローちゃんしかない麦。甘ったれで情けないやっちゃな〜って思うんですが、彼が子供のままでいられる間にしか成立しえない、悲しい片思いの切なさをこれでもか!ってくらい堪能したお話です。

イチローちゃんには弟のジローがいて、麦とは三ヶ月違いの一学年後輩なのに、子供の頃からえげつないほど麦をイジメ倒してくるヤな奴でした。もちろん麦はジローが大っ嫌い。

あー…。なんてテンプレなんだ……。
でも、読みはじめると止まらないんですよこれが〜、、、

読み終わった後にタイトルと英語の副題の意味を反芻するとまた切なくって。

約束〜If I miss you〜
卒業〜I miss you, do you miss me?〜
雨音〜Do you hear me?〜

最後の「雨音」はジロー視点。イチローと麦の思いを知りながら麦に思いを寄せていたジロー。彼の一人称は自虐まじりで諦めや開き直りすら感じるけれど、兄への敬意と理解が垣間見られるところや、麦の思いだけは尊重して傷つけたくない思い遣りにグサグサきます。果たしてジローの思いは報われるのか…その先は描かれていません。

なぜこのお話が切ないのに、カラッとしているのか、先のレビューを拝読して納得しました。そう、三人とも幼馴染みへの恋情に罪悪感を持っていないからだと。人を恋する気持ち自体にはなんの罪もない。ただ純粋なものとして上げることも下げることもなく、彼らなりの表現だからこそ揺さぶられるのだと。

とっても素敵なBL小説だと思います。


追記 : あらすじに一郎と麦の年の差が「9歳」とありますが、本文に「八つ年上の幼馴染み」とありましたので、そちらを採りました。

0

うあああ…続き読みたい

絶対に無理って分かってるんだけど、これ続きがめちゃくちゃ読みたいッス!
榊花月さんの初期作品ってホント、独特の魅力がある。
有名な「抱きしめたい」シリーズは数年のブランクがあった後に出版社が変わって、エピソードが削られたり付け加えられたり整理された新装版が出て完結したけど、他にも色々と先が気になるものがいっぱいなんですよ。
お願いしますだー!
イチから書き直すってのはどうでしょうか。勝手なこと言ってますが、言うのはタダだ!続きが読みたいのですよ!
10数年たってもまだまだ現役で活躍されてる作家さんなので、期待してしまう…。

主人公は虚弱体質な男の子です。
隣人の兄弟(名前は一郎と二郎w)とは幼馴染み。
優しい一郎に恋してたんだけど、結婚が決まってしまう。そんなときに、いつも自分をイジメてた二郎に告白される。
ごくごく日常的なお話なんだけど、一方通行な想いがやたら切なくてさー。
この終わり方じゃ、二郎のほうが報われねぇよ(涙)

恋心を正義にしてしまわない部分も良かったな。
「世間体にとらわれること」をただの罪悪であるかのように描く作家は多いけど(BL作家に限らず)、榊さんにはそういう部分がないんだよね。肯定でも否定でもなく、ただ「そういうもの」として描ける作家さん。なにげに稀有だ。そこも好き。

2

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