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houtou na ou no yoki senu junai

ああ…やっぱり、佐竹笙先生のファンタジーが大好きです。
南アジア/中国の南方をイメージされたという世界観、
長髪×長髪という個人的に大好きな攻め受け設定に気分も上がり、
夢中で読み耽りました。
以下、興奮のままに書き綴ります。。
元遊び人の攻め。無自覚に昔から受けに惹かれていたことにやっと気付き、
本気の恋に身を焦がすー
そんな二人の恋物語に、ザイ(攻)の兄である前王・ウルの暗殺疑惑の調査ー
という流れが加わり、ときめきとシリアスなドキドキ感が
ページをめくる手を前へ前へ、と進めてくれます。
恋愛パートと事件調査、二つの側面の配分が
とても読み心地良かったのに加え、
そこに”親子の愛とは”と考えさせられる部分もあり、
深い満足感の得られる一冊でした。
内容の前に、まず!
もちゃろ先生による美麗な表紙・口絵が最高です✨
(表紙と、本文の中に1ページ分しかイラストがなかったのが
残念でなりません...もっともっと、美麗絵を見たかったな;)
受けの前髪の一部が白髪、そして本人はそれをコンプレックスに思っているー
という事実にも萌えが加速。
ザイ(攻)にその白髪が目立つ、と指摘されたユン(受)が気分を害し
ツンっとなったところ、申し訳なさそうに謝ってくるザイー
という図にも萌え転がりました。
ザイはユンの白髪を「美しい」と思っていたのに、
うまく伝わらなかったのですよね。
この、ツンツンしている健気でどこか抜けてる天然受け、
ユンがとにかく魅力的な人物でした。
大志を抱いて官吏になるも、
「御庭所」という閑職に就かされガッカリ。
しかし、与えられた場所でしっかりきっちりと仕事をして成果を残す。
決して腐らず、もくもくと頑張る姿、応援したくなります。
そもそも彼が閑職へと追いやられるきっかけとなった
”登用試験への遅刻”が、同じ馬車に乗っていた若い女性が産気づいたのを助け、
間一髪ギリギリで試験場に着いて慌ててしまったからーというもの。
不器用な一途健気さ、頑張り屋なところに
なんとも心惹かれずにはいられないキャラなのです。
で、この”女性を助けていた”という部分が後半、
真相を暴いていく過程でちゃんと繋がってくることに感動!
まさに”情けは人のためならず”とはこのこと…!と、
読んでいて「おおお」と興奮した部分でした。
一方の遊び人・攻めのザイにもまた、個人的に萌え悶えました。
注意点としては、学生時代も王となってからも
ザイが多数の男達と体の関係を持ち…という描写があります;
ヤリチン攻め、絶対無理ー!!!という方には色々思うところがあるかも
しれないのですが、、
元・遊び人攻めが改心し一途になるーという展開が、
個人的に大好きで…
”ユンに王として認められたい”と心を入れ替え、一途に努力し、
本気であることを伝え愛を捧げる。
その熱意、いまいちユンに信用してもらえず
もどかしい思いをする様に、萌えに萌えたのでした。
そもそも、序盤、6年ぶりの再会を果たす場面から
なんともザイが可愛いのです。
朝からウキウキして綺麗な服を選んだり、
クマはできているけど、むくみはないな…なんて
自分の見た目を点検・チェックして、柄にもなく緊張していたり。
無自覚な好意ダダ漏れの様子、そして久々の再会が嬉しいと思う反面、
自分は嫌われているだろう…と切ない気持ちに浸っている姿に哀愁も漂い、
可愛いことこの上なし(*´艸`)
学生時代、ユンに見せつけるように男と情事に耽る姿は
とても褒められたものではありませんが、
そのイメージを見事に覆してくれる彼の中の純情、
本気の愛の見せ方におおいに心沸き立ちました。
ユン・ザイそれぞれ、”母の愛”への複雑な思いがあり、
それがユンの言葉で「親子の愛とは常に非対称なもの」と
表現されているのが印象的です。
親からの愛よりも、子が親を思う気持ちの方が強いー
母親から愛されよう、認められようと
それぞれ違った形で足掻いてきた二人。
そんな二人が、母のためではなく”愛する人”のため、
また自分が心から欲し、理想とする人・事柄のために
動いていこうと変わってゆく姿が眩しく力強く、心にじんと強く響きました。
愛するユンの言葉が、母である王太后の心を動かした…と知ったザイが
喜ぶ心理描写、良かったなあ...
自分の能力を卑下しがちなユンだけれど、
その真面目さと一途な健気さ、心の清らかさが
実は多くの人を救う力になっているのですよね。
そりゃあこんな素敵な人、ザイは手離せないよねえ…とニヤニヤです(。-∀-)✧
レビュータイトルにもさせて頂いた、終盤のザイの言葉。
この言葉が読後の今も胸に響いて、ドキドキしています。
”自分は龍で、お前は雲だ。雲があるから、龍は高く昇れる。
高みにいるお前を、俺はずっと追いかけるー”
自分の中の萌えが最高潮に達した、クライマックスシーンでした。
あと。
重要な脇キャラであるウェイ・ホウ!!
いい男でした…
ユンへの好意が確かにあったはずだけれど。
王たるザイから「(ユンの)命を守ってくれ」と頼まれ、
最後まで自分の気持ちは表に出さず、命令を守り切った男。
なんて男前、カッコいいの...
彼にも救いがあってほしい…!と強く願ってしまう、
最高にときめく脇キャラでした✨
今レビューを書いていて、興奮冷めやらず
初めからもう一度読み返したくなってきました…
佐竹先生、素晴らしいファンタジー作品を届けてくださり
ありがとうございます☺︎・:*+.
誰とでも情事に耽るような放蕩者の攻めの恋が「純情」かと聞かれたら、私はそうは思わなかったです。
前半部なんか特にですが、他の誰かと色欲に溺れるシーンがあり、しかもわざとユンに見せつけるようにするやり方は趣味が悪い。後宮にあてがわれた愛人5人と日替わりで相手をしてると言うし、しまいには愛人の1人からザイはバックで致すのが好きだと要らない情報まで……聞きたくもなかったです。
心が伴わない行為だとは言え、また学園時代からずっとユンへの想いを抱えてきたとはいえ、ザイの恋を応援する気持ちが↑上記の理由によりそこまで持てませんでした。
ヤリチンライフを送る男の恋のどこが純情と言うんだろう。執着愛と言う方がしっくりきます。
そんなザイの性事情が元で、本命のユンに本気の愛だと信じてもらえないのは、ちょっとだけザマァと思っちゃいました。
ザイが何度も好きだと言い、本気の愛だと求愛しても、ユンになかなか信じてもらえない状況が続きます。通常ならなかなか通い合わない2人を焦ったいと思うところですが、これはザイに与えられた試練。過去の自分の不埒な行動の報いだと思って、ユンに本気が伝わるよう頑張って欲しいなとも思いました。
ユンを側に置くようになってからは愛人たちとの関係が切れ、ユンにひたすら一途になっていくザイの恋を見守りました。
ユンの視点とザイの視点が入り混じるストーリー構成なので、どちらの心情も分かるのが良いですね。ユンがザイの気持ちに応えられない不安な心境と、ユンに恋焦がれて嫉妬まみれになっている男の独占欲が交錯していく恋愛事模様は見どころです。
恋愛経験が全くないのはザイもユンも一緒で、ちょっとずつ距離を縮めながら互いの気持ちに向き合っていく2人に期待せずにはいられません。
ザイは自分の気持ちを惜しみなく伝えているので、あとはユンの気持ちのみ。ザイの想いに応えるまでの間には、ザイの兄の死に関わる真相に近付いていく展開も見逃せない。BLターンも事件ターンもどんな結末になるのかドキドキハラハラでいっぱいでした。
最初こそザイを応援したい気持ちも低調でしたが、後半にかけてグンと伸びました、ストーリーがめちゃくちゃ面白かったです。兄を殺害した者の断罪はスカッとしたし、腐敗勢力の膿を暴こうと色々と画策していく動きは読み応え抜群でした。
ザイには色々思うところはあるけど、恋心に誠実になった彼は一生懸命でカッコ良かったのは大いに認めます(笑)ユンのドジ天然なところや、ズレた可愛さも魅力的でした。
兄弟愛や親子愛に触れていくアプローチも、ジワッとくる感動の読み感に繋がりました。トータル的には大満足。人物史書き風のその後の情報も有り難かったです^ ^