元奴隷の英雄は運命のオメガを救いたい

moto dorei no eiyuu ha ummei no omega o sukuitai

元奴隷の英雄は運命のオメガを救いたい
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×21
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
36
評価数
9
平均
4.1 / 5
神率
55.6%
著者
水川綺夜子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
Ciel 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784041165560

あらすじ

元奴隷の英雄×没落したオメガの主従逆転オメガバースBL!
裕福な商家の息子ラムは奴隷のミスラを助け家族として迎え入れる。しかし数年後、隣国との戦争が勃発し、召集されたラムの代わりにミスラは自身が前線へと向かうことを申し出る。戦果をあげて英雄となるミスラだったが、その間にラムは忌むべきオメガだと判明した上、戦禍によって没落し、美しかった街は壊滅的な被害を受ける。凱旋したミスラは、ラムを迎えにいくが、ラムはすっかり以前の明るさを失ってしまっており…?

表題作元奴隷の英雄は運命のオメガを救いたい

元奴隷で英雄、α、12→18歳
裕福な商家の息子、Ω、11→17歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数5

大切なのは唯一の貴方だけ

今回は異国で売られた奴隷少年と
商家の跡取息子のお話です。

受様に買い取られた攻様が英雄となり
戦によって傷ついた受様と幸せを掴むまで。

この世界には男女の他に
成長とともに現れる3つの性があります。

ほとんどは特徴のないベータで
普通の暮らしには支障がありませんが
極めて優秀な才能を発揮するアルファと
劣等とされるオメガに分化した者は激変します。

特に男性でも子供が産めるオメガは
3カ月に1度の発情期で低い地位を余儀なくされ
男性オメガは特に忌避や嫌悪されたのです。

受様は貴族の母と5大豪家の父の
1人息子ですが家業の勉強を嫌い
芸術の力でこの世にある差別を消したいと
願っています。

ある日受様は
公平な取引と愛ある商いが信条の父が
奴隷を買うと耳にした取引現場に乗り込みます。

父達の前の檻に見た汚れた布の塊が
受様と同じくらいの年の少年と知るとさらに
激高して父に詰め寄ります。
この少年が今回の攻様です♪

どうやら目的の品を買うには
他の品や攻様を買い取ることが条件らしく
人身売買が主取引ではないようでしたが

受様は商品が贋作と見抜いて商人を糾弾し
彼らから引き取った攻様に新たな名を贈り
気の置けない友とするのです。

攻様は自分を救った受様に一目で惹かれますが
受様の傍にいるに相応しい者になるべく励み
6年後には精悍な青年に育ちます。

そして北の地の異民族が攻めてくると
各家から年若い男子を徴兵すると王命が下ると
攻様は恩を返す時と自ら志願するのです。

攻様は必ず生きて帰ると出兵しますが
受様は攻様の出立によって体調を崩し
オメガだと判明する事になります。

オメガとなった受様を待ち受ける未来とは!?
攻様は無事に受様の元ら戻るのか!?

奴隷として異国に売られた攻様と
商家の跡継ぎながら芸事に傾倒する受様の
主従逆転オメガバースです♪

物語は受視点で始まりまますが
攻視点も交錯する形で進むため
読者にはそれぞれの想いがわかる形で展開します。

攻様は王軍を処理に導いた英雄となって凱旋し
末の王女との縁談までもたらされますが
攻様はとにかく受様の待つ街へと向かいます。

しかしかながら受様と攻様の愛した地は
戦争による重税と熱病の蔓延で見るも無残に荒廃し

オメガになった受様は
父によって地下室に軟禁されており
発見した攻様に「噛んで」と願う状況だったのです。

受様にとっても攻様にとっても状況はかなり悪く
戦争によって互いの立場が逆転した2人が
これからどうなっていくのかハラハラな状態であり
正直、読み進んでいくのに躊躇しました。

英雄となった攻様とムリヤリ番った事が
受様の大き悔いとなり、本来の受様が持つ才も力も
鳴りを潜めて卑屈さが消えません。

受様の幸せを何よりも願う攻様の献身は
幸せよりも辛さを感じさせてしまうのが
切なく哀しいです。

受様が少しづつ前を向いていく事で
攻様の愛を受け入れ攻様が初恋を実らせるまで
楽しく読ませて頂きました (^-^)/

0

なんか盛りだくさんだしすれ違うし忙しい

表紙のラムが可愛くて可愛くて。美しいイラストが素晴らしかったです。
ラムが奴隷だったミスラを助けて2人が街を駆け回るところがとっても印象的でした。街の様子やラムの賢さや明るさ、ミスラの絶対に知られてはいけない恋心。

2年の戦争の間にすっかり変わってしまったラム。
あんなに明るくて自信家で行動的だったのに。
色々あったから無理もないのですが。

ミスラもミスラだよ。もっと何度もラムに気持ちを伝えたら良かったのに。ラムに嫌われると怖がって言う通りにして。散々こじれてすれ違って。

こんなにかたくなになってしまったラム。
ラムがミスラに責任を感じたり、ミスラの気持ちが全くラムに伝わらないのがもどかしかったです。

終盤はやっとラムも前向きに動いて良かったですね。ミスラの支えで強さを取り戻し。

ミスラの出自や縁談や陰謀まで凝ってましたね。

主従関係だったから再会してから余計こじれてしまい。ミスラの深い愛と優しさに忠犬攻めはいいなぁと再確認しました。
もう少しゆとりがあると良かったかな?

3

No Title

もともと、好きな作家さんだということと、タイトルと表紙にもひかれて、よみましたが、とてもおもしろかったです。

タイトルから想像できるような内容です。

元奴隷の英雄と、没落したオメガの主従逆転オメガバースBLです。

ファンタジー色のつよいお話で、独特の世界観がひろがっている作品で、たのしくよむことができました。

よんでいて、せつなくなってしまうシーンや、ドキドキするシーンがおおくて、とても心にのこる作品だとおもいました。

3

愛しいあなたを繋ぎ止めたい...忠犬攻めの一途な想いが胸を打つ、主従逆転ファンタジー

先生の既刊(デビュー作)『運命と偽りの花嫁』が大好きで、
こちらの新刊もドキドキ、ワクワクしながら手に取りました。

やっぱり水川綺夜子先生のファンタジー、大好きです...

敬語攻め(年上)、一途で執着でワンコな攻めがお好きな方、
気高く美しい意地っ張り受けがお好きな方に、
特に刺さるのではないかと。

一途わんこ攻めが何よりも好きな自分にはドンピシャの、
”尽くして尽くして尽くす攻め”でした。

攻め視点・受け視点が作中何度か入れ替わり、
口には出せない互いの気持ちが痛いほど伝わってくる構成も良かったです。

特に、中盤の切ないすれ違いパートでは、視点の切り替えが
”焦ったさ”や”もどかしさ”をより際立ててくれているように感じました。
(やや、すれ違いが長いかな...?という気もするのですが、
長いからこそ、その後の展開の輝きが増す!とも言えるかと✨)

そして絶対に言及しておきたいのが、Ciel先生の挿絵の美しさ…!
世界観にぴったりの表紙とイラスト、一枚一枚うっとり見入ってしまいます。
物語世界への没入感をグッと底上げしてくれる、
素晴らしいイラストでした。


恋に落ちた衝撃、その高揚感と悲劇的な展開、
逆転した主従関係で出来てしまった溝を乗り越え、愛を確かめ合うー

と、紆余曲折の物語展開に、一瞬たりとも目が離せず
電子で273ページ、一気読みです。
(電子特典SS含む)

異国から連れてこられた元奴隷の英雄α×後に没落してしまう商家のΩ。
優しく気高く、知性と教養に溢れるラム(ラムルート・受)が
歌い踊る姿を見た時、一瞬で恋に落ちるミスラ(攻)の
感情の昂りの表現、見事でした...

自分もミスラと一緒に恋に落ちたように錯覚し、
ミスラの視点でラムの動き、言葉を追ってしまう。

永遠に続くかと思われた束の間の主従関係、
蜜月が光り輝いているからこそ、その後の展開は
より悲劇的に感じられました( ; ; )

思わぬ戦争の勃発で、招集されたラムの代わりに
ミスラが戦地へと赴くことになりー

この時、ミスラ自身はやっと恩返しができる!という喜びに震えているのが
なんともやるせなくて。
でも、その大きな愛と献身にたまらなくグッときてしまう。

そんなミスラへの罪悪感と、まだ自覚はしていないけれど
”番と引き離される”ことへの痛みがラムを支配する描写も刺さりました。

そうしてミスラが必死に戦地で戦っている間、
ラムに起こった出来事。
あらすじを読んで覚悟はしていても、辛いものが、、

Ωと発覚し衰弱していき、自殺未遂を図ったラムを鎖で繋ぐ父親。
酷い仕打ちだ...と思わず読んでいて目を疑ったのですが、
これが終盤、良い意味で裏切られるなんて。

父親がラムへ遺したメッセージ、そこに込められた息子への愛と後悔。
泣けちゃうよ...

やがて国の「英雄」となって帰還したミスラが
ラムを発見して抱き上げ、連れて帰るその時の心の内の描写も
たまらなくロマンチックで切ないものでした。

温かく、柔らかい胸に大切な人を抱くには、
身につけている鎧や甲冑が邪魔すぎてー

そして驚いたのが、二人が思いを確かめ合う前に
「番」となるシーン。

この二人なら、愛を確かめ合って体を重ね、そしてやっと番にー
とうステップだと勝手に思い込んでいたため、
まさか「番になる」ことが先とは思わず。

意外な展開にハッ!と驚きましたが、ラムは無自覚とはいえ
二人の心、想いは既に重なり合っていたものね...と納得です。

そうしてやっと共に暮らせるようになってからも、
今度は逆転した”身分差”が二人の(というより、ラムにとって)
大きな障壁となります。

意地っ張りなラムが頑なにミスラに対して敬語を使い、
離れていこうとする姿にやきもき;

ラムに嫌われまいと、彼の要求どおり
無理矢理主人のような言動をとるミスラ。
その苦しむ心の内をどうかラム、分かってあげて...!と
願わずにはいられませんでした。

愛するあまり、心配するあまり
愛しい人を閉じ込めようとしてしまうミスラと、
見識に優れ商才もあり、一箇所に閉じこもっているような器ではないラム。

互いの想いが噛み合わず、双方が辛い思いをした後、
やっとやっと言葉にすることで理解し合えた時には
「ああ...」と思わずため息が。

言葉で、態度で忠誠と愛を誓うミスラに、
ラムと共に私も陥落です。
声を一時的に失ってしまったラムが必死に絞り出すしゃがれ声さえも、
「美しい」「変わらない」と、慰めではなく本心から告げる攻めの愛の深さよ。

そんな一途で健気な攻めの愛に、たっぷりと酔いしれました。


救い、救われー
という一方的な関係ではなく、それぞれが違った能力をいかんなく発揮し、
活躍するところが見られるのもまた、物語の大きな魅力。

ミスラが奴隷だった頃には、ラムがミスラを救い。
ラムに悲劇が起こった時には、ミスラがラムを救い。
そして愛を確かめ合った二人は、手に手を取って共に並び立つー

最高にカッコよく、ときめく二人の”主従逆転”一途愛の物語でした✨


一点、欲を言うならば、、

素敵なファンタジー世界の中に時折出てくるライトな表現に、
ちょっと一瞬、現代日本・現実に引き戻されるような気がしてしまうところが
あったかな...?

具体的には、「...はフリーズした」「ボロい」
「タメ口」といった語彙表現です。
(これは本当に自分の好みの問題なのですが...!)

ロマンチックで完成度の高い物語だからこそ、
細かな表現の部分も、しっかり世界観に浸りたかったかな、、?
と欲が出ました。


とはいえ!!

一途忠犬攻め、意地っ張り受け、立場逆転ー

と、これ以上ないほどドキドキ・わくわくさせてくれる要素たくさん。
脇を固めるキャラも個性的で頼もしく、
(↑特に女性キャラの魅力が際立ってました☺︎)
萌えを最高に感じることのできる主従オメガバース、大好きです・:*+

この週末、またじっくりと読み返し世界観に浸りたいなと思います(*´◒`*)

6

意地っ張りなご主人様をどうか最後まで温かく見守って

元奴隷の少年がいつしか英雄となり、自分を救ってくれた主人を最優先で迎えにいく忠犬ワンコな攻め力。冒頭からワクワク感を煽ってくれました^ ^

オメガバースの設定も加わり、お互いに惹かれ合っていく気持ちが最大限にまで引き上げられていくのも楽しい見どころです。2人は早々につがいになりますが、これはゴールではなく、スタートという意味が強く、つがいになってから始まっていく2人の恋模様が切なくも苦しい物語運びでした。
しかしながら、お互いの本音に向き合っていくキッカケになった側面もあり、切ない感情も悪いことばっかりじゃないんですよね。ミスラを諦めようともがき苦しむ感情からは、ミスラへの抑えきれない愛情がどんどん溢れてきて、何度もミスラの気持ちを拒否しちゃう意地っ張りなラムには焦れました。が、それを上回る好き感情を諦めずにぶつけてくるミスラの本気度にはシビれました!

戦争でそれまで置かれていた自身の状況が壊れ、家族を失って、Ωになって…と、明るく快活、公明正大なラムの性格が卑屈になっていくのはやるせなかったです。言葉を失ってしまったのもそう。キラキラと輝かしかった彼が、ミスラと再会したあとはそんな面影などなく、鬱々としてる姿は楽しいシーンではありませんでした。
この物語がラム視点だけだったらツラくて読むのに時間がかかったかもしれませんが、ミスラ視点も同時展開していたことにより、結果的にすごく楽しむことができて満足です。本当はミスラを好きなのに意地になりすぎるご主人さまをどうか最後まで温かく見守って下さいね。

この2人を見ると、衝動的につがっただけの2人じゃないのが分かることでしょう^ ^
ちゃんと2人の気持ちが一つ一つ大事に紡がれていて、好きになる理由も過程もしっかり納得できるストーリーは読み応え満載でした。


主従…からの、逆主従関係の2人の波瀾万丈な恋愛劇にハラハラさせられた一冊でしは。
最後は気丈にミスラを救う、かつてのラムの姿が戻ってきてあー良かった( ´∀`)

7

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