天にとどく樹

天にとどく樹
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×22
  • 萌1
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
13
評価数
5
平均
3 / 5
神率
0%
著者
吉田珠姫 

作家さんの新作発表
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イラスト
のやま雪 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
天にとどく樹
発売日
価格
¥638(税抜)  
ISBN
9784877249069

あらすじ

僕にはひみつがある。
それはオトコの人が好きだという性癖。
石黒家に居候することになった僕・高柳忍が一緒に暮らすのは、美形の三兄弟、長男の和臣さん・次男の善臣くん・三男の直樹。
年下の直樹は、僕に突っかかってきたり、逆にやさしくなったり、僕は戸惑ってしまう…。
僕は昔、直樹と何か大切な話をしたんだっけ…?しだいに露わになる石黒家の影と僕自身の過去に向き合いながら、僕は人生を左右する恋に出会い、そして彼とともに生きていく―。
―天にとどく樹シリーズ1。

表題作天にとどく樹

石黒直樹,小学生,10才~12才中学生まで
高柳忍,予備校生,18才~20才大学生まで

その他の収録作品

  • プロメテウスの鎖
  • 愚者(THE FOOL)
  • あとがき*吉田珠姫
  • あとがき*のやま雪

レビュー投稿数2

直樹と忍の話の後の義臣のバンドのストーリーがいい。

 石黒家の三男、直樹は母親の浮気でできた子供。
 だからといって家庭内でひどい扱いを受けているわけでもない。
 みんなすごーく卑屈になっている直樹に腫れもののように接している。
 それが余計直樹を孤独にする。
 母親はものすごく反省してるし、石黒家の父親も直樹と仲良くしたいと思っている。
 父親は純フランス人、母親は日本人。上二人はハーフ。直樹は浮気相手が日本人なもんで見た目で明らかに世間にご近所にわかってしまうのだが、上二人が直樹が目立たないように、兄和臣は髪を黒くして(確か黒のカラーコンタクトもしている)常に優等生になり、二男善臣は兄とは正反対に髪を金髪にして、バンドをやり目立つようにしている。
 
 石黒三兄弟は幼い頃から親戚の忍に惹かれている。
 忍は自身の家庭内で家族ぐるみで性的虐待を、直樹に発見されるまで続けられている。 確か高校生くらいになるまで。(しかし虐待の描写はほぼでてこない)
 そのころの忍はし―ちゃんとよばれ、長男の和臣とも関係がある。
 しーちゃんは和兄さんと呼んである意味、相思相愛。すごく歪んでいるけど。
 
 直樹に家族による性的虐待を発見され、あかるみになって受験も重なり、ホテル暮らししながら大学受験をするもすべて落ちる。
 そして事故って記憶喪失になり、何も知らない性格が180度変わった忍になる。
 すべて暗い過去を忘れて明るくなった忍は、歪んだ状況にある石黒家に居候するのだが、そこで石黒家の現状を知り直樹に徐々に惹かれていく。

 忍がその後、一人暮らしして、大学に行くようになり、直樹との距離も縮まり一悶着あるも両想いになり、そのことで直樹もだんだん落ち着いて石黒家も明るくなっていくのだが。

 私はどうしても直樹が好きになれない。
 確かにつらい状況ではあるけど、あんたよりもっと大変な子はいっぱいいるよ。
 二男の義臣の親友の博紀やその後博紀の奥さんの連れ子の子の方がよっぽど大変。(このシリーズで後にその話が出てくるが涙なくては読めない話だ)
 なのに直樹は卑屈になり、それが許される状況に甘えている。
 おまけに忍まで手に入れて。
 忍に関して言えば、一番大打撃を受けたのは長男和臣さんだ。
 忍が自分との過去を綺麗に忘れていたのを知った和臣さんの取り乱しようったら。
 後々まで引きずります。
 しーちゃんとのことがその後の和臣さんの原型となっていく。

 後は義臣のバンドのメンバー募集に幸彦が応募して期待を持たせる話が入っている。
 この話がいい。
 忍がいい活躍をしている。
 バンドをどうすればいい方向にもっていけばいいのか、義臣が悩むのだけどクライマックスのところでほろりとさせられる。

 最初の話でイライラした分、この話で元が取れたと思う。

1

「小学生攻」を忘れてしまう。

ちるちるのプレゼントでいただきました。ありがとうございます。
当選通知をいただいた際、何をもらおうかな~と調べていた時この作品を見つけ、「攻が小学生だと?!これは読まねば!」と思い、プレゼントにお願いしました。
元々は1993年刊行の作品なので、16年前ということですね。すごい!

読んでいると、しばしば攻キャラの直樹が小学生だということを忘れていまいます。「小学生攻」という設定にもかかわらず、トンデモ作品(水戸泉先生の「子供はなんでも知っている」のような)に逃げずに、真っ向から恋愛を描く吉田先生の力量には舌を巻きました。
子供だから意地を張ってしまう、お互いに好きなのにうまくいかない不器用さをいとおしく思います。「子供」であっても一人の人間なのだと、そう感じる作品でした。

0

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