[bond(z)]―ボンズ―

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[bond(z)]―ボンズ―
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×28
  • 萌7
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
73
評価数
19
平均
3.8 / 5
神率
21.1%
著者
川唯東子 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ビブロス
レーベル
ビーボーイコミックス
発売日
価格
¥562(税抜)  
ISBN
9784835215280

あらすじ

互いの存在以外何もない灼熱の恋の記憶…。今から2年前の夏の日、ほんの好奇心から友人のケータと身体の関係を持ったトモ。そんなモラトリアムの恋は思わぬ方向へと動きだし…!? 表題作他、大人気の読み切りを満載した初のコミック傑作集!!

表題作[bond(z)]―ボンズ―

欲望に素直な快楽主義な大学生(工学部)~院生
奔放だがナイーブな大学生(文学部)~社会人

同時収録作品サクラ

朝比奈蓮 会長の孫 18歳
綾辻優一 会社員

同時収録作品綺譚庭園

杉浦大地 大学生
フィオナ 薔薇の国の王子

同時収録作品シチュエイション

庸 高校生
暁 高校生

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数4

短編集

短編集です。

『ボンズ』
二人して自堕落だった学生時代。お互いに恋人がいるのに、ゲームのように男同士でセックスしていた。
ふとしたきっかけで離ればなれになるんだけど、今さら?というような出来事なのが良かったです。
さらに二年半のインターバルがいいですね。
再会したあとに舌を見せるシーン、妙にエロい。
舌ピアスとかチン〇ピアスとか好きじゃないんだけど、物語のキーアイテムとしてこんなふうに使うのって最高だなと思いました。

『シチュエイション』
幼なじみ最高です。
幼なじみものは境界線を超える瞬間までのお話の作り方で差が出るんだよね。
こちらの作品は完璧でした。
不満は二人の初エッチが読みたかったこと。

『綺譚庭園』
せ、せつない…。
薔薇の精(?)と人間との、はかない恋の話です。
切なくて、キレイで、すごい余韻でした。
こういうラスト、大好きです。

『サクラ』
ド庶民受けのおうちに貧乏生活のお勉強しにやってきた大金持ちで世間知らずの攻め。
設定がいろいろとベタですが、川唯東子さんのふわふわ優しい個性が加わってて、とても面白かったです。

2

ただの好奇心ではなくて…。

川唯さんの読み切り集。

「ボンズ」
お互いに彼女もいるのに酔った勢いで友人の男とヤってしまった受。
一夜限りで終わるかに見えたその関係は「好奇心」の方が勝っていたのか続いていくことに。
ただ2人で欲望に忠実に快楽を求めるだけの関係だったはずが、フトしたことで自分の本当の感情に気付いてしまう受。
どう接していいかわからなくなって音信不通に。

気持ちよりも先に身体で繋がってしまった2人のお話。
お互い彼女もいるけど抱き合ってたりして、その感情に名前はつけないままに続いた関係は徐々に言葉にしないまでもほかのものとの優先順位が変わっていくのが見てとれて。
好奇心の延長で互いにピアシングまでして…。
けれど、その時は受の方が気付いた感情にテンパって。
攻の方も無理に追いかけるところまではどうやらできなくて(電話とかはしてたけども)
それが2年後に再会して、ようやくお互いの素直な気持ちを伝えられるようになってよかったなぁ。

「シチュエイション」
幼馴染の2人。
幼稚園の頃から互いに好きなのに、それを口にした時の周囲の様子や言葉に男同士では結婚はできないんだと自分を戒めてしまった攻。
受が別の男と付き合ったり、トンチキな悩み相談に答えたりして…。

互いにホントの気持ちを隠したままの付き合い。
何もしらないふりで甘えたり。
受の悩みがホント、トンチキでちょっと耐えてる攻が不憫にも思えたり(皮がむけないだの、むいてだの…)

「綺譚庭園」
花大好き青年×花の精のファンタジーです。
バラの王子がずっと世話してくれている青年に憧れて魔法で花の咲いている季節の間だけ人間として青年と暮すお話。
メインの2人よりも私はむしろ王子の従者が気になりました。

「サクラ」
会社命令で社長の孫と1カ月暮らさなくてはいけなくなった受。
最初は何も出来ないお坊っちゃまに戸惑いつつも、少しずつ変わっていく姿に心が動いて…。
なんか爽やかというかどこか青春ちっくな終わり方でした。

2

せつなさと共に…ほんわり温かさも運んできてくれる…

表題作の「ボンズ」の他に、3作品入った短編集。

川唯先生の作品は、いつも『せつなさ』が心にしみてくる作品ばかり。
でも、せつなさやイタイお話の中でも、登場人物にとっての『幸せ』は何か…
きちんと描いてくれているから、読んでいても、全く悲痛感は感じません。
とても、心情面を丁寧に…
シリアスであったり、コミカルであったり、多様に扱われる方なので凄いんですよね‼
今回も、イタイんだけど、最後はジーンと感動的なお話ばかりで、読後感も、非常に心地よかったです。

『ボンズ』
敬太 × トモ の大学の同級生もの。
ある夏の日…
ふとしたはずみで体の関係をもってしまった2人。
親友同士で彼女もいて…
一度だけだと、2人だけの墓場までの秘密だったのに…
未知の快楽に嵌って、どんどん、その『快楽』への深みに堕ちていきます。
2人で試したいと思いつくものは、やり尽くそうとするんです。
ピアシング行為にまで至ったときには、大丈夫かなあと思ってしまうくらい…完全に2人の世界‼

そんなモラトリアムの恋は、トモの中で徐々にせつないものへと変わっていきます。
段々、遊びではなくなっていく自分の気持ちに気が付いてしまうトモ。
どうしていいか分からなくなり…堪らない気持ちになって、敬太の前から姿を消してしまいます。

そして時はたち、偶然、再会した二人。
あの暑い夏の日、2人で開けたピアスの痛みと、恋人同士のようなセックスをしようと笑いあった2人の気持ち…
あれは何だったのか…
改めて気づかされる2人。

とても短いお話なのに、読後は感動で、とても素敵なお話でした。
短いながらも、心の痛みやせつない気持ち、愛おしさ…
色んな感情がぎゅっと詰め込まれていて…
読み手の心もグッと掴まれてしまいました。
川唯先生らしい、素晴らしいお話でした。
短編集の中では一番萌で好きです♡

『シチュエイション』
庸 × 暁 の高校生同士&幼馴染みのもの。
幼稚園の時、先生に言われた
「男は女を好きにならなきゃいけない」という言葉に縛られ続けてきた庸。
暁に冷たくして、いっそ嫌われて、恋を終わらそうとするんだけれど、暁は何かと絡んできて…
そして…⁉

王道展開な、幼馴染みもので、モラルにがんじがらめにされて、我慢しようと格闘する攻。
もう萌でした。
逆に、おバカであっけらかんとした暁が、悩んでるんだけど、一人平和そうで、空回りしているのが可笑しくて、可愛くみえます。

『綺譚庭園』
大地 × フィオナ王子。
これはファンタジー系です。
報われない悲しい恋なんだけど…優しい気持ちになるお話できた。
もう少し幸せな終わり方はなかったのかなあ〜と思えたりもするんですけど。
川唯先生が描かれると、愛が感じられちゃうから、納得しちゃうんですよね(笑)

『サクラ』
優一 × 蓮 。
しがない貧乏サラリーマンが会社の命により、会長の孫を一ヶ月預かることに。
今まで、生きてきた世界が全く違う二人が、恋に堕ちていくお話。
お迎えがきたらどうなるのかな?
と思ったんですけど…意外に爽やかな最後でした。

どのお話も心温まる作品ばかりでした。
古い作品なので、若干絵のタッチも今とは違いますけど、楽しめる短編集なのでオススメです。

2

痛かったり切なかったり

4つの短編が収録された1冊。
最初から結構パンチの効いた作品が来るので、ある程度心の準備が必要かと思います。

【bond(z)】 萌
「好奇心は猫をも殺す」と言いますが、9つ命があると言われる猫ですら、そのすべての命を失ってしまうほど過ぎた好奇心というものは危険なもの。
1つしか命のない(猫も本来1つですが)人間が過剰な好奇心を持ったら…という話。
お互いに彼女がいるトモと敬太。
単なる好奇心で重ねた体が渇いて、渇きを満たすかのように行為はエスカレートして、ついにボディピアスまで辿り着きますよ。
ムスコさん的存在にピアスをさせるって、何て独占欲?と思うのに、気付かないのは本人たちばかり。いや、もしかして敬太は気付いてたのかな、と思ったり。
結構ヘヴィーな話でした。

【シチュエイション】 萌
幼稚園の先生に言われたひとことに縛られている庸(よう)と、隣に住む幼馴染の暁。
ゲイであることを隠さない、奔放な暁に手を焼く庸の本心は…という話。
暁のトンチキな相談が全部、庸の気を引くための嘘でしたーという種明かしがあるかと思いきや…、なかった。

【綺譚庭園】 萌
魔女の手で人間に変えられた薔薇と人間のラブストーリー。
切ない。タイムリープものに通じる切なさです。
そこにいるけど、二度と会えないっていう設定は、切なくなり過ぎて、読み終わった後もいろいろ考え過ぎてしまっていかんです。

【サクラ】 萌2
川唯さん版『ローマの休日』。
庶民の生活を学ばせるべく、社長令息と1ヶ月暮らすことになったリーマンの綾辻。
18才という年齢にしては幼くて世間知らずな蓮の、これまた18才という年齢にそぐわないビジネスの場での堂々とした姿。でも強がる反面、弱い部分もあって、そんなところを間近で見せられたら絆されてしまうでしょう!
最後の夜の描写が切なくて切なくて。
ラストの展開は、この後どう転ぶのか全く分からないものでしたが、あの「最後の夜」だけで萌2級の価値があります。

暗い作品はないけれど、出だしからかなり息苦しさを感じる重さがあります。
ラストでちょっと気持ちを軽くしてもらえるのが救い。

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